「分かる! 英作文 〜中学基礎文法〜」と、「英語deガイド」の2つのiOS無料アプリをリリースしています。
これら2つのアプリは、英会話をするために必要な基礎力と、実践力を見につけるために開発しました。いずれも口頭英作文(瞬間英作文)をすることにより、日本語⇒英語の回路を作ることを目的にしています。
アプリの紹介はページ下部をご覧ください。
「分かる! 英作文 〜中学基礎文法〜」アプリに掲載した「英作文のpoint」の続きをアップします。
順次、内容を更新していきますが、アプリには全文を掲載していますので、続きを先にご覧になりたい方はアプリを参照ください。
英作文のpint2 表現方法の違い@
英語と日本語の表現方法の違い
日本語では、意味が通じれば主語が省かれることも多いですが、英語では、命令文などの一部を除き、主語は省けません。
例えば、日本語で「忙しい」と言えば、話し手が忙しいとわかるので主語の「私は」がよく省かれますが、英語では “I am busy.” と、主語 “I” を省けません。
日本語で「忙しい」と言った時の主語は「私は」で、述語は形容詞の「忙しい」になりますが、一方の英語では、 “I am busy.” の主語は ”I” で、述語はbe動詞の “am” です。形容詞の “busy” ではありません。
日本語の「忙しい」も英語の “busy” も形容詞ですが、前者は述語になり、後者は述語になっていないのです。
実は、日本語では述語に形容詞を置くことができるのですが、英語では述語に動詞しか置けないので、形容詞の “busy” を述語に置くことができません。そのため、”I busy.” とはできないのです。
では、英語ではどう表現するかというと、状態を表すbe動詞を用いて “be動詞+形容詞” の形にし、“I am busy.” として「忙しい(状態) 」と表します。
「海が / きれい(形容詞)」も同様に、”The sea beautiful.” とはできないので、”The sea is beautiful.”とします。
ここで、次のような疑問が浮かんだ人がいるかもしれません。
『 “I am busy.” は「私は(I) / 忙しい(busy) / です(am)」を並び替えたものではないのか?』、『「です」がbe動詞として述語に置かれているだけではないのか?』
でも、日本語では「私は / 忙しい」で文が成立しますよね? これを英訳すると “I am busy.” となり、「です」があってもなくても英文では同じ表現になります。
これは、どのように考えると良いでしょうか?
「です」= be動詞?
英語を学ぶ際、be動詞は、よく「です」と教わります。
しかしながら、「私は英語が好きです」を英訳すると ”I like English.” となり、「です」に相当するようなbe動詞は見つかりません。
この時の述語は、あくまで “like” という動詞で、「〜が好きである」、「〜を素敵だと思う」という意味です。「です」はどこにも出てきません。
日本語の「です」とは、断定を意味する丁寧な表現の助動詞で、動詞の意味に少し変化を加える役割を持っていますが、動詞ではありません。
動詞と助動詞の役割について、英語で例をあげると、”swim” (泳ぐ)が動詞で、”can” が助動詞です。
“can(できる) + swim(泳ぐ)” →「泳げる」
助動詞 ”can” が付くことで動詞 “swim” から意味が少し変化していますね?
では、「です」はどうでしょうか?
もう一度、助動詞「です」の役割を説明すると、「断定を表すことと」「丁寧な表現にすること」です。
そのため、先ほどの「私は忙しい」という文に、「私は忙しい+です」と助動詞の「です」を付けても、文の意味が変わるわけではないのです。「私は忙しい」という事実を断定し、丁寧な表現になっただけです。
日本語では、「忙しい」という形容詞のみでも、「忙しい+です」という形容詞+助動詞でも述語になります。
一方、述語に動詞のみを置くという英語のルールでは、「忙しい」を意味する形容詞の “busy” に、「誰が」を表す主語 ”I” と、状態を表すbe動詞 “am” を組み合わせて文を構成します。
英語と日本語では、このような文構造の違いがあるほか、表現の仕方が異なることがよくあります。
そのため、単語単位を単純に訳して並べ替えるのではなく、英語の表現方法に沿った英作文をしていく必要が出てくるのです。
be動詞は「状態」「存在」を表す
be動詞は、助動詞ではなく動詞なので、そもそもの役割が助動詞の「です」とは異なることをご説明しました。
まず、be動詞の基本的な意味については、「状態・様子」「存在・所在」を表すと考えてください。
そして、be動詞には主語になる人(物・事)がどういう人(物・事)であるか、どういう状態・様子であるかなどの情報を提供する働きがあります。
例えば、”I am a student.” は「私は学生(という状態)だ」で、主語 “I” は学生であるという情報を提供していますね?
”He is in the library.” は「彼は図書館(の中)にいる(存在)」。
“She is kind.”は「彼女は親切(な様子)だ」。
同様に先ほどの ”I am busy.” は「私は忙しい(状態)」で、いずれも主語がどういう状態であるか等の情報を提供しています。
「状態・様子」を表す場合のbe動詞はイコールの役割に似ています。つまり ”I am a student.” は、”I = a student”、”She is kind.” は、”She = kind” というような関係になります。
「存在」を表す場合は、”He = in the library” が等価を意味するイコールで結ばれているとは言えませんが、「彼=図書館の中に」、つまり図書館の中に「存在」しているのだな、と分かりますね。
この “=“ の役割を、英語から日本語に訳すとき、存在を表すときは「いる」「ある」に、状態・様子を表すときは「〜だ」「です」にするのが自然です。
そうした理由もあって、be動詞 =「です」等とされるわけですが、その役割についてはイコールではないということと、基本的な意味は「状態・様子」「存在」だとおさえておくことが大切です。
では、これまでの説明を踏まえ、演習を通じてbe動詞の意味や使い方をもう一度確認しておきましょう。
※アプリでは問題文をタップすると解答が表示されます。また、アプリでは文構造が確認が確認できるよう主語、述語、目的語、補語の文字色をそれぞれ変えて表示していますが、本ブログでは一色表示になります。予めご理解ください。
Q1「彼は先生です。」を英訳してください。
【解答】He is a teacher.
【注釈】 ”a teacher” であるという情報を提供している → He = a teacher。職業を表す不特定の名詞には不定冠詞 ”a” が付くことが多い
なお、先生につく ”a” などの冠詞も厳密には修飾語ですが、”a teacher” などのように単語の集まりで一つの意味を成すものは、まとまり(句)として取り扱います。
Q2「彼女は17歳です。」を英訳してください。
【解答】She is seventeen years old.
【注釈】She(S) is(V) seventeen years old(C). の第2文型。彼女は17歳という状態であり、She = 17 years old
Q3「私の父は医者です。」を英訳してください。
【解答】My father is a doctor.
【注釈】My father(S) is(V) a doctor(C). の第2文型。父は “a doctor” という状態であり、My father = a doctor。第2文型はS=Cの関係になるのが特徴。C(補語)は主語のことを説明する
Q4「彼女は弁護士になるでしょう。」を英訳してください。
【解答】She will be a lawyer.
【注釈】「彼女は弁護士(という状態)になるだろう」。「なる」はbecomeもあるが、将来に向かって「なる」のはbe動詞を用いることが多い
Q5「静かに!」を英訳してください。
【解答】Be quiet!
【注釈】「静か(な状態)に!」。命令形は、元の文 “You are quiet.”から主語Youを省き動詞を原型にする。be動詞の命令形は、後ろに状態を表す形容詞や名詞がきて「〜(な状態)になれ」という意味。例:Be patient.(忍耐強く)、Be careful.(注意して) など
Q6「この絵はとても美しい。」を英訳してください。
【解答】This picture is so beautiful.
【注釈】This pictureはbeautifulな状態(be)ということ。soは形容詞(beautiful)を強調する副詞(veryでもよい)
Q7「私の父は怒っている。」を英訳してください。
【解答】My father is angry.
【注釈】My fatherはangryな様子である(be)ということ
Q8「彼女は図書館にいる。」を英訳してください。
【解答】She is in the library.
【注釈】inは広い場所、空間の中を表す前置詞。図書館の中にSheが所在している(be)イメージ
Q9「彼は今東京にいる。」を英訳してください。
【解答】He is in Tokyo now.
【注釈】inは地名や広い場所に付く前置詞なので、東京という広い場所の中に彼が所在している(be)イメージ
Q10「私の鞄はどこにありますか? そこにあります。」を英訳してください。
【解答】Where is my bag? It is there.
【注釈】この時のbeも所在(ある)を表す
ところで、「ある」という存在を表すときには、 there is構文を使うのではないかと思われるかもしれません。
それは間違いではないのですが、be動詞自体に存在を表す「ある・いる」の意味があるので、there is構文との使い分けをする必要があります。
(Aに続く)
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