2024年06月08日
静岡県静岡市 全国東照宮の創祀 久能山東照宮に 家康公を訪ねる 2021年4月11日来訪
徳川家康公がご祭神として祀られる 久能山東照宮です。
新東名高速道路から新静岡ICを出て、日本平(にほんだいら)山頂の「日本平夢テラス」を、車で目指す。
新緑が作るトンネルの景色を楽しみながら、日本平パークウェイを進めば、35分ほどで目的地に到着。
標高300mの丘陵地である日本平夢テラスから望めるのは、駿河湾越しに仰ぎ見る富士山の絶景だ。
施設内3階にある「展望フロア」、そして屋外にある1周約200mある展望回廊からは、眼下に伊豆半島まで見渡せる駿河湾のパノラマビューが楽しめる。
展望回廊のデザインは、隈研吾建築都市設計事務所が手掛けたものである。
隈氏は2020年、東京五輪のメイン会場となる新国立競技場の設計を担当した、日本を代表する建築家。
地元静岡県産のヒノキ材をふんだんに使い、周囲の自然と調和したデザインは、訪れる観光客に安らぎの展望時間を与えてくれる。
屋外回廊を支える、木材が複雑に組み合わさった、隈研吾デザインの建築構造。
見ていて飽きが来ない。
日本平夢テラスを後にし、向かった先が、徳川家康公をご祭神としてお祀りする「久能山東照宮(くのうざんとうしょうぐう)」。
全国にある東照宮の創祀である。
久能山東照宮へは、日本平山頂からロープウェイに乗って移動する。
往復1,250円のチケットを購入してゴンドラに乗り込み、5分ほど下降すれば、境内前のロープウェイ久能山駅に到着だ。
久能山東照宮への参拝は、久能山の麓から、1,159段ある石の階段でできた表参道を登る方法もある。
昔の人は、階段段数の数字から、「いちいちごくろうさん」としゃれを言いながら登ったそうだ。
石段は曲がりくねっていて、傾斜が厳しいと所もある。
足腰に自信のない人は、ロープウェイを使っての参拝をお勧めしたい。
日本平ロープウェイ久能山駅から100段ほどの階段を上ると、久能山東照宮の「御社殿」が現れる。
色鮮やかで華やかな彫刻や壁画に、視線が釘づけになる。
装飾には、徳川家康の願いや哲学が表わされているようで、中国の故事を引用した物語も垣間見れて興味深い。
久能山東照宮 御社殿は、日本平夢テラスの建造物とはまた違った、独特の存在感がある。
重厚で豪華絢爛。
さすが国宝といった印象だ。
無数に張り出した垂木の先には全て同じ紋章が描かれてあるようだが、その中で、1つだけ逆さまに葵の御紋が描かれてあるのを見つけた。
神社が未来永劫残り続けるように、あえて未完成にさせているためであるとか。
縁起を担ぐ古人の心意気が知れて面白い。
境内に掲げられている、徳川家康が残した言葉が記された「東照宮遺訓」。
この言葉は将軍退任の際に書き留められたもので、後継者へ人生の指針を示したものである。
「人の一生は重荷を負ひて遠き道を行くが如し 急ぐべからず」から始まる遺訓。
「人生は重い荷物を背負って長い道のりを歩き続けるようなものなのだから、焦らずゆっくりと進みなさい」という意味の1文に心を掴まれる。
戦国時代を勝ち抜き、江戸幕府を築き上げた将軍だけに豪快な印象の人物像だが、遺訓からは地に足が着いた謙虚な人柄がうかがえる。
家臣に慕われていたというのもうなずける話だ。
家康の生き様を表した遺訓は、現代を生きる私たちにも通じるものがあり、ぜひとも心に留めておきたい。
久能山東照宮の石段を、麓から登り切った場所に、「一ノ門」と呼ばれる門がある。
この門をフレームにして見る駿河湾の絶景に、息を呑む。
駿河湾の海面が魅せる青く眩い景色を眼下に収めれば、階段を延々と登り続けて溜まった疲れも、一気に吹き飛ぶことだろう。
4月上旬ではあるが、強い日差しで身体が汗ばむ今日の気候。
門周りに作られる木陰のオアシスで、絶好の景色を眺めながらしばし休憩する。
門を通り抜ける爽やかな風が気持ちよい。
一ノ門より足を踏み出し、外を覗くと、急な石段が下へ長く続いていた。
神社になる前は、久能城という武田氏のお城であった久能山東照宮。
一ノ門は久能城 大手門の跡地だ。
難攻不落の山城として、久能城周りの急勾配が敵の侵入を困難にしていた事実は、想像するに難くない。
紅葉の季節を待って迎える再訪の日、今度は石段を利用し、先人たちが歩き続けた過日を思いながら参拝したい。
改稿・編集 会長HT
詳しくは以下のリンクを参照してください。
日本平夢テラス https://nihondaira-yume-terrace.jp/
日本平ロープウェイ https://ropeway.shizutetsu.co.jp/
久能山東照宮 https://www.toshogu.or.jp/
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