2011年06月25日
ABO血液型判定のオモテ試験とウラ試験
血液型性格診断に関する本はコチラ
血液型は抗原の種類によって分類され,多くの系が知られています。
臨床的にも重要なABO系とRh系は皆さんもご存知だと思います。
今日は血液型のA型,B型,AB型,O型の決定するABO抗原と
その試験法(表試験,裏試験)について記述します。
まずその前に,日本人の血液型の割合を復習しましょう。
おおまかに言えば40%がA型で,30%がO型,20%がB型,10%がAB型です。
4→3→2→1となってますので簡単ですね。
ちなみに世界を見てみるとO型が一番多いです。
日本人はA型が多い人種なのですね(だからA型は几帳面と言われるのか・・・^^;?)
さて,ここで赤血球に存在するABO系抗原の話に移ります。
赤血球膜上には次の3種類のABO系抗原があります。
O型のR−GlcNAc-Gal-Fucを基本構造で,
A型は,GalにさらにGlcNAcを結合した構造,
B型は,GalにさらにGalが結合した構造,
AB型は,A型の構造とB型の構造の糖鎖を両方有しています。
したがって,A抗原はR−GlcNAc−Gal−GlcNAc
|
Fuc
B抗原は R−GlcNAc−Gal−Gal
|
Fuc
という構造である。
[備考]
GlcNAc:N-アセチルグルコサミン(グルコースの2位水酸基のN-アセチルアミノ化単糖)
Gal:ガラクトース(グルコースの4位エピマー)
Fuc:フコース(6-デオキシガラクトース)
血液型試験の表試験は,この抗原を認識する
市販されている「抗A血清」と「抗B血清」を使って試験します。
(ちなみに抗A血清は青色に着色されており,抗Bは黄色に着色されていて
どちらが抗A or 抗B かすぐ分かるようになっています。)
試験結果はこんな感じになります(上段が抗A血清添加,下段あ抗B血清添加サンプル)
これで表試験は理解できますね。
次に裏試験です。
裏試験は
それぞれA型,B型,AB型,O型の人の血液(血清)に
A型の赤血球(=A抗原),B型の赤血球(=B抗原)を加えてみる試験です。
もう一度整理すると,
O型の人はA抗原となる糖鎖も,B抗原となる糖鎖ももっていません。
だから,A抗原およびB抗原は異物と見なし攻撃します。
よって裏試験では,O型の人は,どちらの赤血球も凝集反応を起こします。
A型の人はAの糖鎖も持っているので,Aは自分なので攻撃しません,
でもB糖鎖は異物である。だからB型赤血球をスポイトで垂らすと
凝集反応を示します。
同様に,B型の人はB糖鎖は自己,A糖鎖は異物なので,
A型赤血球をスポイトで垂らすと凝集反応を示します。
そして,AB型の人はA糖鎖も,B糖鎖も有するので,
どちらが外来しても,異物とみなすことはなく,凝集しません。
以上のことをイメージでまとめると次のとおりです。
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血液型は抗原の種類によって分類され,多くの系が知られています。
臨床的にも重要なABO系とRh系は皆さんもご存知だと思います。
今日は血液型のA型,B型,AB型,O型の決定するABO抗原と
その試験法(表試験,裏試験)について記述します。
まずその前に,日本人の血液型の割合を復習しましょう。
おおまかに言えば40%がA型で,30%がO型,20%がB型,10%がAB型です。
4→3→2→1となってますので簡単ですね。
ちなみに世界を見てみるとO型が一番多いです。
日本人はA型が多い人種なのですね(だからA型は几帳面と言われるのか・・・^^;?)
さて,ここで赤血球に存在するABO系抗原の話に移ります。
赤血球膜上には次の3種類のABO系抗原があります。
O型のR−GlcNAc-Gal-Fucを基本構造で,
A型は,GalにさらにGlcNAcを結合した構造,
B型は,GalにさらにGalが結合した構造,
AB型は,A型の構造とB型の構造の糖鎖を両方有しています。
したがって,A抗原はR−GlcNAc−Gal−GlcNAc
|
Fuc
B抗原は R−GlcNAc−Gal−Gal
|
Fuc
という構造である。
[備考]
GlcNAc:N-アセチルグルコサミン(グルコースの2位水酸基のN-アセチルアミノ化単糖)
Gal:ガラクトース(グルコースの4位エピマー)
Fuc:フコース(6-デオキシガラクトース)
血液型試験の表試験は,この抗原を認識する
市販されている「抗A血清」と「抗B血清」を使って試験します。
(ちなみに抗A血清は青色に着色されており,抗Bは黄色に着色されていて
どちらが抗A or 抗B かすぐ分かるようになっています。)
試験結果はこんな感じになります(上段が抗A血清添加,下段あ抗B血清添加サンプル)
これで表試験は理解できますね。
次に裏試験です。
裏試験は
それぞれA型,B型,AB型,O型の人の血液(血清)に
A型の赤血球(=A抗原),B型の赤血球(=B抗原)を加えてみる試験です。
もう一度整理すると,
O型の人はA抗原となる糖鎖も,B抗原となる糖鎖ももっていません。
だから,A抗原およびB抗原は異物と見なし攻撃します。
よって裏試験では,O型の人は,どちらの赤血球も凝集反応を起こします。
A型の人はAの糖鎖も持っているので,Aは自分なので攻撃しません,
でもB糖鎖は異物である。だからB型赤血球をスポイトで垂らすと
凝集反応を示します。
同様に,B型の人はB糖鎖は自己,A糖鎖は異物なので,
A型赤血球をスポイトで垂らすと凝集反応を示します。
そして,AB型の人はA糖鎖も,B糖鎖も有するので,
どちらが外来しても,異物とみなすことはなく,凝集しません。
以上のことをイメージでまとめると次のとおりです。
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