医薬品ではない健康食品は,
薬事法上,「〜に効く」等,疾病の治療に用いるような表現は謳えません。
勿論その効果はマイルドであるものの,
実は
医学的なエビデンスが確立している成分も多々あります。
そのような成分を簡単な説明付きで紹介していきたいと思います。
1) アスタキサンチン最近特に注目を浴びている成分ですね。
カニ,エビなどに存在する赤色色素であり,多くの実験で
強い抗酸化作用が報告されています。
その作用に基づいての抗炎症作用,免疫賦活作用などが報告されています。
紫外線の暴露による細胞のダメージに対して回復させる力があるので
野外で活動を多くされる方,
若々しい肌を保ちたい方にオススメの成分です。
2) γ-アミノ酪酸;GABA(ギャバ)これも超有名何処ですね。実は,かつては医薬品としても用いられていました。
グルタミン酸のγ位のカルボン酸が脱炭酸してできる神経伝達物質です。
ノルアドレナリンの過剰分泌抑制による
血圧上昇抑制作用が証明されているため
特定保健用食品として認可されています。ストレス解消成分が民間ではいわれ,
血圧高めでイライラしやすい方,興奮し気味で寝付きが悪い方などにオススメの成分です。
3) アリシンニンニクパワーの源ですね。にんにくのアリーンという成分が,
アリナーゼによって加水分解されて生成する硫黄化合物でにんにく特有のにおいの原因物質であります。
ビタミンB1には疲労回復作用があることは有名ですが,アリシンはビタミンB1と結合して
アリサイアミンとなり,
B1の作用を増強する働きがあります。
またアリシン自体の効果として強い抗菌作用,疲労回復,コレステロール低下作用などが
知られています。なお,にんにくにはその他にもアホエンなどの硫黄化合物も存在していて,
これらが総合的に作用していると考えられています。
とにかく疲れやすい,という方にオススメできる成分ですね。
4) アントシアニンブルーベリーの色素;アントシアニジンの配糖体のない形であるアグリコンで
ロドプシン(瞳の光受容体)における作用を助けることが科学的に証明されています。
一般には,目の疲れを取ると言われていますね。またアントシアニンには強い抗酸化作用もあります。
目の疲労を防止することから
眼精疲労に基づく肩こりなどに悩んでいる方にオススメできる成分です。
若年性の近視に対しても改善する場合があります。
目を酷使している方は是非とも試していただきたい成分ですね。
5) 大豆イソフラボン大豆イソフラボンは多くの疫学的研究および臨床報告がされている成分です。
その多くの結果は,女性ホルモンのエストロゲン様作用で
更年期障害に伴う
諸症状の改善,骨粗鬆症,前立腺がんの予防と改善,乳がんの予防等の報告が多数あります。
実際にイソフラボンの女性ホルモン受容体への結合も実験的に確認されています。
また,
血清コレステロール値の上昇抑制,さらには抗酸化作用に伴う酸化障害の
抑制作用なども報告されています。良い事ずくめのイソフラボンですが,妊娠状態での
大豆イソフラボンの過剰な摂取は避けたほうがいいことも知られています。
サプリメントで摂る場合,目安の摂取量は守るようにしましょう。
6) カプサイシン言わずと知れた唐辛子の辛味成分で,ダイエット食品に繁用されています。
食欲増進とともにミトコンドリアの電子伝達系に対しアンカップラーとして作用する(簡単に言えば,カロリーが熱エネルギーとして消費される)ため,
体脂肪燃焼促進作用・体脂肪の減少効果が確認されています。
また,そうした発熱的刺激作用と末梢血管拡張作用に伴う肩こり改善効果,
冷え性改善効果などが報告されています。(ただし,唐辛子の食べ過ぎは身体によくありません,あしからず・・・)
7) キトサンキトサンは,胆汁酸排泄促進効果によるコレステロール低下作用があり,
その効果は
特定保健用食品として認められています。
塩化物イオンの吸着による排泄促進から高血圧に対する効果も報告されています。
他にも便秘に対して有効である(これは胆汁酸排泄促進効果とリンクしますね)とか,
エビデンスがやや信憑性に欠けますが,抗癌作用に関する報告も存在しています。
キトサンは
脂っぽい食事が好きな方にはぜひ摂っていただきたい成分です。
なお抗アレルギー効果もあるとされていますが,カニやエビ由来の製品が多いため
これらにアレルギーのある人には注意が必要かと思います,念のため。