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2021年02月08日

「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,45


「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,45



私がそう言うと、ナオミはぴくっと肩をちぢめて、小学校の生徒のような甘ったれた声を出して、

「先生、御免なさい」



と言ったり、

「河合チェンチェイ、堪忍して頂戴な」



と、言って私の顔をこっそりのぞき込むかと思うと、時にはちょいと頬っぺたを突っついたりする。

「河合先生」もこの可愛らしい生徒に対しては厳格にする勇気が無く、叱言(こごと)の果てがたわいのない悪ふざけになってしまいます。



一体ナオミは、音楽の方は良く知りませんが、英語の方は十五の歳からもう二年ばかり、ハリソン嬢の教えを受けていたのですから、本来ならば十分出来ていいはずなので、リーダーも一から始めて今では二の半分以上進み、会話の教科書としては

"English Echo"を習い、文典の本は神田乃武(かんだないぶ)の"Intermediate Grammar"を使っていて、



まず中学の3年ぐらいな実力に相当する訳でした。

けれどもいくら贔屓目(ひいきめ)に見ても、ナオミは恐らく2年生にも劣っているように思えました。



どうも不思議だ、こんなはずはないのだと思って、一度私はハリソン嬢を訪ねたことがありましたが、

「いいえ、そんなことはありません、あの児(こ)はなかなか賢い児ですよ。よく出来ます」



と、そう言って、太った、人の好さそうなその老嬢は、ニコニコ笑っているだけでした。





引用書籍

谷崎潤一郎「痴人の愛」

角川文庫刊



次回に続く。























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