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生体内の鉄の動態


鉄(Fe,原子番号26,Mw55.85)は生体内の必須微量元素のなかで最も多い。

成人男性で約4g,成人女性では約3g存在する。

(ちなみに,必須微量元素で2番目に多いのは亜鉛(Zinc,Zn)で約2g。)

おおざっぱな割合は

ヘモグロビンのヘム鉄に66〜75%

貯蔵鉄に20〜25%

3〜5%がミオグロビンのヘム鉄

残りのわずかな量が血清鉄(3~4mgと言われている)および,

酵素(チトクロムC,カタラーゼが代表的)に存在している。


ところで,ヒトの体内の血の総量は体重Kgの1/13だから,

70kgの体格のよい男性なら5.4L

60kgの標準体格の男性なら4.6L

50kgのやせ気味の男性なら3.8L

血清鉄の基準値は

M…44〜192μg/dL
F…29〜164μg/dL

なので,まぁ体内の血清鉄が3~4mgと覚えてよいだろう。


鉄の循環

鉄は1日に,ヘモグロビン合成などのため20~30mg必要となる。

しかし,そのほとんどは寿命となった赤血球から再利用されるため,

鉄は,汗・尿・便から排泄される量の約1mg/dayを補えばよい。

ただし,鉄の吸収率は5〜10%程度なので,

ヒトは1日に,鉄を10mgから20mg摂取する必要がある。


さらに女性では,月経の毎に80mgの鉄を失い,

出産では500mgの鉄を失うことを覚えておいてもらいたい。

なお,母乳中の鉄濃度は非常に低いので,

授乳では,母体の鉄需要が増大することはないと思ってよい。

(授乳中は月経が起こりにくいので,トータルで変化がない)



鉄の価数状態


ヒトが吸収できる,鉄はFe2+の状態のみである。

だから,経口の鉄剤は必ず第一鉄(Fe2+)。

鉄が摂取されると胃酸の力を借りてイオン化しやすくなる

(ただし,これは2価,3価どちらかは分からない)

そして,食物中の還元性物質によって

Fe3+→Fe2+となり十二指腸〜空腸上部から吸収されることが知られている。

吸収されたFe2+は腸上皮細胞内でFe2+ ←→ Fe3+ と相互に変化する。

Fe3+はアポフェリチンと結合してフェリチンとなり貯蔵される。

フェリチンは全身に分布するが,肝臓と脾臓に大量に存在している。

なお,血清フェリチンは貯蔵鉄と相関関係を示し,

血清フェリチン1ng/mL=貯蔵鉄8mgに相当する。

Fe2+は血中に放出され,血液中で再び酸化してトランスフェリンと結合して

全身を循環する血清鉄となる。

なおトランスフェリンと結合するのはFe3+の状態だが,

ヘモグロビンのヘム鉄に配位するのはFe2+であり,

もしFe3+が配位していたら,それはメトヘモグロビンで,酸素の運搬能力は失う。



血中のトランスフェリンの約1/3は鉄と結合しているが,

残りの2/3はフリーの状態(UIBC,Unsaturated iron binding capacity)で存在している。

この1/3+2/3=1をTIBC(Total iron binding capacity)という。

ちなみにトランスフェリンは1分子で最大2個の鉄イオンと結合できて,

1mgにつき,1.25μgの鉄が結合できる能力を有する計算になる。

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