尻屋埼灯台(しりやざきとうだい)は、青森県下北郡東通村の尻屋崎の突端に立つ白亜の灯台。国の重要文化財に指定され、日本の灯台50選に選ばれている。
「日本の灯台の父」と称されるブラントンによって設計された、二重のレンガ壁による複層構造の灯台となっている。周辺には寒立馬(かんだちめ)と呼ばれる馬が放牧されており、一帯は景勝地となっている。
付属施設
無線方位信号所
ディファレンシャルGPS局(2019年廃止)
GPS補正・テキストメッセージ方式の気象通報を実施していた。
船舶気象通報施設(灯台放送)
1670.5kHz(H3E)で龍飛埼灯台、尻屋埼灯台、松前ディファレンシャルGPS局、大間埼灯台、恵山岬灯台の気象通報業務を行っていた。
一般公開
4月下旬から11月上旬までの期間に限り一般公開され、上まで登ることができる(寄付金として、中学生以上の参観者から300円を原則徴収している)。
まぼろしの灯台
第二次世界大戦末期の1945年(昭和20年)に米軍機の機銃掃射を受けて、当時勤務していた村尾常人標識技手が殉職した。翌1946年(昭和21年)、攻撃を受け破壊しつくされたはずの灯台が光を放ち、その目撃が相次いだ。謎の光のおかげで付近を航行中の漁船が遭難を免れたということもあった。人々は米軍の攻撃時に殉職した村尾標識技手の霊なのではないかと噂した。当時の灯台長が公文書「灯台の怪火について」を灯台局に報告した。同年8月に霧信号舎屋上に仮の灯りを点灯すると同時にこの現象は消えた。なお、灯台には銃撃の跡が今でも残る。
アクセス
むつバスターミナルより75分、1日3 - 6往復、1270円(11月 - 4月は見学施設閉鎖により徒歩で約30分手前の「尻屋」まで)
むつ市中心部より青森県道6号むつ尻屋崎線から東通村道尻屋灯台線に入る。
その他
尻屋崎沖は海洋交通の難所で、実際遭難事故も数多く起こっている。
霧信号所が日本で初めて設置された場所でもある。
かつて使われていた霧鐘は犬吠埼灯台の敷地内に保存されている。
航路標識番号
[国際標識番号] 1601 [M6630]
位置 北緯41度25分49.27秒 東経141度27分43.9秒
所在地 青森県下北郡東通村尻屋字尻屋崎1-1
塗色・構造 白色 塔形 レンガ造
レンズ 第2等フレネル式
灯質 単閃白光 毎10秒に1閃光
実効光度 530,000 cd
光達距離 18.5海里(約 34 km)
明弧 52度から3度まで
塔高 32.82 m (地上 - 塔頂)
灯火標高 45.70 m (平均海面 - 灯火)
初点灯 1876年(明治9年)10月20日
管轄 海上保安庁
第二管区海上保安本部
2023年08月05日
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