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2021年08月24日

ハンガーノック

 「ハンガーノック」とは、激しい運動により体内の糖質を使い切った状態(低血糖状態)のことであり、倦怠感・脱力・眠気等の症状が現れます。私はこの「ハンガーノック」という言葉自体は知っていましたが、実際に経験したことはなく、軽く考えていました。しかし昨年、約40kmのトレランの大会に出場した際、初めてハンガーノックになり、山の中で全く動けなくなりました。その時の体験を書きたいと思います。

 トレラン大会の前日は仕事で、雨の中、1日ガッツリ間伐をしていました。多少その疲労が残る中、当日朝を迎え、スタート時刻まであまり余裕のない時間に会場に着きました。「とりあえず受付だけは済ませておこう」と思って、走る準備を後回しにし、受付書類1枚だけを持って駐車場から受付場所に向かったところ、予想以上に遠く(1km近く坂道が続いた印象)、レーススタートまでに坂道を約3km(1往復半)走る羽目になりました。また、時間の余裕も無かったため、朝食は食べていたものの、スタート前に食べる予定だった補助食を半分だけ食べ、スタートラインに着くと同時に「スタート」という感じでした。

 意外にも序盤は調子良く走れていました。ただ、25kmを過ぎたあたり(正確な距離は分かりませんが)から空腹感が出てくると同時に、身体が重くなってきました。「エネルギー切れ」かなと思い、ザックの中のアメ玉をなめながら様子を見ていましたが、アスファルトの走りやすい道であったにも関わらず、何でもない堆積した落ち葉に足を取られて転び、膝小僧から手のひら、肩に至るまで、あらゆる箇所を擦りむいてしまいました。ハンガーノックの影響により、脚が自分が思っているよりも上がっていなかったのだと思います。血を垂れ流しながら、何とかエイドステーションまでたどり着き、傷の手当てをし、エイドにあった小さなチョコを数個食べ、急いで出発すると、そこには延々と続くかのような上り坂の山道が待ち構えていました。

 エイドに長くいたためか、多少回復し、最初は前のランナーに追いつき、追い越し等していましたが、坂が急になるに連れて走りが歩きに変わり、だんだん少し休んでは歩き、休んでは歩きに変わっていきました。休んでいる間、後続ランナーに次々と抜かれる中、最初に自分が追い越したランナーにも抜かれたため、少し焦ってまた歩き始めましたが、上り坂の途中でついに身体に力が入らなくなり、路肩のちょっとしたスペースに倒れこんでしまいました。

 再び立ち上がって歩こうとしましたが、身体に力が入らないため立つことすらできず、何とか立てても頭がフワフワして危ないと感じ、その場でしばらく休んでいました。休んでいる時、「これがハンガーノックか」、「山で遭難する時って、こんな感じになるんかな」とか考えていました。何か食べればハンガーノックが治ることは分かってはいましたが、ザックの中の補助食(アメ玉たった3個)も食べつくし、また、紅葉の時期の大会だったため、半そで短パンでジッとしていると身体が冷えてきました。カッパを着て寒さを少し緩和させましたが、「このままジッとしているのはマズい」と思い、次に来たランナーに声をかけて、補助食を分けてもらおうと思いました。

 たまたま次に来たランナーが女性で(狙っていた訳ではないですが・・・)、「動けなくなったから食べ物を分けてほしい」と伝えたところ、一瞬少し嫌そうな顔をされましたが、高カロリーエネルギーゼリーを分けてもらいました。その女性はおそらく入賞ラインにいたため、時間をロスさせてしまったことは申し訳なかったですが、快く助けてもらったことに感謝しています。

 ゼリーを食べてしばらくすると、少し回復した感じがしたので、立ち上がって歩き始めました。上り坂も終わり、平たんになった頃から少し走れるようになってきましたが、ペースは上がらず、後続ランナーにもどんどん追い抜かれました。それでも、「完走はできそうだ」という安心感が出てきて、最終的には無事に完走できました。

 今回、ハンガーノックを初体験して、体調(時間)管理と補助食の大切さを学びました。
 この大会に出る前にも、約40kmのトレランの大会に出たことはありましたが、その時はハンガーノックにならなかったし、それより長いウルトラマラソン(100km)でもハンガーノックになったことはありませんでした。ただ、それはその時の体調がたまたま良かっただけかもしれないし、ウルトラマラソンはエイドステーションの数が多く、また補助食も充実していて、ガッツリ食べていたので大丈夫だったのだと思います。

 今回の反省点として、
★ 当日朝、時間に余裕を持つ。
 →受付場所が駐車場から遠いことを調べていれば、無駄に3km走らなくて済んだ。
 →走る前に朝食や補助食をしっかり食べ、身体に糖質を満タンに蓄えておけば良かった(できれば前日夜の食事から、炭水化物中心のものをしっかり食べておけば良かった)。
 →そもそも前日、ガッツリ間伐せず、少し仕事をセーブしておけば、翌日に疲労が残らないし、早く寝ることで、当日朝も早めに起き、時間に余裕を持つことができた。
★ 補助食は高カロリーで食べやすく、かさばらないものを、ザックに多めに入れておき、走りながらこまめに摂取する。
 →これが 一番重要。アメ玉3個だけなんて、なめ過ぎていた。トレランの大会はエイドステーションの数が少なく、自己責任(自分の食べ物は自分で用意する)。


 最後に、今回のトレランの参加賞の袋の中に入っていたエネルギーゼリーです(大事に保管していたら、賞味期限が切れていた・・・)。

DSC_1275 - コピー.JPGDSC_1276 - コピー.JPG

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感想(18件)


 正確には「エナジージェル」というみたいです。これをザックの中に入れておけば良かった。無念・・・。




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