ねこせいかつ

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ぶさちゃんは不安からか、ずっと鳴きつづけています。

猫用品をホームセンターで買って、帰りの車の中でも鳴きつづけています。

おやつを与えてもダメ、お水もダメ。

とにかく、自宅に帰るしかありません。

なんとか、自宅に到着しました。

家の中で、バスケットを開けると、静かになっていました。

バスケットと言っても急ごしらえで、カゴに段ボールで蓋をしただけです。

ぶさちゃんを部屋の中に放しました。

思ったより、警戒する事無く、ウロウロ、探検しています。
ご機嫌が直ったようです。

直ったような感じ・・・と思います。と、言うのも、私達は、
用事に行く為、ケージの組み立てにバタバタしていたので、
あまり、ぶさちゃんの様子は見てなかった･･･
あぁ〜　こんなに記念な日なのに・・・

と、思いながら、毎日が続いて行きます。

ひとまず、出会い編としては、今回が最終回になります。
しまりのない最終回だなぁ〜
と、思うのですが・・・

次回からは、
「出会い　番外編」
と、言う事で、名前の由来やその後の猫母ちゃん一家の行方を
記して行きたいと思います。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

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私は、とにかく次の日の朝、保健所に電話をかけました。

担当の獣医さんは席をはずしておられたので、電話に出てくれた男の人に
相談しました。

「一昨日、電話させていただいた者ですが、黒白の子猫、もういませんよね？」

「ええっ？　あぁ、いてますよ。」

ひょ？ひょぇ〜〜〜　いてるのぉ〜〜〜

「ん？？　いてるんですか？
黒白で、両手両足に手袋足袋して、鼻のところに白い筋があって・・・
あっ、鼻も半分黒い、不細工な子ですよ。」


「そうそう、その子、その子。
でも、間違ったらあかんから見てくるね。
別の棟にいてるから、ちょっと待ってて」

私の心臓はバクバクし始めました。
多分、ぶさちゃんでしょう・・・
でも、違ったらどうしよう〜

なんて、疑い深い私。
電話に出て下さった職員さん、ごめんなさい。

「もしもし、その猫でしたよ。
元気にしてますよ。その猫は、あなたの猫ですか」

「はい、うちの猫です。」

と、言う事で、ぶさちゃんを引き取りに行く事になりました。

この日から、無事、ぶさちゃんは我が家の一員になるのですが、
もう少し、お付き合い下さい。

いちさんの運転で保健所に行きました。

保健所では担当の獣医さんにご挨拶をして色々な書類に記入して、
ぶさちゃんとの対面を心待ちにしていました。

ぶさちゃんのいる棟は事務室から少し離れた場所にありました。

獣医さんは
「最初は一昨日、施設に行く予定だったのですが、
便の都合で次に日になり、昨日は
施設の都合で延期になったんですよ。2回延期になるなんて
これも、何かのご縁なんですかね・・・」

話しながら、ぶさちゃんの待つ（？）棟に近づいて行きました。

扉は2重になっていて、何やら鳴き声が聞こえてきます。

ひょっとしたら・・・

私達が持って行ったバスケットを手に獣医さんが中に入って行きました。
しばらくして、獣医さんが出て来ました。　鳴き声が聞こえるバスケットを持って。

私達は鳴き声が聞こえるバスケットを持って、車に乗り込みました。

ずっと、鳴きつづけています。
なだめてもダメです。

おやつをあげてもダメです。

すぐに家に帰りたかったのですが、
途中のホームセンターで、猫用品を購入しなければなりません。

なんせ、猫に関する物はフードとねこじゃらし以外には何にも無かったもんですから。

ホームセンターで、ケージ、猫トイレ一式、フード、給水器等々、購入し、
車に乗り込みました。

でもまだ、鳴いています。
今日は、これから、はずせない用事があってぶさちゃんを一人残して、
いや、一匹残して、外出しなければなりません。

車の中で、鳴きつづけるぶさちゃん。

なんだか、先が思いやられます・・・

私、大丈夫でしょうか？



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

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その日の夜、
心が空っぽになった感覚に襲われていました。

たかが猫ごときで・・・
そんなに悩むなら飼えばいいじゃん

自分でもそう思います。

我が家が、ぶさちゃんの事で、悩んでいる時、
なおみさんのところでは、飼っていたインコが
亡くなってしまいました。

なおみさんは動物好きで、病気の動物をそのままにしておけない
性質の人です。
インコちゃんも、専門の病院に連れて行く予約をした矢先の出来事でした。

なおみさんのインコちゃんの事を他人ごとに思えなくて･･･

もう、ぶさちゃんを諦める決心をしていたのですが、
まだ、心はゆれます。

でも、もうダメじゃん。
保健所の先生との約束の時間に間に合わなかったし。

いちさんと話していると、いつの間にやらぶさちゃんの
話になっていました。

ぶさちゃんの事を思い出すと、
不覚にも涙が出てしまいました･･･

それを見たいちさん、

いちさんは、泣かれるのが嫌なようです。
と、言うか、私はほとんど泣いたことが無いので･･･（笑）

「そんなに泣くなら、飼おう。
ぶちゃを引き取ろう」

いやいや、いきなりそう言われてもですねぇ・・・

もうすでに、保健所から施設に移動しているはずです。

施設は家から車で数時間かかる場所にあります。
果たして、そこに行っても引き取れるか、確証はありません。

私は、とにかく明日の朝に、保健所に電話をかける事にしたのでした。




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

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結局、私達は、何も決まらないまま、次の日の午前10時を迎えました。

かわいいと思っているのに飼えない、
飼いたいのに飼えない・・・

これを読んで下さってる人は

「飼えばいいじゃん」
「悩む事、ないじゃん」

って、感じておられると思います。

私も、

旅行やお出かけの時はペットホテルもあるし、
餌代やワクチン代ぐらい、なんとかなりそうな気もします。

しかし、
最期のお別れ

これだけは避けようがありません。

子供達は、
「どっちでも良いよ」
と、言いながら、二人とも、目では
「飼ってよ」
そう言っています。
二人とも、大きいのですが、自分が中心になって面倒をみる
のではない事をわかっているので、遠慮しているようです。

こんな時こそ、遠慮せずに
「僕が世話をするから、飼って」
と、言ってくれ〜〜〜

私は心の中で叫んでいました。

話は、飼う、飼わないと、二転三転した後、
時間切れとなり、10時を過ぎてしまいました・・・

10時を過ぎたら、あきらめるしかありません。

「ぶさちゃん、施設に送られたんかな・・・」

普段、涙は出ない方なのに、目頭が熱くなってきます。

そうだ、ひとまず、ぶさちゃんが行く施設を調べてみよう！

私は、パソコンで検索をしました。

ふと、ある場所が気になりました。
それは、処分される動物たちの内訳でした。

その施設に送られた動物のほどんどが処分されている事を
示していました。

すぐさま、その施設に電話を入れて詳しい事を聞きました。

その時はまだ、ぶさちゃんは施設に到着していないようです。

係の人は、

「子猫の処分の数が多いのは、子猫が小さすぎて、連れて来られた夜に
亡くなっている場合が多いからですよ。
あなたの言うような、ひとなつっこい子なら、
すぐに譲度されますよ。」

と、言われますが、ぶさちゃんはホントにぶさいくです。

「いやぁ〜、全然、可愛く無いから、貰い手が無いと思うんですよ。」

「大丈夫ですよ。貰い手の無い、ねこさんもいますよ。
そんな子は、ここで、ゆっくり過ごしますよ。」

ホンマかいな〜　そんな、楽園のようなとこがあるんかいなぁ・・・

疑心暗鬼になりながら、電話を切りました。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

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ぶさちゃんが保健所にいる事がわかりました。

すぐさま、保健所に電話し、ぶさちゃんがいるかどうか
確認する事にしました。

ぶさちゃんは、保健所にいてました。

担当の獣医さんといろいろ、お話をしました。

私と同じぐらいの世代の女の獣医さんでした。

一旦、保健所に保護されたら飼い主しか、引き渡す事が出来ないそうです。

特に、私のような無責任なエサやりさんが引き取っても、
引き取られた子は幸せになれない、
病気になっても、重たい病気を持っていても、
最期まで世話をしてあげれるのか・・・　　等々

そうです。
先生のおっしゃる通りです。

私はただ、可愛いだけで、探していました。
でもね、もう、二度と会う事が出来ないと思うと、
居ても立っても居られなかったんです。

「本当は、今朝、別の施設に行く予定だったのですが、
便の関係で明日になりました。引き取る決心が付けば、
明日の10時までに連絡してください」

とりあえず、いちさんと相談する事にしました。


ぶさちゃんと一緒に暮らせない理由・・・

私が、猫アレルギー（いちさんもアレルギーかも・・・）

部屋が片付いてない

費用がかかる

いちさんは「外出や旅行に行けない」

いろいろありますが、一番の理由は
いつかはやってくるお別れ・・・

これだけは避ける事が出来ません。

その上、私はものぐさで、面倒くさがりでなんです。
だから、飼えないのです。

実は、カメすら、「御臨終」させてしまいました・・・

たいていに人は、ここで、爆笑しますっ（笑）

「カメはなかなか、死なんでしょう」

と、言われますが・・・


こんな私がぶさちゃんを育てられるでしょうか？

結局、いちさんとの話し合いも、
意見が同じ過ぎて、進みませんでした。

そのうちに、タイムリミットの10時がせまってきました。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

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その次の日も、ぶさちゃんは帰ってきませんでした。

そう言えば・・・

私は、以前からの猫かぁちゃん一家の行動を思い出しました。

「・・・・・・」

心臓がバコバコ、冷汗が流れ出て来ます。

そうです、猫かぁちゃん一家の子猫ちゃんは一度、
来なくなったら、もう二度と、来る事はありませんでした。

私は、いても立ってもいられなくなり、
いちさんに電話しました。

「多分、ぶさちゃん、帰って来ないよ。
どうしよう・・・
探して、良いかな〜
見つかったら、見つかったでどうしよう・・・」

私の中では、この期に及んでもまだ、一緒に住む決心がついていませんでした。

いちさんは仕事中ながらも、ぶさちゃんを心配し、

「とりあえず、さがしてみよ。
それからの事はその時に考えよう」

いちさんの言葉もあり、ひとまず、お迎えにある公共施設に電話してみました。

猫かぁちゃん一家はその公共施設をねぐらにしていたようでした。
何か、手ががりがあるかも知れません。

しかし、何もわかりませんでした。

次に思いついたのは市役所でした。
市役所に電話をして担当部署にまわしてもらいました。

「昨日ぐらいだと思うんですが、黒白の子猫が保護されていませんか？」

「あぁ、昨日ね、いてたよ。午前中に公共施設あたりの住宅の人から連絡があって、
引き取りに行きましたよ。」

やった〜！！
ぶさちゃん、みぃ〜っけ！

「でも、ここにはいませんよ。」

げげっ！　じゃぁ、どこに？？？

「保健所ですよ。」

保健所・・・

野良猫や野良犬の殺処分が行われる場所です。
どうしよう・・・
ぶさちゃん・・・





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

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うらのお宅の娘さん？の写メ事件から数日後の事です。

朝、いつものように雨戸を開けると猫達がお向かいにある公共施設の階段を駆け下りて、
我が家にやってきました。

ん？！？！？
ぶさちゃんがいない・・・

つい、猫かぁちゃんに

「ぶさちゃんは？　どうしたん？」

「ぶさちゃん、連れて来てよ。」

語りかけていました。

その日、私は朝一に出かけなければならず、
猫達の事が気になりながらも、
出かけました。
帰宅したら、ぶさちゃんがいる事を祈りながら・・・

ひょっとしたら、もう帰って来ないような不安な気持ちに襲われます。
胸がキューンとなります。
外出先でも気になりながら過ごしていました。

急いで帰宅すると、猫達の様子を見に行きました。

・・・・・・

やっぱり、ぶさちゃんはいませんでした。

「猫かぁちゃん、どうして、ぶさちゃん、いないの？
連れて来てよ。」

いちさんからは、ご近所さんの手前、猫達にご飯をあげ無いように言われていたんですが、
猫かぁちゃんにご飯をあげたら、ぶさちゃんが帰ってくるような気がしたので、

「明日は、ぶさちゃんを連れて来てよ。」

語りかけながら、ご飯を与えました。

しかし、次の日もぶさちゃんは帰ってきませんでした。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

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ぶさちゃんが我が家のリビングに飛び込んでくるようになって
数日がたちました。

ぶさちゃんだけ、相変わらず、玄関でご飯を食べたり、
私達とふれあっていました。

猫かぁちゃんは相変わらず、私達に牙をむき出しにして威嚇してきます。

恐らく、猫語ではぶさちゃんを叱っているのでしょう。

でも、ぶさちゃんは一向に言う事を聞かない子のようです（笑）

ご機嫌さんで私達と遊んで別れるぶさちゃん。
兄弟たちは遠巻きに見たり、威嚇をしてきます。

ある日、うらのお宅のサリーが激しく鳴いていました。

猫かぁちゃん一家がやってきてから、サリーはしょっちゅう鳴きます。

前のようにぶさちゃんがうらのお宅の敷地に落ちたのかと心配になり、
窓を開けて、そ〜っとのぞいてみました。

大丈夫、子猫達はいませんでした。

子猫達は我が家の敷地にいて、いつものように遊んでいました。

子猫達の姿を見て安心して、何気なく上を見上げました。

すると・・・

うらのお宅の二階の出窓に人影が見えました。

私は、すぐに目をそらせました。

「ん？！　娘さん？！　お母さんの方かな･･･
いや、娘さんのよう･･･」

その人影が、何かを持ってたような気がします。

あっ、あれは･･･　スマホ？

と、言う事は写メを撮っていたようです。

「これって、猫がいてるって証拠写真を撮影していた？！」

「いやいや、猫が可愛いから撮影していたのかも･･･」

いろいろな思いが頭をよぎります。

もう、こっそりぶさちゃんにご飯をあげるのは限界が来ている様に感じました。

その数日後、私達の運命を変える事件がおきました。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

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私と子供達はぶさちゃんと呼び、いちさんはぶちゃと呼ぶようになりました。

ぶさちゃんはこの頃でも、まだ、ヨタヨタとしか歩けませんが,
お姉さん（？）のミケに挑んで行っては返り討ちにあったりと、
以前よりは積極的に活動するようになってきました。

庭に出て、家庭菜園の野菜たちに水をあげて家に入ろうをすると、
ぶさちゃんも玄関から、ついて入って来ます。
「僕の家だよ」
とでも言いたそうな表情をしているように見えます。

リビングからフードをあげる時もあったのですが、
ふと、庭に目をやると、黒い小さい物体が動いています。
よく見ると、なーんと、なんと、ぶさちゃんがサッシのレールに
しがみついているではありませんか！！

それを見たいちさんが
「こりゃぁ、網戸、やぶられるぞ･･･」

網戸をやぶられるのはいかんわ〜〜
なにか、対策はあるかしら･･･

結局、対策を見いだせないまま、次の日、何気なく、
フードを持ってサッシをあけると･･･

あれ？ぶさちゃんが近寄って来ません。
庭の端に去って行きます。

どうしたんやろ･･･
いつもなら、私の姿を見たらまっしぐらに走って来るのに･･･

一瞬、心配しました。
でも、その心配は不要な物でした。

ぶさちゃんは庭の端からリビングに向かって猛ダッシュを
するではありませんか！！！

昨日まで、サッシのレールにぶら下がっていたぶさちゃん。

しかし、今日は違います。

勢いをつけてジャーンプ！！！

見事、ワンジャンプで、リビングのたどり着きました。

すご〜い！

いやいや、すごいと喜んでられません。
結構、長い時間、リビングに滞在しています。

ぶさちゃんの一年前に生まれた、猫かぁちゃんそっくりの
ジュニアですら、我が家に入って来たことはありますが、
すぐに自分から出て行きました。
私の気配に気づくだけで･･･かもです。

猫って、そんなもんだと思っていたんですが・・・

ぶさちゃんはフードを食べて一通り、リビングを探検すると、
サッシの方に近づいて行きました。

そっと、庭におろしてやりました。

他の猫達は遠巻きに見ています。

心配しているのでしょうか？
それとも、羨ましいのでしょうか？

でも、子猫達はなつく事はありませんでした。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

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動物好きのいちさんは、この頃から、ぶさちゃんを

”ぶちゃ”

と、呼んで可愛がるようになっていました。

でも、「飼おう」とは言いません。

ある日の夕方、ぶちゃにごはんをあげようと庭を探しに行きましたが、
見当たりません。

どこかに遊びにいったのでしょうか。

「また、後であげればいいか」

何も考えずに玄関の扉を開けて家の中に入ろうをした時、
まるちゃんの叫ぶ声が聞こえました。

「はさまってるぅ〜〜〜！！！」

もう、何をうるさい事、言ってるねん何がはさまっているって言うねん

そう思いながら、何気なく後ろを振り向くと、
玄関の扉に何か黒い物がうごめいています。

げげっ！！！

黒い物体はぶさちゃんでした。お腹が扉にはさまれて、
手足をバタバタさせていました。

私が家に入った瞬間、あとをついて来たぶさちゃんが
閉まって来た扉にはさまれたようです。

庭にも玄関の前にも姿が無かったのに、私を見つけて
いつに間にかついて来ていたのでしょう。

慌ててぶさちゃんをレスキューすると、ぶさちゃんは機嫌よく
すり寄ってきました。

ぶさちゃんは小さくて、両手に乗るぐらいの大きさです。
手の大きな人だったら、片手で足りるかも知れません。

そんな小さなぶさちゃんは、いつもしっぽを立てて、
ゴロゴロ言いながら近寄ってきます。

しっぽを立てているから、お尻の穴が丸見えです。

玄関でご飯を食べている様子を見ていて、ふと、
気が付いたことがありました。

お尻に黄色い何かが付いています。

ん･･･　何だろう？？？

まっ、とりあえず、拭いておこうか。

ぶさちゃんを玄関に入れるとすぐ、ティッシュでお尻を拭くようにしていました。

そんなある夜の事、またまた、まるちゃんを迎えに行って帰ってくると
いちさんがぶさちゃんにごはんをあげていました。

しかし、いちさんの機嫌が少し悪そう･･･

「ひょっとして、こいつ、尻にうんこ付けてる？」

「ん？　うんこ？」

そうです。例の黄色いアレです。

「ひょっとして、あの黄色いアレ？」

遠慮がちに聞いてみました。

「さっき、すり寄って来られて遊んでいて、なんか、
臭いと思ったら･･･　服に付いてた」

げげっ！　いちさん、うんちを付けられたんだって！！

でもね、普段のいちさんなら、もっと怒りそうだけど、
機嫌が悪い割には、何だか違う。
うまく、言えないけど。

「そうなんだ、でも、ぶさちゃんはいちさんになついているからねぇ〜」

フォローにならないフォローをするしかない、私でした。





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

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