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2021年08月17日
ウツ(不眠症)と薬
「自己紹介 〜その1〜」、「自己紹介 〜その2〜」の中で、メンタル不調のため、心療内科に通院したり、立て続けに転職・転居したり、実家でアルバイト・無職生活を送ったり等、人生のドタバタを書きましたが、ここではその原因となった「ウツ(不眠症)と薬」について書こうと思います。林業やマラソンとは関係のない話かもしれませんが・・・。
もともと私は一般的にいうメンタル疾患になりやすい性格傾向(真面目、几帳面、完璧主義)があり、人と関わることも苦手なため、高校生の頃よりメンタル不調を抱えていました。それでもネット情報や自己啓発本等に救いを求めながら、何とかやり過ごしてきましたが、社会人(公務員)になって、初めて心療内科の門をたたきました。
精神科(心療内科も含む)の治療は、医師との面談(診察)は初回以外は短時間で、長時間のカウンセリングはなく(あっても別料金)、基本的には投薬(服薬)による治療になります。一般的な風邪やインフルエンザの処方薬と同様、精神科の処方薬(向精神薬)も、合う合わないの個人差はありますが、飲めば最初のうちは効果が出ます(不眠症でいえば、よく眠れます)。ただ、一定期間(2〜4週間)以上、継続的に服用を続けると、だんだんと副作用(症状の悪化を含む)が顕著になってくる場合があります。
私はこの向精神薬を、当初は頓服的に飲んでいました。薬になるべく頼りたくないという思いもあったし、向精神薬に対して、良いイメージが無かったからです。しかし、なかなか不調が改善しないため、一般的な風邪薬のように、毎日(例えば、朝・夕食後)継続的に飲むようになりました。たとえ向精神薬であっても、医師が処方しているのだから、大丈夫だろうと思ったからです。
ただ、一向に症状が改善せず、むしろどんどん悪くなっていくことに、徐々に気づいてきます。
ウツの症状でいえば、不安感で何も手につかず、気力の低下で何も行動を起こすことができず、本当に気持ちが滅入って、衰弱していく感覚に襲われました。その頃は無職で実家暮らしでした。就職活動もできず、ただ自分の部屋で、むなしく時間だけが過ぎていき、そこから抜け出す方法が分からない状態は、まさに生き地獄でした。
一方で、不眠症の症状でいえば、睡眠薬を飲まなければ一睡もできなくなります(寝れても、浅いとぎれとぎれの睡眠が1,2時間程度)。しかも、眠れなかった翌日は下痢や不安感等、体調的にも精神的にも不安定になりました。薬を飲まなければ、毎晩眠れず、日中も不調が続くため、飲んで多少は睡眠を確保した方が良いと考え、服薬を再開してしまい、その結果、薬から抜け出せなくなる負のスパイラルにおちいります。
上記のような、最悪な状態からどのようにして抜け出したのか?私の場合は、アルバイトと断薬でした。
アルバイトは身体を使う単純作業なものにしました。応募する際は、かなり勇気や気力を要しますが、「今の自分でも何とかできそう」と思うものを、とりあえずやってみることが大事だと思います。こうして、とりあえず社会に出て、自分にできることで役に立っている安心感・達成感は、たとえウツや不眠症の症状が辛く、なかなか治らなくても、メンタル面への一番の薬になります。
断薬については、いきなりスパッと止めると、副作用(ネットでは離脱症状と呼ばれる)が出やすいので、徐々に減薬し、断薬する過程を取ります。減薬期間は自身の体調と相談しながら決めますが、私は早く薬を断ちたかったので、1ヶ月程度でした。1ヶ月は比較的短い方で、減薬期間が短いと、ひどい副作用が出る恐れもあるため、本来なら数ヶ月から数年単位で減薬します。そもそも減薬については、医師と相談しながら行うことが大前提なのですが、医師は「症状が悪化しているため薬は減らせない」と減薬に前向きではない場合もあります。ただ、その医師が処方した薬によって、症状が悪化しているため、「減薬したい」という自分の意志を強く持って、医師に伝え、減薬に挑戦することは重要だと思います。
断薬後、約1年間はまともな睡眠が取れませんでした。それくらい、睡眠薬の副作用は怖いものがあります。でも、今の私は毎晩よく眠れる日々が戻っているため、現在不眠症で苦しんでいる方に対して、「必ず良くなる日が来る」と希望を捨てないでいて欲しいと思っています。1つのアドバイスですが、「眠れなくても大丈夫」という考え方は大事です。眠れなくても目をつむっていれば、少しは疲れが取れます。変に「どうしよう、また眠れない」と焦って、布団の中で悶々とする必要はありません。眠れなかった翌日は、体調がイマイチですが、「体調が万全の時の5〜7割程度の力で、無理せず自分のできる範囲のことをする」くらいの気持ちで過ごすと、その日1日を、さらにはその翌日も、翌々日も、乗り越えていけます。
こうしてアルバイトと断薬を続けていく中で、自分がウツや不眠症で苦しむようになった、そもそもの原因に対して、アプローチしていきました。なかなか不調が改善しない中で、現状を打破する意味で、少し勇気を出しました。具体的には、就職活動し、田舎に移住し、林業の職に就きました。
ウツや不眠症は、その原因を取り除けば、快方に向かいやすいです。ただ、その原因を取り除くことが難しいため、薬に頼ってしまいがちなのです。私は「公務員を辞めて林業がしたい」と長年思っていたけど、なかなかそれが実行できず、ウツや不眠症になりました。人生の大きな決断なので、無理もないと思います。そこで、一念発起して公務員を辞めた後、ウツや不眠症が完全には改善していない状態で、またまた一念発起して林業の職に就いたという訳です。「公務員を辞められない。林業ができない。」というウツや不眠症の根本的な原因を、時間はかかりましたが、自分の心と向き合って、取り除きました。もちろん、ウツや不眠症の状態で、無理はできませんが、体調と相談しながら挑戦することは重要です。林業の仕事をし始めてからは、ウツや不眠症の根本的な原因が取り除かれたため、それらは大きく改善しました。ただ、人間なので悩むこともあり、多少のウツっぽさ等が出ることもありますが、それが本来の人間の姿でもあり、なるべく薬に頼らず、まずは自分の心と向き合うことで解決する方法を探ることが大事だと、今では思っています。
話を少し戻しますが、向精神薬の副作用が後遺症となる場合もあります。私が向精神薬を継続的に飲むようになってから5ヶ月くらい経った時、初めて寝違え(首回りの痛み)を経験しました。首回りは自律神経の中枢があるため、薬の影響で自律神経が乱れた結果、首回りの筋肉が緊張し、硬くなり、コリや痛みが発生すると考えられています。それ以降、断続的に首回りのコリや痛みに悩まされ、それは断薬して3年経った今も続いています。昨今「コロナで味覚・嗅覚障害や倦怠感等の後遺症が残った」というニュースを耳にしますが、いつまで続くか分からない(一生続くかもしれない)後遺症は、急性期の症状に引けを取らず、辛いものがあると感じています。
「向精神薬」と大きなくくりで書きましたが、向精神薬の中でも、特にベンゾジアゼピン系は注意が必要です。ベンゾジアゼピン系の薬は、主に抗不安薬と睡眠薬で使われており、上記の副作用・後遺症を特に起こしやすい薬になります。医師でも薬剤師でもない自分が、このようなことを書くことはタブーかもしれませんが、多くのネット情報と一部の書籍、そして自分自身の経験により、間違いない事実だと思います。例えば、眠れないので精神科等へ行き、睡眠薬を処方してもらうことになった際、いきなりベンゾジアゼピン系の薬は避けるべきです。効果は薄い(即効性は無い)ですが、ベンゾジアゼピン系以外の睡眠薬もあります。「とりあえず眠れない現状を今すぐ何とかしたい」、「いちいちベンゾジアゼピン系かどうかなんて調べていられない」と思う気持ちも分かりますし、初めての場合は医師の処方した薬を信じて飲む人が大半だと思いますが、心の片隅に置いておいてもらえたらと思います。
苦しいこと、辛いことがあって、自分だけではどうしようもならなくなった時、選択肢の1つとして、精神科へ行く。それは決して悪いことではないと思います。精神科という駆け込み寺があることは、心の余裕や安心感にもつながります。ただ、現状の日本の精神科で行われている投薬治療については、疑問に思うことが多いです。これは私だけの特殊な事例や意見ではなく、精神科に通院した多くの人によるネットへの書き込みを見れば分かります。日本の精神科診療に対して思うことは、多くの患者を診なければならない大変さは理解できますが、漫然とした投薬治療ではなく、向精神薬の長期服用の危険性の説明と必要最低限の期間の処方、なるべく副作用の少ない(ベンゾジアゼピン系以外の)薬の選択、そしてメンタル疾患の原因とその解決法を探るカウンセリング(なるべく薬に頼らない治療)の重視です。
長々と書きましたが、私にとって人生の大きな要素となった「ウツ(不眠症)と薬」について、「たまたま検索していたらたどり着いた」でも良いので、これを読んで何かを感じたり、メンタル不調に対して理解を深めたりしてくれる方が、1人でも増えたら本望です。
※ 記事一覧はこちら
もともと私は一般的にいうメンタル疾患になりやすい性格傾向(真面目、几帳面、完璧主義)があり、人と関わることも苦手なため、高校生の頃よりメンタル不調を抱えていました。それでもネット情報や自己啓発本等に救いを求めながら、何とかやり過ごしてきましたが、社会人(公務員)になって、初めて心療内科の門をたたきました。
精神科(心療内科も含む)の治療は、医師との面談(診察)は初回以外は短時間で、長時間のカウンセリングはなく(あっても別料金)、基本的には投薬(服薬)による治療になります。一般的な風邪やインフルエンザの処方薬と同様、精神科の処方薬(向精神薬)も、合う合わないの個人差はありますが、飲めば最初のうちは効果が出ます(不眠症でいえば、よく眠れます)。ただ、一定期間(2〜4週間)以上、継続的に服用を続けると、だんだんと副作用(症状の悪化を含む)が顕著になってくる場合があります。
私はこの向精神薬を、当初は頓服的に飲んでいました。薬になるべく頼りたくないという思いもあったし、向精神薬に対して、良いイメージが無かったからです。しかし、なかなか不調が改善しないため、一般的な風邪薬のように、毎日(例えば、朝・夕食後)継続的に飲むようになりました。たとえ向精神薬であっても、医師が処方しているのだから、大丈夫だろうと思ったからです。
ただ、一向に症状が改善せず、むしろどんどん悪くなっていくことに、徐々に気づいてきます。
ウツの症状でいえば、不安感で何も手につかず、気力の低下で何も行動を起こすことができず、本当に気持ちが滅入って、衰弱していく感覚に襲われました。その頃は無職で実家暮らしでした。就職活動もできず、ただ自分の部屋で、むなしく時間だけが過ぎていき、そこから抜け出す方法が分からない状態は、まさに生き地獄でした。
一方で、不眠症の症状でいえば、睡眠薬を飲まなければ一睡もできなくなります(寝れても、浅いとぎれとぎれの睡眠が1,2時間程度)。しかも、眠れなかった翌日は下痢や不安感等、体調的にも精神的にも不安定になりました。薬を飲まなければ、毎晩眠れず、日中も不調が続くため、飲んで多少は睡眠を確保した方が良いと考え、服薬を再開してしまい、その結果、薬から抜け出せなくなる負のスパイラルにおちいります。
上記のような、最悪な状態からどのようにして抜け出したのか?私の場合は、アルバイトと断薬でした。
アルバイトは身体を使う単純作業なものにしました。応募する際は、かなり勇気や気力を要しますが、「今の自分でも何とかできそう」と思うものを、とりあえずやってみることが大事だと思います。こうして、とりあえず社会に出て、自分にできることで役に立っている安心感・達成感は、たとえウツや不眠症の症状が辛く、なかなか治らなくても、メンタル面への一番の薬になります。
断薬については、いきなりスパッと止めると、副作用(ネットでは離脱症状と呼ばれる)が出やすいので、徐々に減薬し、断薬する過程を取ります。減薬期間は自身の体調と相談しながら決めますが、私は早く薬を断ちたかったので、1ヶ月程度でした。1ヶ月は比較的短い方で、減薬期間が短いと、ひどい副作用が出る恐れもあるため、本来なら数ヶ月から数年単位で減薬します。そもそも減薬については、医師と相談しながら行うことが大前提なのですが、医師は「症状が悪化しているため薬は減らせない」と減薬に前向きではない場合もあります。ただ、その医師が処方した薬によって、症状が悪化しているため、「減薬したい」という自分の意志を強く持って、医師に伝え、減薬に挑戦することは重要だと思います。
断薬後、約1年間はまともな睡眠が取れませんでした。それくらい、睡眠薬の副作用は怖いものがあります。でも、今の私は毎晩よく眠れる日々が戻っているため、現在不眠症で苦しんでいる方に対して、「必ず良くなる日が来る」と希望を捨てないでいて欲しいと思っています。1つのアドバイスですが、「眠れなくても大丈夫」という考え方は大事です。眠れなくても目をつむっていれば、少しは疲れが取れます。変に「どうしよう、また眠れない」と焦って、布団の中で悶々とする必要はありません。眠れなかった翌日は、体調がイマイチですが、「体調が万全の時の5〜7割程度の力で、無理せず自分のできる範囲のことをする」くらいの気持ちで過ごすと、その日1日を、さらにはその翌日も、翌々日も、乗り越えていけます。
こうしてアルバイトと断薬を続けていく中で、自分がウツや不眠症で苦しむようになった、そもそもの原因に対して、アプローチしていきました。なかなか不調が改善しない中で、現状を打破する意味で、少し勇気を出しました。具体的には、就職活動し、田舎に移住し、林業の職に就きました。
ウツや不眠症は、その原因を取り除けば、快方に向かいやすいです。ただ、その原因を取り除くことが難しいため、薬に頼ってしまいがちなのです。私は「公務員を辞めて林業がしたい」と長年思っていたけど、なかなかそれが実行できず、ウツや不眠症になりました。人生の大きな決断なので、無理もないと思います。そこで、一念発起して公務員を辞めた後、ウツや不眠症が完全には改善していない状態で、またまた一念発起して林業の職に就いたという訳です。「公務員を辞められない。林業ができない。」というウツや不眠症の根本的な原因を、時間はかかりましたが、自分の心と向き合って、取り除きました。もちろん、ウツや不眠症の状態で、無理はできませんが、体調と相談しながら挑戦することは重要です。林業の仕事をし始めてからは、ウツや不眠症の根本的な原因が取り除かれたため、それらは大きく改善しました。ただ、人間なので悩むこともあり、多少のウツっぽさ等が出ることもありますが、それが本来の人間の姿でもあり、なるべく薬に頼らず、まずは自分の心と向き合うことで解決する方法を探ることが大事だと、今では思っています。
話を少し戻しますが、向精神薬の副作用が後遺症となる場合もあります。私が向精神薬を継続的に飲むようになってから5ヶ月くらい経った時、初めて寝違え(首回りの痛み)を経験しました。首回りは自律神経の中枢があるため、薬の影響で自律神経が乱れた結果、首回りの筋肉が緊張し、硬くなり、コリや痛みが発生すると考えられています。それ以降、断続的に首回りのコリや痛みに悩まされ、それは断薬して3年経った今も続いています。昨今「コロナで味覚・嗅覚障害や倦怠感等の後遺症が残った」というニュースを耳にしますが、いつまで続くか分からない(一生続くかもしれない)後遺症は、急性期の症状に引けを取らず、辛いものがあると感じています。
「向精神薬」と大きなくくりで書きましたが、向精神薬の中でも、特にベンゾジアゼピン系は注意が必要です。ベンゾジアゼピン系の薬は、主に抗不安薬と睡眠薬で使われており、上記の副作用・後遺症を特に起こしやすい薬になります。医師でも薬剤師でもない自分が、このようなことを書くことはタブーかもしれませんが、多くのネット情報と一部の書籍、そして自分自身の経験により、間違いない事実だと思います。例えば、眠れないので精神科等へ行き、睡眠薬を処方してもらうことになった際、いきなりベンゾジアゼピン系の薬は避けるべきです。効果は薄い(即効性は無い)ですが、ベンゾジアゼピン系以外の睡眠薬もあります。「とりあえず眠れない現状を今すぐ何とかしたい」、「いちいちベンゾジアゼピン系かどうかなんて調べていられない」と思う気持ちも分かりますし、初めての場合は医師の処方した薬を信じて飲む人が大半だと思いますが、心の片隅に置いておいてもらえたらと思います。
苦しいこと、辛いことがあって、自分だけではどうしようもならなくなった時、選択肢の1つとして、精神科へ行く。それは決して悪いことではないと思います。精神科という駆け込み寺があることは、心の余裕や安心感にもつながります。ただ、現状の日本の精神科で行われている投薬治療については、疑問に思うことが多いです。これは私だけの特殊な事例や意見ではなく、精神科に通院した多くの人によるネットへの書き込みを見れば分かります。日本の精神科診療に対して思うことは、多くの患者を診なければならない大変さは理解できますが、漫然とした投薬治療ではなく、向精神薬の長期服用の危険性の説明と必要最低限の期間の処方、なるべく副作用の少ない(ベンゾジアゼピン系以外の)薬の選択、そしてメンタル疾患の原因とその解決法を探るカウンセリング(なるべく薬に頼らない治療)の重視です。
長々と書きましたが、私にとって人生の大きな要素となった「ウツ(不眠症)と薬」について、「たまたま検索していたらたどり着いた」でも良いので、これを読んで何かを感じたり、メンタル不調に対して理解を深めたりしてくれる方が、1人でも増えたら本望です。
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