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2014年11月16日

★社会科・理科・数学科など他の【いい授業】が、僕の【ひどい授業】を支えている

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★子どもたちが受けている授業が「いい授業」なのか? どうか?
 学校は絶えずチェックしなくてはいけない。
 サムライ中の場合は、どうしているのか?
 方策を粗く3点述べる――

 【1】1点目は、【修業システム】だ。
 本校の修業計画は――
 A=教科部会内の研究授業
 B=○○Tの授業を観る会
 C=保護者参観日の授業(保護者評価実施)
 D=模擬授業
 これらを合計して150回以上やることになっている。
 150回の修業機会=教師が腕を上げて「いい授業」ができるようになる機会であると同時に、はっきりいうと「いい授業ができる教師であるかどうか?」のチェック機会でもある。

 【2】2点目は、いい授業かどうかの評価の観点だ。
 サムライ中には、教師用の【授業力向上の5原則】と生徒用の【学力向上の5原則〈註1〉】がある。

 《授業力向上の5原則》
 bP=授業の目標、ねらいを明確にする。
 bQ=指示・発問は全員に、短く限定して述べる。
 bR=達成状況を確認して授業を進める。
 bS=1人1人のがんばりに気づき、認める。 
 bT=全員に50分間の学習活動を保証する。(授業力向上の5原則、以上)

 この「5原則」に沿って修業し、教師の腕を上げる。
 と同時に、この「5原則」がいい授業かどうかの評価の観点になる。
 あえて言い切る――「いい授業」とは、本校の教師用・生徒用〈註1〉の「5原則」に即した授業のことだ。

 【3】3点目は、簡単にいえば【巡回】だ。
 学級担任は、自分の学級の子どもが、「いい授業」を受けているかどうかを自分の目でチェックすべきだ。
 学年主任は、自分の学年の子どもが、いい授業を受けているかどうかを自分の目でチェックすべきだ。
 教室に入って観てもいい。
 廊下から観てもいい。
 他の主任(校長・教頭・教務主任・研修主任等も含む)も同じだ。
 授業の【巡回】は、問題点を早期に発見し、具体的な手立てを検討する上で、きわめて重要だ。

★もうひとつ、気をつけなくてはいけないのが、「いい授業」と「いい授業とはいえない授業」との関係だ。

 教師1年目の僕の授業(国語)は、とても授業といえるようなものではなかった。
 でも、驚いたことに学力は高かった。
 当時の僕は内心「僕もたいしたもんだ」と思っていた。
 しかし、それはまったく違う。
 他の社会・数学・理科・英語・音楽・美術・技術家庭・保健体育の、それこそ「いい授業」「名人級の授業」が、僕のひどい「国語」を支えていたのだ。

 僕の経験からいうと、「いい授業」が50%でも学校や学年が荒れるということはない。
 50%の「いい授業」が、「いい授業」とはいえない、残りの50%の授業を支えている。
 だから、ぼんやりみていると、学校・学年全体としては、安定しているようにみえる。

 でも、「いい授業」が40%に減ると、やや不安定に。
 30%にまで落ち込むと、もう――要するに30%で70%は――支えきれず、だれの目にもはっきりと荒れの兆候が見えるようになる。

 今、自分の学校・学年は、どういう状況にあるのか?
 「いい授業」が――
 100%なのか?
 90%なのか?
 80%なのか?
 70%なのか?
 60%なのか?
 50%なのか?
 50%の場合は、すぐ隣に学校危機がある。

 チェックの結果、ダメだとなったら――ま、いい授業が90%なら、残りの10%を――絶対にいいかげんに済ませない。
 「10%」を見過ごさないで、10%に対して、組織として具体的な手だてを検討する。
 いい授業は転移する。
 しかし、悪い授業も転移する。
 いい授業を転移させると、いい学校になる。
 日本一の学校になる。
 学校・学年経営のおもしろいところだ。

 〈註1〉=サムライ中の生徒用「学力向上の5原則」〈力のある生徒への道〉
 bP=授業の目標やねらいをしっかりとつかもう。
 bQ=話し手にへそを向けて聞こう。
 bR=正しい発声をし、適切な声量で発言しよう。
 bS=ノートは速くていねいに書こう。
 bT=作業・活動に素早く取り組もう(学力向上の5原則、以上)






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2014年11月15日

★スーザンに1日6時間以上、接して接して接して接しつづけた。すると、8ヶ月後に

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★先日、教育コミュニティづくり・サムライネットで地域教育講演会を開いた。
 講師は、アビトレ代表・木下晴弘氏。
 講演の終末部分で「母性愛欠乏症候群」と診断された女の子の話が出てきた。

 スーザン(仮名)というアメリカの2歳児で、成長が生後5ヶ月でストップしてしまっている。
 診察した医師団は、すぐに看護士やカウンセラーなどでチームをつくり――

スーザンに
1日6時間以上
接して
接して
接して
接しつづけた。


 すると、8ヶ月後に、通常の姿(月齢どおりの身長、体重、言語能力等……)に戻ったという実話だ。

 木下氏は「人間はかまわれないと成長が止まる。放置されると弱っていく生き物だ」と力説した。

★僕は聞きながら
 ――これは中学3年間の子どもたちについても同じことがいえる
 ――子どもたちひとりひとりは、(ちょっと斜めに構えている子どもも含めて)みんな「先生にかまってもらいたい」と思っているにちがいない……と思った。
 もちろん、この「かまう」は過度な監視・管理や「過保護」とは次元が異なる。

 話がやや脱線するが、保護者も、先生方にうちの子をもっとかまってもらいたいと思っているにちがいない。
 いや、かまい方が不足していると不満をもっている保護者も多いのではないか。
 下のグラフは、昨年度末の保護者アンケートの結果の一部だ。

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 他の項目(「学校の情報発信」「保護者と教職員の話し合う機会」「授業・行事等の参観機会」「授業の質」等)は〈◎+○〉=80%〜90%なのに、この項目は54%にとどまっている。
 僕たちの学校の大きな課題だと思う。

 かまって、かまって、かまいつづけてやる。
 かまってやる「量」だと、サムライ中は、日本一だ!!といわれるくらいかまってやる。

★今、サムライ中の教職員がひとつのチームとして、この「かまいつづける」ことに取り組む場合、僕が思いつく、その具体例をアトランダムに、いくつか挙げることにする。

(1)かまう場は「授業」だ。
 他の場も大事だが、まず「授業」だ。
 これを間違えて、部活動の場だ……とか、生活指導の場だとか言い出すと、学校は必ず、必ず、必ず、落とし穴に落ちる。
 僕たちの「指導力(授業力)向上の5原則」は、言い換えると、「かまい方」の技術でもあるのだ。

 【1】「授業の目標、ねらいを明確にする」技術。
 【2】「指示・発問は全員に、短く限定して述べる」技術。
 【3】「達成状況の確認をして授業を進める」技術。
 【4】「1人1人の生徒のがんばりに気づき、認める」技術。
 【5】「全員に50分間の学習活動を保証する」技術。

 このことについて、僕自身、3点、再点検したい。

 1つは、はっきりいって、僕は「C=ひとりひとりのがんばりに気づき、認める」が弱点だ。
 50分間のなかで、必ず、最低、ひとりに1回、そのがんばりを認めるシグナルを送ろう。
 「いいですね」とほめるにしても、5通り、10通りはもちたい。
 「すごいね」だって、5通り、10通り。
 ひとりひとりを認める短い言葉を、30、40、50種類と保有しておき、それを瞬間、瞬間、ポンポンと発することができる教師になりたい。
 僕はまだまだ修業不足だ。

 2つ目は、50分間のなかで、必ず全員を指名したい。
 もちろん、列指名もOKだ。
 ちょっとしたことだけど、これが、毎日、毎日、「かまう量」に加算されていく。

 3つ目は、授業中の指導者としての目線。
 指導者としての僕の目線の配り方に偏りはないか?
 宙を泳いでいないか?
 目線は確実に「かまう量」に加算される。
 仮に授業後、「わたしと目があった人?」と質問したら、全員の手が挙がるような目の配り方をしたい。

(2)来週末は2学期末定期試験の返却がはじまる。
 返却の際は、ひとりひとりに具体的なコメントを送ろう。
 ポイントをしぼって、一言。
 【1】具体的にほめる。
 【2】あるいは、(ほめるところがない、または、ほめるよりも辛口のコメントのほうがいいと判断した場合は)具体的にアドバイスを送ろう。

(3)宿題にひとりひとり一言、(自然に手が動くというような)手書きのコメントを。
 僕の中学時代に、宿題の最後に「OK!」と力強くサインする恩師(英語)がいた。
 その「OK!」が積み重なり、今でも頭に刻み込まれている(^_^)v。

(4)子どもたちひとりひとりのよい点をみつけよう。
 見つけられない場合は、欠点をよい点に置き換えることができないか考察してみよう。
 先日、ある講演会で「夕刻、わたしが仕事で保育園を訪問したとき、迎えにきた保護者ひとりひとりに保育士が近づき、きょうあったいいことを告げているのを見て、感動した。こういう経営をしなくては……と思った」という話をしたら、たまたまその場に居合わせた元保育士の方が「それは、たぶん経営の方針とかではなく、保育士という仕事は、いいことがあったら、もううれしくて、うれしくてしようがないんです。それを早く保護者に伝えたくて伝えたくて待ちきれないくらいなんです」と指摘があった。
 さらに感動した。
 保護者に伝えたくて伝えたくてしようがないと思うくらい、子どもたちのいい点を、毎日、見つけよう。

(5)授業の外では、(これもいろいろな説があるが)あいさつは教職員のほうから積極的にしよう。
 加えて、脱線になるが、またこれもいろいろな説があるが、授業開始と終了のあいさつは、徹底してやろう……やらせよう。
 心をこめて、はっきり発声させる。
 こちらもはっきり発声する。
 (先日、1年の研究授業で「お願いします」の「ね」がきちんと発声されていなかった。こういう場合はやり直そう。)

★冒頭の画像(パワーポイントスライド)は、近時、僕がある講演会で使ったものの1枚た。
 スライドにもあるように、今のサムライネットは「こういう講演会が軽々とやれる。ちょっと力がついてきたかな?という実感」があり……感慨深いものがある。
 「力」とは、僕たちが追究しつづけている、地域における学校・家庭・地域間の「コーディネート力」、プラス「運営力」である。
 このことについては、いずれ別の号で語るつもりだ。






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2014年11月14日

★乱氏Tといっしょに須藤Tの学活の授業(1年3組)を参観〜やわらかく・メリハリがきき・リズムがある語り〜

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★教師にとって
授業の教室は舞台だ。

その舞台の裏で毎日
せっせと授業を記録し、
A4判用紙2枚(2000字)に
まとめ発行していきたい。

発行したものを「読む人々」が
「観客」だと考えると
僕はいわば
「教室」という「劇場」の
【座付作者】ということになる。

これまでもポツポツとは発行してきた。
でも、ポツポツとではダメなのだ。
ポツポツと発行する「スタイル」は
僕のうちに既にできている。
しかし、毎日せっせと発行しつづける「スタイル」はできていない。
今年度じゅうに完成させたいと思っている。
うれしくても、悲しくても、せっせと発行しつづける。
発行しつづけることによって、教育の課題を乗りこえていく。


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★11/13 2時間目、乱氏Tといっしょに須藤Tの学活の授業(1年3組)を参観した。

 以前にも紹介したが、本校では、全教員がひとつの教室に参集して授業を観るという設定はない。
 研究授業は、教科部会でやるか、「○○Tの授業を観る会」というカタチでやるかの2本立てだ。
 本日は後者だ。
 空き時間の教員が参観する。
 放課後、15分間、研究協議の場を設定する。
 協議に参加できない場合は「授業評価票&メモ」を提出する。
 他には、保護者参観日の授業と、模擬授業がある。
 これら、教科部会の授業、○○Tの授業を観る会、保護者参観日の授業、模擬授業を合計して年間150回以上というのが、本校の修業計画だ。

 なお、全教員が参集するカタチも得るものが多い。
 しかし、他教室の生徒が自習になる。
 安全管理上、教育課程管理上、これは絶対に考えられない。

 本日の授業の題材名は「自分の特徴を知ろう」(3時間計画のうちの2時間目)。
 エゴグラム(←この検査の説明は省略する。ご存じない方はインターネットで検索をかけて調べてみてほしい)を使い、自分で思っている「自己」と他者からみられている「自己」の相違から、自分を分析し、さらに高めるために必要なことを考えよう……という授業だ。

★いい授業だった。
 僕は今は【座付作者】だが、元々は舞台の上の【授業者】だ。
 だから、参観していると、カラダが自然に反応する。
 マズイ授業だと、フリーズする。
 ドドドッ〜と、汗が吹きでる。
 この点、きょうの須藤Tの授業は、参観していて――そのとき自分のうちに浮かびあがったことばをそのまま記述するとすれば――自分の精神が心地よいリズムで歩行&ダンスしているのがわかった。

 今、手元に『教務通信57号(文責 乱氏)』がある。
 ここでも、今回の授業が取り上げられている。

 ――「発問・指示等の基本が基準レベルを超えているので授業が安定している」
 ――「教師の表情がよい。笑顔がすばらしい。生徒の表情もとてもよく、楽しい雰囲気で授業が行われていた」(乱氏)とある。
 僕の感覚を裏付ける記述だ。

 「発問・指示等の基本が基準レベルを超えている」の具体例として、
 @作業内容、作業時間&作業開始等の指示が的確だ。
 A「達成状況をきちんと確認している(乱氏)〈教57〉」。
 挙手の数え方も、「1(人)、2、3、4」ではなく、2人ずつ、「2、4、6」と数えるために速い。
 B「終わった人は、グラフを……」と次の課題を提示し、空白をつくらない工夫をしている。

★もう1つの要素が「語り」だ。
 「語り口調がやわらかで聞きやすい(国士舘T)〈教57〉」。
 同感である。
 夏期休業中の模擬授業大会では、声質がやや高く、かつ大きいという印象を受けた。
 でも、きょうは、かなり抑えられている。
 やわらかい。
 かつ、メリハリがきき、リズムがあった。

 発表する生徒に対する感謝、ねぎらい、感動のことばも自然だ。

 そして、「あの〜」「えぇ〜ッと」などは一切ない。
 ふと一瞬、授業の名人、野口芳宏氏の語りが僕の頭をかすめた。

 また〈授業の展開前半〉自分がよいと思っている点をチェックカードに書かせる場面で、「はい、1分たちました。まだ書いている人がいます。書きあげた人は手を置いて……もう少し待って」という指示を出すとき、通常よりぐっと声量を落としている。
 これだと作業を継続している生徒はほとんど気にならない。

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★課題を2点。
 1つが「青い山脈型授業」に流れることだ。
 〈教57〉にも同じ指摘がある。
 (断っておくが、青い山脈型がすべて悪いとは思わない。青い山脈型でいい場面もある。)

 導入の場面だった。
 まず、(1)生徒に教師(=須藤T)のよい点をあげさせる。
 →(2)そのあと教師自身が自分でよいと思っている点をあげる。
 →(3)この2つを比較して、自分が思っている自己と他者からみられている自己に相違があることを気づかせる……という場面(2分間)だ。



 須藤Tは、ここを、いわゆる青い山脈型でサラッと流したのだが、もっと鮮明に「違い」を印象づける工夫が必要だ。
 くわえて、もっと確実に生徒全員に「参加(作業)」させる保証の手立てが必要だ。

 僕だったら「わたしが自分でよいと思っている点」を3つ書いた張り物を用意し、黒板に伏せておく。
 生徒には30秒間考えさせたあと、列指名などで発表させて、対比し、「違い」を鮮明にする。

★課題の2つ目が、生徒が主役になる場面が一度もなかったことだ。
 もちろん教師が主役でいいし、授業は教師が主役でなければならないと、僕は考えている。

 だが、その教師が主役という枠の中で、生徒が主役になる場面をどんどん創出、開発しなければいけない。

 「黒い線(自己評価)、赤い線(他者の評価)を見くらべてどう思うか?の発問に対して何人かに発表させるべきだ(葉田T)〈教57〉」は、このことを指摘している。
 同じく「終末が説教みたいな感じになったが、それでいいのか?(乱氏T)」もそうだ。

 作業内容の密度が高い授業なので、説明→作業→説明→作業……という流れはやむをえないが、生徒が主役になる場面を設定するとすれば、葉田T、乱氏が指摘する場面だった。

★なお、「青い山脈型授業」という語だが、僕はてっきり教育学用語として定着しているものと思っていたが、念のために今、インターネット(Yahoo!)で検索したら、僕の記事しかひっかかってこなかった。

 で、簡単に説明すると――
 教師が発問し、生徒が答える。
 適切な答えに至るまで「ほかの人?」「ほかに?」と、くりかえし指名していくスタイルのことだ。
 映画「青い山脈」にこの場面があるから、「青い山脈型」と呼ばれるようになったらしい。
 今頃、こんな授業があるのか?と思う人もいると思うが、結構、あちこちの教室で見られる。
 僕は、児童・生徒全員に「参加(作業)」させるべきなのに、その手立てを講じていない場面に対して、否定的に用いている。






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2014年11月12日

★総合文化部は学校部活動改革の「秘策」「奥の手」「うら技」《その5》〈担任odakasanの学級通信〉

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★「学校部活動改革」をスムースに進めるための【部活動改革つなぎ4項目】の【4】

【4】サムライ中では、学校部活動に対する生徒・保護者の多様な要望への対応・改善策として、【総合文化部】を新設した。
 これまでの美術部、科学部、IT部等を統合したのだ。
 
 生徒が減少し、毎年、部の数を減らしている。
 【総合文化部】も新設といえば聞こえはいいが、3つの部を1つの部に統合するのだから、ある意味で、削減策の一環だった。

 活動内容は――
 美術・文芸・パソコン(含=報道活動・ブログ活動)・科学等。
 生徒の希望によって、本校顧問の管理のもとに、教育コミュニティづくり=サムライネットの「サポータークラブ」の方々に協力してもらい、メニューを徐々に増やしている。
 日本舞踊=サポータークラブ
 文芸=僕
 和楽器演奏=サポータークラブ
 絵手紙=サポータークラブ
 アクセサリーづくり=サポータークラブ
 地域の郷土史=サポータークラブ
 花壇づくり=サポータークラブ
 学校装飾(主に玄関ロビー)=サポータークラブ等々……。

 活動は、原則として、週3日程度(土曜・日曜の活動はなし)。
 顧問教師は2名体制。

 この【部活動改革つなぎ4項目】の【4】「総合文化部」のポイントは次の3点である。

(1)社会教育との連携・融合により、メニューを豊かにして、さまざまなニーズに応える。

(2)活動日に幅をもたせ――(くりかえしになるが)週3日程度、土曜・日曜の活動はなし――民間社会教育団体を含む社会教育活動との両立を可能にする。

(3)学校外活動(他の学校部活動や地域社会教育活動)のガイダンス、あるいはコーディネート機能を果たす。(地区の公民館や地域の社会教育活動との連携・融合が着実に進んでいる。これまでの学校は、ひとつの部活動の継続指導に力を入れ、ガイダンス機能、コーディネート機能は弱かった。)

 (1)〜(3)が提示するコンセプトは、これまでのサムライ中にはない新しいものだった。
 ただ、これがどのくらいの生徒に受け入れられるかは、あまり期待していなかった。
 また「学校部活動改革」という観点からは、ま、広い意味ではその範疇に入るが、僕らが進めようとする「改革(=社会教育への移行)」とは切り離して考えていた。(正直にいうと、【部活動改革つなぎ4項目】は当初は【3項目】だった。)

★だが、実際に活動が始まると、【総合文化部】は予期しなかった様相を呈してきた。
 とにかく、とにかく、大人気なのだ。
 入部者が殺到!
 入部予約をしてきた小学6年生までいる。
 既存の運動部・文化部の中には存続が危ぶまれる部も出てきた。

 ここまで書くと、既に気づいた方もあるのではないか?
 大人気の「総合文化部」が、僕らが進める【部活動改革】の「秘策」「奥の手」「うら技」となる目が出てきたのだ。

 歴史を振り返ると、「学校部活動」のスタートは、現在の保育所&幼稚園の「一時預かり事業」に似ている。
 当時、放課後は、たいていの子どもは家庭や地域に居場所があった。
 ところが、都市部では居場所がなく、繁華街をぶらつく、たむろする子どもたちがいた。
 見かねた商店主たちが学校に「めんどうを見てやってもらえないだろうか」と相談を持ちかけたのが始まりだ。
 これが、50年後、100年後、「巨大な文化・スポーツ総合ランド」に変貌した。
 学校が本務の学習活動とは別に、(全員強制加入の)【巨大文化・スポーツ総合ランド】を丸抱えすることになった。

 「一時預かり」レベルなら、他に引き受け手はある。
 だが、(全員強制加入の)【巨大ランド】となると、とてもではないが、どこにも引き受け手はない。

 これまでの経験から、日本全国の公立中学校で【全員強制加入制から任意加入制への切り替え】が実現すると、【巨大ランド】は、2、3年で「2分の1」程度、数年で「3分の1」程度の規模になる。
 「3分の1」くらいになれば、社会教育側で引き受けることも可能になる。
 ところが、この【任意加入制】への切り替えがなかなかむずかしい。
 《その3》で示したように、【任意加入制】を支持する保護者は【23%】にすぎない。
 校長会だと、もっと厳しい数値になるかもしれない。
 何年かかっても僕はこの数値を動かすことができない。
 【23%】の反対、すなわち【77%】が、今、僕の前に大きく立ちはだかっている。

★【総合文化部】は、この【全員強制加入から任意加入制への転換】なしに、巨大ランドの「2分の1」化、「3分の1」化を実現する。
 スゴイことではないか!
 「秘策」「奥の手」「うら技」といったのは、こういう意味だ。
 半分冗談だ。
 しかし、半分本気だ。
 このことについて、今、僕のうちに【2つの声】がある。

 ――というところで紙幅が尽きた。
 【つづき】は次回の「学級通信」に書くことにする。
 なお、「学校部活動に対する、2人のお母さんの【静かな抗議】」シリーズは、この【その5】をもって終了する。
 Aさん、Bさん、ほんとうにありがとうございました。

★画像=CD「バッハのチェンバロ名曲集」。
 最近、バッハばかり聴いている。
 スピーカーがバッハに合ってきた。

★関連記事
先週、2人のお母さんから学校部活動について【静かな抗議】!〈担任odakasanの学級通信〉
学校部活動に対する、2人のお母さんの【静かな抗議】!《その2》〈担任odakasanの学級通信〉
学校部活動に対する【静かな抗議】に菅官房長官的な答弁!《その3》〈担任odakasanの学級通信〉
学校部活動問題は【教育改革の本丸】、これを動かさないと何も動かない《その4》〈担任odakasanの学級通信〉


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2014年11月11日

★学校部活動問題は【教育改革の本丸】、これを動かさないと何も動かない《その4》〈担任odakasanの学級通信〉

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☆この記事の主材=【生徒数減少と部の維持】【学校部活動はレクリエーション志向と競技志向が混在】【部活動改革つなぎ4項目】☆主想=【学校部活動問題は公立中学校・教育改革の本丸】

★画像=サムライ中の夕景。
 夕景にカラダを浸し、僕の身の上、来し方を想い、しみじみとした気持ちになる。
 長い過去からの連なりの、カタツムリの這い跡に似た、僕の軌跡の、いちばん端っこ……、次の一歩が「行く末」(=未来)側という地点に、僕は立っているのだなぁ〜と思う。

 ただ、そうは思うものの「行く末」のことは、あまり考えていない(ノ△・。)。
 やっぱり「次の一歩」が恐いのかなぁ〜。

★『富岳百景』の新田青年の「必死の勇」の10000倍の【勇】をふるって来校したAさん、Bさんに、心より感謝申しあげる。
 僕も常日頃、部活動については早急な見直し・改善が必要だと考えている。
 ここを動かさないと、何も動かない。
 ここを動かさないで、他を動かしてもほとんど意味がない。
 【学校部活動問題】は【公立中学校・教育改革の本丸】なのだ。
 Aさん、Bさんの来校に意を強くして【改革の本丸】に踏み込んでいくつもりだ。

★部活動は、Aさん、Bさんとの間で取り上げた以外にも、多くの問題をかかえている。
 たとえば、生徒数が徐々に減少する。
 現在ある部の維持がむずかしくなっている。
 【3年間、ボール拾い】問題も切実な問題だ。
 ひとつの運動部に、レクリエーション派と競技志向派が混在している。
 これをひとつの部として運営せざるをえないところにこの問題が生じる。
 これらをどう改善していくか?
 なかなかシンドイ問題である。

 今後――
 @校区の実態を見据え、
 A学校と保護者と地域の方々とで改善・改革の理念を共有しつつ、
 B具体的な改善・改革の「一歩」を踏み出していくつもりだ。
 教育コミュニティづくり・サムライネットの多くの方々の参画を期待している。

★サムライ中では、【部活動改善・改革】に向けた取り組み&努力事項として【部活動改革つなぎ4項目】を定めている。

【1】学年・学級(学年教員)で、あるいは、部活動(顧問)で、個々の生徒の社会教育活動(民間社会教育=学習塾・稽古塾を含む)の実態を、可能な限り把握する。
 そのうえで、個々の生徒の社会教育活動が円滑に行われるように配慮する。

【2】地域で行われる社会教育活動や公的な社会教育活動への参加を奨励する。
 部活動と時間的に重なる場合も多いと思うが、各部顧問は、ここで充分、教員としての「学社コーディネート力」を発揮し調整に努める。
 子どもたちは学校教育ではとても育てられない力を社会教育で獲得する可能性がある。

【3】部活動の休止日については、冒頭でも述べたとおりである。
 くわえて、長期休業中の土・日は可能な限り休止日とし、生徒はもちろん、教職員自身も自身の家庭や地域で過ごすようにする。

★【部活動改革つなぎ4項目】の【1】【2】【3】について述べたところで紙幅が尽きた。
 【4】は次号で述べる。
 この【4】こそが、本・サムライ中で開発した、サムライ中の未来を託す、部活動改革の【奥の手、秘策】だ。
 「つづく」――






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★学校部活動に対する【静かな抗議】に菅官房長官的な答弁!《その3》〈担任odakasanの学級通信〉

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☆この記事の主材=【部活動朝練習禁止】【部活動休止日】【部活着けを廃す】【学習指導要領の内容の徹底が第一】【部活動全員強制加入制か任意加入制か】☆主想=【菅義偉官房長官的答弁に終始m(_ _)m】

★『富岳百景』の新田の「必死の勇」の10000倍の【勇】をふるったAさんにも、Bさんにも、おおよそ、次のように回答申しあげた。

【1】部活動の時間の量については、市内中学校のなかでは平均的、もしくは【やや少な目の量】である。
 しかし、土曜日・日曜日の活動については部によって長時間になっているケースもある。
 Aさんの指摘のとおりだ。
 これは、今後、改める。

 朝練習は、部活動だけではなく、他の生徒会活動、教科活動等も含め、一切、認めていない(これについては例外はない)。
 活動延長は、中体連「夏季大会」に限り、30分間の延長を認めている。

 なお、【やや少な目の量】というあいまいに表現をしたが、本校が、職員会議・学年会議等で教職員が指導にあたれない日を、【家庭・地域の日】(=部活動休止日)としている分の「時間」のことを指している。
 生徒の安全保証という観点からやむを得ない措置と考えている。

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【2】Bさん指摘の「各種大会の出場に制限がある。他校が参加しているのにサムライ中は参加できない大会がある」について。
 各種文化・スポーツ団体の判断で、これまでなかった大会が次々に新設される。
 野放図に増えると、学校・家庭・地域の教育活動に大きな影響が出る。
 放っておくと、本校も部活動漬け状態に陥る。
 子どもも親も教師も生活が壊れる。
 きわめて不合理である。
 全体的なバランスを考え、どこかでだれかが「ハドメ」をかけないと、安定した快適な日常&学習生活が維持できなくなる。
 生活のすじみちを守るのは、現時点では学校の役目だと考えている。
 今後、学校・家庭・地域が連携して展開している【教育コミュニティづくり・サムライネット】の話題としても取り上げたい。
 (これまでに制限をかけた種目=サッカー・テニス・ソフトボール・合唱)

【3】学校部活動が生徒の学習活動に影響を与えているということについては、次の観点から、大きな問題があると考えている。
 毎日の50分間の授業でつまずく生徒がでてくる。
 それを放課後などの時間を使って適切な補習を行えば、つまずきを克服することができる。
 経験的に、全員100点にすることが可能だ。
 しかし、現状は部活動の時間になったら、勉強がわかってもわからなくても一斉に部活動をはじめる。
 また教師にしても、自分が担当する部活動の指導にあたらなければならないから(事故等から生徒を守らなければならないという問題もからんで……)、補習がやりたくともやれない。

 義務教育の中学校はあくまでも学習指導要領の内容の徹底が第一であり、これをクリアーした上での部活動という原則を重く受けとめている。
 しかし、この点について、具体的な改善策を示せないでいる。
 「補習」を学習ボランティアに託す……という実践も聞いているが、これは本末転倒だ。
 「補習」は教師が行うべきで、「部活動」こそボランティアに、あるいは社会教育&民間社会教育に託すべきだと考えている。

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【4】学校週5日制や新しい学習指導要領を提言した中央教育審議会答申『21世紀を展望したわが国の教育の在り方について』は、学校依存の現状――僕が「学級通信」でいつもくりかえしくりかえし述べている言い方だと「学校の教育独占体制(学校の教育丸抱え体制)」――を改善しなければならないとして、特に【校外での生徒指導】と、この【部活動の問題】を取りあげている。

 【部活動の問題】については、学校が「すべての子どもにその参加を義務づけ画一的に活動を強制したり、勝利至上主義的な考え方から長時間の活動を強制するようなあり方は改善を図る必要がある」とすると同時に、「学校は学習指導面の指導により集中すべき」と指摘している。

 本校では、中央教育審議会で指摘する「長時間の活動の強制」についてはかなり改善が進んでいる。
 しかし、Aさんも指摘する【全員加入制】の問題については従来と変わっていない。

 「全員加入制」について昨年度末、全保護者からアンケートをとった結果、「23%」の保護者が、全員加入制を廃し、任意加入制への移行を希望している。
 今後の重要な検討課題である。

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【5】部活動の意義は十分承知している。
 部活動は、教育課程外活動であるため、部活動を実施する・しないについては校長の判断とされている。
 任意加入制についても同じ。
 だから、理屈のうえでは「来年度から本校は部活動は実施しない」という選択も可能である。
 同じく「来年度から本校は部活動は任意加入制とする」という選択も可能である。
 しかし、部活動の教育的意義を考え、生徒の実態、保護者の方々の意見を踏まえ、現在の体制を選択している。

 部活動を実施する以上は、Bさんの意見のように、内容的に充実したものにしたい。
 そのひとつの方策として、以前にもお知らせしたように、小学校・中学校と家庭と地域が協働して、教育コミュニティづくり・サムライネット【ボランティア人材バンク】を設置している。
 対象は、PTA会員、PTAのOB、地域の人々(原則として学区内)である。
 ボランティアの活動については次のような部門(例)がある。
 ・〈教科指導(含 総合的な学習・道徳等)の支援部門〉
 ・〈学校行事の支援部門〉
 ・〈読み聞かせ等図書館活動支援部門〉
 ・〈花壇づくり、校舎修理等環境づくり部門〉
 ・〈登下校の安全確保、学区巡視部門〉
 ・〈部活動の支援部門〉
 ・〈ボランティアセンター部門(人材バンクの管理・コーディネート)〉等々……。

 この中の【部活動の支援部門】の方々のお力を借りて、より質の高い部活動にしたい。
 ただし、職員会議・学年会議等で本校の教職員が指導にあたれない日に、部活動支援部門のボランティアの方に全面的に指導をお願いすることは、事故等の責任問題との関連でできない。
 この点はご理解いただきたい。

★以上、Aさん、Bさんの相談(あるいは「抗議」)にこたえるという形で、部活動に関する学校側の(実に歯切れの悪い)考えを、クドクドと述べた。

 「疲れました。菅官房長官の気分……」←僕のつぶやき。

★次号に【つづく】
 画像=図書室の光景。
 子どもたちが少ない(ノ△・。)。






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★学校部活動に対する、2人のお母さんの【静かな抗議】!《その2》〈担任odakasanの学級通信〉

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☆この記事の主材=【学校部活動へのお母さんの静かな抗議】【太宰治『富岳百景』の「新田」の「必死の勇」】【学校部活動の現状】【学校部活動に対する保護者アンケート結果】

★それぞれ単独でやってきた、2人のお母さんの、本校の学校部活動に対する、怒りをグッと抑えた【静かな抗議】記事のつづき。

 それぞれのお母さんは、けっして【独り】でやってきたわけではない。
 お母さんの背後には、10人、20人の同調者がいる。
 同調はするけれども、学校に直接、【抗議】に行くのは抵抗があったのか?
 あるいは、みんなで「行こう! 行こう!」と盛りあがったが、そのお母さんが「いや、ここはわたしが代表して」と制したのか?
 それはわからない。
 ただ、お母さんの毅然とした態度に接して、僕は太宰治『富岳百景』の次の場面を想起した。
 「新田といふ二十五歳の温厚な青年」が、峠の茶屋にいる「太宰」を訪ねる場面だ。

 新田「実は、もう二、三人、僕の仲間がありまして、皆で一緒にお邪魔にあがるつもりだつたのですが、いざとなると、どうも皆、しりごみしまして」
 太宰「それでは、君は、必死の勇をふるつて、君の仲間を代表して僕を偵察に来たわけですね」
 新田「決死隊でした」(太宰治『富岳百景』から抜粋)

 お母さんは、新田の「必死の勇」の10000倍の「勇」で学校にやってきたのだ。

★まず、部活動に関するサムライ中の現状を確認することにしよう。

【1】活動時間は――
 前期(4/1〜10/31)=平日は午後6時15分活動終了、午後6時30分完全退下。
 後期(11/1〜3/31)=平日は午後5時45分活動終了、午後6時完全退下。

 土曜日・日曜日については、第1・3日曜日は部活動休止日。
 他の週の土曜日・日曜日については、土曜日・日曜日のいずれかを休止日とする。

 なお、土曜日・日曜日の活動時間については、3〜4時間を目安とする。(ただし、練習試合等を計画した場合は、これを超えることがある。)

 また、職員会議・学年会議等で本校の教職員が指導にあたれない日は、部活動休止日(=「家庭・地域で、部活動以外の活動をする日」)とする。
 「部活動休止日」は月初めに発行する「学校通信」で連絡する。

【2】この活動時間について昨年度末、全保護者からアンケートをとった結果が、次の通りである。
 ・ちょうどよい=77%
 ・やりすぎる=13%
 ・もう少しやれ=8%
 ・もっとやれ=2%
 これをみると、おおむねご理解いただいているものの――
 【Aさん】とほぼ同意見(やりすぎる)と考える方が【13%】(約50人の保護者)。 【Bさん】とほぼ同意見(もう少しやれ&もっとやれ)と考える方が【10%(8%+2%)】(約40人の保護者)。
 いずれも決して少なくはないことがわかる。

★次号に【づつく】
 画像=収穫したあと室内に置いておいたカリン。
 黄色みが増し、表面に油が吹き、香りが強くなってきた。
 ああ、朝に夕にサムライ中生の【音読】を聞き【合唱】を聴き、成長したカリン!









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2014年11月10日

★先週、2人のお母さんから学校部活動について【静かな抗議】!〈担任odakasanの学級通信〉

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★僕は、【大阪市(橋下徹市長)の中学校運動部部活動の民間委託構想】について、これまで、この「学級通信」で何度か自分の考えを述べた。

 粗くまとめると――
 大阪市の構想は、なんでもかんでも抱え込んでパンク状態=【学校の教育丸抱え体制】に陥った公立中学校に対して、抱え込んだ【重荷】はそのままにして、【支援】しようという方策にとどまっている。
 僕は、そうではなく、【重荷】を【分担】する方策を検討しなくてはいけない……という主張だ。

★こういう論議を枕に、僕自身を取り巻いている【学校の教育丸抱え体制】について、主に【学校部活動問題】にしぼり、状況を報告し、同時に【大阪市(橋下徹市長)の中学校運動部部活動の民間委託構想】を一歩進めた改革案を提示しようと思いながら、HP環境の変更、ブログの変更等で、バタバタしていて、なかなかやれなかった。
 少し落ち着いたので、これから何回かにわけて(1000字×5回)報告していきたい。

 そんなに【おもしろい】内容ではないと思うが――ま、「学級通信」というのはそんな【オモロイ】もんではないですよm(_ _)m――つきあってもらって、意見などいただければ、ホンマ、幸いです。

 【報告】スタート――


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★先週、2人のお母さんから本校の学校部活動について相談があった。
 正確にいえば、怒りをグッと抑えた【静かな抗議】だった。
 それぞれ単独に来校。

 Aさんの相談は、現在の学校部活動が家庭生活や学習活動を圧迫している。早急な見直し・改善が必要だ……というものだった。

 〈Aさんの主な主張〉
・月曜日から金曜日までほぼ毎日、活動がある。それに土曜日や日曜日の活動が長い。家庭の行事がほとんどつぶれる。読書や趣味の時間も確保できない。活動は3回〜4回に改めるべきだ。
・そもそも、限られた部活動の種類しかないのに「全員強制加入」は変だ。まちがっていると思う。早急に「任意加入制」に改めるべきだ。

 Bさんの相談は、(Aさんの意見とは逆に)学校部活動を、時間的にも内容的にも現状以上に充実してほしい……というものだった。

 〈Bさんの主な主張〉
・他校にくらべて練習時間が短い。「部活動のない日」がある。朝練習が認められていない。放課後の延長活動も認められていない。
・各種大会の出場に制限がある。他校が参加しているのにサムライ中は参加できない大会がある。
・顧問の指導力、練習内容に疑問がある。専門のコーチを採用してほしい。

★【つづく】――これまでの「職員室通信」は2000字程度がひとつの目安だったが、今回はじまった「学級通信」は、僕自身の修業のため1000字を目安にする。今回=993字。
 画像=玄関のカリン収穫の光景。


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2014年11月09日

★【お好み焼き・道とん堀】でプロ教師修業「ポンポコポ〜ン!」〈担任odakasanの学級通信〉

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★勤務先・サムライ中からの帰りに、乱氏Tと【お好み焼き・道とん堀】に寄った。

 山傘を被り徳利を下げたタヌキの横に立ち、暖簾をくぐると、スタッフの「いらっしゃいませぇ〜、ポンポコポ〜ン! ポンポコポ〜ン!」という声が、あちらこちらから、こだまのように響いた。
 「ポンポコポ〜ン!」は、乱氏Tと僕が座敷に腰をおろすまでつづいた。

 挨拶も「いらっしゃいませ! ポンポコポン!」
 返事も「ありがとうございます! ポンポコポン!」
 徹底している(*^_^*)。
 「これはおもしろい、学校で使えるなァ!」
 と乱氏Tが大喜び!

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★僕らのサムライ中は【教師修業】の中学校だ。
 今年度の修業の重点=【授業力向上の5原則・bS=1人1人のがんばりに気づき、認める】を究める【註1】。

 「いいですね」とほめるにしても、5通り、10通り……。
 「すごい」だって、5通り、10通り……。
 ひとりひとりをほめる(評定する)、短い言葉を、30種類、いや、40種類、50種類と用意する。
 それを瞬間、瞬間に、ポンポンと発する教師をめざす。

★乱氏Tの発言「これはおもしろい、学校で使えるなァ!」の解説(=乱氏Tの頭の中)。
 「ポン!」=いい!
 「ポンポコ!」=すごい!
 「ポンポコポ〜ン!」=最高!
 これを社会科の授業でやろうと考えているにちがいない。

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★道とん堀はメニューが豊富だ。
 僕にはイメージできないものもあった。
 「ネギ爆」か「モダン焼きミックス」か迷って「ネギ爆」。 
 乱氏Tは「豚吉」。
 画像付きのド派手なメニューのわりに、味は素朴。
 キャベツの使い方が新鮮。
 関東地方出身の女優さんが、ほぼ完璧にマスターした「大阪弁」といった感じの、きりっとした魅力がある。

【註1】サムライ中の〈授業力向上の5原則〉
 bP=授業の目標、ねらいを明確にする。
 bQ=指示・発問は全員に、短く限定して述べる。
 bR=達成状況を確認して授業を進める。
 bS=1人1人のがんばりに気づき、認める。 
 bT=全員に50分間の学習活動を保証する。(授業力向上の5原則、以上)


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2014年04月04日

★中学という時代を生きる――親に金を使わす量を増やす人を中学生とは言わない

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★「始業式・式辞」は
ま、普段、自分が
思っていることや
つぶやいていることを
文字に変換させるだけだから
スイスイと書いた。
だが、最後の最後で
キーボードの手が
パタリと止まった。

次の箇所だ。

《学力日本一を実現しよう。
品格日本一を実現しよう。
「歌声が響く学校」日本一を実現しよう。》

「歌声」、「品格」、「学力」(狭義)の順番で迷った。
最初は「歌声」「品格」「学力」(狭義)の順番だった。
変だな?と思った。
トップが「歌声」というのはおかしいのではないか?
で、「歌声」を3番目に。
では、トップは「品格」か?
「学力」(狭義)か?


 本校は「学力(狭義)の形成」と「人格の形成」を一元的に捉えている。
 「人格」と「品格」はもちろん異なる。
 「品格」は「人格より」一段高いものだ。
 でも、式辞の文脈では、「学力」(狭義)に対して「人格」&「品格」を同じグルーブのものと考えるべきだ。

 だんだんはっきりしてくる。
 両者の統合をめざしているとはいえ、僕らは公立中学校のプロ教師として「学力」(狭義)にこだわっている。
 「学力」(狭義)の形成をとおして「品格」を形成する。
 プロ教師としては、まず「学力」(狭義)だ。
 とにかくとにかく、50分間の授業の積み重ねだ。
 ブツブツ、ブツブツ、つぶやき、何度もコピー&ペーストをくりかえし、やっと順番が決まる。
 @「学力」(狭義)。
 A「品格」。
 B「歌声」。

★〈始業式・式辞〉――【中学という時代を生きる】

 昨年度の1年間、毎日、毎日、生活していた教室を離れる。
 いっしょにいた友と離れる。
 先生と離れる。
 転校という大きな変化があった人もいます。
 自分とつながっていたものから離れて、ポツンと「ひとり」になる。
 この時期は、独特の雰囲気があります。
 さびしいといえば、さびしい……。
 さっぱりしたといえば、ま、さっぱりした……(*^_^*)。
 自分が別の自分になったような……感じ。
 わたしは、こういう今のみなさんの「感覚」を大切にしてほしいと思います。

 ひとりになることによって、これまであまりに意識しかなった【自分の今の姿】【心のカタチ】が、鮮明に見えるようになる。
 あるいはまた、これまでの自分の一歩一歩が、夜、雷がピカッと光ったとき、パァ〜ッと風景のすべてが見えるように、【自分の足跡】が見える。
 今の自分の【心のカタチ】と、【自分の足跡】を点検しながら、大切にしながら、今年度の1学期、新しい一歩を踏み出しましょう。

★改めて、新2年生への進級、おめでとう。
 新3年生への進級、おめでとう。
 ここに、こうしている、みなさんで、力をあわせて――
 「サムライ中生でよかった」
 「サムライ中生であることを誇りに思う」
 と、心から思える――
 わたしもそうです、「サムライ中の教職員であることを誇りに思う」
 と、心から思える、よい学校にしていきましょう。
 よい学校というのは、「在る」ものではありません。
 あちこちに、ころがっているものではありません。
 先輩たちから、しっかりと受け継ぎ、それを1oでも0.1oでもよくして、それをしっかりと伝えていくという、【ギリギリの努力】をして、いい学校を創り出していくのです。
 こういう意味で、新2年生、新3年生の役割は大きい。

★きょうの始業式にあたり、【上級生】として心がけてほしいことを1点、そして、【中学という時代を生きる人間】として忘れないでほしいことを1点、お話しします。



 まず、【上級生】として。
 いばる上級生にならないでほしい。
 いばる上級生ほど、みっともないものはない。
 下級生がいばるのは、かまわない。
 いい学校や、いいチームは、下級生がいばっています。
 上級生は、絶対にいばりません。
 わたしが、ず〜っと、大切にしている、ひとつのエピソードがあります。
 明治大学の野球部の話です。
 もう今はお亡くなりになりましたが、有名な監督がいました。
 島岡監督。
 37年間、明治大学の監督をしました。
 明治大学の野球部は、全員、寮で合宿しています。
 その寮を島岡寮といいます。
 この寮のトイレ掃除は、だれがやるか?
 島岡寮では、最上級生がやることになっています。
 大学ですから、1年生、2年生、3年生、4年生がいる、その4年生がトイレ掃除する。
 それも、キャプテンが先頭になって、責任をもってやる。
 楽天の監督・星野仙一さんも、明治大学の野球部出身で、キャプテンでしたから、毎日、毎日、トイレ掃除をしたそうです。
 今のようなトイレではないから、たいへんだったそうです。
 そのトイレを素手で、ピカピカに磨きあげたそうです。
 いやなことは、下級生にやらせない。
 いやなことは、「わたしたちがやるよ」という、やさしくて力持ちの上級生になってほしい。

★次に【中学という時代を生きる人間】として、忘れないでほしいこと。
 これはなんどもなんども言ってきたことなのですが、中学という時代は、どういう時代かというと、いろいろあるけれども、いちばん大切なのは、親の保護、親べったりから、【人生、独立】に向けて、一歩一歩踏み出していく時期です。
 では、独立に向けて一歩一歩踏み出すとは、具体的にどういうことか?

 「お父さん、あるいは、お母さん、ここまで育ててくれてほんとうにありがとう。」
 「まだまだ心配をかけるけれども、これからは自分でやれることは自分でやり、お父さん、あるいは、お母さんにかける心配の量を減らし、悲しませる量を減らします。」
 「また、もう中学生だから、お金を使わせる量も減らしていきます。」
 「そして、なりたい自分をめざして、いっしょうけんめいに、がんばります」
 と、いうことなんですよ。
 これが、独立に向けての一歩です。
 一歩一歩です。
 だから、逆に、親に心配をかける量を増やしている人を、中学生とは言わない。
 親を悲しませる量を増やしている人を、中学生とは言わない。
 お金を使わせる量を増やしている人を、中学生とは言わない。

 悲しませる量を増やしているという人は、わたしのところに来なさい。
 叱るのではありません。
 わたしも、あなたといっしょになって考えたいと思っています。
 ぜひ、来なさい。

 新しい年度の1学期、サムライ中生、ひとりひとりが、真に独立に向けて一歩一歩、踏み出してくれることを強く期待します。

 最後になりますが、【学力日本一】を実現しよう。
 【品格日本一】を実現しよう。
 【歌声が響く学校、日本一】を実現しよう。
 そして、大いに読書しよう。
 月、火、水、木、金、5回の昼休みのうち、1回でもいいから、図書室に行って、いっしょに本を読みましょう。
 本を読まないで中学を卒業することになってしまったら、たいへんだ……と、わたしの願いを述べ、式辞とします。(始業式式辞、以上)

2014年04月03日

★【力のある学校】と【力のない学校】、ここに差が出る〜危機管理と学社連携は表裏一体〜

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★来校者への対応 〜 危機管理と学社連携は表裏一体 〜

【1】廊下を歩いていると
下足置き場の陰に
来客の姿を発見!
即、接近する!!!
(ある意味で「命がけ」)
「どのようなご用件でしょうか?!」

職員室の片隅に
待機しているらしい来客の姿を発見!
即、接近!!!
「担当の者と連絡はとれていますか?」

来客のほうが――
「もうカンベンしてくれよ……」
「ここの教職員は、何人も、次々に、声をかけてくるなぁ……」
「うざいよ……」
 と感じるくらいに
つねに、即、接近!!!


 即、接近して、犯罪被害から子どもを守る。
 学校を守る。
 同時に、地域と交流する(*^_^*)。
 変な言い方になるが、危機管理と学社連携は表裏一体だ。
 
 はっきりいうけど「力のない学校」は、こちら(来客)が泣きたくなるくらい、もう信じられないくらい、誰も来てくれない。
 見て見ぬフリをする。
 目と目があっても、知らないフリをする。
 ダメな学校に共通している。

 これでは絶対に子どもは守れない。
 学社連携も進まない。

【2】教職員が、用件を済ませた来客(例=PTA副会長)に――
 @「どうぞ、校長室にも寄ってください!」
 A(校長室の校長に)「副会長さんがお帰りですよ!」
 前者を選択するか、後者を選択するかは、対応した教職員の「経験則」による。
 「校長」を選択するか、「教頭」を選択するか、あるいは他の教職員を選択するか……も、対応した教職員の「経験則」による。

 これは【1】より高度だ。
 【1】はその気にさえなれば誰でもできる。
 【2】は相当、修業を積まないとできない。
 「あっ、しまった、教頭のほうではなく、校長だった」……というようなことはよくある。
 失敗を恐れず、積極的に対応していこう。
 対応の積み重ねが【修業】になる。
 【力のある学校】につながる。

 【力のある学校】は、こういう点がスゴイ!
 アカン学校はホンマ、絶望的な気分になるくらいに、アカン(ノ△・。)。

 〈来客例〉
 ・PTA総務委員会メンバー(会長・副会長・各委員会委員長等)
 ・地域の町内会や防犯・青少年育成団体、施設や企業(例=旅行社)等の関係者
 ・他小中学校の校長・教頭等
 ・進路先の関係者
 ・部活動のコーチなどボランティア、MINAMIネットサポータークラブ員……等々

【3】同僚の客は、学校の客であり、自分の客でもある……という姿勢で対応する(あいさつをする。ねぎらう)。

★職務に応じた視点で毎日の校舎内外の巡回

 校長、教頭、学年主任(副主任・副担任)、教務主任、生徒指導主事、研修主任、保健主事、学級担任、教科主任等々……それぞれ職務に応じた「視点」で、校内規定にしたがい計画的に、あるいは状況に応じて巡回する。

 この異なった視点の【巡回の総和】が、サムライ中の【教育力】になる。
 サムライ中の【危機管理力】になる。

 例=学年主任(副主任・副担任と分担、連携して)=登校の状況(玄関or学年棟)、学年生徒の授業の状態、給食準備の状態、昼休みの状況、下校時or下校後の状況……。
 なお、学級担任は、自学級の他教科の授業の状況を必ず自分の目でチェックする。

★名刺を用意する。

 地域の方々、高校関係者、業者など学校外の人々との接触が多い。
 名刺を出されたら交換するのが社会的ルール、礼儀である。
 名刺を出さないと、自分は困らないかも知れないけれど、相手が困る。

★おじぎの角度を点検する。

 僕は自分では気づかないうちに、おじぎの角度が浅くなっていたようだ。
 宇都宮大の廣瀬髏l氏に会ったとき、氏に直角、90度の礼をされた。
 頭をハンマーで叩かれた気分だった。
 自分の甘っちょろさ。
 自分では「学社連携人間」を自負しているつもりだったが……。
 以来、これまでの30度〜45度の礼から、60度の礼に切り換えた。

 おじぎの角度を変えると、世界の見え方が変わる。

★本校「服務規定」の確認

 「服務規定」を「危機管理」の枠組みでとらえよう。

 全体的には、サムライ中の場合、おおむね、よい状態にあると判断している。
 たとえば、外部(保護者・地域・教委・報道等……)から問い合わせがあった場合でも、各主任、教頭、校長が知らないということはめったにない。
 だから、即、適切な対応ができる。

 これは、「服務規定」にしたがい、@記録(分刻み)A報告がきちんとされているからであるし、また、学年を含む分掌組織内――いつもいうことだが、分掌内の人間関係というのは、規則とか命令とかではなく、精神の伸びやかなつながりのもとで、重要な価値が交換されやすい――で適切にチェックされているからである。
 「力のある学校」に近づきつつある。
 逆にいうと「力のない学校」は、この点がメチャクチャに乱れている。

〈校長の承認が必要なこと〉
 @日課の変更
 A生徒の校外への引率
 B計画以外の集金等
 C所定時間以後、生徒の居残り
 D(計画以外の)休日の登校
 E学校名で文書の発行または電話の交渉
 F施設・設備の配置替等
 G施設・備品の貸与
 H勤務時間中の外出
 I生徒への重大な懲戒
 J保護者の召喚
 ――Aとの関連で、学校管理下の時間帯で生徒を単独で校外に出さない。
 ――Jとの関連で、PTA関連の招集も含む。

〈校長に直ちに報告すること〉
 K生徒の負傷
 L生徒の所在不明
 M盗難
 N生徒の家庭の事故
 O保護者の要望・苦情
 P施設・備品の破損
 Q臨時の会議
 R生徒への体罰

 〈承認〉および〈報告〉の方法については――
 A=当事者→事案に該当する担当責任者(主任)→教頭→校長
 B=当事者(が直接)→主任・教頭・校長という2つの経路がある。
 内容、あるいは伝達に要する時間等を考慮し、臨機応変に判断する。

 なお、各分掌の会計管理については、特に下記の点を厳守。
 (ア)清算事務を年度内に確実に終了する(ただし……)。
 (イ)その都度、領収書の確認する。
 (ウ)出納簿(支払い)は1件ごとに記載する。
 (エ)交際費(香典・お礼)支出の際は履行証明書を確認する。

★3日会わざれば刮目して見るべし
 〜ピグマリオン効果・生徒の「よく変わりたい」という変身願望に対する「感性」を磨く〜

 「3日会わざれば刮目してみるべし」という視点(=「この子は、きょうは、どんなところがよくなりたいと思って、朝、起きて、学校にやってきたのだろうか?」)と、目をこすって生徒を観察する。

 1人残らず、どの子もどの子も「よくなりたい」と思っているにちがいない! そう思いこんで(ピグマリオン)、子どもといっしょにサムライ中の時空間に「存在」する。
 サムライ中の時空間にいっしょに存在できる喜び。

 これが、昨日、話した「ピラミッド形 A>B>C」……の「B」にあたるのだろう。

 いつくしみ、応援できるよろこび!


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2014年04月02日

★《僕の経験的な提案》→こうすれば「親子関係」はやり直せる!→「子育ては」やり直せる!

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★子どもの心を捉えているものが
 ゆっくりと動き出し
 言葉に転換され
 外に出てくる
 その長い、長い過程を
 共にできるだけの器量が
 僕にあるか?


 子どもの隣で、いっしょに困ってやる。
 子どもの心をとらえているものがゆっくりと動きだし、ことばになる長い長い過程を共にする、その覚悟があるか?

★子どもへの接し方(指導)が、(上の図の)【A>B>C】と、ピラミッド形になっているかどうか?
 「常に点検しよう!」
 と、ここ、10年くらい、僕は、僕自身に、いつも、いつも、言いきかせている。
 これがなかなかむずかしい。
 先日の朝も――その1年の女子生徒と僕のあいだには「A」の層も「B」の層も形成されていない……いきなり「C」(僕の考えをぶっつける)は効果がないとわかっているのに――頭髪(触角ヘアー)のことでカミナリのように叱ってしまった。

★もう一度、このカウンセリングの【A>B>C】について確認しよう。

 【C】=子どもに対して自分(親&教師)の考えを打ち出す。
 「お母さんはこう考えるよ」
 「お母さんはこうしてほしいんだよ」

 【B】=子どもの味方になる。
 「存在に気づいてやる」
 「いい点をともに喜び感激する(←どこかの外国人みたいに*^_^*! 日本人はこれが徹底的にヘタ)」
 「つねに励ましつづける(←日本人はこれも徹底的にヘタ)」

 【A】=子どもと一体になる
 「子どもの世界を子どもの目でいっしょに見る(隣に黙ってゆったりといるだけでいい)」
 「そうか、そうか……と、まず受け入れる」

(1)くりかえしになるが、いきなり「C」とか、あるいは「C」だけというのは、ほとんど効果がない。
 その子どもと自分(親&教師)とのあいだに、Aの部分・Bの部分が形成されているかどうかを、まず、チェックしよう。

 僕の恥ずかしい体験だが
 ――「僕はCだけでやる。」
 ――「ベタベタするのはキライだ。」
 ――「僕は毅然とやる。」
 と、いい気になっていた時期がある。
 哀しいことだが、それは、けっして短い期間ではなかった。
 僕の教育思想が未熟だったのだ。
 Aの部分・Bの部分についての認識がまったくなかった。
 それでも何とかやれたのは――いや「やれた」とはとてもいえないのだが――他のベテラン教員が、僕の分まで、Aの部分・Bの部分を形成してくれていたからだ。
 そのことに気づくまでに、僕の場合、かなりの時間がかかった。

(2)昨年、1学期の始業式が始まる直前のことを僕は鮮明に記憶している。
 体育館で隊形づくりの指導をしている、安代Tが発した「まだ椅子の(高さの)調整ができていないので、座りにくいだろうが……」のことばに、僕はショックを受けた。
 これ(=「座りにくいだろう」)はAの部分だ(子どもの目でみる)。
 Bの部分だ(子どもの味方になる)。
 僕からはスッポリと抜け落ちていた。
 このA・Bのあと、安代Tは「C」=座るときの腰、手、足の位置を指導している。
 瞬時に、A>B>C……をやっているわけだ。
 高段の技だ。

(3)Aの部分・Bの部分では、極力アドバイスを避ける。
 僕たちはついついアドバイスに走る。
 そして、子どもと話し合ったと思っている。
 しかし、子どもにしてみれば「なにも聞いてくれなかった」という思いだけが残る。
 話を聞いてやり、聴いてやり……聴いてやり、聞いてやり……いっしょに困ってやる。
 ただ困ってやる。
 それだけでいい。
 Cは不要!
 いっしょに困る過程(時間)を大事にしよう。
 これが親の役目だ。
 これが教師の役目だ。
 どうしてもという場合、最後の最後に、いくつか例示し、子どもに選択させる。

 中学という時期の、子どもの心の底にある気持ちは、(本人にとっても、他の人にとっても)容易に言語に転換できるものではない。

 中学生の心を捉えているものが、あるいは心に充満しているものが、ゆっくりと動き出し、言葉に転換され、外に出てくる、長い、長い過程を共にできるだけの、器量を自分がもっているのか?と、たえず自身に問いつづけよう。

 ああ、わたしは子どもとの関係が崩れている……と感じたら――
 ガッカリする必要はない。
 即、【B】(=子どもの味方になる)の段階にもどり、【B】の層をぶ厚くすればいい。
 あるいは【A】(=子どもと一体になる)にもどり【A】の層をぶ厚くすればいい。
 【もどる】勇気と決断力があれば、子育ては何度でもやり直せる。

 ただ、ひとつ、心したいのは、教師と親は違う。
 教師は親ではない……ということだ。
 姉でも、兄でも、先輩でも、友人でもない。
 1年間限定の教科担任だ。
 あるいは、1年間限定の学級担任だ。
 この「わきまえ」が必要だ。
 いい気になると――すなわち、親の代わりなどと思うと――かならず落とし穴に堕ちる。

(4)ノンバーバルコミュニケーション。
 子どもは、話の内容もそうだが、親や教師のしぐさ、表情、姿勢、態度、語調、雰囲気と「対話」している。
 口では「うるえェ〜」と反抗しながら、よく見ている。
 聞き耳を立てて、よく聞いている。
 だから、このノンバーバルコミュニケーションを軽く考えてはいけない。
 先輩から「教師は絶対に腕組みをするな」と注意を受けたが、このことを言っているのだろう。
 「切れる姿」を見せるなどもってのほかだ。
 「切れることば」もそうだ。
 これは人としての倫理に反する。

(5)個人面談で鍛える(←教師限定の話として)
 個人面談やチャンス相談は、奥が深い。
 そして、これが【教育の出発点】だ。
 ずっと以前、Dr.海原純子さんと、仕事で打ち合わせする機会があった。
 ほとんど、もう、向かい合った瞬間だった――彼女が一言二言話した。
 ただ、それだけなのに、僕の身体からこわばりが溶けた。
 これっていったいなんなんだろう?
 スゴイ!と思った。
 同時に、僕も相手にそんなふうに感じさせるように修業したい思った。
 カウンセリング理論を学びながら、僕たちは「個人面談」をやって、やって、やり通して、中学生の心を捉えているものがゆっくりと動き出し、言葉に転換され外に出てくる長い過程を共にできるだけの、器量をゲットしたい。
 その力を、徐々に学級や学年という全体に応用する。
 「個人面談」ができないと、教師は、全体には語れない。


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2014年04月01日

★組織づくりのポイント!(1)学年の教師力のバランス(2)適材適所主義(3)学級担任力

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★組織編成のポイント
 ――もちろん、実際の「会議」でこれをこのままぜんぶしゃべったわけではない。
 そんなことをやると、当然、僕は【消滅】の憂き目にあう。
 このブログの記事に「これは実際にこのまま言った」=○
 「これは言わなかった」=×
 「これはこういうふうに変換して言った」=△
 ……というような注意記号をつけるといいのかもしれない。
 ただ、今回はこういう記号はつけない。
 今後、ぜひ、検討したい。)

【1】バカ者同士が仲良くやっているような校務分掌チームを廃す。

 サムライ中の教職員は、
 @学年部会
 A校務分掌(総務・教務・研修・生徒指導・保健等の)部会
 B領域(道徳・特別活動等の)部会
 C教科(国語・社会等の)部会と、4つの部会に所属して仕事をする。
 「C教科」は所持免許が関係するから「どのように組織を編成するか?」とはあまり関係がないが、だれが何年生を担当するか?では「@学年部会」と密接な関係が生じる。

 これまでもくりかえしくりかえし述べてきたことだが、不作為を見て見ぬフリをし【バカ者同士】が仲良くやっているような組織を廃す。
 あるいは、【賢い者同士】が牽制し合っているような組織を廃す。
 組織の停滞&緩みの背後には、必ず「バカ者同士が仲良くやっている」あるいは「賢い者同士が牽制し合っている」空気が存在する。
 こういう空気をぶち破らないと学校はよくならない!
 教師の組織には結構、こういうのが多いから注意が必要だ。

 「仲良しのバカ者同士」も困るし、「牽制し合う賢い者同士」も困るが、どちらかというと前者が困る。
 「牽制し合う賢い者同士」は「バカなこと」はしないが、「仲良しのバカ者同士」は、とんでもない「バカなこと」をやらかすからだ。

 ただ、こうは言っても、自分が「牽制し合う賢い者同士」や「仲良しのバカ者同士」がいっぱい存在する組織に入ったら、いったいどうすればいいのか?
 つまるところ、【1対多数の激突】にならざるをえない。
 相当な【覚悟】が必要だ。
 この【激突】&【覚悟】はこの記事テーマから離れるので、いずれ、別記事で書く。
 僕は【橋下徹大阪市長】のやり方が参考になると思っている。(「教育」の考え方そのものは、橋下氏と僕は大きく異なる。)

 ま、とにかく「バカ者同士が仲良くやっているような組織&チームを廃す」姿勢でがんばっていこう!
 常に真摯な姿勢!
 チャレンジ精神!
 本音!
 プラス思考!……。
 どの部会も、伸びやかな精神のつながりが生まれ、重要な価値が交換され、創造的な仕事ができる環境づくりに努めよう!

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【2】3つの学年(1・2・3学年)の教師力のバランスをギリギリまで追究。
 【学年部会】は、学校の経営をリアルに左右する。
 自動車の運転に似ている。
 ハンドル操作を誤ると車は、一瞬のうちに大破する。
 僕は何度も【大破現場】を経験してきた。
 【校務分掌】や【領域】は、大破までにやや時間がある。
 その分、修正の余裕がある。
 【学年部会】のハンドルミスは、絶対、修正不能!

 1・2・3各学年の教師の力(教育指導力・マネジメント力等々)を、3.333……と3.333……と3.333……になるように組織した。
 もちろん、人は機械ではない。
 3.333……などと計算できるはずがない。
 あたりまえだ。
 でも、それをギリギリまでやる。
 どうしても出る凹凸の凸は、ぜんぶ1学年に回した。
 1学年経営が失敗すると、あとから立て直すことがひじょうにむずかしくなる。
 荒れる学校をみていると、原因の多くは1学年経営にある。
 逆に、1学年経営がうまくいくと、(これまでの経験からいえば)2・3学年がうまくいく可能性が大きくなる。

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【3】徹底!適材適所(最適任者)主義。

 教育史・教育哲学史の中に自らの分掌を位置づけて仕事ができる、専門的技量を有する人材。
 日本国(具体的には中教審答申等)と分掌運営を直結してプロの仕事ができる人材。

 組織編成のとき、いつも、「育成主義」か、「適材適所(最適任者)」主義かに悩む。
 ホンマに苦しむ。
 今年度も、ホンマにホンマに苦しんだ。
 僕が昔、仕えた校長に、教職員にいろいろな校務を計画的に経験させて育てていくという方針で組織作りをする方がいた。
 2年間、教務主任をやったら、次の年は生徒指導主任……という具合に。
 僕はこの校長の影響を強く受けている。
 できることなら、計画的にいろいろなポジションを……という気持ちがある。
 しかし、現実にはなかなかむずかしい。
 特に今年度は、危機管理という観点から各部署のトラブルへの対応力をアップし、教職員のエネルギー配分を「危機管理に90%」「教育哲学に10%」というような教育現場から、「危機管理40%・教育哲学60%」への脱出を、大きな目標に掲げている関係上、どうしても適材適所(最適任者)主義をとらざるを得ない。
 教職員の中には、ずいぶん偏った起用法だと不満に思っている人が、きっといると思う。

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【4】学級担任力の保証

 学級担任の教育力の維持を図るという観点から適切な配置に努めた。

 僕は中学校の学級担任制がベストだとは考えていない。
 (もっとはっきりいうと、学級担任制については、毎年、「やめたい、やめたい……これが日本の中学教育の諸悪の根源だ……」と思いながら、ウジウジし、なかなか決断できない。
 【学級担任制をやめる勇気】がないのだ。
 ということで……)
 今年もまた学級担任制を採用することになった。
 採用する以上、生徒や保護者に対して【学級担任力は保証】しなければならない。
 【お試し期間中の学級担任】などありえない。
 そのため、一昨年は学級担任兼教務主任、昨年は学級担任兼学年主任というカタチをとった。
 幸い今年はこの「兼務」状態を解消することができた上に、一定の学級担任力を維持することができた。

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【5】トラブルへの対応能力アップ。

 トラブル対応能力については、「焼き」が入っているというレベルまで腕をあげよう。
 下記の記述は、第1次安倍自民大敗後の新聞記事の切り抜きだが、僕は、文中の「掃除」を「ちょっとしたトラブル」と読みかえている。

◇「掃除の下手な大工は仕事もアカン」と語ったのは、大阪万博の日本庭園をはじめとして生涯に120余りの茶室を手がけた数寄屋大工の中村外二さんである。
◇駆け出しの職人は木の削り屑に肌で触れ、道具の使い方や仕事の段取りなどを先輩大工から盗む。
 掃除が下手であることは基本の学習を怠ってきた証しであり、いい家が造れるはずもない、と。(中略)
 掃除下手の棟梁に社会保障や外交・安保という大建築が手に負えるか、疑問を感じた有権者もいただろう(後略――新聞の切り抜き引用、以上)

【6】組織づくりは「0」からの出発を。

 若い頃、1学年に所属になった。
 その最初の会議で、学年主任が「うちの学年では……」「うちの学年のやり方は……」を連発するので、これからみんなで「うちの学年」をつくるのではないのか……と強烈な違和感をもったことがある。
 組織づくりは、絶対に「0」からの出発でなくてはならない。

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