「分かる! 英作文 〜中学基礎文法〜」と、「英語deガイド」の2つのiOS無料アプリをリリースしています。
これら2つのアプリは、英会話をするために必要な基礎力と、実践力を見につけるために開発しました。いずれも口頭英作文(瞬間英作文)をすることにより、日本語⇒英語の回路を作ることを目的にしています。
アプリの紹介はページ下部をご覧ください。
「分かる! 英作文 〜中学基礎文法〜」アプリに掲載した「英作文のpoint」の続きをアップします。
順次、内容を更新していきますが、アプリには全文を掲載していますので、続きを先にご覧になりたい方はアプリを参照ください。
曖昧な日本語表現の整理
主語は、一般的に「〜は」や「〜が」にあたるものですが、日本語で「この車が欲しい。」という場合の主語は「この車が」ではありませんね?
「この車が欲しい。」は、「私はこの車が(を)欲しいと思う。」という整理をしないと “I want this car.” とできません。
同様に、「今日は疲れた。」の主語は、「今日は」ではありません。
これも、「私は今日は疲れた。」と整理し、”I am tired today.” とします。
”tired” は形容詞なので、英文を構成するときは「be+形容詞」の形にするのでした。
英会話(英作文)をするときには、このような曖昧な表現の日本語を、頭の中ででも整理することが必要になります。
こうした日本語の整理をして英訳する練習をしてみましょう。実際に会話する場面をイメージして、主語が何か、述語をどう表現するか等を考えて英訳してみてください。
Q1 「冬は好きではないです。」を英訳してください。
【解答】I don’t like winter.
【注釈】「私は冬が(を)好きではない」と整理する。I(S) don’t like(V) winter(O). の第3文型。O(目的語)は動詞の動作の対象となるもので、日本語では「〜を、〜に」に当たるもの。「好きではない」ものの対象は「冬」← 動詞の目的語(O)
Q2 「彼女はとっても親切。」を英訳してください。
【解答】She is very kind.
【注釈】「彼女=親切」→ 述語はbe動詞と判断できるので和文は「彼女はとても親切です」と整理。形容詞のkind(親切な)は、“be+kind” で表す
Q3 「これ欲しい?」を英訳してください。
【解答】Do you want this?
【注釈】話し相手(あなた)に尋ねるので主語は「あなたは」。「あなたはこれを欲しいと思う?」と整理。Do(V) you(S) want(V) this(O)? の第3文型。動詞「欲しいと思う」の対象は「これ」← 動詞の目的語(O)
Q4 「兄が2人います。」を英訳してください。
【解答】I have two brothers.
【注釈】主語は話し手である「私」と想像できるので、「私は2人の兄を持つ」と整理。家族やペットがいる場合の「いる」にあたる英語の動詞は “have” → 和訳する時は「いる」とする。haveの目的語は「2人の兄」
Q5 「このパソコン使っていい?」を英訳してください。
【解答】Can I use this PC?
【注釈】「私はこのパソコン(PC)を使うことができるか?」と整理。useの目的語は「このPC」。パソコンは和製英語なので、”computer” 又は ”PC” とする(PCはpersonal computerの略)
Q6 「宿題が終わった。」を英訳してください。
【解答】I finished my homework.
【注釈】「私は私の宿題を終えた」と整理。「宿題」は誰の宿題かを明示する。※英語では名詞に冠詞が付くかどうかを都度考える。“I’ve finished my homework.” と現在完了にすると、しばらくやっていて終わった、という意味になる
Q7 「今日はとても楽しかったよ。」を英訳してください。
【解答】I had a great time today.
【注釈】隠れた主語「私」を見つける。文意を「素晴らしい時間を過ごした」として和文和訳。「時間を持つ」も動詞haveを用いる。haveの目的語は「素晴らしい時間」
さて、このくらい短い文章だと整理しやすいですが、少し長い文章になるとどうでしょうか?
文章は、前にもご説明したとおり、「文の骨格+修飾語」で構成されますが、修飾語がたくさんあると、文の骨格が見えにくくなるときがあります。
そうした、少し長い文章を英訳するときは、文の骨格を探し、そこから肉付けしていきます。その手順で英訳してみましょう。
まず、修飾語を省いて「誰が、何を、どうした。」のようなシンプルな文を日本語で考えます。
英語の5文型で考えられればベターですが、慣れていなければ、自分が作れそうなシンプルな文で結構です。
以下、例題をやってみましょう。
例-1 「数学は毎日2時間勉強してますよ。」→ 修飾語を省いて、シンプルな和文に整理してください。
【解答】私は数学を勉強する。
【注釈】主語は「私は」。「勉強してますよ」は「勉強する」でよい。普段の習慣であって、今進行中の動作ではないので進行形にはしない → 語尾に惑わされない。「毎日2時間」は修飾語
例-2 例-1の解答文(整理した和文)を英訳してください。
【解答】I study mathematics.
【注釈】文の骨格は、”I(S) study(V) mathematics(O).” の第3文型
例−3 例-2の解答文(文の骨格を英訳したもの)に「毎日2時間」を英訳して加えてください(例-1の和文の英訳を完成させる)。
【解答】I study mathematics for two hours every day.
【注釈】forは継続した時間・期間を表す前置詞。everyは「毎」を表し、後ろにつく名詞は単数形。every day、every weekなどの表現の時は前置詞は要らず、文末等に置く(副詞的役割)
慣れないうちは文の骨格が見つけられないかもしれませんが、英文法の基礎を学ぶとだんだん整理がつくようになります。
では、先ほどの要領で演習してみましょう。
Q8−1 「今、彼女が学校の門のところであなたを待ってるよ。」→ 修飾語を省いて、シンプルな和文に整理してください。
【解答】彼女は待っている。
【注釈】「今」「学校の門のところで」「あなたを」は修飾語。「あなたを」は一見目的語に見えるが、「待つ」は自動詞(自らの動作のみ)で目的語を取らないので「あなたを」は目的語ではなく修飾語になる
Q8−2 Q8-1の解答文を英訳してください。
【解答】She is waiting.
【注釈】She(S) is waiting(V). の第1文型。「待っている」は進行中の動作なので進行形にする
Q8−3 Q8-2の解答文に「あなたを」を英訳して加えてください。
【解答】She is waiting for you.
【注釈】“wait for~” で「〜を待つ」。目的語を取らない自動詞(wait)の後ろに名詞等の修飾語を置く場合、この文のように前置詞を伴う(目的語を取るのは他動詞)
Q8−4 Q8-3の解答文に「学校の門で」を英訳して加えてください。
【解答】She is waiting for you at the school gate.
【注釈】学校の門というポイント的な場所を示す前置詞は「地点」のat。「学校の門」は会話相手も知っている場所なので、特定を意味するtheを付ける
Q8−5 Q8-4の解答文に「今」を英訳して加えてください。
【解答】She is waiting for you at the school gate now.
【注釈】時を表す副詞(now)はたいてい文末に置く(副詞には前置詞を伴わない)
Q9−1 「去年初めてカナダを訪れてみました。」→ 修飾語を省いて、シンプルな和文に整理してください。
【解答】私はカナダを訪問した。
【注釈】「訪れてみた」は「訪れた」ということ。日本語的な曖昧表現は素直な表現に
Q9−2 Q9-1の解答文を英訳してください。
【解答】I visited Canada.
【注釈】I(S) visited(V) Canada(O). の第3文型。visitは後ろに目的語を取る他動詞なので、visited to Canadaなどとしない。※goの場合は自動詞なのでwent to Canadaとtoを入れる必要がある
Q9−3 Q9-2の解答文に「初めて」を英訳して加えてください。
【解答】I visited Canada for the first time.
【注釈】「初めて」は ”for the first time” (決まり文句なのでこのまま覚える)
Q9−4 Q9-3の解答文に「去年」を英訳して加えてください。
【解答】I visited Canada for the first time last year.
【注釈】「去年」はlast year。英文の黒字は修飾語(文の意味を詳しく説明する役割)なので省いても文が成立することが確認できる
Q10−1 「うちの子どもたちは庭でボール遊びしてるところ。」→ 修飾語を省いて、シンプルな和文に整理してください。
【解答】私たちの子どもたちは遊んでいる。
【注釈】「ボール遊び」は「ボールで / 遊んでいる」→ 「ボールで」は修飾語
Q10−2 Q10-1の解答文を英訳してください。
【解答】Our children are playing.
【注釈】Our children are playing.Our children(S) are playing(V). の第1文型。進行中の動作を表すので進行形にする
Q10−3 Q10-2の解答文に「ボールで」を英訳して加えてください。
【解答】Our children are playing with a ball.
【注釈】「ボールで(とともに)」は ”with a ball”。playは自動詞と他動詞とがあり、「遊ぶ」の意味では自動詞。自動詞の場合は基本、修飾語を「前置詞+名詞」等で付加する
Q10−4 Q10-3の解答文に「庭で」を英訳して加えてください。
【解答】Our children are playing with a ball in the garden.
【注釈】「庭で」は広い空間のイメージの前置詞 ”in” を使ってin the garden。場所・日時等を表す「前置詞+名詞」はたいてい修飾語になる
Q11−1 「彼は将来オーストラリアで働くために一生懸命英語を勉強している。」→ 修飾語を省いて、シンプルな和文に整理してください。
【解答】彼は英語を勉強している。
【注釈】「将来オーストラリアで働くために」「一生懸命」は、なくても文が成立する修飾語。「〜のため」はto不定詞を使えると考える
Q11−2 Q11-1の解答文を英訳してください。
【解答】He has studied English.
【注釈】目的のために過去から継続して勉強していると考え現在完了にする。※現在進行形は今まさに継続中の動作を表すので、この文ではそぐわない
Q11−3 Q11-2の解答文に「一生懸命」を英訳して加えてください。
【解答】He has studied English hard.
【注釈】「一生懸命」は様態を表す副詞hardで、動詞studyを修飾している。基本、修飾する動詞の直後に置く
Q11−4 Q11-3の解答文に「オーストラリアで働くために」を英訳して加えてください。
【解答】He has studied English hard to work in Australia.
【注釈】“to work~” は不定詞の副詞的用法で「〜のため」を意味する(副詞的用法のto以下は全て修飾語)
Q11−5 Q11-4の解答文に「将来」を英訳して加えてください。
【解答】He has studied English hard to work in Australia in the future.
【注釈】「将来」は “in the future” で決まり文句。「前置詞+名詞」で時を表す副詞句は、たいてい文末に置かれる
Q12−1 「今手を振っている女の人が私の友達。」→ 修飾語を省いて、シンプルな和文に整理してください。
【解答】(その)女性が私の友達です。
【注釈】「今手を振っている」が修飾語と判断できれは、「女の人が友達」という骨格が見つかる
Q12−2 Q12-1の解答文を英訳してください。
【解答】The woman is my friend.
【注釈】womanには「その」を意味するtheを付ける。The woman = my friendになる第2文型
Q12−3 Q12-2の解答文に「今」「我々に手を振っている」を英訳して加えてください。
【解答】The woman waving at us now is my friend.
【注釈】"The woman (who is) waving at us now” のカッコ内が省かれて分詞になっている。「手を振る」は wave。atは地点(ポイント)を表し、まさに私たち(us)に向けて手を振っているイメージ
少し難しく感じたものもあるかもしれませんが、英語のルールに照らし合わせて文の骨格を見つける練習をしていくと、どんどんできるようになります。
そして、そうした和文の整理がうまくできてくると、英作文のコツが分かってきますよ。
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