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2021年02月20日

「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,57

「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,59



が、大切なのはここの処です。私は当時、アントニーともあろう者がどうしてそんな薄情な女に迷ったのか、不思議でなりませんでした。いや、アントニーばかりではない、直ぐその前にもジュリアス・シーザーの如き英雄が、クレオパトラに引っ掛かって器量を下げている。



そういう例はまだその他にもいくらでもある。徳川時代の御家騒動や、一国の治乱興廃の跡を尋ねると、必ず蔭に物凄い妖婦の手管がないことはない。ではその手管というものは、一旦それに引っ掛かれば誰でもコロリと欺(だま)されるほど、非常に陰険に、巧妙に仕組まれているかと言うのに、どうもそうではない様な気がする。



クレオパトラがどんなに悧巧な女だったにした所で、まさかシーザーやアントニーより知恵が在ったとは考えられない。

たとい英雄でなくっても、その女に真心が在るか、彼女の言葉が嘘かほんとかぐらいなことは、用心すれば洞察できるはずである。



にもかかわらず、現に自分の身を亡ぼすのが分かっていながら、欺されてしまうというのは、餘りと言えば腑甲斐ないことだ、事実その通りだったとすると、英雄なんて何もそれほど偉い者ではないかもしれない。



私は密かにそう思って、マーク・アントニーが、「古今部類の物笑いの種」であり、「この位歴史に馬鹿を曝した人間は無い」

という教師の批評を、そのまま肯定したものでした。





引用書籍

谷崎潤一郎「痴人の愛」

角川文庫刊



次回に続く。



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