日御碕神社(ひのみさきじんじゃ)は島根県出雲市の日御碕に鎮座する神社。通称、みさきさん。出雲大社の「祖神(おやがみ)さま」として崇敬を集める。社殿12棟などが国の重要文化財に指定されている。
島根県出雲市にある日御碕神社。楼門(重要文化財)
歴史
当社は、上下の2社あり、上の宮を神の宮、下の宮を、日沈宮(ひしずみのみや、日沉の宮)と称し、2社を総称し日御碕神社(日御碕大神宮)と呼ばれる。古くは『出雲国風土記』に美佐伎社、『延喜式』に御碕社とあり、地元では「みさきさん」とよばれる。
社伝によると、素盞鳴尊は出雲の国造りの後、熊成峰に登り、鎮まる地を求めて、柏葉を風で占うと隠ヶ丘に止まった。そこで御子・天葺根命は御魂をその地で奉斎したと伝わり、隠ケ丘(古墳)が現・社殿の裏側にある。日沈宮は元は文島(現・経島)に鎮座し、天葺根命が文島にいたとき、天照大神が降臨し、「我天下の蒼生(国民)を恵まむ、汝速かに我を祀れ」との神勅によって奉斎したのが始まりと伝わる。
平安時代末期に後白河上皇が編纂した『梁塵秘抄』に「聖の住所(すみか)」として記される修験の聖地である。神の宮(上の宮)は、現・社殿の背後にある隠ヶ丘に鎮座していたが、安寧天皇13年(紀元前536年)に、勅命により現在地へ遷座し、日沈宮(下の宮)は、経島(日置島)に鎮座していたが、天暦2年(948年)に村上天皇の勅命により現在地に遷座したと伝わる。
日沈宮(下の宮) 拝殿(重要文化財)
祭神
以下の祭神を祀る。
日沈宮(下の宮)
主祭神
天照大御神
配祀神
天忍穂耳尊
天穂日命
天津彦根命
活津彦根命
熊野樟日命
神の宮(上の宮)
主祭神
素盞嗚尊
配祀神
田心姫命
湍津姫命
市杵島姫命
神の宮(上の宮) 拝殿(重要文化財)
日沈宮(下の宮) 拝殿(左)・本殿(右奥)・玉垣(本殿を囲う)
神の宮(上の宮) 本殿(左)・玉垣(本殿を囲う)・拝殿(右)
文化財
国宝
工芸品
白絲威鎧(しろいとおどしよろい) 兜・大袖付 1領 - 1953年(昭和28年)3月31日指定。
鎌倉時代作。胴高:63.6 センチメートル、兜鉢高:11.2 センチメートル、大袖高:39.4 センチメートル[6]。江戸時代には、源頼朝奉納の甲冑として知られていた。幕末には威糸(おどしいと)などの痛みが激しく、文化2年(1805年)、松江藩主・松平治郷の命により、江戸で、元の姿を損なうこと無く現状の形に補修されている。その際、破損部分の繕いに「文化二年修補」の文字を染めた白韋(しろかわ)が用いられ、取り外された威糸や紐などの残欠類は保管されている。修理を担当した寺本安宅により61ヶ条の修理記録「源頼朝卿御鎧修補註文」が記されている。東京国立博物館寄託。(塩冶高貞寄進)
交通アクセス
JR出雲市駅から一畑バスで57分
出雲大社バスターミナルから一畑バスで20分
(2022年10月時点)
所在地 島根県出雲市大社町日御碕455
位置 北緯35度25分46.4秒 東経132度37分45.5秒
主祭神 天照大御神
素盞嗚尊
社格等 式内社(小)
旧国幣小社
別表神社
創建 安寧天皇13年
本殿の様式 権現造
別名 通称「みさきさん」
札所等 出雲國神仏霊場20番
例祭 8月7日
主な神事 御寄神事、御饗神事、釿始祭、和布刈神事、例大祭/神幸祭、爪剥祭、神在祭/神去出祭、神劔奉天神事
2023年01月19日
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