鑁阿寺(ばんなじ)は、栃木県足利市家富町にある真言宗大日派の本山である。「足利氏宅跡(鑁阿寺)」(あしかがしたくあと(ばんなじ))として国の史跡に指定されている。本堂は国宝に指定されている。日本100名城の一つ。
概要
寺号の詳名は「金剛山 仁王院 法華坊 鑁阿寺(こんごうさん におういん ほっけぼう ばんなじ)」と称する。足利氏の氏寺。本尊は大日如来。
鑁阿寺はもともとは足利氏の館(やかた)であり、現在でも、四方に門を設け、寺の境内の周りには土塁と堀がめぐっており、鎌倉時代前後の武士の館の面影が残されている。
歴史・沿革
12世紀半ば - 足利氏の祖・源義康が同地に居館(足利氏館)を構える。
1196年(建久7年) - 足利義兼(戒名:鑁阿)が理真を招聘し、自宅である居館に大日如来を奉納した持仏堂、堀内御堂を建立。
1234年(文暦元年) - 足利義氏が伽藍を整備、足利氏の氏寺となる。
南北朝時代 - 鶴岡八幡宮の支配下となる。
1908年(明治41年) - 鑁阿寺本堂が古社寺保存法に基づく特別保護建造物(現行法の重要文化財に相当)に指定される。
1922年(大正11年)3月8日 - 「足利氏宅跡」として国の史跡に指定される。
1950年(昭和25年) - 文化財保護法の制定により、本堂は重要文化財となる。
1951年(昭和26年) - 真言宗豊山派から大日派として独立。
2006年(平成18年)4月6日 - 「足利氏館」として日本100名城(15番)に選定される。
2013年(平成25年)8月7日 - 本堂が国宝に指定される。
文化財
国宝
本堂 - 入母屋造、本瓦葺き。桁行(間口)5間、梁間(奥行)5間(「間」は長さの単位ではなく、柱間の数を指す)。正安元年(1299年)の建立だが、応永14年から永享4年(1407年 - 1432年)の間に大規模な改造が行われ、この時に柱をすべて入れ替え、正面に向拝を付した。平面構成は前方2間分を外陣、後方3間分を内陣及び脇陣とする密教仏堂の形式だが、建築様式は禅宗様を基調とする。組物を詰組とし、柱に粽(ちまき)を設け、扉を桟唐戸、壁を竪板壁とする点などは禅宗様の要素だが、組入天井、板敷の床など和様の要素もある。密教寺院における禅宗様仏堂の初期の例として、また関東地方における禅宗様の古例として貴重である。平成25年(2013年)に国宝指定。
重要文化財(国指定)
鐘楼
経堂
金銅鑁字御正体(こんどう ばんじ みしょうたい)
青磁浮牡丹香炉1口、青磁浮牡丹花瓶2口
仮名法華経 「巻第一」に元徳2年(1330年)の奥書がある
鑁阿寺文書 36巻、8冊、7幅(615通)
魯論抄5冊 足利学校第7代庠主(校長)の玉崗瑞璵(別号:九華)による論語の自筆注釈書。魯論抄の現存唯一の古写完本。
現地情報
所在地
栃木県足利市家富町2220
交通アクセス
東日本旅客鉄道(JR東日本)両毛線 足利駅から0.7キロ(徒歩10分)
東武鉄道 伊勢崎線 足利市駅から1.0キロ(徒歩15分)
2023年03月10日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/11897745
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック