2017年06月19日
【ひまつぶし2】現代風パロ[ぼくらだ!1週間大戦争]
こんにちばんわバンビです。
小出しにしてますよ・・・
ええ小出しです。
何度も書きますが、ぼくらの7日間戦争のパロディです。
最初は、ほぼ原作に沿ってますが、だんだんくずれます。
そして2007-2009年くらいに書いているので時代背景が古いです。
----第2話 生存確認----
3年1組クラス全員、歩夢以外の41人に電話をした。方々に連絡先を聞きながらだったので、優に1時間は超えていた。男子21人中8人は不在。家にいたのは、小塚智一(こづかともかず) ただひとりだった。
唯一電話にでた小塚は、今話題となっている教師からの体罰によって腰を痛めて1週間学校に行っていない。だから、今日学校に行った男子生徒全員が、神隠しのように帰宅していないことになる。
小塚がやられたのは、体育の教師、引間成一 (ひきませいいち)に胸ぐらをつかまれ壁へ押し込まれ強烈に押し付けられた後、落とされたのだ。
引間曰く押しずもうと言ってた様だが、どの男子生徒も恐れる罰ゲームだった。徒競走、水泳、サッカー、バスケのどの競技だろうと、ミスをすると押しずもうにエントリーされる。その相手はすべて引間だ。PTAでも問題になりかかったにも関わらず、校長が小塚の両親ともみ消したのだ。自分の子供には、無関係と思っていた体罰が、こんな身近にあると思うとぞっとする。
入院から帰ったばかりの小塚は、男子生徒が帰ってこない理由を知らないと言った。一方女子生徒は、プールで合った真梨子以外の全員が帰宅していた。そして、彼女たちも男子生徒がどこにいるのか知っている者はいなかった。
---15:30
連絡を受けた男子生徒の母親たちが真理の家に集まった。15畳あるリビングもあっという間にごったがえした。
どこからともなく、一斉に会話が始まる。ここが年齢を重ねた良いところでもあり悪いところでもある。
『学校からでるときは、バラバラだったみたいよ。誘拐は・・・ねえ・・・』
『子供たちは、自分たちの意思でどっかにいったんじゃない?』
『中学生よ?誘拐する?』
『1人2人じゃなくて全員よ?』
『誘拐なら犯人から電話があるんじゃないの?』
肥えて汗をタオルで拭きながら、分厚いめがねを光らせながら、状況に似つかわしく無い煌びやかな服を着ながら、それぞれが言い分を好きな様に言っている。
その中でエアコンは、人数の多い場合、無意味と今知った。満員電車の中、出勤する夫に少し頭が下がった。
『きっと、何かをたくらんでるな。中学3年の男の子が何十人も消えたんだ。集団誘拐はまずないはずですよ。そう遠くへは行けません。せいぜい自転車で行ける距離でしょうから、みんなで手分けして探しましょう。』
いつも間に帰ってきたのか、勇歩が言った。
『そうね。そうだわ』
勇歩の声をきっかけに、何かを思いついたかの様にみんな立ち上がった。
『学校でプールは使われちゃってるからどこかの川で泳いでるんじゃ無い?まぁそんなところよ』
六串の母、理津子はのん気なものだ。恐らく、ほとんど心配をしていないのだろう。
『誰かスマホを持たせてるお宅は無いんですか?』
また、勇歩の声だ。今日の勇歩は冴えている。いや、今いる母親たちが冷静ではないのだろう。
『完全禁止になったのに持たせられないわよ』
そう言ったのは音喜多義忠(おときたよしただ)の母、明美だ。
今年のあたまに、文部科学省が、公立小中高校への携帯持込を原則禁止する通達を全国の教育委員会に出した。当然、学校側は厳しい監視で持ち物チェックをしているのだ。見つかれば停学になる。中学3年生の大事なこの時期にそんなことをさせる親は少ない。
現状では唯一、生徒たちの無事を確認できるものを、親や学校が禁止にしているのだから、こんな皮肉はない。
親たち総出の周辺捜索は、19:00すぎまでかかった。カラオケボックス、ゲームセンター、学校周辺の公園まですべて回ったが目撃者もいない。商店街には、誰も歩いてきてもいない。
『これだけいないのだから、電車ね。』
『タクシーも考えられるわ』
『バスかも』
それぞれが考えうる公共機関へ向かってみるも団体の中学生を目撃した情報はなかった。まさに神隠しにあったかのように綺麗に全員が街から姿を消したのだ。
完全に手がかりが見つからないままだった。深夜になっても帰宅しないようであれば、警察に連絡をしようと意見を一致させて、おのおの家路に付いた。
小出しにしてますよ・・・
ええ小出しです。
何度も書きますが、ぼくらの7日間戦争のパロディです。
最初は、ほぼ原作に沿ってますが、だんだんくずれます。
そして2007-2009年くらいに書いているので時代背景が古いです。
----第2話 生存確認----
3年1組クラス全員、歩夢以外の41人に電話をした。方々に連絡先を聞きながらだったので、優に1時間は超えていた。男子21人中8人は不在。家にいたのは、小塚智一(こづかともかず) ただひとりだった。
唯一電話にでた小塚は、今話題となっている教師からの体罰によって腰を痛めて1週間学校に行っていない。だから、今日学校に行った男子生徒全員が、神隠しのように帰宅していないことになる。
小塚がやられたのは、体育の教師、引間成一 (ひきませいいち)に胸ぐらをつかまれ壁へ押し込まれ強烈に押し付けられた後、落とされたのだ。
引間曰く押しずもうと言ってた様だが、どの男子生徒も恐れる罰ゲームだった。徒競走、水泳、サッカー、バスケのどの競技だろうと、ミスをすると押しずもうにエントリーされる。その相手はすべて引間だ。PTAでも問題になりかかったにも関わらず、校長が小塚の両親ともみ消したのだ。自分の子供には、無関係と思っていた体罰が、こんな身近にあると思うとぞっとする。
入院から帰ったばかりの小塚は、男子生徒が帰ってこない理由を知らないと言った。一方女子生徒は、プールで合った真梨子以外の全員が帰宅していた。そして、彼女たちも男子生徒がどこにいるのか知っている者はいなかった。
---15:30
連絡を受けた男子生徒の母親たちが真理の家に集まった。15畳あるリビングもあっという間にごったがえした。
どこからともなく、一斉に会話が始まる。ここが年齢を重ねた良いところでもあり悪いところでもある。
『学校からでるときは、バラバラだったみたいよ。誘拐は・・・ねえ・・・』
『子供たちは、自分たちの意思でどっかにいったんじゃない?』
『中学生よ?誘拐する?』
『1人2人じゃなくて全員よ?』
『誘拐なら犯人から電話があるんじゃないの?』
肥えて汗をタオルで拭きながら、分厚いめがねを光らせながら、状況に似つかわしく無い煌びやかな服を着ながら、それぞれが言い分を好きな様に言っている。
その中でエアコンは、人数の多い場合、無意味と今知った。満員電車の中、出勤する夫に少し頭が下がった。
『きっと、何かをたくらんでるな。中学3年の男の子が何十人も消えたんだ。集団誘拐はまずないはずですよ。そう遠くへは行けません。せいぜい自転車で行ける距離でしょうから、みんなで手分けして探しましょう。』
いつも間に帰ってきたのか、勇歩が言った。
『そうね。そうだわ』
勇歩の声をきっかけに、何かを思いついたかの様にみんな立ち上がった。
『学校でプールは使われちゃってるからどこかの川で泳いでるんじゃ無い?まぁそんなところよ』
六串の母、理津子はのん気なものだ。恐らく、ほとんど心配をしていないのだろう。
『誰かスマホを持たせてるお宅は無いんですか?』
また、勇歩の声だ。今日の勇歩は冴えている。いや、今いる母親たちが冷静ではないのだろう。
『完全禁止になったのに持たせられないわよ』
そう言ったのは音喜多義忠(おときたよしただ)の母、明美だ。
今年のあたまに、文部科学省が、公立小中高校への携帯持込を原則禁止する通達を全国の教育委員会に出した。当然、学校側は厳しい監視で持ち物チェックをしているのだ。見つかれば停学になる。中学3年生の大事なこの時期にそんなことをさせる親は少ない。
現状では唯一、生徒たちの無事を確認できるものを、親や学校が禁止にしているのだから、こんな皮肉はない。
親たち総出の周辺捜索は、19:00すぎまでかかった。カラオケボックス、ゲームセンター、学校周辺の公園まですべて回ったが目撃者もいない。商店街には、誰も歩いてきてもいない。
『これだけいないのだから、電車ね。』
『タクシーも考えられるわ』
『バスかも』
それぞれが考えうる公共機関へ向かってみるも団体の中学生を目撃した情報はなかった。まさに神隠しにあったかのように綺麗に全員が街から姿を消したのだ。
完全に手がかりが見つからないままだった。深夜になっても帰宅しないようであれば、警察に連絡をしようと意見を一致させて、おのおの家路に付いた。
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