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2022年09月12日

全ての尾崎豊の曲の読解のヒント

尾崎豊の歌詞を理解しようとするとき、彼は詞をかいているのではなく、詩を書いているということを前提にするべきです。すなわち、よくネットにてまわっている解説は表面上の言葉だけの意味を追って文章として、読解をろみてしまう、そうすると、詩としての理解をしていないものが多く見受けられる。
またもう一つ理解して置かなければいけないのは尾崎豊という人のパーソナリティ。彼パーソナリティはこの曲だけでなく、彼の書いた曲全てに落とし込まれており、すなわちこの曲単体で理解するよりも他の曲と対比しながら理解したほうがより正確に何がかかれていたか、方向性を理解することがてきる。

では彼が他の曲で書いていたことの根本はなにか。
それは断片的ではありますが以下のとおりだと思う。


尾崎豊が多く表現していること

優しさの意味
心の痛み
愛とは
愛への固執
真実の愛とは
社会とは
心の安らぎ
裏切り
心の葛藤


尾崎豊が表現していたと誤解しまいがちなこと

反抗ソング
カリスマ
社会への反抗ソング
悟っている
純粋なラブソング

尾崎豊にとって純粋なラブソングや社会へ反抗ソングなと殆ど無いのです。

これらを意識して曲を聞くとまつたく違うように尾崎豊が何を伝えたかったか、何について歌っていたかか見えてきます。
この見方聞き方が正しくないのかはあなたが判断してください。

2022年08月31日

『LIFE』

アルバム『街路樹』収録。
このアルバム『街路樹』の制作は尾崎豊の体調や精神面が不安定だったこともおあり、難航し、発売もお蔵入りになりかけた背景がある。
そしてそのことは『街路樹』収録曲に影を落としている。

LIFEを見れば自
「ときを削る部屋で心を溶かした
乾いていたけれどテレビトと話せた」

まるで意味の通じない詞ではあるが、言葉の続きで
心の状態がつたんってくるような詞だ。幻覚、幻影、不安定、精神的な世界観がそれまでの作品とは違った世界にあることが
如実にあらわれている。
しかし、それが作品としてみたとき、決して台無しなることなく、新たな作風として成り立っているのは皮肉なものである。

とはいえ、この曲でも尾崎豊のキーワードは語られている。

「安らぎの始まりにいきること」
「君を信じてみた」「嘘を消すために」


2022年08月10日

『黄昏ゆく街で』

この曲は1988年尾崎豊が奥様(聡美さん)との新婚旅行をモチーフにした曲である。(当初のタイトルは『Mellow Night』おだやかな夜、優し夜)
『黄昏ゆく街で』の詩はまるで、小説か何かを読んでいるような風景描写があるが、同名タイトル小説『黄昏ゆく街で』が出版されており、この曲の小説的な描写はそのこととは無関係ではないだろう。(有名な話だがこの小説は編集者だった見城と尾崎の決裂により最終回が尾崎により人質とになりそのまま尾崎が亡くなったために未完となっている)

この曲のイントロも他のアルバム『バース』に収録曲同様にやや大げさなイントロから始まる。曲のイメージをあたかもきれいな美しいラブソングとうけとってしまいがちだが、バースツアーライブの録音音源で、もっとしっとりとしたイントロを聞いてしまうと、このイントロはやや失敗だったと感じざるを得ない。すなわちこのイントロでは、大恋愛のラブソングのイメージを受けなくもなく、本来持っているこの曲の意味合いや、魅力とは外れてしまう感じがするからである。
この曲も単なるラブソングではないことを最初に述べておく。尾崎の心の痛み、彼の愛への心の渇望、同時に、愛への執着心が見え隠れしている。



「悲しみも痛みも一筋の光まばたきに救われればいい」とは、尾崎が心の痛みから救われたと感じるのは一瞬のような儚い時間の間だったと推察される。



サビは「ベットの中で夢見るいつしか二人の心優しくなれると胸の痛みをこらえながら」
と『I LOVE YOU』と同じような歌詞になっているが、この曲でほ「胸の痛み」をはっきりと明言している。つまり、『I LOVE YOU』も詞にはなっていないが、背後には胸の痛みが絡んでいることは容易に想像つくのである。

「見つめていて僕だけのこと」とは尾崎にとって軽い言葉ではない。彼の愛に対する独占欲を知っている人にとっては、とても重い言葉である。
(同アルバム収録の『音のない部屋』でも「今は僕だけを見つめておくれ」と歌っている。)
有名な見城氏のエピソードにすべてのツアーに同行すると約束していた見城氏のたった一度の裏切りを「すべての愛が自分(尾崎)に向くまでは小説を人質にとります」と小説『黄昏ゆく街に』は未完となった。このエピソードでは尾崎の執念深さが伺い知れる。このような嫉妬深い尾崎が「僕見つめていて」という詩は重いのである。
この部分について奥様(聡美さん)の証言によるとニューヨークのベンチに奥様が「LOVE」ト掘ると尾崎は「me」と掘った。「LOVE」は愛だか、「me」をつけると「僕を愛して」となる。普通のやり取りかもしれないが、愛を枯渇する尾崎らしいエピソードともみることができる。

この曲も「バースツアー」で演奏されており
秀逸なライブバージョンをユーチューブできくことができる。有明コロシアムで『誰かのクラクション』をピアノで素晴らしい演奏をきけたように、この『黄昏ゆく街で』もアルバム収録の大げさなイントロよりも、しっとりと電子ピアノのイントロ手聞かせてくれる。名演と言っていいだろう。必聴である。

2022年06月22日

見城氏らの尾崎豊特番について

ネットで配信された
尾崎豊に近かった見城氏、須藤氏、、田島氏、鬼頭氏らが集まって当時の尾崎豊のエピソードや思い出を語るという番組があった。
非常に貴重な証言が語られており、尾崎豊の実像を知りたいファン必聴の内容となっている。
(言葉は悪いが尾崎豊を別の意味で崇拝してしまっている方々は見ないほうが良いかもしれない。)

見城氏
.尾崎豊とは急に変わる人
.自動販売機になぐりかかり、ちだらけになる
.見ず知らずのカップルが自分のことを話していると錯覚し、急に叫びたした
この番組で語られている有名なエピソードとして
見城氏を尾崎豊は『黄昏ゆく街で』を人質にとり「あなたの愛が全て向くまで最終回を書かない」と人を困らせた。これは形は違えどもいろんな形で身近な人に行っていたようである。





須藤晃
「魔法瓶のお湯を自分でかぶってしまった」

.福岡事件

2022年06月17日

2022年新発売尾崎のライブアルバムの新作(バースツアーの各曲のベストが収録)

「バースツアー」の未発表音源の中で、ベストボーカル・演奏を厳選して収録したライブルアルバムとなっている。
バースツアーの各曲のbestを収録というのだからファンであれば買わない理由はない。






■Disc-1

1.FIRE(1991/06/01 大阪厚生年金会館)
2.Driving All Night (1991/06/14 九州厚生年金会館)
3.十七歳の地図(1991/06/03 大阪厚生年金会館)
4.Scrambling Rock'n'Roll (1991/07/03 静岡市民文化会館)
5.僕が僕であるために (1991/06/25 倉敷市民会館)
6.ロザーナ (1991/09/28 長野市民会館)
7.きっと忘れない(1991/06/29 名古屋国際会議場センチュリー・ホール)
8.COOKIE (1991/10/25 代々木オリンピックプール第一体育館)
9.卒業 (1991/08/22 北海道厚生年金会館)

■Disc-2

1.Freeze Moon (1991/05/21 横浜アリーナ)
2.永遠の胸(1991/08/04 群馬県民会館)
3.太陽の破片 (1991/08/16 メルパルクホール広島)
4.誕生 (1991/07/15 福岡サンパレス)
5. I LOVE YOU(1991/09/24 新潟県民会館)
6.シェリー(1991/09/27 石川厚生年金会館)
7.15の夜 (1991/10/13 名古屋レインボーホール)

<CDアルバム情報>

LAST TOUR AROUND JAPAN YUTAKA OZAKI

2022年3月23日 発売


収録曲はこのようになる。



収録曲をざっとみた直感ではみるとアルバム『誕生』の収録曲をいれてほしかった。
どうも尾崎の代表曲に偏った収録になっている気がする。
たとえば『黄昏行く街に』『音のない部屋』『ロンリーローズ』など入れてくれたら涙でてしまったかも・・・バースツアーの尾崎はもはや10代の教祖ではなかったのだから。
しかし一方
意外にも

2Driving All Night (1991/06/14 九州厚生年金会館)
3.十七歳の地図(1991/06/03 大阪厚生年金会館)
4.Scrambling Rock'n'Roll

が非常に良い。尾崎のテンションは非常にコントロールされており、これぞ初期の名曲という演奏を聞かせてくれる。


2022年05月17日

『贖罪』(しょくざい)−名も無い日々とは何か−

最後のアルバム『放熱への証』収録。
辞書によると「贖罪」とは「自分の犯した罪を償うために善行を積んだり金品をだしたりすること」という意味。一体尾崎が犯した罪とはなんだったのであろうか。
尾崎豊の著書の『普通の愛』にも後書きに「僕の犯した罪を告白します」というような記述がある。彼は生きること自体が罪を重ねることという意味で書いていたのだろうか。
覚醒剤という実罪はあるが、そのことについての内容ではないだろう。哲学的、宗教的なな人の生きる上で犯す罪を含めていみのタイトルだとおもう。そもそも、初期の『傷つけた人々へ』などからも自分が生きていく上で過ちを意識した内容の曲は作られてきている。

そしてこの曲に至っては直接的なタイトルとしている。初期の曲や、メジャー曲に比べるとこの曲は目立たないが、もともと尾崎が生きていく上で感じていた「人間の罪」と、死の直前の尾崎がいかに追い詰められていたか精神の状態にあったか、この曲は尾崎豊の「真実」を解明する上で大きな意味合いを持つ曲なのである。
死の影がちらつくラストアルバムの数曲にあっても、特にこの曲は特に尾崎の心理状況、孤独と心の闇が垣間見え、それらを読み解く重要な作品となっている。




イントロはリズムこそ軽快だが、メロディは無機質で荒廃した街のようなイメージのなか、尾崎は静かに歌い始める。

「静かに佇む色あせた街並み少しづつ言葉をなくしてく僕がいる」
ここでの「少しづつ言葉をなくしていく僕がいる」とは無言になるとか、その場の雰囲気に飲まれるとか、その場のことではなく、作品への言葉、尾崎にとって生きていく糧である詩、奪われていく自分ということ象徴しているといったほうが正しいであろう。『音のない部屋』の「音がなくなる」ということと同じように、ただ表面的な意味だけでなく、もっと生きる根本を失わされるようなの意味合いにとれる。

「無表情な人並みにまぎれこみ凍えてる」
結局一人に戻ったとき、感じる孤独、スターであり、家族もいて、愛すべき人もいる、にも関わらわらず、「街にまぎれこみ凍えている」のである。
次につづく「凍えた日差しにおびえてるそれだけさ」とあるが、ここがある種、尾崎豊の一つの本質なのである。つまりこの詞は嘘でもカッコつけでもなく、リアルな尾崎自身を描写している。生まれながらの逃れようのない心の痛みを「凍えた」と表現としている。


「寂しい心を優しく包むから」
「僕は知っていたこれが僕の暮らしだと」
この詞の「僕は知っていた」と、どこか他人を俯瞰しているようなこの詩はどこからくるのだろうか。この部分もまた聞き逃してはいけない重要な部分だ。誰しもみな、自分自身のことはすべて知っている。自分は
晩年の尾崎はもうひとりの「僕が知らない僕」というもう一人の自分と戦っていた節が見受けられるが、この詩もまた、そのことをがわかっているとすっと入ってくる。


「凍えた心に怯えているそれだけさ」
とは尾崎の、本質をあらわしている。これこそ嘘偽りのない尾崎なのである。我々はときに尾崎を教祖であったり反抗の象徴であったり、愛の伝道師のようなみあやまったことをしてしまう。彼は彼自身の心の闇に凍え、怯えているだけな男である。誤解をおそれずいってしまえば普通の人以下の部分があり、それが尾崎という人なのだと思う。

「孤独」なのか「安らぎ」なのか
という歌詞は恐らく、「孤独」は真逆の意味だが、「安らぎ」のあとの「奪われている」や「失われている」が略されている。そうするとその先の歌詞の意味が通じやすくなる。
 つまり「孤独なのか安らぎを奪われている(失っている)のかこの暮らしになをつけるというのらなば」
そして「名も無い日々が理由もなく微笑む」という歌詞もそのことを前提にすれば「孤独や安らぎを奪われているこの名も無い日々が、理由もなく不気味に微笑み、孤独、安らぎのない暮らしを自分(尾崎)に強いている」というニュアンスだということが読み取れる。理由もなくとは「自分の感情から自然と湧き出る悲しみや孤独、安らぎのない心であり」それに理由などないのである。尾崎の心はそれらに支配をされていた。理由や原因などない、だからこそ苦しみは果てしないものだったことが想像できる。

また「名も無い日々が理由もなく微笑む」を読むヒントとしては
『核』に同じ表現がある。
「いつからかそれをさえぎる顔を持たない街の微笑み」と
この『核』の部分も読み解くことは非常に困難なのだが、尾崎のライブの別バージョンに
は「いつからかそれをさえぎる街の微笑み 殺意に満ちた街の孤独が俺をずっとみつめてた」と。
つまり、「名もない日々が理由もなく微笑む」とはこれと同じようないみがあったのではないだろうか。




「偽りを知るたび真実に戸惑う」
このフレーズは
尾崎の猜疑心を垣間見えさせる。

尾崎ノート『僕が知らない僕NOTE』には晩年もっと暗く苦しみを直接的に書いた詩が綴られている。この作品はその断片にすぎない。

この曲に「寂しい心を優しく包むから」と
ここでも「優しさ」という言葉を使っているが、このフレーズだけではこの曲の持つ悲しさは救われてはいない。

尾崎漠然とした将来への不安、そして、これからも変わらない自分自身との葛藤がつづくということをただ受け止めるしかない、そんな諦めの雰囲気がただよう曲である。


この曲では限りなくつづく日常の日々を「名もない日々」とよんでいる。日々の暮らしに名前をつけるという発想はいかにも尾崎豊らしい独創性のあるものである。しかしそれは
『自由への扉』でかかれていたよな「永遠に思えるような僅かな悲しみと暮らしはつづく」というような、悲しみの日々が尾崎豊の心には続いていたのではないだろうか。

youtubeの動画
https://www.youtube.com/watch?v=3t0NM6n5HiY

2022年05月13日

『きっと忘れない』

バース収録曲『きっと忘れない』。
息子の誕生と、自分自身のリボーン(生まれ変わり)を象徴したアルバム収録の『Bバース』とともに命の誕生を象徴した一曲。息子の誕生を歌った曲であることは間違いない。しかし単純なバースデイソングと受け止めてしまうとこの曲の意味曲の価値は半減してしまう。命の誕生
消して単純な、バースデイソングではなく、喜びでもある誕生ソングが、救いようのない悲しみにまみれているのである。
それはこの曲て尾崎は息子に対する思いを詩にしているが、〇〇のような人生は送ってほしくないというような表現があり、それは尾崎豊が普段感じていたであろう自身の人生への感情を読み取るひんとになっている。

例えば「探している優しさに君が包まれるように」
とあるが、尾崎が優しさを探していることがわかる。

「忘れられない心の痛みも悲しみも今夜全てを吹き消して」(吹き消すとは誕生日のバースデーケーキの蝋燭の火を消すとダブらせた表現であろう

とあるが、この詩から尾崎は心の痛みと悲しみと対峙していることがわかる。


タイトルがなぜ「絶対忘れない」ではなく「きっと忘れない」なのか。
この曲も単純な誕生を祝う明るいバースディソングだけではないことは、私のプログをやんでくれていればわかるだろう。
タイトルからして意味深であるし、「忘れられない心の痛みやかなしみも今夜すべてを吹き消して」など、悲しみを感じさせる歌詞を聞き飛ばしてはならない。

それを裏付けるように彼はコンサートでこの曲を紹介する前に「ニューヨークで辛かったときに書いた曲」というような趣旨でこの曲を紹介している。

2022年04月29日

尾崎豊の歌詞の重要ワード「やさしさ」をスルーしてはいけない

尾崎豊が好きになると、彼の歌詞の意味をより深く知りたくなる。ある曲ではそのまままストレートに読み解くこともできるし、言葉が断片的でイメージの連続で曲を司っている曲などは、それを文字通り読むだけでは意味が読み取れないことがある。

曲の意味を知るには、大局では尾崎豊がなぜ詩を書いていたか、誰に向けて書いていたか、何について詩を書いていたかと言うのが知る必要がある。

そしてそのヒントになるキーワードがいくつかあるが、その一つに「優しさ」というキーワードである。彼が様々にはなった言葉には強烈なインパクトがあり、その中では「優しさ」などありふれたワードは飛び越してしまいそうだが、彼の根本、なぜ歌うのか作詩するのかという部分を理解するにはこの「優しさ」という言葉を読み飛ばしては、聞き飛ばしてはならない。

尾崎豊の詩にいくつ「やさしさ」という言葉がでてくるか。
どれかけ彼にとって「やさしさ」ということが大事か、我々が普段使う
「やさしさ」とは彼はもっとちがう意味で、使っていた節がある。
彼にとって「やさしさ」とは愛イコールであり、同等、もしくはそれ以上のものであったかもしれない。
彼はマリアエッジのなかで「結婚とは「終わりのないやさしさの始まり」」歌っている。
『ILOVEYOU』では「ベットの上にやさしさもちより」とも歌っている
あるPVでは「やさしさの意味をずっと考えていた」とも語っている。
『ずっと忘れない』では「探していたやさしさに君が包まれるように」とも。

『NOTEぼくのしらない僕』には次のような記述もある
p364
ささやく声君のやさしさに触れよう
肌のぬくもりよりたしかに

彼がどのような意味で「やさしさ」といいう言葉を使い、それを求めていたのかがわかなければ、彼が詩を紡ぎ、歌っていた理由を理解するなど到底不可能であろう。
すくなくとも「やさしさ」という歌詞に注目してみればその答えに一歩近づくかもしれない。


2022年03月18日

尾崎豊の曲の間奏はなぜ2番には入らないか

米軍キャンプ
音のない部屋
風の迷路

二番目に間奏がはいらず、そのまま歌につながる曲が多い。その理由を考えてみると
曲の詩が長く、2番まででも語り尽くせないから
語り尽くしたあとの間奏にらはいる
それだけメッセージ性があるという分析

2022年02月07日

『音のない部屋』

アルバム『バース収録曲』。
最初に述べておくとこの曲に登場する「小さなテーブル」とは新婚の尾崎が奥様と生活を始めるために購入したテーブルのことで、奥様(聡美さん)生活が色濃く反映された曲である。

聡美さんのの証言によると
「豊は「テーブルは暮らしの象徴」と言っていました。ふたりで愛がある家庭を築いていく……だからこそ、ふたりが一眼見て気に入ったグレーとブラックのコンビで傷がつきにくいものを選びました。テーブルを囲み、出来立ての料理を一緒に食べる、温もりある日々のために。」と
語られている。(『FRAU』2022.12.29の記事から引用。)


タイトル『音のない部屋』とは表面的には「彼女と別れもともと彼女と奏でていた生活音が一切なくなった、自分一人でたてる音以外ない部屋」というイメージであろう。同時に彼にとって「音のない」=音楽のない、詩がないという意味でとらえれば、尾崎とって生きる糧である音、詩がないとは、まさに生きる糧を失ったなったという意味にも捉えられる。

出だしのイントロは尾崎の曲には珍しく、歌謡曲のようなわざとらしい印象をうけるが、それはアレンジの影響が大きい。アルバム『バース』の編曲は、曲の中身と、アレンジ(特にイントロ)があっていない雰囲気があり(例えば『風の迷路。』)、また少し大げさなストリングを入れすぎているこの曲のような例もある。一方で『クッキー』のイントロは素晴しく、全てが悪いというわけでもない。)
イントロこそそのようなのようなわざとらしい印象を受けるが、実際のいざ曲が始まるとそのような印象はなくなる。
「風に吹かれて二人がくるまるジャケット、路地裏で見えない星の数数え」と出だしから受ける印象は『黄昏ゆく街で』と同じような物語調を思い浮かべる。



特にサビは
ダイナミズムと泣き、静寂とためが入り交じる。例えばサビは「二人だけの」「口を塞ぐような」「どんなふうに」と3回たたみかけるような素晴らしいメロディ構成であり、心を打たれる。

詞について、これは同時期の『たそがれゆく街に』のような物語風な語りと、独特の詞のセンスが光る。例えば出だしの「風をかばい二人がくるまるジャケット路地裏に見えない星の数を数え触れ合うと壊れてしまいそうな二人の唇は震えて」まで、字余りがなく素晴らしい詞を当てはめている。これは簡単なようで簡単ではない。出だしから尾崎の才能を感じる。

単なる失恋に関することだけでなく、尾崎が向かい合っている精神的な苦しみが垣間見える、生生しさを感じざるを得ない。
「音のない部屋」とはかつて彼女と暮らした部屋に、いまは彼女がいなく、自分のたてる音しかしない状況を示した詞であろう。同時に彼自身の精神にも、音がないという意味にも捉えることができる。そこしれぬ暗闇が垣間見える絶妙なタイトル詞である。

この『音のない部屋』のタイトルからもわかる通り、彼女はもうこの部屋にはいない。そして、過去と、幻と、もうひとりの自分を投影している歌詞がいくつも描かれているところには注目すべきであろう。
「思い出ばかりに微笑む君」
「君の幻を抱きしめていたい」
「鏡の中僕の知らない君」
「手探りで振り返るといつもの君が僕に甘える」(振り返るとは過去の暗示か)

にもかからず、エンディングで「二人の心は一つ」とは、どういうことか。この一行でこの詩を救おうとしたのだろうか?しかし、実際にはこの詩は取ってつけたよう印象しか与えられていない。むしろ途中の「笑顔を絶やしたくないから」は救いである。



そして彼のが詩人だと改めて認識する深い詩はエンディングで登場する。

「部屋明かりが落とす光と影それは二人の暮らし」

この曲のタイトルの「部屋」を登場させ、その「明かり」の「光と影」をを二人に重ねあわせているのである。
これは「光と影」男と女という対局なものに象徴させるのと同時に、二人の生活の「光と影」、同時に彼自身の「光と影」をも投影しているのである。そしてそれが「二人の暮らし」としているのである。


そして忘れてはいけないのはこの曲(その重要性についてはアイラブユーの解説に書いている)でも「優しさ」という言葉がキーワードにっている。「通り過ぎて行く日々に愛が「優しさ」だけを残せるなら」と。

この曲は単なる失恋ソングと受け取ってはいけない、尾崎の文学的な才能や、彼の作詞(詩)としての抜きん出た能力、商業的な意味ではなく、彼が生きるために紡いだ詩を感じることができる名作である。

youtube動画
『音のない部屋』尾崎豊真実の解説
https://www.youtube.com/watch?v=7bHVmxcHU1A
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