2019年06月14日
山本達彦「マイ・マリン・マリリン」1983夏の乾燥した空気
「マイ・マリン・マリリン」
山本達彦
1983 single
山本達彦さんの「ラストグッドバイ」がヒットした翌年にリリースされた新曲。
最初から注目されていました。
同級生がカセットテープに録音して聴いていたのを「どんな曲?」と聞かせてもらったのを覚えています。
「夏の曲が好きなんだよね?気に入ると思うよ」と言われました。
たしかに気に入りました!
でも、そんなに夏っぽさは感じなかったのです。
というより、当時は夏のリゾート感あふれる音楽があふれていたので、その路線でイメージしてしまいがちでした。
山本達彦さんの「マイ・マリン・マリリン」は、確かに夏向け。でも、独自の夏サウンド。まだアルバムを聴いていなかっただけに、イメージが追いつきませんでした。
おそらく生ピアノの音だと思いますが、その連打している演奏スタイルが『ロックだなあ』と思って、一気に惹かれてしまいます。夏リゾートなサウンドが好きとはいえ、甘すぎないほうがいいと考えたりしていたからです。
白い砂丘の向こうに、かすかに青い海が見えている。
そんなイメージが湧きました。
海に行くぞ、と思い立って出かけてきたのに、なかなか波打ち際に到着しないもどかしさ。
自分が出かけられる海とは違う、どこか異国の海を想像しがちだったのです。
けれども自分が出かけられる距離の海に連れて行って聴いていました。
砂の感触、風の感触、はっきりと聞き取れない音の輪郭。風が荒れ狂うと、ボリュームを上げたくらいでは音が聞き取れないのです。
着きそうで着かない距離感。手を伸ばしても届くはずのない場所。海に着たけれど、ここではないどこかの海を想像してしまったり。
焦燥感と諦観が入り混じって、それこそが夏だよなと思えるようになったのは、数年後のことです。
あのとき耳にしておいてよかった。
高温多湿な日本の夏ですが、この曲を聴いているときだけは乾燥しまくっています。乾いているのです。
のどの渇きというより、心、いえ、魂の渇きでしょうか。
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