2013年01月24日
第55回(2009年)臨床検査技師国家試験
第55回臨床検査技師国家試験より抜粋
午後 18 (臨床生理学)
正しい組合せはどれか。2つ選べ。
1 負荷心電図───狭心症 ◯
2 指尖容積脈波───ギラン・バレー(Guillain-Barré)症候群 ×(関係ない)
3 加算平均心電図───ブルガダ(Burgada)症候群 ◯
4 ホルター心電図───大動脈弁閉鎖不全 ×(関係ない)
5 足関節上腕動脈血圧比(ABI)───低血圧症 ×(関係ない)
【解説】
加算平均心電図検査は循環器病専門病院で行われている比較的特殊な検査法である。その対象となるブルガダ症候群は、致死性不整脈(VT・VFなど)による突然死で知られている疾患であり、疾患と検査目的との関連性を知っておかなければ解けない問題である。
1-○
安静時心電図では狭心症の診断は困難である。よって、マスター二階段試験やトレッドミル検査などの運動負荷試験が行われている。
2-×
指尖容積脈波とは、赤外線を利用して指先の血管の状態(動脈硬化の有無)や血液の流れの状態を調べる検査である。問題のギラン・バレー(Guillain-Barré)症候群は末梢神経における脱髄性疾患である。神経性疾患であることから本検査の対象とならない。
3-○
若年者の突然死の原因となるブルガダ(Brugada)症候群は注目されている疾患である。心電図上、V1〜V2においてrSR'波形とST上昇を認め、心室頻拍・心室細動(VT・VF)の原因となり、埋め込み型除細動の適応となる重篤な疾患である。問題の加算平均心電図はVT出現を予知するレートポテンシャルの検出に有用な検査法である。
4-×
ホルター心電図の目的は、不整脈と虚血性心疾患の検出である。大動脈弁閉鎖不全などの弁膜症には本検査は適さず、主に心エコー検査により評価・診断される。
5-×
ABI検査は下肢動脈の狭窄ないし閉塞の有無、程度を調べる検査である。上肢と下肢の血圧比(足首収縮期血圧÷上腕収縮期血圧)により判定される。0.96以上が正常値であり、動脈硬化により血管狭窄や閉塞が進行すると低値となる。(健康な成人は下肢のほうが血圧高いのでABI1.1±0.2、0.9以下で動脈血管の閉塞疑い、逆に1.3以上でも予後が悪く動脈閉塞が石灰化している状態の場合が多い)
午後 22 (臨床生理学)
聴性脳幹反応(ABR)について正しいのはどれか。2つ選べ。
1 音刺激から50 msec以後にみられる。
2 III波の起源は上オリーブ核である。◯
3 加算回数は50回程度である。
4 睡眠覚醒の影響を受けない。◯
5 導出電極はOzに装着する。
1-×
ABRは音刺激後10 msecの間に6〜7波が出現する短潜時誘発反応である。
2-○
I波の起源は蝸牛神経-蝸牛神経核、III波は上オリーブ核、V波は下丘起源とされる。
(※上質な3粒のオリーブ!と覚えよう)
3-×
ABRでは反応が小さいことから、加算回数は1,000〜2,000回必要である。
4-○
5-×
ABRは頭頂部付近に現れるため、
導出電極はCz(Central、頭頂点!)に装着する。
午後 問49
中枢神経系でテント上に存在するのはどれか
1 延 髄 ×
2 橋 ×
3 小 脳 ×
4 脊 髄 ×
5 大 脳 ◯
【解説】
テントとは、小脳の上部で大脳と境する硬膜を指す(小テント)。小脳の上にあるテントを張ったような構造である。脳の疾患の場所を示す方法の一つとして、小脳テントより上か下かと表現することがある。問題文ではテントの上にあるものは?と聞いているので、小脳上部に存在する大脳を選択すれば良い。
午後 問60
MCVは基準範囲内でプライス・ジョーンズ曲線が左方に移動している。
考えられる疾患はどれか。
1 サラセミア × 小球性(MCV低値となる)
2 鉄欠乏性貧血 × 小球性(MCV低値となる)
3 球状赤血球症 ◯
4 再生不良性貧血 × 末梢血は正常な形態を示す
5 巨赤芽球性貧血 × 大球性(MCV高値となる)
【解説】
プライス・ジョーンズ(P-J)曲線は、健常者赤血球よりもその直径が大きければ、右方に移動し、直径が小さければ左方に移動する。MCVが基準範囲内であることから、正球性赤血球だが、P-J曲線は左方に移動しているので赤血球直径は小さいということである
午後 18 (臨床生理学)
正しい組合せはどれか。2つ選べ。
1 負荷心電図───狭心症 ◯
2 指尖容積脈波───ギラン・バレー(Guillain-Barré)症候群 ×(関係ない)
3 加算平均心電図───ブルガダ(Burgada)症候群 ◯
4 ホルター心電図───大動脈弁閉鎖不全 ×(関係ない)
5 足関節上腕動脈血圧比(ABI)───低血圧症 ×(関係ない)
【解説】
加算平均心電図検査は循環器病専門病院で行われている比較的特殊な検査法である。その対象となるブルガダ症候群は、致死性不整脈(VT・VFなど)による突然死で知られている疾患であり、疾患と検査目的との関連性を知っておかなければ解けない問題である。
1-○
安静時心電図では狭心症の診断は困難である。よって、マスター二階段試験やトレッドミル検査などの運動負荷試験が行われている。
2-×
指尖容積脈波とは、赤外線を利用して指先の血管の状態(動脈硬化の有無)や血液の流れの状態を調べる検査である。問題のギラン・バレー(Guillain-Barré)症候群は末梢神経における脱髄性疾患である。神経性疾患であることから本検査の対象とならない。
3-○
若年者の突然死の原因となるブルガダ(Brugada)症候群は注目されている疾患である。心電図上、V1〜V2においてrSR'波形とST上昇を認め、心室頻拍・心室細動(VT・VF)の原因となり、埋め込み型除細動の適応となる重篤な疾患である。問題の加算平均心電図はVT出現を予知するレートポテンシャルの検出に有用な検査法である。
4-×
ホルター心電図の目的は、不整脈と虚血性心疾患の検出である。大動脈弁閉鎖不全などの弁膜症には本検査は適さず、主に心エコー検査により評価・診断される。
5-×
ABI検査は下肢動脈の狭窄ないし閉塞の有無、程度を調べる検査である。上肢と下肢の血圧比(足首収縮期血圧÷上腕収縮期血圧)により判定される。0.96以上が正常値であり、動脈硬化により血管狭窄や閉塞が進行すると低値となる。(健康な成人は下肢のほうが血圧高いのでABI1.1±0.2、0.9以下で動脈血管の閉塞疑い、逆に1.3以上でも予後が悪く動脈閉塞が石灰化している状態の場合が多い)
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午後 22 (臨床生理学)
聴性脳幹反応(ABR)について正しいのはどれか。2つ選べ。
1 音刺激から50 msec以後にみられる。
2 III波の起源は上オリーブ核である。◯
3 加算回数は50回程度である。
4 睡眠覚醒の影響を受けない。◯
5 導出電極はOzに装着する。
1-×
ABRは音刺激後10 msecの間に6〜7波が出現する短潜時誘発反応である。
2-○
I波の起源は蝸牛神経-蝸牛神経核、III波は上オリーブ核、V波は下丘起源とされる。
(※上質な3粒のオリーブ!と覚えよう)
3-×
ABRでは反応が小さいことから、加算回数は1,000〜2,000回必要である。
4-○
5-×
ABRは頭頂部付近に現れるため、
導出電極はCz(Central、頭頂点!)に装着する。
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午後 問49
中枢神経系でテント上に存在するのはどれか
1 延 髄 ×
2 橋 ×
3 小 脳 ×
4 脊 髄 ×
5 大 脳 ◯
【解説】
テントとは、小脳の上部で大脳と境する硬膜を指す(小テント)。小脳の上にあるテントを張ったような構造である。脳の疾患の場所を示す方法の一つとして、小脳テントより上か下かと表現することがある。問題文ではテントの上にあるものは?と聞いているので、小脳上部に存在する大脳を選択すれば良い。
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午後 問60
MCVは基準範囲内でプライス・ジョーンズ曲線が左方に移動している。
考えられる疾患はどれか。
1 サラセミア × 小球性(MCV低値となる)
2 鉄欠乏性貧血 × 小球性(MCV低値となる)
3 球状赤血球症 ◯
4 再生不良性貧血 × 末梢血は正常な形態を示す
5 巨赤芽球性貧血 × 大球性(MCV高値となる)
【解説】
プライス・ジョーンズ(P-J)曲線は、健常者赤血球よりもその直径が大きければ、右方に移動し、直径が小さければ左方に移動する。MCVが基準範囲内であることから、正球性赤血球だが、P-J曲線は左方に移動しているので赤血球直径は小さいということである
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