カジノ解禁は、地方に何をもたらすのか
⏺️観光で「稼げる国」になるための寛容さが必要
️現状では違法とされているカジノだが、解禁されることで国民の生活にどのような影響があるのか
カジノを含む統合型リゾート施設(Integrated Resort=IR)の導入に向けた動きが活発に。
シンガポールやマカオなどで導入されているIRだが、日本で導入するうえで、どんな問題があるのか。
カジノを含む賭博法制(ゲーミング法制・統合型リゾート法制)に関して、ここから、詳しく説明していきます。
️具体的経済効果がまだはっきりしないワケ
⏹️カジノを含むIR(統合型リゾート)に、大きな経済効果があること自体は確実
も具体的にどれほどの経済効果や市場規模となるかは、現時点では誰にもわからない。
★【具体的な理由】
顧客の実際の消費行動(遊び方)
制度の建て付け
例、
・カジノゲームにかかわる入場
・与信
・インセンティブプログラム
️これらに関する規制のあり方は、具体的な制度内容がまだ決まっていない。
⏹️許可を得るために求められる開発規模(投資規模)も、決まっていない
・国内の潜在的富裕層の数
・海外のケース(シンガポールやマカオなど)
️正確な市場規模を算出するのは困難。
・外国人だけでなく日本人も入場できるかとか
・依存症対策はどうするか
️この様な細かい点も、IR推進法案では規定されていない。
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️規定されていないのは、それは議論がされていないからではない
⏹️推進派の内部
制度の具体的内容について、かなり充実した研究が積み重ねられてきている。
⏹️カジノの解禁に際して
・国民および社会に大きな影響を与える。
・1本の法律案ですべてを規定して、それを国会で徹底審議するのが望ましい。
️違法とされている賭博を解禁するという法案を、内閣(政府の官僚)が進んで立案するというのは、事柄の性質上、難しい。
★【推進策】
議員立法によって「解禁する」という方向性自体を打ち出した後に、カジノ解禁のための具体的手段。
どのような制度設計でカジノを解禁するのか。
️具体的な内容を盛り込んだ「IR実施法」の立案が、関係省庁を集結させた内閣の推進本部によって、進められていく流れになる。
⏹️カジノ解禁について
関係する既存法令や省庁が多数にわたる。
内閣の推進本部で、各省庁の叡智を結集し、さまざまな論点を調整したうえで実施法案を作成したほうが、より緻密な法制になる。
️観光で「稼ぐ」という観点が軽視されてきた
⏹️IR推進法案
いったん廃案になりながらも、今年、再度提出され、延長国会で可決が目指されている。
推進勢力の利権的な思惑もあるが、同時に、政府が進める成長戦略に資する部分があることも事実。
⏹️IR推進の目的
「観光及び地域経済の振興と財政改善」である。
️この政策目標自体は、誰も否定しないと思われるが、この政策目標は、「言うは易く行うは難し」の典型である。
例、
自然の豊かな美しい地域に人が訪れても、その人たちが、自然を楽しむだけで、おカネを使わずに通り過ぎてしまう現実もある。
⏹️これまでの観光政策について
エコツーリズムなど、文化的・社会的意義が強調される一方で、滞在型観光で「稼ぐ」という経済的・実利的観点は軽視されてきた。
観光客にたくさんおカネを使ってもらって初めて、地域経済の活性化につながる。
⏹️逼迫する国と地方の財政を改善するためには
きれいごとだけでは済まさずに、いかにおカネを使ってもらうのか。
現実から目を背けずに「政策」として検討する必要がある。
★【改善策】
推進派内部での先行研究を、よりオープンな形で一般の国民にも明らかにして、議論を尽くす必要がある。
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️依存症について
⏹️厚生労働省の調査結果
536万人にギャンブル依存症の疑いがある。
️その数値の正確性に対する異論が唱えられているものの、一定数の患者がいるのは事実。
️カジノを解禁する・しないにかかわらず、早急な対策が不可欠。
ギャンブルであれ
酒であれ
タバコであれ、
️何かに依存しやすい人は、元々、心的な困難性を抱えていることが多く、社会的・医療的な対処も必要。
️「価値観を許容できるか」が問われている
⏹️カジノを含むIR
税金をあまり使わずに、民間による投融資を活性化し、民間主導の地域再開発を実現するための手立てとして位置付けられている。
⏹️統合型リゾートの諸施設
稼ぎ頭であるカジノから得られる収益を使って、単体では不採算で存続できないコンベンション施設や文化的施設の建築費や、維持費などにまわすこともできる。
️カジノを含むIRは、日本社会に大きな影響を与える「劇薬」なので、解禁するとしても慎重な取扱いが必要である。
️カジノ解禁の是非に関して
⏹️憲法が前提とする「価値相対主義」
(何が正しいかという価値判断は、絶対的には決められないこと)
️これについても改めて考える必要がある。
・「自分はギャンブルが嫌いだが、他人が健全にやるかぎりでは認める」
・「稼いだおカネを貯金しようが、ギャンブルに使おうが自由」
️この価値観を許容することができるかどうかが問われている。
️最近の日本情勢
いろいろな面で規制が強化。
社会的なプレッシャーが高まている。
やや息苦しい世の中になりつつある。
️私個人的な感覚である。
️町の賑わいの創出のためには、「水清ければ大魚なし」である。
政策を決めるにあたって、しかるべきコントロールを及ぼすのは当然。
その範囲内にあるかぎりは、ある程度の柔軟さや寛容さが必要である。
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2019年09月03日
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