アフィリエイト広告を利用しています

2023年03月20日

英作文のpoint 5 主語の選択

「分かる! 英作文 〜中学基礎文法〜」と、「英語deガイド」の2つのiOS無料アプリをリリースしています。


これら2つのアプリは、英会話をするために必要な基礎力と、実践力を見につけるために開発しました。いずれも口頭英作文(瞬間英作文)をすることにより、日本語⇒英語の回路を作ることを目的にしています。
アプリの紹介はページ下部をご覧ください。


「分かる! 英作文 〜中学基礎文法〜」アプリに掲載した「英作文のpoint」の最終回です。
「主語」の選択

※この項の英文は中級レベルの文法です。

英語では、主語・述語である「誰(何)が〜する(どうだ)」をどう伝えるかが大事でしたね。
なかでも、英作文において最も大事なのは主語の決定です。
これにより、述語と文の構成が決まるとともに、相手に伝わる印象も変わってきます。

具体的に確認していきましょう。
最初は「何を伝えたいか」で主語を選択する例です。

例えば、「この店では美味しい魚料理を食べられます。」と伝えたい時に、どのように英訳するとよいでしょうか?

よく見られるのが、述語の「食べられます」を見て、隠れた主語は「あなたは」と考え、「あなたは、この店で美味しい魚料理を食べることができます。」と整理し英訳する例です。

@ You can enjoy delicious fish dishes at this restaurant.

では、この他にも表現方法がないかを考えてみましょう。

日本人が英文を作るときは、「誰が〜する(だ)」というように「人」を主語にすることが多いのですが、それではどうしても表現に限界が出てきてしまうときがあります。

そんな時、人以外の「物」や「事」を主語にできないかを考えてみると、違った表現方法が見えてきます。もう一度、原文を見て考えてみましょう。

「この店では美味しい魚料理を食べられます。」

先ほどの@では、「あなたは」を主語にして「あなた」に焦点を当てましたが、例えば、この主語を「料理は」にしてみると、どうでしょうか?

「この店の魚料理は美味しいです。」とすれば、原文とは少し違っても、十分に意図は伝わりますね。

A The fish dishes at this restaurant are delicious.

さて、もう一度原文を見返して、他にも主語にできるワードがないかを考えてみます。

「この店では美味しい魚料理を食べられます。」

「この店はいい料理を出す」とすれば、「店は」を主語にしても文が構成できそうです。
和文整理すると、「この店は美味しい魚料理を提供します。」とできますね。

B This restaurant offers delicious fish dishes.


@〜Bは、どれもほぼ同じ内容ですが、ニュアンスが少しずつ異なります。@〜Bを見比べてみましょう。

@ You can enjoy delicious fish dishes at this restaurant.
A The fish dishes at this restaurant are delicious.
B This restaurant offers delicious fish dishes.


@の主語+述語は「あなたが+楽しめる」で、主語の「あなた」に焦点があたります。
Aは「料理が+美味しい」で、主語の「料理」に、Bは「お店が+提供する」で、主語の「お店」にそれぞれ焦点があたります。
例えば、友人や旅行者にお勧めするなら、@の表現を選ぶかもしれませんし、お店や魚料理を評価するなら、AやBの表現を選ぶかもしれません。

このように、主語を選択すると、その時の状況や、伝えたい内容で表現を適切に選ぶことができるようになります。

物・事主語の文は客観的

次に、「どのように伝わるか」の観点で主語を考えてみましょう。

主語には名詞相当語句がくるので、「人」、もしくは「物・事」が主語になります。
人を主語にすると、当然ですが、その「人」が関係する言い方になります。先ほどの「あなたが+楽しめる」もそうでしたね。

一方、物・事を主語にすると、「人」が出てこないので、客観的な表現にすることができます。先ほどの「料理が+美味しい」も客観的でした。

違う例で考えてみましょう。
英語で「ビーチまではどのくらいの時間がかかりますか?」と聞かれたとします。
もし、「車で10分です。」と答えたい場合、どのように伝えるとよいでしょうか?

次のQ1-Q3の英訳にチャレンジしてみてください。

Q1 そのビーチへは車で10分で着きます。※ Youを主語にし「Youが着ける」と作る

【解答】You can get to the beach in ten minutes by car.
【注釈】「あなたは車で10分後にそのビーチに着ける」と和分整理。get to(〜へ着く)はreachでもOK。10分後はin ten minutes(afterやlaterは現在や過去基準で使い、現在から見た未来はinを用いる)


Q2  そのビーチへは車で10分で着きます。※ A 10-minute driveを主語にし「A 10-minute driveが連れて行く」と作る

【解答】A 10-minute drive will take you to the beach.
【注釈】「10分のドライブ(道のり)があなたをそのビーチへ連れて行くでしょう」と和分整理。”10-minute” のようにハイフンで繋ぐと形容詞化できる(この場合、nimuteは複数形にしない)。この時のdriveは名詞で「道のり」


Q3 そのビーチへは車で10分で着きます。※ The beachを主語にし「The beachは離れたところにある」と作る

【解答】The beach is a just 10-minute drive away.
【注釈】「そのビーチはほんの10分のドライブ(道のり)だけ離れたところにある」と和分整理。この時のawayは副詞で「〜だけ離れて」「〜のところにあって」


Q1は人主語で、Q2、Q3は物・事主語ですね? 英語ではこうした人以外の「物・事」をよく主語にします(無生物主語と言う)。

Q2、Q3の物・事主語の文は、日本語にすると少し不自然な感じを受けるかもしれませんが、英語では自然です。「物・事が〜する(だ)」という英語的発想の表現と言ってもよいかもしれません。

Q1の主語は「あなた」で、人主語です。主語の「あなた」に焦点が当たるので、「あなたはそこに行くことができる」、つまり、「あなたはできる」と言っています。

一方、Q2、Q3は、主語が物・事なので、人に焦点を当てていません。人を主語にしないこのような文は、客観的な表現になります。

日本語でもそうですが、親しくない人には、例えば「車なら10分くらいですかね。」のように、簡潔で客観的な言い方をしますよね?

英語でも同様です。英語の場合は主語を原則省きませんので、Q1の形でも問題ありませんが、親しくない人が相手なら、Q2、Q3の表現の方が無難な言い方になります。
※言い方次第でもあるので、Q1が失礼な言い方というわけではありません。

簡潔な文構成に

さて、主語の選択により与える印象の違いを、もう少し考えてみましょう。
次からの文を、指示に従って英訳してください。


Q4  飲酒運転すると100万円の罰金です。※ youを主語にし「罰金になるよ、もしyouが飲酒運転で捕まると」と作る、「飲酒運転」はdrunk driving

【解答】You will be fined one million yen if you are caught drunk driving.
【注釈】和文和訳は「もしあなたが飲酒運転で捕えられると、あなたは100万円の罰金が科せられるでしょう」。fineは「〜に罰金を科す」


Q5 飲酒運転すると100万円の罰金です。※ The fine(罰金)を主語にし「The fineは100万だ」と作る

【解答】The fine for drunk driving is one million yen.
【注釈】「飲酒運転の罰金は100万です」と和文整理。文の骨格は、The fine(S) is(V) one million yen(C).


何ごとも言い方で受ける印象が変わりますが、Q4は主語の ”You” を強調すると、警告調になります。
一方、Q5は「人」を主語にせず、「罰金は100万」という事実だけが述べられるので、客観的な表現になっています。

また、人主語のQ4は節が2つあり、単語数が13で構成されていますが、物・事主語のQ5は節が1つ、単語数が9で構成されています。※節とはSVを含む文のこと。

Q5の文の方が、単語数が少なく、節が1つになので文が簡潔になり、内容が明瞭に伝わります。
このように、物・事主語の文は、構成が比較的簡潔になったり、「何が+どうだ」という因果関係が分かりやすくなる傾向があります。


Q6  私はこの曲を聴くと高校生の頃を思い出す。※ Iを主語とし「私がこの曲を聴くといつでも…」と作る。

【解答】I remember my high school days whenever I listen to this song.
【注釈】和文整理は「私はこの曲を聴くといつでも、高校の日々を思い出す」


Q7 私はこの曲を聴くと高校生の頃を思い出す。※ This songを主語とし「This songは思い出させる」と作る。

【解答】This song reminds me of my high school days.
【注釈】和文整理は「この曲は私に高校の日々を思い起こさせる」。remind 人 of 〜で「人に〜を思い出させる」


人主語のQ6は節が2つ、単語数が12ですが、物・事主語のQ7では節が1つ、単語数が9で、文構成がシンプルになりました。


Q8  このIDカードがあればこの部屋に入ることができます。※ youを主語とし「もしyouがIDカードを持てば…」と作る

【解答】If you have this ID card, you can enter this room.
【注釈】和文整理は「もしこのIDカードを持っていれば、あなたはこの部屋に入ることができます」


Q9 このIDカードでこの部屋に入ることができます。※ This ID cardを主語とし「IDカードが入るのを許す」と作る

【解答】This ID card allows you to enter this room.
【注釈】和文整理は「このIDカードはあなたがこの部屋へ入るのを許す」。allow 人 to doで「人がdoできるようにする」


人主語のQ8は節が2つ、単語数が11で、物・事主語のQ9は節が1つ、単語数が9です。
Q9の文は、例えば誰かに部屋への入り方を説明する時だったとしたら、Q8の ”you can…” という文より、客観的ですね。

このように、物・事主語は、簡潔で因果関係を明瞭な文にすることができますが、反面、客観的で端的な表現は、人主語に比べ少しかたい表現になりがちです。
そうした点で、物・事主語を使った表現は、文書やビジネスなどでよく使われるほか、あまり親しくない人との会話などで使われる傾向があります。

一方の人主語を使った表現は、いくぶん冗長的になりますが、「あなた」に問いかけるので、親しい人との会話などのほか、「あなた」にメリットがあるようなメッセージ等でよく使われます。

こうしたそれぞれの特徴を踏まえ、状況に応じて主語を選択し、表現方法を使い分けることができると、より円滑なコミュニケーションが行えるようになります。

客観的表現で相手を気遣う

英語には日本語のような敬語はありませんが、物・事主語で客観的な表現にすることにより、相手を気遣う言い方にすることができます。

次の問題でそうした例を確認しましょう。


Q10 なぜ、あなたは日本に来たのですか? ※ youを主語にし「youはなぜ来たか?」と作る

【解答】Why did you come to Japan?


Q11 なぜ、あなたは日本に来たのですか? ※ Whatを主語にし「何があなたを連れてきたか?」と作る

【解答】What brought you to Japan?
【注釈】又は ”What brings you to Japan?”。和文和訳は「何があなたを日本に連れてきたのか?」


Q10は「あなた」に理由を尋ねる直接的な表現で、言い方によっては歓迎されていない印象を相手に与えます。
なぜなら、私たちが外国に行ったとき、現地の人に、「あなた、何でここに来たの?」と素っ気なく言われたら、「来てはいけなかったのかな?」と感じてしまうかもしれません。

一方、Q11は「何があなたをそうさせたの?」と、日本に来るに至った状況を尋ねるので、相手を思いやった丁寧な言い方です。


Q12 なんでこの伝統工芸に興味を持ったのですか? ※ Q11を参考に、Whatを主語として

【解答】What made you interested in this traditional craft?
【注釈】使役動詞makeは「S+make(V)+O+C」の形で「SがOをCにさせる(V)」→「何があなたに伝統工芸への関心を持たせたか?」。この文のinterestedは形容詞「関心がある」


ちなみに、Q12を人主語にすると “Why are you interested in this traditional craft?” とできます。
失礼な言い方ではありませんが、少し直接的ではあるので、親しくない人には、“if you don't mind me asking. (私が尋ねても気を悪くされないなら)” などのクッション言葉をこの質問の後に付けると、より丁寧になります。

ただし、何においても言い方次第の面がありますので、相手に失礼のないようにと文の構成を気にし過ぎる必要まではありません。
外国人が少し間違った日本語で話してきたとしても、私たちが目くじらを立てることはありませんよね?

語学は、多少間違ってもよいくらいの勢いで会話した人の方が、たいてい上達も早いです。
会話では、表情や声のトーンでも思いが伝わりますので、細かい表現方法や間違いを気にして話すのをためらうよりも、発話することの方がより大切です。

学習上の効果

さて、ここまで無生物主語を中心に、主語を選択した場合の効果についてご説明してきました。

もう一つ、主語の選択を考えることには副次的な効果があります。
それは、このプロセスが英語力の向上に役立つことです。

実際の英会話において、言いたいことが言えないもどかしさは誰もが経験します。
そんな時でも、主語の選択により英語での表現方法を広げられると、別の伝え方ができるようになります。
表現方法はたくさんあるということを前提に、英作文の時は、主語を何にするかを考えてみてください。

とは言っても、どんな表現方法があって、どんな構文があるのかを知らないと、どのように英作文してよいかは分からないものです。
そのため、本アプリで文法力を強化するほか、普段から英文記事などを読んで、使えそうな表現を見つけたらストックし、それらを活用して表現を増やすことなどにより、英語の運用力を高めるようにしてください。


「分かる! 英作文 中学基礎文法」iOSアプリ

英会話は口頭で瞬間的に作る英作文です。簡単な英文なのに作り方が分らない。そんな経験がある方は、ぜひ英文の作り方を学べるこのアプリをお試しください。話すために必要な基礎文法を体系的に学ぶことができます。
開発者自らの経験を踏まえ、英語学習者がつまづく「なぜ?」を解決できるよう、分かりやすさにこだわりました。理解して作る、これが結局は英語習得の早道だと考えています。ぜひご活用ください!

englishGrammer1.png

/apple.co/3C96h6b

qr-code-2little.png


「英語deガイド」iOSアプリ

中級者以上は、日本のことを英語で説明する「英語deガイド」アプリをお勧めします。
外国人と話をすると、思いのほか日本のことを話すことが多いことに気がつきますが、意外に知らない日本のこと。それらを話せれば、ネイティブとの会話も弾み、英会話の運用力も向上します。
せっかく英会話を学習するなら、実践的に使える英語表現を身につけましょう!

qr-code-guide2Little.png

https://apple.co/3yYRzNF

こんなアプリです下矢印1

howToUse2.jpg
この記事へのコメント
コメントを書く

お名前:

メールアドレス:


ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/11900124
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
ファン
検索
<< 2024年09月 >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          
最新記事
写真ギャラリー
最新コメント
タグクラウド
カテゴリーアーカイブ
プロフィール
たっちんさんの画像
たっちん
苦手だった英語を外資系企業勤務をきっかけに本気で学習し、TOEIC855まで取得するも英語が話せなかったことから、コミュニケーションのための学習を続けているアラフィフおやじです。今は英語学習アプリを開発しています。
プロフィール
日別アーカイブ