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Ph染色体とは

Ph(フィラデルフィア)染色体とは,慢性骨髄性白血病(CML)の90%以上の患者に

みられる異常染色体のことである。

Ph染色体は,第9番染色体にあるc-ABL遺伝子と,第22番のBCR遺伝子が

相互転座してしまうことで,BCR/ABLキメラ遺伝子ができてしまっている。

BCR/ABLキメラ遺伝子から作られるタンパク質は高いチロシンキナーゼ活性を

もっているため,BCRタンパクのチロシン残基はリン酸化をうける。

そうすると,RASシグナル遺伝子(癌原遺伝子の一種)の伝達系が活性化されて

細胞は増殖・癌化し,慢性骨髄性白血病(CML)が発症すると考えられている。

現在はBCR-ABLチロシンキナーゼの働きを特異的に抑える分子標的薬である

イマチニブが開発されたため,CMLの治療は大きく発展した。

なお,CMLは全白血病の15〜20%を占める白血病である。





 

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