ねこせいかつ

動物好きのいちさんは、この頃から、ぶさちゃんを

”ぶちゃ”

と、呼んで可愛がるようになっていました。

でも、「飼おう」とは言いません。

ある日の夕方、ぶちゃにごはんをあげようと庭を探しに行きましたが、
見当たりません。

どこかに遊びにいったのでしょうか。

「また、後であげればいいか」

何も考えずに玄関の扉を開けて家の中に入ろうをした時、
まるちゃんの叫ぶ声が聞こえました。

「はさまってるぅ〜〜〜！！！」

もう、何をうるさい事、言ってるねん何がはさまっているって言うねん

そう思いながら、何気なく後ろを振り向くと、
玄関の扉に何か黒い物がうごめいています。

げげっ！！！

黒い物体はぶさちゃんでした。お腹が扉にはさまれて、
手足をバタバタさせていました。

私が家に入った瞬間、あとをついて来たぶさちゃんが
閉まって来た扉にはさまれたようです。

庭にも玄関の前にも姿が無かったのに、私を見つけて
いつに間にかついて来ていたのでしょう。

慌ててぶさちゃんをレスキューすると、ぶさちゃんは機嫌よく
すり寄ってきました。

ぶさちゃんは小さくて、両手に乗るぐらいの大きさです。
手の大きな人だったら、片手で足りるかも知れません。

そんな小さなぶさちゃんは、いつもしっぽを立てて、
ゴロゴロ言いながら近寄ってきます。

しっぽを立てているから、お尻の穴が丸見えです。

玄関でご飯を食べている様子を見ていて、ふと、
気が付いたことがありました。

お尻に黄色い何かが付いています。

ん･･･　何だろう？？？

まっ、とりあえず、拭いておこうか。

ぶさちゃんを玄関に入れるとすぐ、ティッシュでお尻を拭くようにしていました。

そんなある夜の事、またまた、まるちゃんを迎えに行って帰ってくると
いちさんがぶさちゃんにごはんをあげていました。

しかし、いちさんの機嫌が少し悪そう･･･

「ひょっとして、こいつ、尻にうんこ付けてる？」

「ん？　うんこ？」

そうです。例の黄色いアレです。

「ひょっとして、あの黄色いアレ？」

遠慮がちに聞いてみました。

「さっき、すり寄って来られて遊んでいて、なんか、
臭いと思ったら･･･　服に付いてた」

げげっ！　いちさん、うんちを付けられたんだって！！

でもね、普段のいちさんなら、もっと怒りそうだけど、
機嫌が悪い割には、何だか違う。
うまく、言えないけど。

「そうなんだ、でも、ぶさちゃんはいちさんになついているからねぇ〜」

フォローにならないフォローをするしかない、私でした。





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

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