金剛寺(こんごうじ)は、大阪府河内長野市天野町にある真言宗御室派の大本山の寺院。山号は天野山(あまのさん)。本尊は大日如来。五仏堂は新西国三十三箇所第7番札所で本尊は千手観音である。境内の多宝塔は平安時代後期の建立で、日本最古の多宝塔であると同時に大阪府最古の木造建築物である。
高野山が女人禁制だったのに対して女性も参詣ができたため、「女人高野」とも呼ばれる。奥河内の観光地の一つ。大阪みどりの百選に選定されている。また日本遺産『中世に出逢えるまち 〜千年にわたり護られてきた中世文化遺産の宝庫〜』の構成文化財のひとつでもある。
概要
南北朝時代(1336年 - 1392年)には、南朝の最重要拠点の一つとして、枢要の地位にあった。延元元年/建武3年(1336年)10月1日には、後醍醐天皇によって勅願寺に指定された。さらに、正平9年/文和3年(1354年)10月28日から正平14年/延文4年(1359年)12月まで、南朝第2代後村上天皇の行宮(仮の皇居)が置かれている。また、正平12年/延文2年(1357年)に後醍醐・後村上両帝の腹心で南朝最大の高僧・画僧の文観房弘真が入滅した地でもある。
境内
金堂(重要文化財) - 元応2年(1320年)再建。慶長10年(1605年)には豊臣秀頼により大修理されている。堂内には中央に本尊の金剛界大日如来坐像(国宝)、向かって右に不動明王坐像(国宝)、左に降三世明王(ごうざんぜみょうおう)坐像(国宝)を安置する(いずれも2017年度に国宝に指定)。密教の曼荼羅の一つである尊勝曼荼羅を立体的に現したものでありこの金剛寺にしか存在しない。
木造大日如来坐像 - 平安時代後期。
木造不動明王坐像 - 鎌倉時代。修理時に像内銘が確認され、天福2年(1234年)、快慶の弟子、行快の作と判明した。
木造降三世明王坐像 - 鎌倉時代。降三世明王像は四面八臂三眼の立像として表すのが通例だが、本像は一面二臂二眼の坐像で、図像的に珍しい。像内銘はないが、作風から、不動明王像と同様、行快工房の作と推定される。
多宝塔(重要文化財) - 平安時代末の建立で多宝塔としては日本最古である。ただし、慶長11年(1606年)に豊臣秀頼により大改修されている。上層の隅行に日本の現存建築で唯一かつ最多となる九手先の組物がある。
経蔵(重要文化財)
宝蔵(重要文化財)
薬師堂(重要文化財) - 慶長年間(1596年 - 1615年)に豊臣秀頼により再建。
五仏堂(重要文化財) - 慶長年間(1596年 - 1615年)に豊臣秀頼により再建。新西国三十三箇所第7番札所で千手観音を祀る。
求聞持堂(重要文化財) - 元禄13年(1700年)に徳川綱吉により建立。
天野山八十八ヶ所巡り - 四国八十八箇所霊場石仏群がある。
閼伽井屋(重要文化財)
御影堂(重要文化財) - 慶長11年(1606年)に豊臣秀頼により再建。
観月亭(重要文化財) - 慶長11年(1606年)に豊臣秀頼により再建。御影堂に接続している。
法具蔵(重要文化財) - 慶長年間(1596年 - 1615年)に豊臣秀頼により建立。
護摩堂(重要文化財) - 慶長年間(1596年 - 1615年)に豊臣秀頼により建立。
開山堂(重要文化財) - 元禄13年(1700年)に徳川綱吉により建立。
光厳天皇陵(分骨所) - 宮内庁管轄。
北門
鐘楼(重要文化財) - 室町時代前期の再建。
食堂(重要文化財) - 室町時代前期の再建。南朝の政庁・天野殿。
南門
天照皇大神社(重要文化財)
八大龍王善女龍王社(重要文化財)
弁財天社(重要文化財)
築地塀(重要文化財)
楼門(重要文化財) - 鎌倉時代後期の再建。
摩尼院 - 塔頭。南朝行在所。
書院(重要文化財) - 慶長年間(1596年 - 1615年)に豊臣秀頼により再建。
表門(重要文化財) - 慶長年間(1596年 - 1615年)に豊臣秀頼により再建。
本坊
持仏堂(国登録有形文化財)
茶室(国登録有形文化財)
宝物館
庫裏
客殿(国登録有形文化財)
大玄関(国登録有形文化財)
渡廊下(国登録有形文化財)
奥殿(国登録有形文化財) - 北朝行在所。
庭園 - 蜂須賀家政の作とされる。
待合所
稲荷社
表門(国登録有形文化財)
南門(表門、重要文化財)
鎮守橋(国登録有形文化財) - この橋は天野川に掛かっており、ここを通って鎮守社に参拝する。
無量寿院
庫裏
籠堂(国登録有形文化財)
表門(旧真福院表門、重要文化財)
大講堂(国登録有形文化財)
大講堂食堂(国登録有形文化財)
表門(旧理趣院表門、重要文化財)
観蔵院 - 塔頭。北朝行在所。
吉祥院 - 塔頭。
天野山会館
総門(重要文化財)
水分明神社(重要文化財) - 鎮守社。慶長年間(1596年 - 1615年)に豊臣秀頼により建立。
丹生高野明神社(重要文化財) - 鎮守社。慶長年間(1596年 - 1615年)に豊臣秀頼により建立。
鎮守社拝殿(重要文化財) - 慶長年間(1596年 - 1615年)に豊臣秀頼により建立。
鎮守社鐘楼(重要文化財) - 慶長年間(1596年 - 1615年)に豊臣秀頼により建立。
戎社
金堂
多宝塔
アクセス
南海高野線および近鉄長野線 河内長野駅から南海バス天野山線「光明池駅行き(401系統)」「槙尾中学校前行き(402V系統)」「サイクルセンター行き(404系統:土休日のみ)」「天野山行き(401C系統)」のいずれかに乗車し、「天野山」バス停下車すぐ
所在地 大阪府河内長野市天野町996
位置 北緯34度25分46.42秒 東経135度31分44.57秒
山号 天野山
宗旨 古義真言宗
宗派 真言宗御室派
寺格 大本山
本尊 大日如来坐像(国宝)
創建年 伝・天平年間(729年 – 748年)
開山 伝・行基
開基 聖武天皇(勅願)
正式名 天野山金剛寺
別称 天野山寺、天野行宮、女人高野
札所等 新西国三十三箇所第7番
河泉二十四地蔵霊場第12番
河内飛鳥古社寺霊場第8番
神仏霊場巡拝の道第55番(大阪第14番)
文化財 延喜式神名帳、延喜式第十二残巻・第十四・第十六、紙本著色日月四季山水、剣 無銘、木造大日如来坐像・木造不動・降三世明王坐像 3躯(国宝)
楼門・金堂ほか(重要文化財)
2023年02月03日
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