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2016年07月28日
再生不良性貧血の重症度分類
stage 1 軽症
下記以外
stage 2 中等症
以下の2項目以上を満たす
網赤血球 60,000/μl未満
好中球 1,000/μl未満
血小板 50,000/μl未満
stage 3 やや重症 以下の2項目以上を満たし、定期的な赤血球輸血を必要とする
網赤血球 60,000/μl未満
好中球 1,000/μl未満
血小板 50,000/μl未満
stage 4 重症 以下の2項目以上を満たす
網赤血球 20,000/μl未満
好中球 500/μl未満
血小板 20,000/μl未満
stage 5 最重症 好中球 200/μl未満に加えて、以下の1項目以上を満たす
網赤血球 20,000/μl未満
血小板 20,000/μl未満
厚生労働省研究班から出ています。
治療方針は年齢とドナーの有無によって大きく方向性が変わるようですが、ここでは割愛。
最近のTpoics
以前はstage1.2あたりは経過観察とされていました。しかし、そのような患者さんはやがてはstage3以上に進行し、さらにそうなった場合に免疫調節薬があまり奏功しにくいようです。
最近ではstage1.2でも免疫学的機序による再生不良性貧血が疑われる場合は早期に免疫調節薬による治療介入を行います。
免疫学的機序を疑う所見としてはPNH血球(CD55,59陰性血球)が有名です。
下記以外
stage 2 中等症
以下の2項目以上を満たす
網赤血球 60,000/μl未満
好中球 1,000/μl未満
血小板 50,000/μl未満
stage 3 やや重症 以下の2項目以上を満たし、定期的な赤血球輸血を必要とする
網赤血球 60,000/μl未満
好中球 1,000/μl未満
血小板 50,000/μl未満
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血小板 20,000/μl未満
厚生労働省研究班から出ています。
治療方針は年齢とドナーの有無によって大きく方向性が変わるようですが、ここでは割愛。
最近のTpoics
以前はstage1.2あたりは経過観察とされていました。しかし、そのような患者さんはやがてはstage3以上に進行し、さらにそうなった場合に免疫調節薬があまり奏功しにくいようです。
最近ではstage1.2でも免疫学的機序による再生不良性貧血が疑われる場合は早期に免疫調節薬による治療介入を行います。
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2016年07月21日
Child-Pugh分類
Child-Pugh分類は学生にとってはその項目は暗記必須です。非常に苦労しました。簡単な語呂合わせがあります。
「ビア腹のPT」・・・(ビール腹の理学療法士)
具体的には
ビリルビン、アルブミン、腹水、脳症、PT活性
左から1点、2点、3点となります
○血清ビリルビン値 2.0未満 2.0〜3.0 3.0超
○アルブミン値 3.5超 2.8〜3.5 2.8未満
○腹水 ない 少量 中等量
○脳症 ない 軽度 時々昏睡
○PT活性 70超 40〜70 40未満
それぞれの項目を加算して
A 5〜6点
B 7〜9点
C 10〜15点
となります。
「ビア腹のPT」・・・(ビール腹の理学療法士)
具体的には
ビリルビン、アルブミン、腹水、脳症、PT活性
左から1点、2点、3点となります
○血清ビリルビン値 2.0未満 2.0〜3.0 3.0超
○アルブミン値 3.5超 2.8〜3.5 2.8未満
○腹水 ない 少量 中等量
○脳症 ない 軽度 時々昏睡
○PT活性 70超 40〜70 40未満
それぞれの項目を加算して
A 5〜6点
B 7〜9点
C 10〜15点
となります。
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2016年07月15日
インフルエンザ患者への対応
2015年度はインフルエンザの流行開始がかなり遅く、うちの病院では12月にちらほら、1月もぽつぽると来て、2月くらいからどっと来るようになりました。その分、収束?終息?も遅く6月まで患者さんがちらほら来ていました。
インフルエンザは迅速キットで15分足らずで診断が付きますが、感度100%のテストではないため状況証拠からインフルと診断して介入することもあります。
ここでは対応の仕方についてまとめてみます。
○これは、病院によって違うと思いますが・・・
原則、インフルエンザの患者さんは帰宅してもらう
非常に冷たく思われるかもしれませんが、
・特効薬があること
・周りに感染させる可能性があること
・うちの病院は充分な数の個室がないこと
などから、よほど全身状態の悪い方以外は帰宅していただいていました。
○薬剤の使い分けについて
・当院の当直は小児科も常駐しており、子供を見る機会はなかったのですが、10代の人にはタミフルは出さないようにしておりました。異常行動についてはいろいろと意見があると思いますが、他に選択肢があるのであれば無理に使うようなことはしませんでした。
・学生、社会人など忙しそうな人には1回吸入で済み、飲み忘れ、吸い忘れのないイナビルを出していました
・全身状態が悪く、内服も吸入も難しそうな人にはラピアクタ点滴
・上の二つに該当しない人にはタミフル
・そして、解熱薬はReye症候群が怖いので、全例、カロナール(200)2T 発熱時頓用
として、帰宅としておりました。
インフルエンザは迅速キットで15分足らずで診断が付きますが、感度100%のテストではないため状況証拠からインフルと診断して介入することもあります。
ここでは対応の仕方についてまとめてみます。
○これは、病院によって違うと思いますが・・・
原則、インフルエンザの患者さんは帰宅してもらう
非常に冷たく思われるかもしれませんが、
・特効薬があること
・周りに感染させる可能性があること
・うちの病院は充分な数の個室がないこと
などから、よほど全身状態の悪い方以外は帰宅していただいていました。
○薬剤の使い分けについて
・当院の当直は小児科も常駐しており、子供を見る機会はなかったのですが、10代の人にはタミフルは出さないようにしておりました。異常行動についてはいろいろと意見があると思いますが、他に選択肢があるのであれば無理に使うようなことはしませんでした。
・学生、社会人など忙しそうな人には1回吸入で済み、飲み忘れ、吸い忘れのないイナビルを出していました
・全身状態が悪く、内服も吸入も難しそうな人にはラピアクタ点滴
・上の二つに該当しない人にはタミフル
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輸血時副作用の対応:蕁麻疹
圧倒的に血液製剤の使用量が多い血液内科。使用回数が多くなればそれに比例して副作用の出現回数も多くなります。
学生時代に習った輸血の副作用として、異形輸血やTRALIのような重篤なものがありますが、日常臨床では皮疹、かゆみ、蕁麻疹といった訴えで対処を求められることがあります。ここではその対処法の1つを記載します。
これはあくまでも指導医の先生に習った方法と自分の経験からこのようにしているというものを紹介するだけですので、各施設のマニュアルや各病棟でのやり方とは違う可能性も大いにあります。
蕁麻疹の発現は血小板製剤が最も多く、赤血球製剤は少ない印象があります。
かゆみなどの副作用が出現したとき、まずはバイタルチェック、身体診察。
重篤な問題がなければ以下のように薬剤を使い分けています。
○症状出現時・・・ポララミン 5 mg iv:第1世代の抗ヒスタミン薬であり作用発現までの時間が比較的早いことからまず使用する。ただし、効果が切れるのも比較的早い
○ポララミンを使用しても症状が持続する場合・・・サクシゾン 100 mg iv:作用発現までの時間はポララミンに比べれば遅いが、持続時間が長いため、ポララミンだけでは効果が弱い場合に重ねて使用する。
○一度蕁麻疹などが出現した患者さん・・・次回から、輸血開始30分前にオロバタジンを内服→それでも症状出現した場合上記の薬剤を点滴する。
今のところ、このような使い分けで大きな問題になったことはありません。
個人的には、その他の薬剤の使用や使い分けの方法などがあったら是非教えていただきたいです。
学生時代に習った輸血の副作用として、異形輸血やTRALIのような重篤なものがありますが、日常臨床では皮疹、かゆみ、蕁麻疹といった訴えで対処を求められることがあります。ここではその対処法の1つを記載します。
これはあくまでも指導医の先生に習った方法と自分の経験からこのようにしているというものを紹介するだけですので、各施設のマニュアルや各病棟でのやり方とは違う可能性も大いにあります。
蕁麻疹の発現は血小板製剤が最も多く、赤血球製剤は少ない印象があります。
かゆみなどの副作用が出現したとき、まずはバイタルチェック、身体診察。
重篤な問題がなければ以下のように薬剤を使い分けています。
○症状出現時・・・ポララミン 5 mg iv:第1世代の抗ヒスタミン薬であり作用発現までの時間が比較的早いことからまず使用する。ただし、効果が切れるのも比較的早い
○ポララミンを使用しても症状が持続する場合・・・サクシゾン 100 mg iv:作用発現までの時間はポララミンに比べれば遅いが、持続時間が長いため、ポララミンだけでは効果が弱い場合に重ねて使用する。
○一度蕁麻疹などが出現した患者さん・・・次回から、輸血開始30分前にオロバタジンを内服→それでも症状出現した場合上記の薬剤を点滴する。
今のところ、このような使い分けで大きな問題になったことはありません。
個人的には、その他の薬剤の使用や使い分けの方法などがあったら是非教えていただきたいです。
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2016年07月14日
リウマチ性多発筋痛症
学生時代ちらっと名前の聞いたことのあるこの病気、初めて担当医としてみることになりました。
なのでまとめてみようと思います。
リウマチ性多発筋痛症(polymyalgia rheumatica:PMR)はほかに原因のない肩、腰周囲の筋肉痛をきたす病気でCRP高値、赤沈亢進などの炎症を認める。特異的な所見はなく、関節リウマチなどの他の膠原病や感染症などを否定しながら総合的に行う。
原因不明。リウマトイド因子、抗CCP抗体も陰性である。
PMRの肩、上腕、大腿部の痛みは筋痛、滑液包炎、滑膜炎から起こる。
PMRの全身症状として、微熱、食欲不振、体重減少、全身倦怠感、抑うつ症状がみられる。
筋症状は、両側の肩、頸部、腰、臀部、大腿などに疼痛とこわばりが出るが筋力低下はない。
診断基準Birdらの基準
1 両側の肩の痛みまたはこわばり感
2 発症2週間以内に症状が完成する
3 発症後初めての赤沈値40mm/hr以上
4 1時間以上続く朝のこわばり
5 65歳以上発症
6 抑うつ症状もしくは体重減少
7 両側上腕の筋の圧痛
の7項目のうち3項目を満たすもの、または1項目以上を満たし臨床的あるいは病理的に側頭動脈炎を認めるもの
本邦PMR研究会診断基準では
1 赤沈の亢進40mm/hr以上
2 両側大腿部筋痛
3 食欲減退、体重減少
4 37度以上の発熱
5 全身倦怠感
6 朝のこわばり
7 両側上腕部筋痛
のうち60歳以上で3項目以上で確定診断。
治療はPSL 10-15 mg/dayが著効するが慎重に減量しないと再発しやすい
側頭動脈炎を合併している場合失明の危険もあり注意が必要である。
なのでまとめてみようと思います。
リウマチ性多発筋痛症(polymyalgia rheumatica:PMR)はほかに原因のない肩、腰周囲の筋肉痛をきたす病気でCRP高値、赤沈亢進などの炎症を認める。特異的な所見はなく、関節リウマチなどの他の膠原病や感染症などを否定しながら総合的に行う。
原因不明。リウマトイド因子、抗CCP抗体も陰性である。
PMRの肩、上腕、大腿部の痛みは筋痛、滑液包炎、滑膜炎から起こる。
PMRの全身症状として、微熱、食欲不振、体重減少、全身倦怠感、抑うつ症状がみられる。
筋症状は、両側の肩、頸部、腰、臀部、大腿などに疼痛とこわばりが出るが筋力低下はない。
診断基準Birdらの基準
1 両側の肩の痛みまたはこわばり感
2 発症2週間以内に症状が完成する
3 発症後初めての赤沈値40mm/hr以上
4 1時間以上続く朝のこわばり
5 65歳以上発症
6 抑うつ症状もしくは体重減少
7 両側上腕の筋の圧痛
の7項目のうち3項目を満たすもの、または1項目以上を満たし臨床的あるいは病理的に側頭動脈炎を認めるもの
本邦PMR研究会診断基準では
1 赤沈の亢進40mm/hr以上
2 両側大腿部筋痛
3 食欲減退、体重減少
4 37度以上の発熱
5 全身倦怠感
6 朝のこわばり
7 両側上腕部筋痛
のうち60歳以上で3項目以上で確定診断。
治療はPSL 10-15 mg/dayが著効するが慎重に減量しないと再発しやすい
側頭動脈炎を合併している場合失明の危険もあり注意が必要である。
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2016年07月09日
NSAIDs潰瘍の予防
NSAIDs使用時には合わせて胃薬も処方というのは学生でも知っているみたい。
アメリカ消化器秒学会が出したNSAIDs潰瘍合併症予防ガイドラインから引用
NSAIDs潰瘍のリスク分類
○highリスク
・出血潰瘍の既往
・3個以上のmoderateのリスクファクター
○moderateリスク(1〜2個)
・65歳以上
・高用量のNSAIDs
・出血をともなわない潰瘍の既往
・アスピリン・抗凝固薬・ステロイドを併用
○lowリスク
リスクファクターなし
このリスク分類とさらに心血管リスクがlowかhighかで薬剤を使い分ける
○心血管リスクlow
・low:NSAIDs単独
・moderate:NSAIDs+PPI/ミソプロストール
・high:代替療法を推奨 COX-2選択的阻害薬+PPI/ミソプロストール
○心血管リスクhigh
・low:ナプロキセン+PPI/ミソプロストール
・moderate:ナプロキセン+PPI/ミソプロストール
・代替療法:NSAIDs/COX-2選択的阻害薬を避ける
ミソプロストール:プロスタグランジン製剤 サイトテック
COX-2選択的阻害薬は非選択的阻害薬のNSAIDsと比較して心血管ベントが2.38倍に増加したとの報告があるようです。 N Engl J Med, 343 : 1520-1528, 2000
何気なく処方していた解熱鎮痛薬と胃薬ですがこれまた奥が深い!!
アメリカ消化器秒学会が出したNSAIDs潰瘍合併症予防ガイドラインから引用
NSAIDs潰瘍のリスク分類
○highリスク
・出血潰瘍の既往
・3個以上のmoderateのリスクファクター
○moderateリスク(1〜2個)
・65歳以上
・高用量のNSAIDs
・出血をともなわない潰瘍の既往
・アスピリン・抗凝固薬・ステロイドを併用
○lowリスク
リスクファクターなし
このリスク分類とさらに心血管リスクがlowかhighかで薬剤を使い分ける
○心血管リスクlow
・low:NSAIDs単独
・moderate:NSAIDs+PPI/ミソプロストール
・high:代替療法を推奨 COX-2選択的阻害薬+PPI/ミソプロストール
○心血管リスクhigh
・low:ナプロキセン+PPI/ミソプロストール
・moderate:ナプロキセン+PPI/ミソプロストール
・代替療法:NSAIDs/COX-2選択的阻害薬を避ける
ミソプロストール:プロスタグランジン製剤 サイトテック
COX-2選択的阻害薬は非選択的阻害薬のNSAIDsと比較して心血管ベントが2.38倍に増加したとの報告があるようです。 N Engl J Med, 343 : 1520-1528, 2000
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潰瘍と胃薬
今回はストレス潰瘍、NSAIDs潰瘍予防のための胃薬の考え方です。
まずはストレス潰瘍について
ストレス潰瘍予防ガイドラインより
胃薬の適応について
○絶対適応(1つ以上満たす場合)
・凝固障害(血小板5万以下、PT-INR 1.5以上、APTT 2秒以上の延長)
・挿管が48時間を超える
・1年以内の上部消化管潰瘍・出血既往
・外傷性脳挫傷、外傷性脊髄損傷、熱傷
○相対適応(2つ以上を満たす)
・敗血症
・1週間以上のICU入院
・潜在的な消化管出血が6日間以上
・ステロイド療法(1日250mg以上のヒドロコルチゾン)
○敗血症患者へのストレス潰瘍予防の推奨
・危険因子のない患者には予防投与は行うべきではない(2B)
・出血リスクの高い重症敗血症(性ショック)の患者にはストレス潰瘍の予防を推奨する(1B)
・予防にはH2受容体拮抗薬よりもPPIの方が望ましい(2C)
豆知識として
・PPI、H2受容体拮抗薬は誤嚥性肺炎のリスクを高める
・PPIでClostridium difficile腸炎のリスクが少し上がる
まずはストレス潰瘍について
ストレス潰瘍予防ガイドラインより
胃薬の適応について
○絶対適応(1つ以上満たす場合)
・凝固障害(血小板5万以下、PT-INR 1.5以上、APTT 2秒以上の延長)
・挿管が48時間を超える
・1年以内の上部消化管潰瘍・出血既往
・外傷性脳挫傷、外傷性脊髄損傷、熱傷
○相対適応(2つ以上を満たす)
・敗血症
・1週間以上のICU入院
・潜在的な消化管出血が6日間以上
・ステロイド療法(1日250mg以上のヒドロコルチゾン)
○敗血症患者へのストレス潰瘍予防の推奨
・危険因子のない患者には予防投与は行うべきではない(2B)
・出血リスクの高い重症敗血症(性ショック)の患者にはストレス潰瘍の予防を推奨する(1B)
・予防にはH2受容体拮抗薬よりもPPIの方が望ましい(2C)
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・PPI、H2受容体拮抗薬は誤嚥性肺炎のリスクを高める
・PPIでClostridium difficile腸炎のリスクが少し上がる
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カンジダに対する抗真菌薬の選択
意識障害患者への診察
これまでは丁寧な問診、診察の仕方について記載してきました。
実際救急や病院当直で困るのは意識障害の患者さんです。
病歴も取れない、所見も取りにくい。家族に話を聞いても、まともな情報は入ってこない。
そんなとき神経診察が役に立ちます
○眼位:共同偏視
・病側をにらむ共同偏視:テント上の障害
・患側をにらむ共同偏視:脳幹の障害
・上下への垂直共同偏視:視床・中脳の障害
○瞳孔径
・縮瞳:橋、オポオイド、コリン作動薬
・散瞳:中脳、抗コリン薬、三環系抗うつ薬、アンフェタミン
○瞳孔径の左右差
0.5mm以上で器質的な脳障害を示唆、1.0mm以上で強く示唆
○対光反射
障害時は器質的な脳障害を示唆
○うっ血乳頭
頭蓋内圧更新
○振りかざし試験
目の前に素早く手を持っていって瞬きがないのは異常。また視野の確認もできる
○角膜反射・睫毛反射
消失は脳幹の障害を示唆
○頭位変換眼球反射
消失は脳幹の障害を示唆
○催吐反射
消失は下部脳幹の障害を示唆
○肢位
・除皮質硬直:広範な大脳障害
・除脳硬直:脳幹の障害
○四肢トーヌス
・筋強剛(固縮):錐体外路の障害を示唆
・痙性:上位運動ニューロン障害
・弛緩性麻痺:下位運動ニューロン障害
○上肢落下試験・膝立試験・疼痛への顔面表情筋の動きや四肢の逃避
落下速度が速い側・反応が鈍い側の麻痺
○腱反射
・亢進:上位運動ニューロン障害を示唆
・低下:下位運動ニューロン障害を示唆
○病的反射(Babinski、Chaddock)
上位運動ニューロン障害を示唆
○項部硬直・Kernig徴候
髄膜の炎症を示唆
個人的にはこれらの神経診察は知識はもちろんのこと、いかに正確に素早く繰り出されるかの勝負だと思っています。
また、学生時代神経内科の教授に「どうすれば神経診察が上手くなるか」をお聞きしたとこがあります。
若いうちは出来うる限りの所見を取る→検査などで答え合わせ→今度は検査から診察所見の陽性・陰性を考え直して再度神経診察所見を取る。これを繰り返しなさいとのことでした。その教授も神経診察が大好きで自分の患者にはかなり丁寧に行っていましたし、毎年毎年自分の手技が上手くなっていくのがわかるとのことでした。
まずはどのような診察手技があるのか、その中でも特に重要な所見は、いかにもれなく素早く取るかなどを考えながら勉強、実践すると神経診察が楽しくなってきます。
実際救急や病院当直で困るのは意識障害の患者さんです。
病歴も取れない、所見も取りにくい。家族に話を聞いても、まともな情報は入ってこない。
そんなとき神経診察が役に立ちます
○眼位:共同偏視
・病側をにらむ共同偏視:テント上の障害
・患側をにらむ共同偏視:脳幹の障害
・上下への垂直共同偏視:視床・中脳の障害
○瞳孔径
・縮瞳:橋、オポオイド、コリン作動薬
・散瞳:中脳、抗コリン薬、三環系抗うつ薬、アンフェタミン
○瞳孔径の左右差
0.5mm以上で器質的な脳障害を示唆、1.0mm以上で強く示唆
○対光反射
障害時は器質的な脳障害を示唆
○うっ血乳頭
頭蓋内圧更新
○振りかざし試験
目の前に素早く手を持っていって瞬きがないのは異常。また視野の確認もできる
○角膜反射・睫毛反射
消失は脳幹の障害を示唆
○頭位変換眼球反射
消失は脳幹の障害を示唆
○催吐反射
消失は下部脳幹の障害を示唆
○肢位
・除皮質硬直:広範な大脳障害
・除脳硬直:脳幹の障害
○四肢トーヌス
・筋強剛(固縮):錐体外路の障害を示唆
・痙性:上位運動ニューロン障害
・弛緩性麻痺:下位運動ニューロン障害
○上肢落下試験・膝立試験・疼痛への顔面表情筋の動きや四肢の逃避
落下速度が速い側・反応が鈍い側の麻痺
○腱反射
・亢進:上位運動ニューロン障害を示唆
・低下:下位運動ニューロン障害を示唆
○病的反射(Babinski、Chaddock)
上位運動ニューロン障害を示唆
○項部硬直・Kernig徴候
髄膜の炎症を示唆
個人的にはこれらの神経診察は知識はもちろんのこと、いかに正確に素早く繰り出されるかの勝負だと思っています。
また、学生時代神経内科の教授に「どうすれば神経診察が上手くなるか」をお聞きしたとこがあります。
若いうちは出来うる限りの所見を取る→検査などで答え合わせ→今度は検査から診察所見の陽性・陰性を考え直して再度神経診察所見を取る。これを繰り返しなさいとのことでした。その教授も神経診察が大好きで自分の患者にはかなり丁寧に行っていましたし、毎年毎年自分の手技が上手くなっていくのがわかるとのことでした。
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そうだったのか腹部診察:腹膜刺激症状
腹痛の人に対して、なんとなく反跳痛やheel drop testをしていました。
そもそも腹膜刺激症状って、なんで腹膜に炎症が及んだときにそのような診察をするのかを考えたことがありませんでした。
そもそも腹膜は前面は腹壁・腹筋で覆われており、後面は腸腰筋で覆われています。上面の位置するのは横隔膜、下面には骨盤腔・直腸があります。
これがわかると診察の意義がみえてくる。
前面への炎症の波及を見るのがtapping painや反跳痛
後面への波及を見るのがpsoas sign
下面は直腸診を行うことで炎症の波及を見ることができる
上面は胸式呼吸をすることで炎症の波及を見ることができる
そして腹部全体への波及を見るのがheel dropとspeed dump。
またposts signや胸式呼吸、heel drop、speed bumpは診察室以外でも歩いたら痛い、呼吸をしたら痛い、来院中の車の振動が辛かったなどといった問診からもうかがい知ることができます。
身体診察は奥が深い!!
そもそも腹膜刺激症状って、なんで腹膜に炎症が及んだときにそのような診察をするのかを考えたことがありませんでした。
そもそも腹膜は前面は腹壁・腹筋で覆われており、後面は腸腰筋で覆われています。上面の位置するのは横隔膜、下面には骨盤腔・直腸があります。
これがわかると診察の意義がみえてくる。
前面への炎症の波及を見るのがtapping painや反跳痛
後面への波及を見るのがpsoas sign
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