2017年01月06日
匿名性の高いZcashに関する記事
Bitcoin(ビットコイン)をはじめとする、仮想通貨の認知度がここ数年で一気に高まっている。2017年には改正資金決済法が施行され、仮想通貨についても法律で規定されることになった。その結果、仮想通貨の取引所は法的根拠を持つ一方で、規制の対象にも組み入れられた。
仮想通貨への社会的な認知の高まりと並行して、新たな仮想通貨も登場している。Bitcoinの他にも、Ripple(リップル)、Litecoin(ライトコイン)、MonaCoin(モナーコイン)、Ethereum(イーサリアム)など、多くの種類がある。
今回取り上げるのは、2016年10月28日にローンチされたZcash(ジーキャッシュ)だ。その新たな仮想通貨の特徴を解説する。
セキュリティが強化された “Zcash”
Bitcoinで採用されたブロックチェーン技術は、日本円などの従来の通貨に比べて高い匿名性を実現した。しかしBitcoinには「ビットコインアドレス」という、持ち主を区別するコードが個人に割り当てられていた。
つまり、現実の誰がそのBitcoinを所有しているのか特定できない一方で、誰かがそのBitcoinを持っていることまではわかるため、個別の取引情報を完全に秘匿することはできなかった。別の言い方をすれば、ブロックチェーン技術を利用する取引では、仮想通貨の所有事実を証明する固有の文字列を使って情報のやりとりを行い取引履歴は公開されるため、いかなる情報も完全に公開されないわけではなかった。
そこで登場するのが、Zcashだ。
Zcashは、取引追跡ができない完璧なプライバシー保護を謳う仮想通貨で、以前はZerocashとも呼ばれていた。10月末に登場したこの新たな仮想通貨は、Bitcoinのセキュリティ強化版だとも言えそうだ。
Zcashの比較的に優れた匿名性は、「ゼロ知識証明」という技術によって支えられている。ゼロ知識証明とは、ある命題が正しいことを証明する場合、相手に「その命題は正しい」ということ以外は何も伝えずに示す方法である。これによりZcashは、仮想通貨の量を外部に秘匿した状態で決済できるのだ。
Zcashのローンチ後、最新の反応は?
Zcashのローンチに対して、日本国内ではまだ目立った反応は少ない。しかし、海外では一部の大手メディアが取り上げるなど、Zcashが注目を集めているようだ。そこでも、Zcashの高いプライバシー保護の特徴が目立っている。
米ニューヨークタイムズ紙の「Zcash, a Harder-to-Trace Virtual Currency, Generates Price Frenzy」や、英タイム紙「Zcash takes on bitcoin by offering total anonymity」は、追跡の難しさや、匿名性の確保といった文言で見出しを飾りながら、新たな仮想通貨の登場を報じた。
Zcashは、Poloniex、Kraken、Coincheckなどに上場している。Poloniexでは、初日に1ZEC/3,299 BTC(約2.4億円)の高値をつけた。Zcashはローンチ前に先行取引(When Issued Trading)が行われていたため、先立ってZcashを手に入れローンチ直後に売り抜けた人は、利益を得ているだろう。
しかしその後は、一気に値を下げ11月4日頃には1ZEC/1.0〜2.0BTC程度で取引されている。まだ取引開始から間もないこともあり出来高は日によって差が大きく、11月4日までは399.1714〜2542.922ZECで推移している。
Poloniex の11月4日14:30頃の24時間取引量はZEC/USDTが約10万USDTであるのに対し、BTC/USDTは約150万USDTである。
ZcashがBitcoin並みに流通するには、暫く時間を要しそうだ。(提供:Innovation Hub)
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/5793525
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック