2021年02月03日
「痴人の愛」本文 角川文庫刊vvol,40
「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,40
「あたし筒っぽの着物を着て兵児帯を締めちゃいけないかしら?」
「筒っぽも悪くはないよ、何でもいいから出来るだけ新奇な風をしてみるんだよ。日本ともつかず、支那ともつかず、西洋ともつかない様な、何かそういう成りは無いかなーーー」
「あったらあたしに拵(こしら)えてくれる?」
「ああ拵えてあげるとも、僕はナオミちゃんにいろんな形の服を拵えて、毎日毎日取り換え引換え着せて見るようにしたいんだよ。
お召しだの縮緬だのって、そんな高い物でなくってもいい。
めりんすや銘仙で沢山だから、意匠を奇抜にすることだね」
こんな話の末に、私たちは良く連れ立って方々の呉服屋や、デパートメント・ストーアへ裂地を捜しに行ったものでした。
殊にその頃は、殆ど日曜日のたびごとに三越や白木屋へ行かないことは無かったでしょう。
とにかく普通の女物ではナオミも私も満足しないので、これはと思う柄を見つけるのは容易でなく、在り来たりの呉服屋は駄目だと思って、更紗屋だの、敷物屋だの、ワイシャツや洋服の裂(きれ)を売る店だの、わざわざ横浜まで出かけて行って、支那人街や居留地にある外国人向きの裂屋だのを、一日がかりで尋ね回ったことがありましたっけが、二人ともくたびれ切って足を擦粉木(すりこぎ)のようにしながらそれからそれへとどこまでも品物を漁りに行きます。
路を通るにも油断をしないで、西洋人の姿や服装に目をつけたり、到(いた)る処(ところ)のショウ・ウィンドウに注意します。
たまたま珍しいものが見つかると、
「あ、あの裂(きれ)はどう?」
引用書籍
谷崎潤一郎「痴人の愛」
角川文庫刊
次回に続く。
ユーザーさん、
来てくれて有難う
「一息入れて。」
深夜の
コーシータイーム
(^O^)/行けえーーー
◆アクターズスクール北海道
中川るりんさん(小4、9歳)
ドウゾ〜〜〜
(≧▽≦)「うますぎ注意報!!」
2020-04-04 アクターズスタジオ スタジオライブ Vol.183 1.中川琉梨音
https://www.youtube.com/watch?v=XJaKPZ8mshE
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