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2016年07月15日
インフルエンザ患者への対応
2015年度はインフルエンザの流行開始がかなり遅く、うちの病院では12月にちらほら、1月もぽつぽると来て、2月くらいからどっと来るようになりました。その分、収束?終息?も遅く6月まで患者さんがちらほら来ていました。
インフルエンザは迅速キットで15分足らずで診断が付きますが、感度100%のテストではないため状況証拠からインフルと診断して介入することもあります。
ここでは対応の仕方についてまとめてみます。
○これは、病院によって違うと思いますが・・・
原則、インフルエンザの患者さんは帰宅してもらう
非常に冷たく思われるかもしれませんが、
・特効薬があること
・周りに感染させる可能性があること
・うちの病院は充分な数の個室がないこと
などから、よほど全身状態の悪い方以外は帰宅していただいていました。
○薬剤の使い分けについて
・当院の当直は小児科も常駐しており、子供を見る機会はなかったのですが、10代の人にはタミフルは出さないようにしておりました。異常行動についてはいろいろと意見があると思いますが、他に選択肢があるのであれば無理に使うようなことはしませんでした。
・学生、社会人など忙しそうな人には1回吸入で済み、飲み忘れ、吸い忘れのないイナビルを出していました
・全身状態が悪く、内服も吸入も難しそうな人にはラピアクタ点滴
・上の二つに該当しない人にはタミフル
・そして、解熱薬はReye症候群が怖いので、全例、カロナール(200)2T 発熱時頓用
として、帰宅としておりました。
インフルエンザは迅速キットで15分足らずで診断が付きますが、感度100%のテストではないため状況証拠からインフルと診断して介入することもあります。
ここでは対応の仕方についてまとめてみます。
○これは、病院によって違うと思いますが・・・
原則、インフルエンザの患者さんは帰宅してもらう
非常に冷たく思われるかもしれませんが、
・特効薬があること
・周りに感染させる可能性があること
・うちの病院は充分な数の個室がないこと
などから、よほど全身状態の悪い方以外は帰宅していただいていました。
○薬剤の使い分けについて
・当院の当直は小児科も常駐しており、子供を見る機会はなかったのですが、10代の人にはタミフルは出さないようにしておりました。異常行動についてはいろいろと意見があると思いますが、他に選択肢があるのであれば無理に使うようなことはしませんでした。
・学生、社会人など忙しそうな人には1回吸入で済み、飲み忘れ、吸い忘れのないイナビルを出していました
・全身状態が悪く、内服も吸入も難しそうな人にはラピアクタ点滴
・上の二つに該当しない人にはタミフル
・そして、解熱薬はReye症候群が怖いので、全例、カロナール(200)2T 発熱時頓用
として、帰宅としておりました。
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2016年07月09日
カンジダに対する抗真菌薬の選択
2016年07月05日
感染症オススメテキスト
救急、内科、外科、マイナー科、どこに行っても出会うのが感染症です。
抗菌薬の基礎知識は確かに重要ですが、目の前の患者さんに適した抗菌薬を選択し、実際に指示を入れて使えないことには臨床的に何の役にも立ちません。
そこでおすすめの本がサンフォードです。
この本は研修医になる前に通読しておきましょうといった類の本ではありません。
この本の使いこなし方を研修医の早いうちにマスターすることがお勧めです。
例えば、感染症の部位によってどの種類の抗菌薬を使うか、疾患によってどれくらいの期間抗菌薬を使い続けるか、腎機能が悪い場合どの程度減量するか。
臨床ベースでこの本を使っていくと、自然と感染症診療が身についてきます。
ただし、アメリカの基準で書かれているため、用法・用量など実際に日本で保険適応があるかだけは注意が必要です。
抗菌薬の基礎知識は確かに重要ですが、目の前の患者さんに適した抗菌薬を選択し、実際に指示を入れて使えないことには臨床的に何の役にも立ちません。
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この本は研修医になる前に通読しておきましょうといった類の本ではありません。
この本の使いこなし方を研修医の早いうちにマスターすることがお勧めです。
例えば、感染症の部位によってどの種類の抗菌薬を使うか、疾患によってどれくらいの期間抗菌薬を使い続けるか、腎機能が悪い場合どの程度減量するか。
臨床ベースでこの本を使っていくと、自然と感染症診療が身についてきます。
ただし、アメリカの基準で書かれているため、用法・用量など実際に日本で保険適応があるかだけは注意が必要です。
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2016年07月03日
抗真菌薬について
抗菌薬は学生時代にもよく勉強した記憶があるが、抗真菌薬はあまり国家試験でも勉強した覚えがなく、苦手分野です。
指導医の先生に聞いたところ、抗真菌薬の方が種類が少ないし案外理解しやすいよ、この本で勉強してごらんと渡されたのがこの本。確かに1ページにまとまっていて、すごくわかりやすい。
ここではそのページの記載と個人的な経験も踏まえてまとめてみたいと思います。ただ、勉強したての分野なものでご指摘、ご意見などありましたら連絡いただけると幸いです。
○ミカファンギン(MCFG;ファンガード)
よく使われる。副作用が少なく、併用注意もあまりない。FNで抗菌薬を使用していても解熱しない場合はまずファンガードから使っていた。
カンジダには効くが、カンジダ以外が原因と思われるときはオススメできない。
○フルコナゾール(FLCZ;プロジフ、ジフルカン)
カンジダ、クリプトコッカスに良く効き、髄液移行も良好。予防投与も含めよく使われる。確かに移植前day-7くらいから飲ませていたような。
アスペルギルスには無効。
○ボリコナゾール(VRCZ;ブイフェンド)
カンジダ、アスペルギルス、クリプトコッカスに効くが、接合菌には利かない。
何となくアムホテリシンBより安全そうなイメージと、発売時の「アムホテリシンBと同等以上」といううたい文句から、アスペルギルス疑いの際の第一選択になっている。
○アムホテリシンB(L-AMB;アムビゾーム、AMPH;ファンギゾン)
接合菌までカバーするスペクトラムの広さ、殺菌力の強さがあるが毒性の強さもある。リボソーム製剤のL-AMBが出現してからは使いやすくなった。個人的には低カリウム血症に困ったことがある。また、ケモ中の患者さんでアムビゾームを使っているとなると、あー、全然発熱がコントロールできないんだなと思う。
○イトラコナゾール(ITCZ;イトリゾール)
カンジダ、アスペルギルス、クリプトコッカスに効く。
カプセルだけでなく、注射剤、内用液の登場で使いやすくなっている。
併用注意が多く、あまり人気がないみたい。
個人的には移植後、自宅に帰す際には予防内服としてイトリゾールを出すことが多いが、容器があけづらい、苦い等不評。また免疫調節薬との相互作用もあるため、用量の調節が難しい。
以上、簡単なまとめと、個人の経験・感想でした。
抗真菌薬は総じて価格が高い。そのためDPCで負けにならないように、抗真菌薬を使った患者では、その他の薬剤の使用や入院日数にも注意が必要であり、あまり使いたくないのが正直な感想です。
指導医の先生に聞いたところ、抗真菌薬の方が種類が少ないし案外理解しやすいよ、この本で勉強してごらんと渡されたのがこの本。確かに1ページにまとまっていて、すごくわかりやすい。
ここではそのページの記載と個人的な経験も踏まえてまとめてみたいと思います。ただ、勉強したての分野なものでご指摘、ご意見などありましたら連絡いただけると幸いです。
○ミカファンギン(MCFG;ファンガード)
よく使われる。副作用が少なく、併用注意もあまりない。FNで抗菌薬を使用していても解熱しない場合はまずファンガードから使っていた。
カンジダには効くが、カンジダ以外が原因と思われるときはオススメできない。
○フルコナゾール(FLCZ;プロジフ、ジフルカン)
カンジダ、クリプトコッカスに良く効き、髄液移行も良好。予防投与も含めよく使われる。確かに移植前day-7くらいから飲ませていたような。
アスペルギルスには無効。
○ボリコナゾール(VRCZ;ブイフェンド)
カンジダ、アスペルギルス、クリプトコッカスに効くが、接合菌には利かない。
何となくアムホテリシンBより安全そうなイメージと、発売時の「アムホテリシンBと同等以上」といううたい文句から、アスペルギルス疑いの際の第一選択になっている。
○アムホテリシンB(L-AMB;アムビゾーム、AMPH;ファンギゾン)
接合菌までカバーするスペクトラムの広さ、殺菌力の強さがあるが毒性の強さもある。リボソーム製剤のL-AMBが出現してからは使いやすくなった。個人的には低カリウム血症に困ったことがある。また、ケモ中の患者さんでアムビゾームを使っているとなると、あー、全然発熱がコントロールできないんだなと思う。
○イトラコナゾール(ITCZ;イトリゾール)
カンジダ、アスペルギルス、クリプトコッカスに効く。
カプセルだけでなく、注射剤、内用液の登場で使いやすくなっている。
併用注意が多く、あまり人気がないみたい。
個人的には移植後、自宅に帰す際には予防内服としてイトリゾールを出すことが多いが、容器があけづらい、苦い等不評。また免疫調節薬との相互作用もあるため、用量の調節が難しい。
以上、簡単なまとめと、個人の経験・感想でした。
抗真菌薬は総じて価格が高い。そのためDPCで負けにならないように、抗真菌薬を使った患者では、その他の薬剤の使用や入院日数にも注意が必要であり、あまり使いたくないのが正直な感想です。
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2016年07月01日
ニューモシスチス肺炎の治療と予防
○ニューモシスチス肺炎の治療
・第一選択:ST合剤 9-12錠 p.o 分3-4
・第二選択:ペンタミジン 3 mg/kg div (1-2時間かけて)
・第三選択:アトバコン 1500mg p.o 分2
PaO2 <70 mmHgあるいは、A-aDO2 ≧35 mmHgの重症例ではステロイドの併用が予後を改善させる
PSL 60-80 mg/day 3-5days + 30-40 mg/day 3-5days + 15-20 mg/day 3-5days=合計9-15日間
重症例では治療開始時のみパルス療法(mPSL 0.5-1.0 g/day 3days)も考慮する
CMVの再活性化に注意→CMV抗原血症を適宜評価
○ ニューモシスチス肺炎の予防
・ ST合剤 1T連日 または 2Tを週3回
・ ペンタミジン吸入 月に1回
・第一選択:ST合剤 9-12錠 p.o 分3-4
・第二選択:ペンタミジン 3 mg/kg div (1-2時間かけて)
・第三選択:アトバコン 1500mg p.o 分2
PaO2 <70 mmHgあるいは、A-aDO2 ≧35 mmHgの重症例ではステロイドの併用が予後を改善させる
PSL 60-80 mg/day 3-5days + 30-40 mg/day 3-5days + 15-20 mg/day 3-5days=合計9-15日間
重症例では治療開始時のみパルス療法(mPSL 0.5-1.0 g/day 3days)も考慮する
CMVの再活性化に注意→CMV抗原血症を適宜評価
○ ニューモシスチス肺炎の予防
・ ST合剤 1T連日 または 2Tを週3回
・ ペンタミジン吸入 月に1回
ニューモシスチス肺炎のすべて [ ニューモシスチス肺炎研究会 ] 価格:6,264円 |