「分かる! 英作文 〜中学基礎文法〜」と、「英語deガイド」の2つのiOS無料アプリをリリースしています。
これら2つのアプリは、英会話をするために必要な基礎力と、実践力を見につけるために開発しました。いずれも口頭英作文(瞬間英作文)をすることにより、日本語⇒英語の回路を作ることを目的にしています。
アプリの紹介はページ下部をご覧ください。
「分かる! 英作文 〜中学基礎文法〜」アプリに掲載した「英作文のpoint」の続きをアップします。
順次、内容を更新していきますが、アプリには全文を掲載していますので、続きを先にご覧になりたい方はアプリを参照ください。
表現方法はたくさんある
日本語で言いたい内容を全て英語に置き換えて訳していくのは、相当の英語力があっても難しいことです。
ましてや、表現方法が違う英語と日本語なら尚更です。そのため、英語を母国語としない私たちは、たいてい限られた英語知識のなかから言いたいことを伝えなければなりません。
テストの問題として英作文が出されたときは、その和文を忠実に英訳していく必要がありますが、日常会話なら意味が伝わればOKですよね?
例えば、自己紹介で “My hobby is listening to music.” (私の趣味は音楽鑑賞です。) と言いたいときに “hobby(趣味)” が思い浮かばなかったとしたら、どう伝えたらよいでしょうか?
これは言い方を代えて、”I like listening to music.” (私は音楽鑑賞が好きです。) と言っても伝わりますね?
また、I’m good at playing tennis. (私はテニスが得意です。) と言いたいとき、”be good at~” (〜が得意) が思い浮かばない時はどうでしょう?
そのときは、”I’m a good tennis player.” と言っても伝わりますね。日本語だと「私は上手なテニス選手です。」と言うのは少しはばかられますが、英語では自然な表現です。
このように、会話では全くイコールに訳す必要はなく、伝えたい内容を相手にわかってもらえれば必要な意思疎通ができます。
また、会話の流れも大切なので、思い出せない表現を探したり、自信のない表現を使ったりするより、得意な言い回しで表現してしまうのもテクニックの一つです。
このように、伝えたい内容を自分の英語力の範囲で言える表現に変えたり、難しい表現をやさしい表現に変えたりすることで、コミュニケーションができる可能性が高くなります。
「やさしい日本語」に変換
難しい表現を伝わりやすくするコツは、小学生にも通じる「やさしい日本語」を作ることです。
例えば、「この部屋は土足禁止です。」と言いたいとき、「土足禁止」を英訳するのは大変です。この場合は、「靴を脱いで」と言い換えてもよいですよね?
「靴を脱いでね、この部屋に入るためには」と整理すればできそうです。
Q1−1 「靴を脱いで」を英訳してみましょう。
【解答】Take off your shoes.
【注釈】take offで「〜を脱ぐ」。”You take off your shoes.” のYouを省いて動詞(原型)から始めると命令形になる
Q1-2 Q1-1の解答文に「この部屋に入るために」を英訳して加えてください。
【解答】Take off your shoes to enter this room.
【注釈】to不定詞の副詞的用法。to以下を省いても文が成立するので副詞的用法と判断できる(副詞は修飾語)
他にも言い方はあります。「この部屋では靴は許されていません。」としても良いですよね。
Q2-1 「靴は許されていません。」を英訳してみましょう。※靴を主語にした受動態で
【解答】No shoes are allowed.
【注釈】直訳は “Shoes are not allowed.“ だが、言いたいことは ”No shoes” なので、最初に否定してしまう(英語的な表現)
Q2-2 Q2-1の解答文に「この部屋では」を英訳して加えてください。
【解答】No shoes are allowed in this room.
【注釈】「この部屋では」→「この部屋(の中)で」→ “in this room”。Q1-2のように ”to enter this room” としてもOK
例えば、買い物で「どちらにしようか迷っています。」と言いたい場合、「迷っている」という英語表現はなかなか適当なものが見当たりません。
そうした場合、その時の状況から「決められません!」と言ってしまうのも一つの方法です。
「私は決めることができません!」と和文整理して英訳してみましょう。
Q3-1 「私は決めることができません!」を英訳してください。
【解答】I can’t decide!
【注釈】decideは、自動詞(心に決める)、他動詞(〜を決める)の両方の用法があるが、ここでは自動詞
Q3-1も、次のように言葉を付け足すことで意味を明確にできます。
Q3-2 Q3-1に「どちらにすべきか」を加え、 「私はどちらにすべきか決められません。」を英訳してください。
【解答】I can’t decide which one to choose!
【注釈】この時のdecideは他動詞で、which以下全てがdecideの目的語。“one” は「やつ」を意味する不特定なものの代名詞。“I can't decide which one I should choose” としてもよい
「雪の影響で電車が運転を見合わせている」と伝えたい場合、やさしい言い方の一例では、「雪のために電車が停まってる。」としてもよいですね。
Q4-1 「電車が停まってる。」を英訳してください。 ※「電車は停められている。」と訳す。
【解答】The trains have been stopped.
【注釈】いくつかの電車が停まっているので複数のtrainsに。どの電車(路線)かが明らかなので特定のtheを付ける。電車は「停められている」という受動態の表現を用い、過去から現在まで継続しているので現在完了にする
Q4-2 Q4-1の解答文に「雪のため」を英訳して加えてください。※「〜(原因・理由)のため」は “because of~” を用いる。
【解答】The trains have been stopped because of the snow.
【注釈】“because of~” は前置詞句で「〜」には原因・理由を表す名詞相当語句がくる。「この雪で」と特定しているのでsnowにはtheがつく。“because it’s snowing” としてもよい
「雪のために電車が走っていない。」とすることもできます。
Q5 「雪のために電車が走っていない。」を英訳してください。※「雪のため」はQ4-2参照
【解答】The trains aren’t running because of the snow.
【注釈】現在完了進行形でもよい。現在進行形は現在走っていないことを表し、現在完了進行形は、過去から現在まで継続して走っていないことを表す
「この雪が電車を停めている。」という言い方もできますね。日本語ではあまり言いませんが、英語では自然な表現です。
Q6 「この雪が電車を停めている。」を英訳してください。※現在完了を使って
【解答】This snow has stopped the trains.
【注釈】「誰(何)が〜する(だ)」と表す英語らしい構文。現在完了を使うことでしばらくの間、停まっていることが伝わる
英訳は主語を決めることが大切
Q4、5は「電車」を主語にして文を構成しましたが、Q6では「雪」を主語にしました。そして、これにより、文の構成が変わっています。
英訳をするときに大事なのは、主語を決めることです。
もしかしたら、主語を変えると英訳しやすく、伝わりやすくなるかもしれません。
主語を変えて英文が構成できるかどうか、都度考えることで英語力が向上します。とても重要なので、point 5で掘り下げてご説明します。
曖昧な表現は明確に
英作文で気を付ける点として、できるだけ英語的発想で考えるということがあります。
英語圏の人はYes, Noをはっきりする傾向があり、日本人的に物事を曖昧にするような表現や、遠慮した物言いは良しとされません。
例えば、“Would you like to go shopping this weekend?” (今週末買い物に行きませんか?) と誘われて、”Maybe I think I can go.” (多分行けると思います。) と答えたら、相手からすると「どっちなんだ?」となります。
“maybe(多分)” は50%程度の確率ですし、さらに「思う(I think)」と曖昧にしたら余計に相手を戸惑わせます。
日本的な考え方を一旦横に置いて、行くつもりなら「行く」と言い切ってしまいましょう。行けなくなったら、理由を言って断ればよいのです。もしNoなら、その理由も伝えましょう。
基本的に言い切る
日本人はよく「〜と思います」「〜と考えています」を使いますが、英語表現では本当にそれらが必要かを考えなければなりません。
例えば、「将来は医者になりたいと思っています。」と言う時に “I think” は要りませんね。
「なりたい。」と自分が願うことに「思う」を付ける必要はありません。“I want to be a doctor in the future.” と言い切りましょう。※そもそもwantには「〜をしたい(と思う)」というカッコ内の意味も含まれます。
「買い物に行こうと思うけど。」は、本当に思案しているなら “I'm thinking of going shopping.” でよいですが、行くつもりでいるなら ”I’m going shopping.” と言い切ります。
日本人はとかく予防線を張って、中庸な表現を選びがちですが、英語では基本的に自分の考えをはっきり言います。
挨拶でも “How are you?” (調子どう?) と聞かれると、日本人は「まあまあ」を意味する ”So-so.” と答えがちですが、相手からしたら “Why so-so?” (なぜ、まあまあ?) とモヤモヤします。
日本語の「まあまあ」は「悪くはない」「それなりに良い」を意味しますが、”so-so” はどちらかというと平均以下という印象で、決して “good” に近い表現ではありません。
日本の感覚で「まあまあ」の調子なら、”I’m good, thanks.” と言い切りましょう。
「等」はあまり使わない
いくつかの例を出したいとき、「〇〇や△△、××等」という言い方をよくしますね。
英語で「〜等」は、“and so on”、“etc.” と習いますが、使われる頻度はそう高くありません。
では、どう表現するかというと、such as、like、for example、including などを使って具体例をいくつか示します。
例えば、”Western foods such as bread and pasta are very popular in Japan.” (パンやパスタなどの欧米の食品は日本でとても人気です。) のようにします。
パンやパスタの後ろに英語で etc. をつけても、あまり大きな意味を持ちませんよね?
なんとなく漏れがあってはいけないと「〜等」を付けがちですが、いくつか例示すればよい場合がほとんどです。そして、具体例の方がよく伝わります。
以上のような日本的な発想は一旦忘れ、英語的な発想を取り入れていくことが英作文のポイントの一つです。
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