岡本家住宅(おかもとけじゅうたく)は、栃木県宇都宮市下岡本町にある、日本の民家。岡本家は江戸時代に庄屋格組頭を務めた家系で、現存する主屋は18世紀後半頃の建築である。岡本家住宅(栃木県河内郡河内町) 主屋および岡本家住宅(栃木県河内郡河内町) 表門の名称で1968年(昭和43年)に日本国の重要文化財に指定されている。
建築
建物は私有で、岡本家が管理している。見学を希望する場合は、宇都宮市教育委員会の文化課へ問い合わせを要する。
家伝によると、岡本家は乙畑(現・矢板市乙畑)の地を古河公方に譲り、天正(1573年 - 1592年)の頃に下岡本へ移ってきたとされ、武士を出自とする最上層農民であった。岡本家は河内郷に3人いた組頭のうちの1人で、河内郷は新田開発により江戸時代初期に13村程度だったものが、末期には24村に増加した。このため、組頭でありながら、他村における庄屋並みの職務・職責を負っていたとされる。同じく栃木県にある入野家住宅(市貝町)とは距離が近く、間取りが似通っており、藩政期の村役格の住宅を知る上で貴重な建築の1つである。
主屋と表門は、1968年(昭和43年)4月25日に日本国の重要文化財に指定されている。また、うつのみや百景の1つ(108番)に選ばれている。
家伝薬
岡本家は享保年間(1716年 - 1736年)に延寿救命丸などの家伝薬の製造を開始し、江戸時代には下野国のみならず常陸国まで販路を開拓していた。延寿救命丸の製造の最盛期は文化文政期(1804年 - 1830年)頃で、退邪散・理中丸・全治膏など全20種の薬を造っていた。その後も家庭薬として需要があり、第二次世界大戦を機に取りやめるまで製造を続けた。
調合道具(薬さじ、薬研、乳鉢など)、薬用棒秤、看板、朱印、書籍・古文書、効能を記した紙など製薬に係る資料は「栃木県の民間医療史研究のための貴重な資料」として栃木県の有形民俗文化財に指定されている。文化財としての名称は岡本家家伝薬関係 遺品一式(おかもとけかでんやくかんけい いひんいっしき)で、1971年(昭和46年)5月14日にまず108点が指定され、1979年(昭和54年)8月28日に家伝薬広告版木など14点が追加指定された。
所在地 栃木県宇都宮市下岡本町1624-1
位置 北緯36度35分37.3秒 東経139度57分04.4秒
類型 農家
形式・構造 曲り家、寄棟造、茅葺き
延床面積 231 m2
建築年 18世紀後半
文化財 重要文化財(国建第1678号)
2024年02月07日
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