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2015年10月16日

束の間の楽観的な日々

入院してから間もなく、旦那は更に良い病院を探したほうが良いのではないかと提案してきた。
稀な病気であったし私の身を案じてのことだ。
100万人に1.4人の割合ということは、現在の日本で100人少ししか患者がいないことになる。
私が入院した病院でも、私が初のインスリノーマの患者だが、他の病院でも50歩100歩なのではないか?
治療方法は腫瘍の切除だ。膵臓というデリケートな内臓にあるとはいえ、手術的には生命にかかわるような危ない手術ではないと医師に聞いた。

糖尿病・内分泌内科の検査入院時の医師は管理職の方で、私には別の若い担当医師がついた。
その医師はとても研究熱心で寡黙な男前だった。話が逸れるが、その医師を入院時は男前だと感じたことが無く、手術後にすごく男前だと感じた。心の余裕が無かったせいか、それとも判断能力が落ちていたのだろうか。担当医師に悪性も稀にあると説明を受けたが、「まぁ、大丈夫でしょう」と楽観的に言ってくれた。
医師の何気ないポジティブな言葉は嬉しいものだ。

看護師さん達もみんな明るく優しい方だった。病院の食事は手術前は普通食で美味しかった。
院内や個室も綺麗で明るく病院にしては居心地が良い。私はこの病院で手術を受けると旦那に言った。
一番の決め手は、膵臓にできた腫瘍が日に日に威力を増していた。時間の余裕がないと直観した。
とにかく私は早く切除を望んだ。担当医師も私が早く手術できるように検査を急ぐように努力してくれた。
手術までの間は発作があると嫌なので同じ個室に続けて入ることにした。
会社から申し込んだ入院保険に入っていたので、個室代の負担も気にならなかった。
健康な時は無駄に感じた保険の支払いが、病気になるとその価値を痛いほど感じるものだ。

定例の検査は、血圧と朝昼晩の食事前に3回血糖値測定。指先に小さな針で穴を開け、血液を出して図る。
最初は嫌だったが、次第に慣れた。
看護師が血糖値を測る毎に「大丈夫ですか?」と心配そうに私の顔を覗きこんだ。食事前は血糖値は30〜40ml/dl代をウロウロする。私は普通に話もできたが通常では倒れる値だ。40ml/dl以下の時も増えてきた。
食事までに甘い飴やお菓子を食べるように言われ、毎日飴を口にした。元々甘いものが好きな私には嫌なことではなかった。
私は病院の売店に行き、自分好みの飴や飲み物を大量に購入した。

この頃、会社の後輩達が早々に見舞いに訪ねてきてくれた。ベッドが無くマットレスだけの個室は少し奇妙だったようだが、元気な私の様子を見て病人に思えないと言ってくれた。後輩は子連れだったので、私の大量の飴やお菓子をあげてマットレスの上で一緒に遊び、束の間の楽しい時間を過ごした。

手術前の検査は、インスリノーマが確定であるか調べる。脳、甲状腺などにもよく似た症状になる病気があるらしい。脳はMRIや甲状腺はエコー等をした。この辺の検査は横たわっているだけで楽な検査だ。
また、膵臓以外の他の内臓も悪い箇所があるなら、同時に手術するという。胃腸もそうだ。
(しかし乳房、子宮の異常があった場合は別の機会に手術になるという。)
疲れる胃カメラや大腸検査、インスリノーマを確定するためにカテーテルの検査も後に控えていた。
その前に事件が起きた。
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