2021年02月13日
初代プリンスクリッパー
どうもです。
2月ですね。
そろそろ花粉症の季節なんで、毎年の事ですが億劫な季節です。
さて、今回はトラック系のお話です。
プリンスのクリッパーを取り上げたいと思います。
プリンスのクリッパーは1958年10月に当時の富士精密工業からキャブオーバータイプの2t積みトラックとして発売されました。
それ以前は1955年発売のプリンスキャブオーバートラックがありましたが、クリッパーはその後継車となります。
当初はOHV1500ccのGA30ガソリンエンジンを搭載。
出力は60 PS/4,400 rpm、トルクは10.75 kgm/3,200 rpmでした。
当初の型式はAQTI-1型ですが、1959年10月にはエンジンをGA4型70PSに換装(GA4はGA30のマイナーチェンジ版)しAQTI-2となります。
GA4エンジンはGA30と同じ排気量ながら出力70 PS/4,800 rpm、トルクは11.5 kgm/3,600 rpmにアップしたエンジンで、この後もG1と名称変更されS50系スカイラインやホーマーなどプリンス最後まで使われた息の長いエンジンです。
1960年4月には小改良の為型式がAQTI-2改1に変更。(社内呼称の為車両に付いているプレートの型式は変わらず)
翌1961年2月には新たに直列4気筒OHV 1,862 cc GB30型エンジンを搭載(80 PS/4,800 rpm、14.9 kgm/3,200 rpm)したスーパークリッパーが登場。
外観上エンブレム以外はほとんど見わけが付きませんが、型式は新たにBQTI-1となりました。
そして早くも1961年6月にはマイナーチェンジを行い、1500ccはAQTI-2改2へ、同1900ccはBQTI-2となりますが、外観はフロントに羽根のようなモールが追加され、1900ccエンジンはGB30型80PSからGB4(1862cc 91PS/4,800 rpm、15.0 kgm/3,600 rpm)となりました。
GB4はのちのG2エンジンです。
エンジン型式こそ変わっていますが、基本同じエンジンでキャブレターの改良などによってパワーアップしています(社内呼称的には初期のエンジン型式に枝番を付けて区別していて、この場合はFG4B-40)
ちょっとこの時期のプリンスのエンジン型式は分かり難いです。
その後1962年5月になるとスーパークリッパーにロングボディが追加され型式はBQTI-2改(OH)になります。
(通称BQTI-OH型と言うらしいです)
この頃にどうやら1500cc版のクリッパーは生産終了しているようです。
1963年3月にはヘッドライトを2灯から4灯へ、ライトのハイ・ロー切り替えを従来の足踏み式から現在ではおなじみのライトスイッチレバーで切り替える方式にするなどのマイナーチェンジを行い、型式も新たにT631-3を名乗ります。
ロングボディの形式はT631N改型OH。
なぜいきなり枝番の-3が付くのかというと、それ以前のAQTI(BQTI)からの連番扱いだからです。
1962年にプリンスは型式呼称を変更して、アルファベット一文字+数字2桁及び3桁+枝番号に切り替えますが、呼称は変わっても車自体は変わっていないので、マイナーチェンジ扱いの場合は連番扱いで枝番を続き番号にしているからなんです。
なので、フルモデルチェンジをすれば新しい形式+枝番は1からになります。
その後は1964年にダッシュボードのデザイン変更などのマイナーチェンジを行いT631-4となった後、1966年のT65系へのモデルチェンジまで生産されました。
文章で書くとややこしいんですけど、写真で見ても結構分かりにくいです。
一応まとめ
1500cc
1958年10月 AQTI-1
1959年10月 AQTI-2
1960年4月 AQTI-2改1
1961年6月 AQTI-2改2
1900cc
1961年2月 BQTI-1
1961年6月 BQTI-2
1962年5月 BQTI-2改(ロングボディBQTI-OH)
1963年3月 T631-3
(同上?) T631N改型OH(ロングボディ)
1964年 T631-4
※T631-4のロングボディ版のマイナー時期もおそらく通常ボディと同時期だと思われます。
改が付くものは社内的な呼称で正式な型式ではない。
もし間違っているところがあればご教授いただけると嬉しいです。
手持ちのカタログは最初のAQTI-1のものです。
痛みがありますが見るだけなら大丈夫なんで・・・
手抜きしてページ結合はしていませんので少々見難いかもしれません。
まずは表紙
そして中身
最後に裏表紙
まだ富士精密工業時代です。
最後にT631系の実車写真などを載せて終わります。
4灯の実車はこの1台しかまだ見たことがありません。
元はレッカー車だったのでリアオーバーハングが切り詰められています。
これとは別に、だいぶ昔のオールドタイマーにT631の未再生原型車として登場したクリッパーがいました。
広島の方で現役だった(当時)低床の標準車だったと思います。
オマケ
路上復帰当時雑誌などにも取り上げられている有名な1台。
特装車の1台ですが、奇跡的に残っていたこの個体をサルベージした状況はやはり以前のオールドタイマーに詳しく書かれていましたね。
今回は以上です。
古い商用車、特にトラック系は現存率がかなり低いので、現役車に出会える確率は現在では限りなく低くなってしまいました。
乗用車も大事ですけど、高度成長期に大活躍したこれら商用系の車種をもっと維持・保存出来る世の中になると良いんですけどね。
ではまた
2月ですね。
そろそろ花粉症の季節なんで、毎年の事ですが億劫な季節です。
さて、今回はトラック系のお話です。
プリンスのクリッパーを取り上げたいと思います。
プリンスクリッパーとは
プリンスのクリッパーは1958年10月に当時の富士精密工業からキャブオーバータイプの2t積みトラックとして発売されました。
それ以前は1955年発売のプリンスキャブオーバートラックがありましたが、クリッパーはその後継車となります。
当初はOHV1500ccのGA30ガソリンエンジンを搭載。
出力は60 PS/4,400 rpm、トルクは10.75 kgm/3,200 rpmでした。
当初の型式はAQTI-1型ですが、1959年10月にはエンジンをGA4型70PSに換装(GA4はGA30のマイナーチェンジ版)しAQTI-2となります。
GA4エンジンはGA30と同じ排気量ながら出力70 PS/4,800 rpm、トルクは11.5 kgm/3,600 rpmにアップしたエンジンで、この後もG1と名称変更されS50系スカイラインやホーマーなどプリンス最後まで使われた息の長いエンジンです。
1960年4月には小改良の為型式がAQTI-2改1に変更。(社内呼称の為車両に付いているプレートの型式は変わらず)
翌1961年2月には新たに直列4気筒OHV 1,862 cc GB30型エンジンを搭載(80 PS/4,800 rpm、14.9 kgm/3,200 rpm)したスーパークリッパーが登場。
外観上エンブレム以外はほとんど見わけが付きませんが、型式は新たにBQTI-1となりました。
そして早くも1961年6月にはマイナーチェンジを行い、1500ccはAQTI-2改2へ、同1900ccはBQTI-2となりますが、外観はフロントに羽根のようなモールが追加され、1900ccエンジンはGB30型80PSからGB4(1862cc 91PS/4,800 rpm、15.0 kgm/3,600 rpm)となりました。
GB4はのちのG2エンジンです。
エンジン型式こそ変わっていますが、基本同じエンジンでキャブレターの改良などによってパワーアップしています(社内呼称的には初期のエンジン型式に枝番を付けて区別していて、この場合はFG4B-40)
ちょっとこの時期のプリンスのエンジン型式は分かり難いです。
その後1962年5月になるとスーパークリッパーにロングボディが追加され型式はBQTI-2改(OH)になります。
(通称BQTI-OH型と言うらしいです)
この頃にどうやら1500cc版のクリッパーは生産終了しているようです。
1963年3月にはヘッドライトを2灯から4灯へ、ライトのハイ・ロー切り替えを従来の足踏み式から現在ではおなじみのライトスイッチレバーで切り替える方式にするなどのマイナーチェンジを行い、型式も新たにT631-3を名乗ります。
ロングボディの形式はT631N改型OH。
なぜいきなり枝番の-3が付くのかというと、それ以前のAQTI(BQTI)からの連番扱いだからです。
1962年にプリンスは型式呼称を変更して、アルファベット一文字+数字2桁及び3桁+枝番号に切り替えますが、呼称は変わっても車自体は変わっていないので、マイナーチェンジ扱いの場合は連番扱いで枝番を続き番号にしているからなんです。
なので、フルモデルチェンジをすれば新しい形式+枝番は1からになります。
その後は1964年にダッシュボードのデザイン変更などのマイナーチェンジを行いT631-4となった後、1966年のT65系へのモデルチェンジまで生産されました。
文章で書くとややこしいんですけど、写真で見ても結構分かりにくいです。
一応まとめ
1500cc
1958年10月 AQTI-1
1959年10月 AQTI-2
1960年4月 AQTI-2改1
1961年6月 AQTI-2改2
1900cc
1961年2月 BQTI-1
1961年6月 BQTI-2
1962年5月 BQTI-2改(ロングボディBQTI-OH)
1963年3月 T631-3
(同上?) T631N改型OH(ロングボディ)
1964年 T631-4
※T631-4のロングボディ版のマイナー時期もおそらく通常ボディと同時期だと思われます。
改が付くものは社内的な呼称で正式な型式ではない。
もし間違っているところがあればご教授いただけると嬉しいです。
クリッパーのカタログ
手持ちのカタログは最初のAQTI-1のものです。
痛みがありますが見るだけなら大丈夫なんで・・・
手抜きしてページ結合はしていませんので少々見難いかもしれません。
まずは表紙
そして中身
最後に裏表紙
まだ富士精密工業時代です。
T631他の写真など
最後にT631系の実車写真などを載せて終わります。
4灯の実車はこの1台しかまだ見たことがありません。
元はレッカー車だったのでリアオーバーハングが切り詰められています。
これとは別に、だいぶ昔のオールドタイマーにT631の未再生原型車として登場したクリッパーがいました。
広島の方で現役だった(当時)低床の標準車だったと思います。
オマケ
路上復帰当時雑誌などにも取り上げられている有名な1台。
特装車の1台ですが、奇跡的に残っていたこの個体をサルベージした状況はやはり以前のオールドタイマーに詳しく書かれていましたね。
今回は以上です。
古い商用車、特にトラック系は現存率がかなり低いので、現役車に出会える確率は現在では限りなく低くなってしまいました。
乗用車も大事ですけど、高度成長期に大活躍したこれら商用系の車種をもっと維持・保存出来る世の中になると良いんですけどね。
ではまた
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・・・前の方と同じ方でしょうかね?
もし違っていたらごめんなさい。
クリッパーはやはり初代が一番デザイン的には好きで、2代目は一番なじみがあるデザインです。
3台目以降は殆ど記憶に残っていませんね。
1960年代のデザインは過渡期ということもあるでしょうが、各メーカーごとの特徴が色濃くて私も大好きです。
初めまして。
コメントいただきありがとうございます。
確かに70年代くらいまでが個人的には旧車と言える年代です。
しかし、今では80年代のクルマもすでに旧車の範疇になってしまうんでしょうね。
クリッパーは初代、2代目までがオリジナルで、3台目以降の日産車とバッチ違いの兄弟車になってしまってからのは興味がありません。
トラック、バス共々現在の物はメーカごとの特徴が薄いので味気ないですね。
おはようございます。
クリッパーはやはり自分の世代だと2代目の十文字グリルの方がなじみ深いですね。
しかし、デザイン的にはこちらのほうが好みです。
子供の頃は2代目顔しか見て育っていないので、大人になって初代のことを知ってからは6つ穴グリルの初期型の方に興味が移ってしまいました。
実車はまず路上で見ることは有りませんが、写真撮影した個体ならばイベント等で出会うこともありました。
しかし、昨今はこのような状況でイベント自体がありませんので、なかなかに欲求不満気味です(笑)
60年代初期くらいまでのカタログは、今となっては使わない言葉が結構出てきて逆に新鮮ですよね。
例えは古いですが、ハンカチをハンケチと書くような・・・
大型免許の事ですが、私も制度変更寸前に取得したクチです。
既に試験場には新制度対応の試験車両が準備してあり、これで試験はキツイな〜と思ったもんです。
実際それまでが4tワイドレベルの車両でしたから余計にでかく見えたものです。
しかし、免許取得後しばらく某メーカーの新車陸送の仕事をしていましたが、平気で4軸車とか乗るようになりました。
でも慣れるまでは正直怖かったですけどね〜。
初代クリッパーについてはもう一つ記事にする予定がありますので気長にお待ちください(笑)
初代クリッパーですね。私はやはり2代目の印象が強く初代の記憶は微妙ですが、
現在の小型キャブオーバートラックの元祖ですね。
カタログは時代の空気も伝わってきて本当に貴重な資料だと思います。特に現存数も少ない商用車の物は高価で入手難、このように掲載してもらえると嬉しいです。
今からすれば不思議な?表記もありますね。中型トラックとありますが私の感覚では積載4tクラスが中型で2t車は小型だろうとか、最初わからなかったデミスターはデフロスターですよね?確か日産の当時のカタログにも同じ表記がありました。
昭和31年に改正されるまで大型や二種免許の制度がなく当時は大型車といっても6t位でしたが数年後には10t車が普通になったにもかかわらず大型免許の試験車両は平成19年(2009年)までそのままでした。
私も旧制度の6t車で大型免許を取得しましたが当時普通免許で乗れた4t車と変わりなく「これでいいの?」と思ったものでした。