「分かる! 英作文 〜中学基礎文法〜」と、「英語deガイド」の2つのiOS無料アプリをリリースしています。
これら2つのアプリは、英会話をするために必要な基礎力と、実践力を見につけるために開発しました。いずれも口頭英作文(瞬間英作文)をすることにより、日本語⇒英語の回路を作ることを目的にしています。
アプリの紹介はページ下部をご覧ください。
「分かる! 英作文 〜中学基礎文法〜」アプリに掲載した「英作文のpoint」の続きをアップします。
順次、内容を更新していきますが、アプリには全文を掲載していますので、続きを先にご覧になりたい方はアプリを参照ください。
〜@からの続き
一般的に、there is構文は、話し相手が知らない新たな情報(新情報)を伝える時に使い、既に話し相手が知っている情報(旧情報)では、there is構文を使いません。
これは、英語が一般的に新しい又は未知の情報(新情報)は文の後ろの方に、古い(又は)既知の情報(旧情報)は前の方に置かれる傾向があることと関係しています。
具体的には、「あなたの辞書が机の上にある」なら、「あなたの辞書」は話し相手が知っている旧情報なので、”Your dictionary is on the desk.”となり、“Your dictionary” が前に置かれた通常のbe動詞の構文を用います。
「(誰のか分からないけど)辞書が机の上にある」なら、話し相手が知らない新情報なので、”There is a dictionary on the desk.” と “a dictionary” を少し後ろに置いた there is構文を用います。
定冠詞 “the” や所有格の人称代名詞 ”your” などがつく人や物は、どんなものか、誰のものかが特定されているので、既知の情報、すなわち旧情報と判断できます。
このような特定された人や物が主語のときには、there is構文を用いません。
一方、不定冠詞 ”a” や ”some” などがつく人や物は不特定を意味するので、未知の情報、すなわち新情報と判断できます。
こうした不特定の人や物が主語のときに、there is構文を用います。
「存在する」= there is構文と公式的にとらえず、使い分けを意識してください。
ところで、”There is a dictionary on the desk.” の主語・述語は何でしょうか?
正解は、主語が ”dictionary”、述語が ”is” です。
主語が複数なら、”There are(V) some dictionaries(S) on the desk.” のように主語の前に置かれたbe動詞が変化します。
There自体に意味はなく、訳しません。
There V+Sの特殊な構文ですが、第1文型に分類されます(There V+Sの後ろには修飾語のみが置かれます)。
こうしたルールが分かると、使い方に迷わないようになり、発言にも自信を持てるようになります。
英文法を理解していくと、会話集や文例などの表現を一部変えて、自分なりの表現にしていくこともできるようになります。
表現の仕方の違い
例えば、「頭痛がする。」という英語の言い方は、”I have a headache.” です。
直訳すると、「私は頭痛を持っている。」となり、日本語では不自然な表現となりますね?
しかも、頭痛を意味する ”headache” に ”a” が付いています。
これは、英語では「頭痛」が可算名詞(数えられる名詞)であることを意味します。
そもそも、名詞があったら、”the” か ”a” か、もしくは無冠詞かを考えなければいけないところから日本語と表現方法が違うわけですが、痛みが数えられる名詞であるという扱いにも、不思議な感じがするかもしれません。
こうした、日英の表現の違いを感じる英訳をやってみましょう。
ヒントですが、次からの問題で使う動詞は、日常会話でよく使われる ”have” か “get” のどちらかを使います。
Q1「私は喉が痛い(ヒリヒリする)。」を英訳してください。※「ヒリヒリする」は形容詞の ”sore”、喉は ”throat”
【解答】I have a sore throat.
【注釈】直訳だと「私はヒリヒリする喉を持っている」→ 痛みがある
Q2「風邪を引いている。」を英訳してください。 ※「風邪」は “cold”
【解答】I have a cold.
【注釈】「痛み」と同様に可算名詞で、直訳では「風邪を持つ」。coldは「寒い、冷たい」という形容詞のほか、「風邪」という名詞としての意味がある
Q3「彼は怒った。」を英訳してください。
【解答】He got angry.
【注釈】“He is angry.” で怒っている状態。getにすると平常状態から「怒る」への変化を表す
Q4「外は暗くなってきた。」を英訳してください。※「外(側)に」は ”outside”(副詞)
【解答】It is getting dark outside.
【注釈】天気や寒暖、明暗を表す時の主語は、非人称の “it” を用いる →「それは」と訳さない。getで「なる」という変化を表し、be gettingで「なってきている」を意味する
Q5「この猫は青い目をしている。」を英訳してください。
【解答】This cat has blue eyes.
【注釈】直訳は「この猫は青い目を持つ」。目は2つあるのでeyes
Q6「私はTOEIC700を取った。」を英訳してください。
【解答】I got 700 on the TOEIC.
【注釈】 getの原義は「(努力して財産等を)獲得する」→ ここでは「〜を得る」の意味。この時のonは「〜に関する」で、about(〜について)より専門的な時に使う
Q7「私は明日散髪するつもり。」を英訳してください。
【解答】I am going to get a haircut tomorrow.
【注釈】“get a haircut” で「散髪する」。”have a haircut” で「散髪してもらう」。getとhaveには多様な意味と活用がある
Q8「この部屋には窓が一つしかない。」を英訳してください。
【解答】This room has only one window.
【注釈】「ある」を意味するthere is構文もあるが、「何が(主語)〜だ(述語)」の構文の方が英語らしい表現。「部屋が窓を持つ」という言い方は日本語ではしないが、英語では自然
Q9「この部屋には窓が一つもない。」を英訳してください。
【解答】This room has no windows.
【注釈】直訳すると「1つもない窓を持っている」。英語では否定でこのような表現をよくする。 noの後ろにつく名詞は、通常複数あるものなら複数形にする
Q10「どうやって空港まで行ったの?」を英訳してください。
【解答】How did you get to the airport?
【注釈】「どのように空港に到着しましたか?」ということ。goは日本語の「行く」とイコールではなく、今いる場から離れる時に用い、到着点に着く意味ではgetを用いる。get to~で「〜に着く」
Q11「このパソコンにはマイクが付いていません。」を英訳してください。
【解答】This computer does not have a microphone.
【注釈】「パソコンがマイクを持っている」でマイクを装備しているという意味になる。パソコン、マイクは和製英語
いかがでしたか?
どれも日常的によく使う表現ですが、日本語の述語表現から英語の述語を何にするかのイメージがつきにくいものが多かったのではないでしょうか?
日本語では、「猫が青い目を持っている」「部屋が窓を持っている」という表現は不自然ですが、英語ではこのような「誰(何)が〜する(だ)」という因果関係がはっきりした表現がよく用いられます。
どちらが良い悪いではなく、言語の違いが現れていますね。
次も、英語の表現方法を意識しないと、英訳しにくい例です。
次からの問題の述語はすべて「なる(なった)」ですが、英語ではどのような述語を使うと良いでしょうか?
Q12「彼は医者になるだろう。」を英訳してください。
【解答】He will be a doctor.
【注釈】“He will become a doctor.” でもよいが、未来に向かって「なる」はbeが一般的
Q13「彼女は先生になった。」を英訳してください。
【解答】She became a teacher.
【注釈】「〜(の状態)になる」は become。「なった(過去)」の意味ではbe動詞は使えない
Q14「急に寒くなった。」を英訳してください。※「急に」は ”suddenly”(副詞)
【解答】It suddenly got cold.
【注釈】天候、寒暖などの時の主語は非人称のitを用いる。”It is cold.” は寒い状態 → “It got cold.” とgotを使うことで「寒くなった」と変化を表す
Q15「春になった。」を英訳してください。
【解答】Spring has come.
【注釈】季節が移り変わって「春が到来した」ことを現在完了で表す。今まさに春だ!という時は “It’s spring!” などとしてもよい
Q16「もうすぐ20歳になります。」を英訳してください。
【解答】 I will turn 20 soon.
【注釈】「回る」「向きを変える」という意味のturnには「(ある状態に)なる」という意味もある。”I'm almost 20 years old” (もう少しで20歳)など色々な言い方がある
Q17「とても勉強になった。」を英訳してください。
【解答】 I learned a lot.
【注釈】「とても勉強になった」ということは「多くを学んだ」ということ。英語では素直に表現する
Q18「なんで(どうして)こうなった?」を英訳してください。
【解答】How did this happen?
【注釈】happenの語源は「(偶然に)なる」で、意味は「起こる、生じる」。「どうしてこのようなことが起こったのか?」が英語の表現方法
「なる」は “become” だから…と、単語単位で訳していくのではなく、シチュエーションに応じて英訳していく必要性が分かりますね?
このように、日本語と英語とでは表現方法の違いがあるということを踏まえて英作文をしていくことが大切です。
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