2017年11月15日
【ドラマ】この人生は初めてなので ep.11-1
だんだんセヒの顔に表情が出てきましたよ〜
〜ep.10-2のつづきから〜
昨晩、ジホから実家のキムジャンを手伝う労働で返せと言われたセヒ。朝、目覚めてそのことを思い出してため息。
起きて居間に行くともうジホは身支度を終えて紅参のパウチをすすっている。(これ苦くて苦手〜)やはりまだ怒っている様子で、セヒがジホの紅参に興味を示すと「これは私のです」と冷たい。さらに「ボンナムと朝食食べようと思ってるんです。カフェで一緒に」と先に出ようとする。セヒのお母さんがこの前来た時に引き出しをあちこち開けてたから、カフェへ結婚契約書を持っていくというジホ。セヒがお母さんには(来るなと)言ったし、暗証番号も・・・と言いかけると、「ええ。母子間の話は私が知ったことではないです。念のため、大家様も会社に置くのがいいと思いますね。契約書、見つけられたりすると困りますから」「・・ええ」
「それでは」とジホは家を出た。「はぁ〜」一息ついてエレベーターを待ちながらジホは自分で自分を褒める。「よくやった、ユン・ジホ。完璧だった。ぜんっぜん動揺しなかった、ポーカーフェイス(ニヤリ)」←満足そうな顔。自分でセリフも書いたのかな!?
その時、セヒは台所で猫に「しっかり拗ねてたね、だろ?」と話しかけ、ジホをしかと見抜いていた(笑)
それでもセヒはジホの言うとおり、契約書を部屋のクローゼットに取りに行くのだった。
キョルマルエでは全体ミーティング中。どうやら競合のアプリが出たらしいのだが、『恋愛ではなく結婚しよう』という全く反対のコンセプトだ。しかもリリース1ヶ月でウェブストアのトップ順位を抜かされてしまったという。非常事態のキョルマルエ。
マ代表がセヒに見解を尋ねた。じっと黙って競合アプリを見つめていたセヒ。「デザインコンセプトが、素晴らしいですね」←全く空気を読まない男(笑)今はデザイナーとしての感想を話すところじゃないだろ!とオカンムリのマ代表。苦労するよね〜
ウォンソクがコンセプトを変えなければならないのでは?と提案した。恋愛市場と結婚市場が違うという前提自体が危ういと。アプリ名にも異を唱えた。「誰が名付けたんです?」→一斉に黙ってセヒを見つめるスタッフたち。さすがに雰囲気を察したセヒはタブレットを見ているふり。セヒだと察したウォンソク「そんな方が唯一結婚をされたんですね」←じっと睨むセヒ(笑)コンセプトを変更するかについては明日の会議に持ち越しとなった。
YOLOカフェでボンナムと朝食を黙々と食べているジホ。昨夜、帰りのバスの中でセヒに言われた言葉を頭の中で思い出してトーストを噛みちぎり、家でお金をもらった時のことを思い出してまた腹が立ち、「ハッ」と鼻で笑う。契約書を読んでいたボンナム、「何かあったの?大家さんと」←すぐ分かるこの子がすごいのか、分かりやす過ぎるジホがアホなのか(笑)
知らないうちに読まれていた契約書をボンナムの手から取り返したジホ。ボンナムは、これいいね、自分もあとで契約結婚するかと思って、なんて言ってる。ジホが家もバイクもあるくせに、と言うと、それがあっても家で一人は寂しいと言うボンナム。だけど姉さんは旦那といても、もっと寂しいんじゃないか?とグサッと刺さることを言う。←やはり恋愛の達人!?
ボンナムに「ねえ、旦那(남편)って何で旦那って言うと思う?他人(남)の味方(편)だから旦那って言うの」と毒づくジホ。さらに「昔からお粥のお皿は娘に洗わせて、ビビンパの皿(?)は嫁に洗わせるんだって。はぁ?娘みたいな嫁?」と姑までに攻撃は拡大。そんなジホを見ていたボンナムは口をぽっかり開けながら、ジホの顔が隣のオバサンの顔にそっくりだと言った。毎日旦那の文句を言ってるオバサンに目から表情までまるで同じだと、憐みの目でジホを見るボンナム。まさかオバサンの顔をジホに見るなんて、と結婚の夢が壊れた?ボンナムは「僕、しないでおくよ、結婚」と言って向こうに行った。ボンナムに鼻で笑われたジホはスマホを鏡にして自分の顔を確認するのだった。
休憩室でみんなで集まって討論中。ウォンソクが最初の設定値が間違っていたと口火を切った。“結婚ではなく恋愛”では情が無いし悲観的だと言うウォンソクに、車座になり頷くスタッフ一同。「ですから、うちのアプリも全面的に結婚を掲げるコンセプトに行くのが正しいでしょう!」と意気揚々のウォンソク。セヒは少し離れてお茶中。ボミはマッサージチェアに座って無言。(←怖い)
そこに空笑いで半ギレのマ代表がやって来た!この非常事態に、誰かが平日に有給休暇を申請したと発表したのだ。
「休暇申請書!所属!デザインチーム。氏名!ナム・セ・ヒ!ナム首席ですね」と皆の前で読み上げるマ代表。「私事があって致し方なく平日に」と言うセヒ。理由を訊かれたセヒは「キムジャン、しに行かなければなりません」とまたも空気を読まずに宣言(笑)
ウォンソクが有給休暇まで取ってどこにキムジャンをしに行くのかと尋ねると、「南海です。妻の家に。いえ、妻の実家に」と答えたセヒは、マ代表の方へ歩いて行き、「今年は有休とってないので。早い決裁、お願いします」と淡々と言い、休憩室を出て行った。
それを見ていたスタッフ一同、「うちのアプリは“結婚ではなく恋愛”がいいみたいだ」と口々に言いながら休憩室を後にし始めた。取り残されたウォンソクはボミに「結婚はこんな風に恐ろしいものですよ。ウォンソクさん」と言われたのだった。
ホランは勤務中に“結婚でなく恋愛”のアプリを開いた。後輩スタッフたちに彼氏が働いてるところのだから興味で入ってみた、と言うホラン。後輩たちもすぐに既婚者になるんですもんね、と納得する。結婚の日取りを訊かれたホランは見栄を張り、「まだ話し合い中なの」と言うのだが・・・
勤務中のウォンソクに電話が入った。相手はホランのお母さん。会社の前にいると言う。すぐに席を立って向かうウォンソク。をじっと見るボミ。
カフェでお茶をするお母さんとウォンソク。お母さんは南海に行くバスの時間まで少しあるから婿の顔を見に来たと言う。ホランの指輪を見て無理したんじゃないの?と訊くお母さんにウォンソクはこれくらいしなくては、と答えた。お母さんはホランの結婚が心配でウォンソクの様子を見にきたみたい。家事や内助は小さいころから覚えてきたから上手な子だと娘を褒めるお母さん。式はいつ頃を考えているのか、ウォンソクの親はどう言ってるのか、まだ屋上の部屋に住んでいるのか、次々と尋ねるお母さんに圧迫感を覚えるウォンソク。(しかもお母さんはホランがスジと2人でオフィステルに住んでると思っている!?)
ホランはウォンソク名義で積み立てた通帳の記帳に来た。2年以上、お互い5万円ずつ積み立ててきたから結婚資金がずいぶん溜まっているはずなのだ。期待に胸が膨らむホランだったが、出てきた通帳の残高を見てしばし固まった。
スジは会社のトイレでブラジャーをしようとしたが、バッグから見つからない。家に置いて来てしまったようだ。そこにパク代理から早く来いと催促の電話。今日はチームで昼ご飯を食べるのだ。「上を脱がなきゃいいでしょ」としょうがなくノーブラのまま向かう。
コートを着ながら大汗をかきながらご飯を食べるスジ。パク代理がわざとスジに食べ物をぶつけた!わざとらしく、ごめんごめんと言いながらスジが脱いだコートを拭くパク代理。コートを脱いだスジの体をチラチラ見る後輩の男たち。スジはその視線に気づいた。
食事が終わり、店の外でタバコを吸うスジの耳にパク代理の声が聞こえてきた。「言っただろ?出せ、出せ、5000円ずつ」
男どもがスジの噂話をしている。ブラをしない女が多いのかとか、Bカップだとか、Aカップだとか、見ればわかるとか、下品な会話。「俺が結婚してなければ、ウ代理と…」←こいつが一番バカなパク代理。通常運転中。
その男どもの前まで行ったスジ。焦るパク代理に「火、くれる?」←タメ口、そして顔に煙を吹きかける!「たくさん勝ちました?私のノーブラで賭けをして」そして「パク代理も同じサイズのようですが、運動して痩せるお考えがなければ仰ってください。私のをお貸ししますから」と言ってのけた!そしてタバコをパク代理のコーヒーにポイッ。クールに去っていくスジ。本当にいつでもどこでもムカつく男、パク代理。なぜこいつに奥さんが!?
退社するためにエレベーターに乗っているマ代表とセヒ。「見るな。意図を明らかにしないその視線を俺が嫌ってるのを知りながら」とセヒがじろりとマ代表に一言。マ代表はセヒの変わり様に驚いている。結婚でセヒの世界に入り込んできたキムジャンと有休。シワールドが始まり、取引として同じ労働で返す予定だとセヒは言った。先にジホがセヒの実家にチェサで呼ばれて行ったと聞いたマ代表は納得。「I got it」
名節の後には1ヶ月間妻のアフターケアをしなくてはならないと友達から聞いたマ代表。親の前では家長の振る舞いをしながら。それが全く理解できないという独身男のマ代表なのだ。
セヒは「それはまさに韓国の親たちが作り出した社会の病弊だ」と言い始め、結婚は、他人の子を家族の名で肉体労働を搾取し精神労働を強要し、自分の子の夫婦喧嘩、別居、離婚で返ってくる。正気のある合理的な人間なら絶対に選択しない制度だと一気に続けた。
「だけど、お前みたいのがどうして結婚を選択したのか?」とマ代表に訊かれたセヒ。←ブーメラン(笑)思わず目がきょどる(笑)セヒをよく知ってるからこそ、なぜセヒが結婚したか不思議なんだよね。
「可愛いんだ」←この一言で決着しようとしたセヒ。しかし、マ代表は乗らない。「いくら可愛いからって・・・」セヒは身を乗り出して「忘れたのか?綺麗だって(言った事)。男はどこに弱い動物か?」「視覚」「綺麗な女がお前の前にいたら見るか?見ないか?」「見る」「それじゃその綺麗な女を毎日見れるとしたら、結婚するか?しないか?」「無条件でする」結局何とか言いくるめられたマ代表(笑)そこにスジから横の駐車場で待ってるとメッセが来た。
慌てて走って行こうとしてセヒとぶつかり、二人が持っていたバッグが落ちて書類が混ぜこぜになった!拾い集めてスジの所へ走り去るマ代表。「明日な、またな!」
スジの車に乗り込んできたマ代表。「アンニョン、ウリエギ」スジは物も言わずにいきなりマ代表に飛びついてキスをする。マ代表はそれでスジの気持ちがすぐ分かったんだね!「今日、会社で何かあったんだな」何にもないと隠すスジだが、手をつないで言って欲しいと優しく言うマ代表に今日のブラジャーの賭けのことを打ち明けた。マ代表が怒ること、怒ること。またもスードラで一生こき使うとか言って怒る姿を見てスジはとっても嬉しそう。「あいつら賭けられることで賭けしないと。どんな女が職場にノーブラで通うんだ!?」「私」「!?」「私、今日ノーブラだけど」マ代表、固まる(笑)
バスに乗っているセヒ。カフェのバス停からジホとオバサンが乗ってきた。固い顔のままセヒの隣に座るジホ。セヒがちゃんとバッグで場所取りしてあげてたよ〜。オバサンは大声で電話をしながら一番後ろの席に座る。
セヒがジホを見てもセヒの方を見もしないジホ。「晩ご飯食べましたか?」とセヒが訊くと「いえ、家で食べなきゃでしょう」と冷たく言うジホ。の後ろでオバサンが「ご飯!?こんな時間に?」と怒鳴る。セヒが一緒に外食しましょうか?と言っても生活費がキツキツの者同士が…と言って乗ってこないジホ。セヒはジホに機嫌を直してほしいんだよね〜。オバサンが旦那の悪口を大きな独り言で言うのを聞いて、ジホは今朝ボンナムに言われた言葉を思い出す。「隣の家のオバサンと表情まで似ている」思わず顔を触るジホ。電話を切ってもオバサンの旦那への愚痴は終わらない。なんとなくきまり悪い2人。
家で別々にご飯を用意して別々に座って食べ始める。セヒは食卓、ジホはソファー。セヒは明日、有休を取ったことをジホに伝えた。住所を教えてくれたらキムジャンの時間に合わせて行きますと言ったセヒに少し態度が軟化した?ジホ。自分は行けないと言ってもセヒは当然といった風にジホがチェサに一人で行ったのだから自分もキムジャンに一人で行ってジホの働いた6時間分をきっちり働くと言った。
ジホは契約書を会社に置いてきたか尋ねた。セヒはカバンに入れてあると言う。マ代表が時々机の書類を探すからそっちの方が安全だと踏んだのだ。マ代表に見つかるとスジにも分かることになると言われてジホは仰天。セヒはてっきり聞いてるものだと思っていたんだね。「知らなかったんですか?マ代表とスジさんが恋愛関係であること」「付き合ってるですって!?」驚くジホに、「人間は本当に不思議です。あんなに似合わないのに。どうやって付き合えるというのか」←最後は呟いてるセヒ。“何言ってるの?私たちも結婚したのに”と心の中で呟くジホ。
そのマ代表とスジは304号室にいる。「俺の彼女がノーブラなんて」と落ち着かずに部屋を行ったりきたりしているマ代表。大分ショックを受けている模様。他人に見られるのがイヤなんだよね。スジは見るほうが悪いんで自分は悪くないと言うんだけど・・・今日だけじゃなくて時々ノーブラで仕事していると聞いたマ代表は憤怒を自分で消化しようと、ベッドでのた打ち回る。それが理解できないスジなんだよね〜
彼女を愛して心配する心と言うマ代表。スジの耳には所有欲を愛情という言葉で包んで自分を合理化していると聞こえる。全然かみ合わない2人。スジは契約書の件を持ち出し、他人の私生活にタッチするなと言い出した。本格的に怒ったマ代表はスジの眼前に契約書を見せる!しかし、その契約書は・・・「2年制入居結婚契約書」アチャー
その頃、セヒは部屋で自分のカバンに入っていたマ代表&スジの恋愛契約書を発見した。ニヤリと笑ってすぐにジホに見せに行くがジホはバスルーム。ジホに一刻も早く見てもらいたいセヒはバスルームの前で待つ(笑)出てきたジホに契約書を見せ、勝ち誇った顔で二人は似合わないと言ったでしょうと言い、さらに契約上スジが甲でマ代表が乙ということに笑いが隠せない模様。セヒが色んな顔をするようになったよーー
ジホが呆れて「何の恋愛に契約をするのか」と言うんだけどすぐに我に返り「私たちが言うことではないですね」と訂正。何でこれがここにあるのかを尋ねたジホ。セヒはマ代表とぶつかった時に物が混ざったことを説明した。「あ〜、混ざって。それじゃ私たちの契約書と入れ替わったってことはないですよね?」と冗談めかして訊くが・・・2人の顔が笑顔から真顔に(笑)
スジはジホたちの契約書を見れば見るほど思い当たることがあることに気づく。「はぁ、ユン・ジホ。このドルアイ(変な子)め」そこにジホからメッセが入った。
スジを外に呼び出したジホ。実家から送ってきたケジャンをあげるとの口実だったが・・・スジから切り出してきた契約結婚の話。家賃が25000円なんて、2年後ジホがいいなら私が次の妻としてセヒの家に入ると冗談で言うスジ。
セヒはマ代表とサシ飲み。マ代表は家のために結婚したセヒに呆れている。「人間の暮らしの方式はたくさんあるんだから」と言うセヒ。「なんで家のために、どうして家賃なんかのために!」マ代表は怒る。セヒは静かに「家のために、家賃なんかのために、家がどれだけ重要なものか、金がどれだけ恐ろしいものか。俺にはただの遊ばせてる部屋だけど、誰かには必要な部屋だったし切実な空間だったから共有しただけだ。適当な制度を利用して」と言った。セヒはジホがどれだけ自分の場所が必要だったかを知ってて、それで結婚を提案したんだね。「まあ、俺も金が必要だったし」
「ジホさんを見ながら・・・あの子を思い出したのか?」答えずに焼酎を飲むセヒ。
「言えなくてゴメン。嘘の結婚だったこと」ジホとスジは歩いて家の方に戻る。「当然言えないでしょ。だけどあんたがどうして私に謝るの?本当に辛いのはあんたなのに」スジはいつも本質を見抜いてるし、優しい。心配するスジにジホは自分が選んだことだから大丈夫と答えた。決定するまでは時間がかかるけど一度選んだ仕事はあんまり後悔しないじゃない、と。
「この結婚が仕事じゃないから心配してるの。ジホ、旦那さん・・じゃなくて大家さん、好きじゃない」そう、この前スジたちに送ったメッセ「私、好きな人ができた。旦那さん」これはジホの本心だったから。
「初めからじゃないみたいだけど、一緒に暮らしてて好きになったの?」と訊かれたジホ。最初は頷いたけど「違う、最初からだったかな?分からない。いつからだったか」「あの人は?あの人もあんたを好き?」
「ううん。知らないわ、あの人は。私が自分を好きなことも」スジはただ寄り添って歩いてくれる。
“心にも道というものがあるはずなのに。道があったなら、その道が確かに始まったこともあるはずなのに”
ホランはピンクソファーに座って通帳を見ている。2年前、ウォンソクが通帳を作ってきて渡してくれた。1ヶ月に5万円をそれぞれ入れる約束。そうすれば3年の満期がきたらいいところに越せる。2人の夢が膨らんでいたあの時を思い出していた。
通帳には最初の数ヶ月だけが約束通り入金されて、あとは毎月ホランからだけの入金。
その頃ウォンソクは一人で飲んでいた。今日のホランのお母さんとの会話を思い出しながら。ウォンソクが定職に就いたことを安心したお母さん。うちのホランにあんまり苦労をかけるなと。会社に長く勤めろ、もうベンチャーを興す考えはするなと言いながらくれた就職祝いの箱。中身は会社勤めの必需品、ネクタイだった。
“心が始まることがあったなら、確実にどこかには出逢わなくてはならないのに”
家に帰ってきたウォンソク。寝ているホランの横に潜り込む。「ホラン、寝た?」ホランは目を瞑りながら「おかえり。遅かったね」と言う。
「ホラン、週末にデートする?久しぶりに出かけておいしいもの食べて、映画も見て・・・あ、見たかったお芝居があるって言ってたじゃない。前売り買っておくから」「そう、そうしよう」寝ながらホランが答えた。「そう、そうしよう」ウォンソクも言った。
ホランはもう一度寝返りをして・・・目を覚ました。ウォンソクも天井を見ている。同じ空間にいて、違う場所を見ている2人。
“私たちの心と心が出逢うところでは、また違う道が始まることがあるのか?だけど私が一番怖いのは、あなたと私の道が違うことでも私たちの道が出逢えないことでもない、あなたの心の道が無いこと。はじめからあなたの心に行く道のようなものが無いのではないか、私はそれが怖い”
「マ代表に話はきちんとしました。先に寝ます」セヒから付箋の伝言。手に取るともう一枚あった。「住所受け取りました。キムジャン、ちゃんとして来ます」
“だけど今はどうしようもない。心に行く道は分からないけど、キムジャンに行こうとする道を知ってる、この男が私は好きになってしまった”
メモを読んでジホは微笑んでいる。セヒがチェサの時のジホの憤りや寂しさにきちんと向き合って今回行くことを決めてくれたんだもんね。単なる貸し借りだけでも、お金のやり取りだけでもないやり方で返そうとしてくれていることが分かったんだよね!
“それだけでも今は、十分だ”
つづきます〜
にほんブログ村
〜ep.10-2のつづきから〜
昨晩、ジホから実家のキムジャンを手伝う労働で返せと言われたセヒ。朝、目覚めてそのことを思い出してため息。
起きて居間に行くともうジホは身支度を終えて紅参のパウチをすすっている。(これ苦くて苦手〜)やはりまだ怒っている様子で、セヒがジホの紅参に興味を示すと「これは私のです」と冷たい。さらに「ボンナムと朝食食べようと思ってるんです。カフェで一緒に」と先に出ようとする。セヒのお母さんがこの前来た時に引き出しをあちこち開けてたから、カフェへ結婚契約書を持っていくというジホ。セヒがお母さんには(来るなと)言ったし、暗証番号も・・・と言いかけると、「ええ。母子間の話は私が知ったことではないです。念のため、大家様も会社に置くのがいいと思いますね。契約書、見つけられたりすると困りますから」「・・ええ」
「それでは」とジホは家を出た。「はぁ〜」一息ついてエレベーターを待ちながらジホは自分で自分を褒める。「よくやった、ユン・ジホ。完璧だった。ぜんっぜん動揺しなかった、ポーカーフェイス(ニヤリ)」←満足そうな顔。自分でセリフも書いたのかな!?
その時、セヒは台所で猫に「しっかり拗ねてたね、だろ?」と話しかけ、ジホをしかと見抜いていた(笑)
それでもセヒはジホの言うとおり、契約書を部屋のクローゼットに取りに行くのだった。
キョルマルエでは全体ミーティング中。どうやら競合のアプリが出たらしいのだが、『恋愛ではなく結婚しよう』という全く反対のコンセプトだ。しかもリリース1ヶ月でウェブストアのトップ順位を抜かされてしまったという。非常事態のキョルマルエ。
マ代表がセヒに見解を尋ねた。じっと黙って競合アプリを見つめていたセヒ。「デザインコンセプトが、素晴らしいですね」←全く空気を読まない男(笑)今はデザイナーとしての感想を話すところじゃないだろ!とオカンムリのマ代表。苦労するよね〜
ウォンソクがコンセプトを変えなければならないのでは?と提案した。恋愛市場と結婚市場が違うという前提自体が危ういと。アプリ名にも異を唱えた。「誰が名付けたんです?」→一斉に黙ってセヒを見つめるスタッフたち。さすがに雰囲気を察したセヒはタブレットを見ているふり。セヒだと察したウォンソク「そんな方が唯一結婚をされたんですね」←じっと睨むセヒ(笑)コンセプトを変更するかについては明日の会議に持ち越しとなった。
YOLOカフェでボンナムと朝食を黙々と食べているジホ。昨夜、帰りのバスの中でセヒに言われた言葉を頭の中で思い出してトーストを噛みちぎり、家でお金をもらった時のことを思い出してまた腹が立ち、「ハッ」と鼻で笑う。契約書を読んでいたボンナム、「何かあったの?大家さんと」←すぐ分かるこの子がすごいのか、分かりやす過ぎるジホがアホなのか(笑)
知らないうちに読まれていた契約書をボンナムの手から取り返したジホ。ボンナムは、これいいね、自分もあとで契約結婚するかと思って、なんて言ってる。ジホが家もバイクもあるくせに、と言うと、それがあっても家で一人は寂しいと言うボンナム。だけど姉さんは旦那といても、もっと寂しいんじゃないか?とグサッと刺さることを言う。←やはり恋愛の達人!?
ボンナムに「ねえ、旦那(남편)って何で旦那って言うと思う?他人(남)の味方(편)だから旦那って言うの」と毒づくジホ。さらに「昔からお粥のお皿は娘に洗わせて、ビビンパの皿(?)は嫁に洗わせるんだって。はぁ?娘みたいな嫁?」と姑までに攻撃は拡大。そんなジホを見ていたボンナムは口をぽっかり開けながら、ジホの顔が隣のオバサンの顔にそっくりだと言った。毎日旦那の文句を言ってるオバサンに目から表情までまるで同じだと、憐みの目でジホを見るボンナム。まさかオバサンの顔をジホに見るなんて、と結婚の夢が壊れた?ボンナムは「僕、しないでおくよ、結婚」と言って向こうに行った。ボンナムに鼻で笑われたジホはスマホを鏡にして自分の顔を確認するのだった。
休憩室でみんなで集まって討論中。ウォンソクが最初の設定値が間違っていたと口火を切った。“結婚ではなく恋愛”では情が無いし悲観的だと言うウォンソクに、車座になり頷くスタッフ一同。「ですから、うちのアプリも全面的に結婚を掲げるコンセプトに行くのが正しいでしょう!」と意気揚々のウォンソク。セヒは少し離れてお茶中。ボミはマッサージチェアに座って無言。(←怖い)
そこに空笑いで半ギレのマ代表がやって来た!この非常事態に、誰かが平日に有給休暇を申請したと発表したのだ。
「休暇申請書!所属!デザインチーム。氏名!ナム・セ・ヒ!ナム首席ですね」と皆の前で読み上げるマ代表。「私事があって致し方なく平日に」と言うセヒ。理由を訊かれたセヒは「キムジャン、しに行かなければなりません」とまたも空気を読まずに宣言(笑)
ウォンソクが有給休暇まで取ってどこにキムジャンをしに行くのかと尋ねると、「南海です。妻の家に。いえ、妻の実家に」と答えたセヒは、マ代表の方へ歩いて行き、「今年は有休とってないので。早い決裁、お願いします」と淡々と言い、休憩室を出て行った。
それを見ていたスタッフ一同、「うちのアプリは“結婚ではなく恋愛”がいいみたいだ」と口々に言いながら休憩室を後にし始めた。取り残されたウォンソクはボミに「結婚はこんな風に恐ろしいものですよ。ウォンソクさん」と言われたのだった。
ホランは勤務中に“結婚でなく恋愛”のアプリを開いた。後輩スタッフたちに彼氏が働いてるところのだから興味で入ってみた、と言うホラン。後輩たちもすぐに既婚者になるんですもんね、と納得する。結婚の日取りを訊かれたホランは見栄を張り、「まだ話し合い中なの」と言うのだが・・・
勤務中のウォンソクに電話が入った。相手はホランのお母さん。会社の前にいると言う。すぐに席を立って向かうウォンソク。をじっと見るボミ。
カフェでお茶をするお母さんとウォンソク。お母さんは南海に行くバスの時間まで少しあるから婿の顔を見に来たと言う。ホランの指輪を見て無理したんじゃないの?と訊くお母さんにウォンソクはこれくらいしなくては、と答えた。お母さんはホランの結婚が心配でウォンソクの様子を見にきたみたい。家事や内助は小さいころから覚えてきたから上手な子だと娘を褒めるお母さん。式はいつ頃を考えているのか、ウォンソクの親はどう言ってるのか、まだ屋上の部屋に住んでいるのか、次々と尋ねるお母さんに圧迫感を覚えるウォンソク。(しかもお母さんはホランがスジと2人でオフィステルに住んでると思っている!?)
ホランはウォンソク名義で積み立てた通帳の記帳に来た。2年以上、お互い5万円ずつ積み立ててきたから結婚資金がずいぶん溜まっているはずなのだ。期待に胸が膨らむホランだったが、出てきた通帳の残高を見てしばし固まった。
スジは会社のトイレでブラジャーをしようとしたが、バッグから見つからない。家に置いて来てしまったようだ。そこにパク代理から早く来いと催促の電話。今日はチームで昼ご飯を食べるのだ。「上を脱がなきゃいいでしょ」としょうがなくノーブラのまま向かう。
コートを着ながら大汗をかきながらご飯を食べるスジ。パク代理がわざとスジに食べ物をぶつけた!わざとらしく、ごめんごめんと言いながらスジが脱いだコートを拭くパク代理。コートを脱いだスジの体をチラチラ見る後輩の男たち。スジはその視線に気づいた。
食事が終わり、店の外でタバコを吸うスジの耳にパク代理の声が聞こえてきた。「言っただろ?出せ、出せ、5000円ずつ」
男どもがスジの噂話をしている。ブラをしない女が多いのかとか、Bカップだとか、Aカップだとか、見ればわかるとか、下品な会話。「俺が結婚してなければ、ウ代理と…」←こいつが一番バカなパク代理。通常運転中。
その男どもの前まで行ったスジ。焦るパク代理に「火、くれる?」←タメ口、そして顔に煙を吹きかける!「たくさん勝ちました?私のノーブラで賭けをして」そして「パク代理も同じサイズのようですが、運動して痩せるお考えがなければ仰ってください。私のをお貸ししますから」と言ってのけた!そしてタバコをパク代理のコーヒーにポイッ。クールに去っていくスジ。本当にいつでもどこでもムカつく男、パク代理。なぜこいつに奥さんが!?
退社するためにエレベーターに乗っているマ代表とセヒ。「見るな。意図を明らかにしないその視線を俺が嫌ってるのを知りながら」とセヒがじろりとマ代表に一言。マ代表はセヒの変わり様に驚いている。結婚でセヒの世界に入り込んできたキムジャンと有休。シワールドが始まり、取引として同じ労働で返す予定だとセヒは言った。先にジホがセヒの実家にチェサで呼ばれて行ったと聞いたマ代表は納得。「I got it」
名節の後には1ヶ月間妻のアフターケアをしなくてはならないと友達から聞いたマ代表。親の前では家長の振る舞いをしながら。それが全く理解できないという独身男のマ代表なのだ。
セヒは「それはまさに韓国の親たちが作り出した社会の病弊だ」と言い始め、結婚は、他人の子を家族の名で肉体労働を搾取し精神労働を強要し、自分の子の夫婦喧嘩、別居、離婚で返ってくる。正気のある合理的な人間なら絶対に選択しない制度だと一気に続けた。
「だけど、お前みたいのがどうして結婚を選択したのか?」とマ代表に訊かれたセヒ。←ブーメラン(笑)思わず目がきょどる(笑)セヒをよく知ってるからこそ、なぜセヒが結婚したか不思議なんだよね。
「可愛いんだ」←この一言で決着しようとしたセヒ。しかし、マ代表は乗らない。「いくら可愛いからって・・・」セヒは身を乗り出して「忘れたのか?綺麗だって(言った事)。男はどこに弱い動物か?」「視覚」「綺麗な女がお前の前にいたら見るか?見ないか?」「見る」「それじゃその綺麗な女を毎日見れるとしたら、結婚するか?しないか?」「無条件でする」結局何とか言いくるめられたマ代表(笑)そこにスジから横の駐車場で待ってるとメッセが来た。
慌てて走って行こうとしてセヒとぶつかり、二人が持っていたバッグが落ちて書類が混ぜこぜになった!拾い集めてスジの所へ走り去るマ代表。「明日な、またな!」
スジの車に乗り込んできたマ代表。「アンニョン、ウリエギ」スジは物も言わずにいきなりマ代表に飛びついてキスをする。マ代表はそれでスジの気持ちがすぐ分かったんだね!「今日、会社で何かあったんだな」何にもないと隠すスジだが、手をつないで言って欲しいと優しく言うマ代表に今日のブラジャーの賭けのことを打ち明けた。マ代表が怒ること、怒ること。またもスードラで一生こき使うとか言って怒る姿を見てスジはとっても嬉しそう。「あいつら賭けられることで賭けしないと。どんな女が職場にノーブラで通うんだ!?」「私」「!?」「私、今日ノーブラだけど」マ代表、固まる(笑)
バスに乗っているセヒ。カフェのバス停からジホとオバサンが乗ってきた。固い顔のままセヒの隣に座るジホ。セヒがちゃんとバッグで場所取りしてあげてたよ〜。オバサンは大声で電話をしながら一番後ろの席に座る。
セヒがジホを見てもセヒの方を見もしないジホ。「晩ご飯食べましたか?」とセヒが訊くと「いえ、家で食べなきゃでしょう」と冷たく言うジホ。の後ろでオバサンが「ご飯!?こんな時間に?」と怒鳴る。セヒが一緒に外食しましょうか?と言っても生活費がキツキツの者同士が…と言って乗ってこないジホ。セヒはジホに機嫌を直してほしいんだよね〜。オバサンが旦那の悪口を大きな独り言で言うのを聞いて、ジホは今朝ボンナムに言われた言葉を思い出す。「隣の家のオバサンと表情まで似ている」思わず顔を触るジホ。電話を切ってもオバサンの旦那への愚痴は終わらない。なんとなくきまり悪い2人。
家で別々にご飯を用意して別々に座って食べ始める。セヒは食卓、ジホはソファー。セヒは明日、有休を取ったことをジホに伝えた。住所を教えてくれたらキムジャンの時間に合わせて行きますと言ったセヒに少し態度が軟化した?ジホ。自分は行けないと言ってもセヒは当然といった風にジホがチェサに一人で行ったのだから自分もキムジャンに一人で行ってジホの働いた6時間分をきっちり働くと言った。
ジホは契約書を会社に置いてきたか尋ねた。セヒはカバンに入れてあると言う。マ代表が時々机の書類を探すからそっちの方が安全だと踏んだのだ。マ代表に見つかるとスジにも分かることになると言われてジホは仰天。セヒはてっきり聞いてるものだと思っていたんだね。「知らなかったんですか?マ代表とスジさんが恋愛関係であること」「付き合ってるですって!?」驚くジホに、「人間は本当に不思議です。あんなに似合わないのに。どうやって付き合えるというのか」←最後は呟いてるセヒ。“何言ってるの?私たちも結婚したのに”と心の中で呟くジホ。
そのマ代表とスジは304号室にいる。「俺の彼女がノーブラなんて」と落ち着かずに部屋を行ったりきたりしているマ代表。大分ショックを受けている模様。他人に見られるのがイヤなんだよね。スジは見るほうが悪いんで自分は悪くないと言うんだけど・・・今日だけじゃなくて時々ノーブラで仕事していると聞いたマ代表は憤怒を自分で消化しようと、ベッドでのた打ち回る。それが理解できないスジなんだよね〜
彼女を愛して心配する心と言うマ代表。スジの耳には所有欲を愛情という言葉で包んで自分を合理化していると聞こえる。全然かみ合わない2人。スジは契約書の件を持ち出し、他人の私生活にタッチするなと言い出した。本格的に怒ったマ代表はスジの眼前に契約書を見せる!しかし、その契約書は・・・「2年制入居結婚契約書」アチャー
その頃、セヒは部屋で自分のカバンに入っていたマ代表&スジの恋愛契約書を発見した。ニヤリと笑ってすぐにジホに見せに行くがジホはバスルーム。ジホに一刻も早く見てもらいたいセヒはバスルームの前で待つ(笑)出てきたジホに契約書を見せ、勝ち誇った顔で二人は似合わないと言ったでしょうと言い、さらに契約上スジが甲でマ代表が乙ということに笑いが隠せない模様。セヒが色んな顔をするようになったよーー
ジホが呆れて「何の恋愛に契約をするのか」と言うんだけどすぐに我に返り「私たちが言うことではないですね」と訂正。何でこれがここにあるのかを尋ねたジホ。セヒはマ代表とぶつかった時に物が混ざったことを説明した。「あ〜、混ざって。それじゃ私たちの契約書と入れ替わったってことはないですよね?」と冗談めかして訊くが・・・2人の顔が笑顔から真顔に(笑)
スジはジホたちの契約書を見れば見るほど思い当たることがあることに気づく。「はぁ、ユン・ジホ。このドルアイ(変な子)め」そこにジホからメッセが入った。
スジを外に呼び出したジホ。実家から送ってきたケジャンをあげるとの口実だったが・・・スジから切り出してきた契約結婚の話。家賃が25000円なんて、2年後ジホがいいなら私が次の妻としてセヒの家に入ると冗談で言うスジ。
セヒはマ代表とサシ飲み。マ代表は家のために結婚したセヒに呆れている。「人間の暮らしの方式はたくさんあるんだから」と言うセヒ。「なんで家のために、どうして家賃なんかのために!」マ代表は怒る。セヒは静かに「家のために、家賃なんかのために、家がどれだけ重要なものか、金がどれだけ恐ろしいものか。俺にはただの遊ばせてる部屋だけど、誰かには必要な部屋だったし切実な空間だったから共有しただけだ。適当な制度を利用して」と言った。セヒはジホがどれだけ自分の場所が必要だったかを知ってて、それで結婚を提案したんだね。「まあ、俺も金が必要だったし」
「ジホさんを見ながら・・・あの子を思い出したのか?」答えずに焼酎を飲むセヒ。
「言えなくてゴメン。嘘の結婚だったこと」ジホとスジは歩いて家の方に戻る。「当然言えないでしょ。だけどあんたがどうして私に謝るの?本当に辛いのはあんたなのに」スジはいつも本質を見抜いてるし、優しい。心配するスジにジホは自分が選んだことだから大丈夫と答えた。決定するまでは時間がかかるけど一度選んだ仕事はあんまり後悔しないじゃない、と。
「この結婚が仕事じゃないから心配してるの。ジホ、旦那さん・・じゃなくて大家さん、好きじゃない」そう、この前スジたちに送ったメッセ「私、好きな人ができた。旦那さん」これはジホの本心だったから。
「初めからじゃないみたいだけど、一緒に暮らしてて好きになったの?」と訊かれたジホ。最初は頷いたけど「違う、最初からだったかな?分からない。いつからだったか」「あの人は?あの人もあんたを好き?」
「ううん。知らないわ、あの人は。私が自分を好きなことも」スジはただ寄り添って歩いてくれる。
“心にも道というものがあるはずなのに。道があったなら、その道が確かに始まったこともあるはずなのに”
ホランはピンクソファーに座って通帳を見ている。2年前、ウォンソクが通帳を作ってきて渡してくれた。1ヶ月に5万円をそれぞれ入れる約束。そうすれば3年の満期がきたらいいところに越せる。2人の夢が膨らんでいたあの時を思い出していた。
通帳には最初の数ヶ月だけが約束通り入金されて、あとは毎月ホランからだけの入金。
その頃ウォンソクは一人で飲んでいた。今日のホランのお母さんとの会話を思い出しながら。ウォンソクが定職に就いたことを安心したお母さん。うちのホランにあんまり苦労をかけるなと。会社に長く勤めろ、もうベンチャーを興す考えはするなと言いながらくれた就職祝いの箱。中身は会社勤めの必需品、ネクタイだった。
“心が始まることがあったなら、確実にどこかには出逢わなくてはならないのに”
家に帰ってきたウォンソク。寝ているホランの横に潜り込む。「ホラン、寝た?」ホランは目を瞑りながら「おかえり。遅かったね」と言う。
「ホラン、週末にデートする?久しぶりに出かけておいしいもの食べて、映画も見て・・・あ、見たかったお芝居があるって言ってたじゃない。前売り買っておくから」「そう、そうしよう」寝ながらホランが答えた。「そう、そうしよう」ウォンソクも言った。
ホランはもう一度寝返りをして・・・目を覚ました。ウォンソクも天井を見ている。同じ空間にいて、違う場所を見ている2人。
“私たちの心と心が出逢うところでは、また違う道が始まることがあるのか?だけど私が一番怖いのは、あなたと私の道が違うことでも私たちの道が出逢えないことでもない、あなたの心の道が無いこと。はじめからあなたの心に行く道のようなものが無いのではないか、私はそれが怖い”
「マ代表に話はきちんとしました。先に寝ます」セヒから付箋の伝言。手に取るともう一枚あった。「住所受け取りました。キムジャン、ちゃんとして来ます」
“だけど今はどうしようもない。心に行く道は分からないけど、キムジャンに行こうとする道を知ってる、この男が私は好きになってしまった”
メモを読んでジホは微笑んでいる。セヒがチェサの時のジホの憤りや寂しさにきちんと向き合って今回行くことを決めてくれたんだもんね。単なる貸し借りだけでも、お金のやり取りだけでもないやり方で返そうとしてくれていることが分かったんだよね!
“それだけでも今は、十分だ”
つづきます〜
にほんブログ村
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/6971630
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック
ボミは結構謎なんですよね〜。前に梨泰院に行った描写があって、何かの伏線かと思ったらそのままだったり。私もボミちゃんのサイドストーリー興味ありますね!
このドラマ、書いてみると回を追うごとに、前後にきちんと繋がりが計算された脚本だとわかりました。それで捨てるところがよく分からなくて結局長い文になってしまっております。読む方の負担を考えると、もう少し簡潔にとは思うのですが・・・
後半部分はほぼ南海での物語になるんですけど、訛りが強くてよく分からないところも多かったのでちょっと自信がないですが、頑張ります!
今日は用事で全然書けなかったので、日曜までに12話アップ目指して急ぎますね〜〜
すばやいUPありがとうございます
一通り見て分かっているつもりでも、ノンノンさんのブログ見ると、こんな事言ってたっけ?って思う事が多くてビックリ、本当に丁寧に翻訳して下さってありがとうございます
私、ボミニムのキャラ大好きなんですけどw
最後までにボミニムの秘密の私生活を 暴露求む!!
11話の前半は、この後に起こることを予測できませんでしたよねぇ
また後半の翻訳楽しみにしてます。
よろしくお願いいたしますm(__)m