専業主婦の1日の過ごし方

湊かなえさんの小説　
「ポイズンドーター・ホーリーマザー」

ポイズンドーター・ホーリーマザーの
ネタバレと感想。　
ネタバレありなのでご注意下さい。

ポイズンドーター・ホーリーマザー [ 湊かなえ ] 価格：1512円（税込、送料無料)

１マイディアレスト

【妊婦の妹が殺される事件。
語り手は姉。

姉妹の話。姉は妹に嫉妬しています。
妹は、母から可愛がられていた。妹が結婚して
里帰り出産で実家に戻ってきた。
妹は出産を控えている幸せな妊婦さん。

姉は、独身で実家暮らし。恋愛とは無縁なタイプ。
寂しいのでねこを飼っていた。ねこの蚤取りが趣味で、
蚤取りに快感を覚えていた。

姉は、妹の事件について警察に問われると、
「蚤取りをしていました」と答える。

「卵でお腹をパンパンに膨らませた蚤は、つぶした瞬間
プチンと腹がはじける音まで聞こえてくるのが
心地よかった。腹をつぶしたからといって満足してはならない
頭をプチン　とどめを刺す。」】

お腹をパンパンに膨らませた蚤=妹なのです

何度事件のことを聞かれても、姉の答えは同じ。
「蚤取りをしていました」
背中がぞくぞくしました。怖かったです。

2.ベストフレンド

【毎朝テレビ脚本新人賞に応募した「漣　涼香」
「漣　涼香」の作品は、優秀賞に選ばれるのだが、

優秀賞よりも上の賞、最優秀賞に選ばれた
「大豆田　薫子」に「漣　涼香」は嫉妬心を抱く。

「大豆田　薫子」を妬み恨んだ
「漣　涼香」の犯行かと思わせておいて、
実は、本当に「大豆田　薫子」を妬み恨んでいた人物は
全然違う人だったという結末です】

「大豆田　薫子」を妬んでいると思っていた、
「漣　涼香」が「大豆田　薫子」のことを、
親友だと思っていた、ということが
分かる最後の言葉は、とても切なかったです

３罪深き女

【事件を起こして現行犯逮捕された黒田容疑者。

黒田容疑者のことを子どもの頃から、
よく知っているという
女性、天野幸奈が、黒田容疑者のこと
、黒田容疑者の母親のこと
自分との関係について語る。

そして、すべての罪は私のせい。
私が悪い。私を罰してくれとまで言うのだが、、。

黒田容疑者に天野幸奈という女性について訊ねたら、
「誰、それ？」・・・・・。

天野幸奈と天野幸奈の母は、
思い込みや勘違いが激しい親子だった。

そこに全く悪意はない、、、。小さい頃の黒田のこと、
母親のことも全部誤解、、、。
全く気づかず、良かれと思って世話を焼いたことも、
結果、黒田にとっては、不運につながる】

相手が自分のことをどう思ってるかなんて
気にしてもしょうがない。

そんなこと相手に本音を聞いてみなきゃ
わかんない。良かれと思って世話を焼いたことも
相手にとっては全く無意味。

「いらないお世話」なんてことも
よくある話。

思い込み、勘違いってほんと怖いですねぇ〜
相手と会話して、意見聞いたり、話聞いたり
やり取り（コミュニケーション）することって
大切なことなんでしょうね。

親子関係も友達関係でも同じことが言えますね。
コミュニケーションは大事！！思い込みは捨てて
人の話はちゃんと聞いて受け入れる努力をしよう。

４.優しい人

【明日実は、幼い頃から母親に、
「人には優しくしなさい」
と言われ続け、優しい子になるようにー。
と育てられる。

しかし明日実の優しさは、我慢と犠牲から成り立つ
優しさに似たものでしかなく、我慢の限界がくれば、
結局相手を傷付けてしまうことになる。

そんな明日実は、優しい人と言われることに
不快感を覚え、自分にどんどん自信を失くしていく。

しかし、大人になった明日実は、
信頼できる大好きな彼氏ができる。
これからは、本当に人に優しくできる人間になれる。

もう、優しさに似た行為で、人を深く傷つけるような
失敗はしない、と自信を取り戻していた矢先、
事件を起こしてしまう。

起こした事件は殺人。。。。。。
殺した男は、親や教師、友人から優しい人
と言われていた人物。

しかしこの男は
明日実の彼氏に陰で嫌がらせをするような男。
明日実の幼い頃の記憶がよみがえった時。
明日実の我慢の限界がくる。。。。。】

優しい人　優しい子　優しいって何だろう？
と考えさせられます。

小説の最後の言葉

「あなたは優しい人じゃないー。でもそれは
決して悪いことじゃない。」

この言葉がすごく心に響きました。

5 ポインズンドーター　ホーリーマザー

ポイズンドーター・ホーリーマザー
１つの話でつながっていますが、
2部構成になっています。

ポイズンドーター

娘（藤吉弓香）の視点で母親に対する思いが
書かれています。

藤吉弓香は、原因不明だった頭痛の原因が、
自分の母親であるという事に
中学２年生の時に気付く。

藤吉弓香の母親は「毒親」
「毒親」とは、子どもを支配する母親。

中学２年生の時、少し違うタイプの毒親を持つ
娘、野上理穂と知り合い親友になる。

大人になった野上理穂は、結婚して娘を持つ
母親になる。

一方、藤吉弓香は女優になり、芸能会で活躍する
「毒親」をテーマにしたトーク番組への依頼を受ける。

藤吉弓香の母親は交通事故で死亡する。

しかしネットでは、弓香がテレビ番組で公表した
毒親のエピソードとそれにまつわる本の出版の
ショックによる自殺ではないかと騒がれる。

ホーリーマザー

【藤吉弓香の母親,藤吉佳香の親友が、
佳香さんについて、母親の立場から思いを語る。
佳香さんは毒親ではない！！

一方的に悪者扱いされて死んでしまった友人の
無実の罪を晴らしたいという思いから、
抗議文　手記のようなものを書く。

佳香さんの親友は、藤吉弓香の親友、
野上理穂の義母。野上理穂は、藤吉弓香を
親友だと思ったことは１度もない。

理穂は弓香の母に対して悪い印象は持っていない。
野上理穂は、母親になり、
母親の気持ちがわかるようになった。

義母との関係が良くなるチャンスだと思い、
義母が書いた手記を
週刊誌に売った。

野上理穂は、藤吉弓香に
「週刊誌に私を売った犯人は誰？」
と相談を持ちかけられる。

理穂は「それはわからない」と知らないふりをする。
理穂は弓香に、弓香の母親は毒親では
ない！ということを必死で伝えようよとする。

でも上手く伝えられない。最後に理穂が
弓香に放った言葉は、
「娘が、、、志及があんたのような
毒娘にならないように育てる」】

母と娘の関係について深く考えさせられる内容でした。
結婚して娘を卒業して母親になる。
まさに私もいまこの境地にいるので、理穂の
揺さぶられる感情がすごく良く伝わってきました。

湊かなえ最新情報　２０１６

湊かなえ原作 『山女日記』ドラマ化　

プレミアムドラマ「山女日記」
〜女たちは頂きを目指して〜

【放送予定】
11月6日（日）放送スタート！
［BSプレミアム］後10:00〜10:49（全７回）

湊かなえ　ドラマ

※テレビ東京　ドラマスペシャル 湊かなえサスペンス『望郷』9月28日（水）夜9時
湊かなえ　映画

※10月8日公開　『少女』　主演　本田翼、山本美月。
映画　少女を見た感想

湊かなえさんの小説
これまで読んだ１８冊の作品を紹介。

告白　感想

少女　感想

贖罪　感想

Nのために　感想

夜行観覧車　感想

往復書簡　　感想

花の鎖　　感想

境遇　感想

白ゆき姫殺人事件　感想

母性　感想

望郷　感想

高校入試　感想

豆の上で眠る　感想

リバース　感想

山女日記　感想

ユートピア　感想

サファイア　感想

まだ読んでいない作品が３冊あります。

城崎へかえる　城崎温泉限定販売

物語のおわり　絶唱