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2023年12月31日

ディープフェイク問題の行く末を考える話

技術の進化を止めることは不可能


岸田首相が卑猥な言説(というにはあまりにも変態クソ土方な)を話すフェイクで日本でも「ディープフェイク問題」というのが取りざたされるようになった、らしい。
切っ掛けに失笑せざるを得ないのだが、技術の進化に合わせて社会が変わるのは悪いことではない。

これに関して、ディープフェイクを見破るには? という論が散見される。
初期の動画であれば口と音声が合わない、動画に違和感がある、など「疑えばわかる」ものであったのだが、
最近の精巧なものとなると、静脈に不自然な点が、、、など人間の目に分かるのか怪しいことが特徴となる、らしい。
技術はますます進化するであろうし、これはもう画面だけで判別するのは無理になると思った方がいい。


情報を見るときの基本はいつも同じ

ではどのようにフェイク情報から身を守るか?
これは普通なら引っかからないとされるスパムメールに当てはめて考えてみるといい。
スパムメールも文面には全く違和感のない文章を作成することが可能だ。(メール文章は偽造が非常に楽ちんだから)
では我々はどこでスパムメールをスパムメールと判断するか?
一つに「内容が不自然」もう一つが「発信先が不自然」ということだ。
これはフェイク動画でも同じ対策がとれる。
一国の首相が公衆の面前で卑猥な言動をとるだろうか? 不自然だ。
またこの動画を発信したものは何者だろうか? 聴いたことのない発信者であれば疑ってかかるといい。
技術の最先端を使った対策など不要だ。情報を複合的に見る習慣さえできればすぐにわかることだろう。

このあたりにディープフェイクが当たり前にあふれる時代のメディアの在り方見えているように思う。
現在の動画文化は無名の発信者のコンテンツが前提だ。Short動画などは内容で連結され、製作者が誰かは意識されず次々と消費される。
この流れが変わってくるだろう。システムにより、実績のない者は怪しい発信者にカテゴライズされる未来が見える。
内容の査閲、裏取りができない発信者の発信力はどんどん下がっていく。
こうなってくると大手メディアの復権もあり得るかもしれない。こういった情報の検討は彼らの最も得意とするところだろう。
あるいは、大手メディア並みに情報リテラシーのある在野の人の価値が上がっていく。
発信力がマネタイズに直結する時代だ。情報リテラシーを身に着けておくのは一つの勝ち筋になるかもしれない。


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