2021年04月22日
クリッパーのミキサー車
どうもです。
今日会社で書類をホチキス留めようとしたとき、何故か手に爪切りを持って書類を挟もうとしてました。
だいぶ疲れてるな・・・
さて、今回は初代クリッパーのミキサー車です。
以前標準車についてはこのブログで書きましたが、今ではまず残っていることのない特装車であるミキサー車を取り上げたいと思います。
とは言いながら・・・
実は今でもある所に初代クリッパーのミキサー車が保存されているんですよ。
今回はそのクリッパーをメインに、自分の知っている範囲ではありますがちょっと掘り下げて書いてみます。
初代クリッパーは以前の記事の通り1958年登場のプリンス自動車の2トントラックですが、このクリッパーをベースに様々な特装車が存在していました。
そのうちの一つがミキサー車ですが、これはダンプと並んで特装車としてはメジャーな存在ですね。
今も同じですが、当時は各社のトラックほぼすべてがダンプやミキサー車のベースとなっていましたので様々な車種がありました。
このクリッパーのミキサー車は小型の部類になりますが、2トンサイズなら狭いところや小さな現場でも持て余すことが無いので結構需要があったのではないかと。
しかし今では小型と言っても4トントラックベースが主流で、2トンミキサーは殆ど見なくなった気がします。
これは当時元々4トントラック市場自体がまだ育ってなく、4トンクラスとなると三菱のジュピターシリーズがほぼ唯一の選択肢でしたので、大型(今とは違い大型も7トンクラスが主流で3軸車などはまだない)より下のサイズとなれば必然的に2トン車が多かったという事です。
(ジュピターも厳密には最大でも3.5トン車ですけど)
なので、昭和30年代いっぱい位までのミキサー車となると大型でも2軸車ばかりでしたし、小型はクリッパーやトヨタのダイナなどの2トン車がメインでした。
そんな時代に活躍していたクリッパーのミキサー車ですが、現在は岐阜県高山市にある飛騨生コン歴史資料館で貴重な実車を見ることが出来るようです。
ネット上で見つけた写真 (minkara.carview.co.jpより画像を拝借しています)
現存車両としては唯一と言って良さそうなこのクリッパーのミキサー車は、飛騨生コン(株)さんで初めて導入した車両という事らしいです。
実は先程から「らしい」とか「ようです」などとしか言ってませんが、自分はこの資料館には行ったことが無く詳しいことは知らないので、ネットで調べた限りの事しか言えてないからです(汗)
写真で見た通り、チョットした商店くらいの建物の中いっぱいを占拠するようにクリッパーが入っており、その周りには当時の道具などが一緒に展示されているようなのですが、その資料館には特に人が常駐しているわけでもなく自由に出入りが出来るなんてネット上では書いてあります。
そんなわけで、展示されている現在の状態を実際に見たわけではないんですが、このクリッパーが見た目は綺麗に直されているのは以前から知ってました。
一般公開当時、綺麗に直されたこのクリッパーが旧車雑誌に掲載されていたからです。
ただ、当時の記事の写真を見る限りではオリジナルに必ずしも忠実に復元したわけではなさそうで、フロントのターンシグナルランプなどはレンズのカットを見る限りでは明らかに後年の車種の物を流用しているようでした。(もしかするとバイク用?)
現在実働状態なのかも知りえないのですが、出来れば今一度しっかりとした考証を元にレストアされると良いのにと無責任ですが個人的には思ってしまう訳で・・・
このクリッパー、実は綺麗に直されて展示されるよりもだいぶ前に偶然見掛けて写真に写していたんですよ。
この写真は恐らく2000年(平成12年)前後だったと思いますが、知人と所用で飛騨方面へ行った際に山間部を走る地方道(国道だったかも)沿いの空き地に他の古いミキサー車と共に置かれているのを偶然発見し、車を止めて急遽撮影したものです。(例によって写ルンですで撮影)
明らかに保管されているような感じで、後方には日野のレンジャーなども一緒に並んでいました。
何故かそちらは一切撮影していませんが、初代クリッパーに気を取られてそれどころじゃなかったんですよ。
勝手に立ち入って良い場所だったのか今では何とも言えませんが、既に20年ほど前なので時効という事で・・・
他のネットでアップされている資料館での写真を確認すると、ミキサーのドラム部分に貼られている説明書きに昭和36年と書いてありました。
現車はフロントにあるラジエターキャップの所に付くウイング状のモールが無いので、この状態がオリジナルであれば36年6月以前のモデルという事になります。
恐らく1500ccのAQTIではなく1900ccのBQTIではなかろうかと思うんですが、確証はありません。
もし推測通りBQTIだとすると、わずか4か月しか販売していないBQTI-1という事になるのでかなり貴重な気がします。
ここでメーカーの簡単な資料があるのでお見せしたいと思います。
時期は少し違いますが当時のクリッパーベースのミキサー車です。
これはプリンス自動車のPR誌からの抜粋で、
昭和37年9月号の巻末にある特殊車ア・ラ・カルトと言うコーナーで掲載されていたものです。
スーパークリッパーと書かれている通り、1900ccエンジンのBQTIベースであることが分かります。
紙面に掲載されている車両はフロントラジエターキャップの所にモールが付いているので、時期的にもマイナー後のBQTI-2で間違いないでしょう。
アジテーターと書いてありますが、ミキサーの事ですね。
ところで、架装メーカーはどこなんでしょう?
当時から複数のメーカーが存在していたのでどのメーカーの物なのか分かりませんが、MT-102と言う型式で詳しい人にはわかりますかね?
オマケで同じく昭和40年10月号の特殊車アラカルトで紹介されているクリッパーミキサー車。
こちらはミキサー車と書かれています。
どうでも良いですが、ア・ラ・カルトがアラカルトに変わってます。
(本当にどうでも良い)
時期的にも当然ですがベース車はT631へ変わっています。
しかし、外観では631-3か631-4かの判断は付きませんね。
ミキサー部分など基本的には余り変わり映えしませんが、よく読むとドラム部分の径が大きくなった代わりに全長が短縮しています。
容量はどちらも1.6㎥で変わりません。
架装メーカーは同じなんでしょうか?
時期は少し違いますが、自動車ガイドブック1963-1964年版第10巻にはT631ベースのミキサー車の価格が記載されていたので参考までに。
東京店頭渡し価格¥1,454,000(東海道統一価格)
東京店頭渡しと書いておきながら東海道統一価格とわざわざ書いているのが謎ですが、グランドグロリアより高価です。
それにしてもT631ベースのミキサー車の紹介はあっさりしてます。
用途などの説明としてはどちらも同じようなことが書いてあるんですが、BQTIクリッパーのほうがより詳しく丁寧に仕様等についても解説されてます。
しかし、これはやる気のなさと言うよりは広報誌の編集方針なのかも。
この冊子は元々一般向けのPR誌で、今でもディーラーに行くとテーブル脇によく置いてあるアレみたいなものです。(今はもうほとんどないのかな?)
なので、どちらかと言えばそこまで専門知識のある相手向けの内容でもなさそうなので、あまり詳細な解説は必要ないという事だったのでは。
特にT631の頃になるとあえて専門的な解説を省いて、
「こんな車も作ってますよ〜」
と言った軽い感覚だったのかもしれないですね。
因みにですが、BQTIクリッパーの掲載されている広報誌は「プリンス」誌で、T631の方は「カートピック」誌で、カートピックス誌とは昭和39年4月号よりそれまでのプリンス誌から誌名が変更となったものです。
このプリンスのほうには定価の記載がありませんでしたが、カートピックには定価30円とあり、送料は別途6円かかるとのこと。
しかし、年間定期購読をすると送料込みで400円になるそうですのでちょっとお得ですね♪
とは言いつつも、恐らくディーラーに出向いた際などに希望すれば無料配布してくれたのではないかと思うんですが、実際に定期購読していた人がどれ位いたのかはちょっと興味があります。
当時の物価等を考えると意外と安くないように思うので購買層を含めてちょっと気になります。
案外ほとんどプリンスの関係者だったりして。
それでも当時の文庫本サイズの価格などを見るとこれくらいが適正な価格なんでしょう。
(チョットしたハウツー本などでも定価250円位してますので)
・・・最後のほうはいつものように話が逸れちゃいましたが、こういった実用車も今では絶滅寸前なのでメーカー問わず少しでも残っていて欲しいと願うばかりです。
それではまた
今日会社で書類をホチキス留めようとしたとき、何故か手に爪切りを持って書類を挟もうとしてました。
だいぶ疲れてるな・・・
さて、今回は初代クリッパーのミキサー車です。
以前標準車についてはこのブログで書きましたが、今ではまず残っていることのない特装車であるミキサー車を取り上げたいと思います。
とは言いながら・・・
実は今でもある所に初代クリッパーのミキサー車が保存されているんですよ。
今回はそのクリッパーをメインに、自分の知っている範囲ではありますがちょっと掘り下げて書いてみます。
初代クリッパーは以前の記事の通り1958年登場のプリンス自動車の2トントラックですが、このクリッパーをベースに様々な特装車が存在していました。
そのうちの一つがミキサー車ですが、これはダンプと並んで特装車としてはメジャーな存在ですね。
今も同じですが、当時は各社のトラックほぼすべてがダンプやミキサー車のベースとなっていましたので様々な車種がありました。
このクリッパーのミキサー車は小型の部類になりますが、2トンサイズなら狭いところや小さな現場でも持て余すことが無いので結構需要があったのではないかと。
しかし今では小型と言っても4トントラックベースが主流で、2トンミキサーは殆ど見なくなった気がします。
これは当時元々4トントラック市場自体がまだ育ってなく、4トンクラスとなると三菱のジュピターシリーズがほぼ唯一の選択肢でしたので、大型(今とは違い大型も7トンクラスが主流で3軸車などはまだない)より下のサイズとなれば必然的に2トン車が多かったという事です。
(ジュピターも厳密には最大でも3.5トン車ですけど)
なので、昭和30年代いっぱい位までのミキサー車となると大型でも2軸車ばかりでしたし、小型はクリッパーやトヨタのダイナなどの2トン車がメインでした。
そんな時代に活躍していたクリッパーのミキサー車ですが、現在は岐阜県高山市にある飛騨生コン歴史資料館で貴重な実車を見ることが出来るようです。
ネット上で見つけた写真 (minkara.carview.co.jpより画像を拝借しています)
現存車両としては唯一と言って良さそうなこのクリッパーのミキサー車は、飛騨生コン(株)さんで初めて導入した車両という事らしいです。
実は先程から「らしい」とか「ようです」などとしか言ってませんが、自分はこの資料館には行ったことが無く詳しいことは知らないので、ネットで調べた限りの事しか言えてないからです(汗)
写真で見た通り、チョットした商店くらいの建物の中いっぱいを占拠するようにクリッパーが入っており、その周りには当時の道具などが一緒に展示されているようなのですが、その資料館には特に人が常駐しているわけでもなく自由に出入りが出来るなんてネット上では書いてあります。
そんなわけで、展示されている現在の状態を実際に見たわけではないんですが、このクリッパーが見た目は綺麗に直されているのは以前から知ってました。
一般公開当時、綺麗に直されたこのクリッパーが旧車雑誌に掲載されていたからです。
ただ、当時の記事の写真を見る限りではオリジナルに必ずしも忠実に復元したわけではなさそうで、フロントのターンシグナルランプなどはレンズのカットを見る限りでは明らかに後年の車種の物を流用しているようでした。(もしかするとバイク用?)
現在実働状態なのかも知りえないのですが、出来れば今一度しっかりとした考証を元にレストアされると良いのにと無責任ですが個人的には思ってしまう訳で・・・
このクリッパー、実は綺麗に直されて展示されるよりもだいぶ前に偶然見掛けて写真に写していたんですよ。
この写真は恐らく2000年(平成12年)前後だったと思いますが、知人と所用で飛騨方面へ行った際に山間部を走る地方道(国道だったかも)沿いの空き地に他の古いミキサー車と共に置かれているのを偶然発見し、車を止めて急遽撮影したものです。(例によって写ルンですで撮影)
明らかに保管されているような感じで、後方には日野のレンジャーなども一緒に並んでいました。
何故かそちらは一切撮影していませんが、初代クリッパーに気を取られてそれどころじゃなかったんですよ。
勝手に立ち入って良い場所だったのか今では何とも言えませんが、既に20年ほど前なので時効という事で・・・
他のネットでアップされている資料館での写真を確認すると、ミキサーのドラム部分に貼られている説明書きに昭和36年と書いてありました。
現車はフロントにあるラジエターキャップの所に付くウイング状のモールが無いので、この状態がオリジナルであれば36年6月以前のモデルという事になります。
恐らく1500ccのAQTIではなく1900ccのBQTIではなかろうかと思うんですが、確証はありません。
もし推測通りBQTIだとすると、わずか4か月しか販売していないBQTI-1という事になるのでかなり貴重な気がします。
ここでメーカーの簡単な資料があるのでお見せしたいと思います。
時期は少し違いますが当時のクリッパーベースのミキサー車です。
これはプリンス自動車のPR誌からの抜粋で、
昭和37年9月号の巻末にある特殊車ア・ラ・カルトと言うコーナーで掲載されていたものです。
スーパークリッパーと書かれている通り、1900ccエンジンのBQTIベースであることが分かります。
紙面に掲載されている車両はフロントラジエターキャップの所にモールが付いているので、時期的にもマイナー後のBQTI-2で間違いないでしょう。
アジテーターと書いてありますが、ミキサーの事ですね。
ところで、架装メーカーはどこなんでしょう?
当時から複数のメーカーが存在していたのでどのメーカーの物なのか分かりませんが、MT-102と言う型式で詳しい人にはわかりますかね?
オマケで同じく昭和40年10月号の特殊車アラカルトで紹介されているクリッパーミキサー車。
こちらはミキサー車と書かれています。
どうでも良いですが、ア・ラ・カルトがアラカルトに変わってます。
(本当にどうでも良い)
時期的にも当然ですがベース車はT631へ変わっています。
しかし、外観では631-3か631-4かの判断は付きませんね。
ミキサー部分など基本的には余り変わり映えしませんが、よく読むとドラム部分の径が大きくなった代わりに全長が短縮しています。
容量はどちらも1.6㎥で変わりません。
架装メーカーは同じなんでしょうか?
時期は少し違いますが、自動車ガイドブック1963-1964年版第10巻にはT631ベースのミキサー車の価格が記載されていたので参考までに。
東京店頭渡し価格¥1,454,000(東海道統一価格)
東京店頭渡しと書いておきながら東海道統一価格とわざわざ書いているのが謎ですが、グランドグロリアより高価です。
それにしてもT631ベースのミキサー車の紹介はあっさりしてます。
用途などの説明としてはどちらも同じようなことが書いてあるんですが、BQTIクリッパーのほうがより詳しく丁寧に仕様等についても解説されてます。
しかし、これはやる気のなさと言うよりは広報誌の編集方針なのかも。
この冊子は元々一般向けのPR誌で、今でもディーラーに行くとテーブル脇によく置いてあるアレみたいなものです。(今はもうほとんどないのかな?)
なので、どちらかと言えばそこまで専門知識のある相手向けの内容でもなさそうなので、あまり詳細な解説は必要ないという事だったのでは。
特にT631の頃になるとあえて専門的な解説を省いて、
「こんな車も作ってますよ〜」
と言った軽い感覚だったのかもしれないですね。
因みにですが、BQTIクリッパーの掲載されている広報誌は「プリンス」誌で、T631の方は「カートピック」誌で、カートピックス誌とは昭和39年4月号よりそれまでのプリンス誌から誌名が変更となったものです。
このプリンスのほうには定価の記載がありませんでしたが、カートピックには定価30円とあり、送料は別途6円かかるとのこと。
しかし、年間定期購読をすると送料込みで400円になるそうですのでちょっとお得ですね♪
とは言いつつも、恐らくディーラーに出向いた際などに希望すれば無料配布してくれたのではないかと思うんですが、実際に定期購読していた人がどれ位いたのかはちょっと興味があります。
当時の物価等を考えると意外と安くないように思うので購買層を含めてちょっと気になります。
案外ほとんどプリンスの関係者だったりして。
それでも当時の文庫本サイズの価格などを見るとこれくらいが適正な価格なんでしょう。
(チョットしたハウツー本などでも定価250円位してますので)
・・・最後のほうはいつものように話が逸れちゃいましたが、こういった実用車も今では絶滅寸前なのでメーカー問わず少しでも残っていて欲しいと願うばかりです。
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お久しぶりです。
なかなか過激なご意見ですが、自分も70年代前半までは良いとしても、80年代の車は興味の対象からは外れてますね。
しかし、今では70年代どころか80年代の廃車体もあまり見なくなりました。
世間的にはもう80年代の車もネオクラシックなんて呼ぶみたいですけど、個人的には古い車という感覚は無いですね〜
むしろ粉々に宇宙藻屑と化しても惜しくないと思っていました。今の年代ならば場外乱闘か生命の危険が及ぶレベルです。80年代車は今も新鋭車の部類か解体処分予定車両だと頭の中では思って見ている程です。
2トンクラスだと総重量で不利だと思いますね。
だから現在は4トン車ベースになったんでしょうか?
それにしても今の免許区分は本当に分からないですね。
準中型なんて謎なクラスが出来たりして、むしろ複雑化してしまい収拾がつかない感じです。
行政はもう少し分かりやすくすると言うことが出来ないもんですかね〜
昔のカタログのアジテーターってなんだそれ?でしたがミキサー車なんですね。
このクラスでは見かけなくなりましたね。架装重量が重くなると最大積載量が減ってメリットがないのが原因かなと思います。
腹立たしいのは免許制度を不当にいじりまわした国会議員、今の普通免許では2t車すら乗れない。中型免許は普通取得後2年20才以上で運送業界の要望で準中型新設、8t限定以下で昔の知識で知らずに違反してる業者がいるのでは?と思います。