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2014年04月22日

春は丹波の山ん中(2)「質美(しつみ)から岼(ゆり)へ」

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a.桜もそろそろ終わりか、もう18日やったもんなあ、

b.代わって新緑がめきめきと山を色どってます、

「サクラ散り めきめき新たに ミドリやな」

a.しかし、何度走っても良いなあ、この道、

b.府道26号線ですか、

a.国道27号線と分かれて上り坂スタート、怖いくらい細くて高いJRの鉄橋を見上げ、ひなびた下山駅前を通過、質美(シツミ)を初めとした安らかな山村をぬって、ゆるやかにアップダウンを繰り返す名コース、とくに綾部街道と交差するまでがおいしい、

b.ところで、そんな綾部街道(=国道173号線)をくぐって、ここじゃめったに出会えない自販機ともめぐり会えたんで、この由緒(ユイショ=深い歴史)ありげな神社でひと休みしましょうか、

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a.そんなら、すぐ横に公園があるからそっちがエエ、木の香り漂う感動的に清潔なトイレもあるし、

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b.少年たちが野球してますね、桜並木の外野スタンドにボールが入って、茂みをごそごそしてる、見つかんないのかなあ、ああいう時はホームランになるんすか、

a.あれでホームランはないやろ、エンタイトルツーベースちゃうか、

b.駅前からスタートして、どれくらい経(た)ってるんかなあ、

a.鍼灸(シンキュウ)大学前駅を出たんが9時ちょっと過ぎ、今11時前やし、そろそろ2時間、

b.けっこう上り坂もあったけど、天気のせいか全然つらくなかったなあ、

a.それは丹波マジックや、

b.なんすか、それ、

a.ここの住民は代々、丹波の山里で暮らしてきたから、道の作リ方にも秘伝のワザがあって、けっこうな坂でも不思議とつらくないんや、

「坂道に 丹波マジック かかってる」

b.さて、丹波イチ押しの府道26号線ですが、

a.こっからは先を急ぐクルマも増えて味が落ちてくる、

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b.それでも、なかなかなもんです、

a.もう少し行くと、民宿「ほその」さんがあるし、その先を右へ、

b.「猪鼻下(イノハナシモ)」ってバス停があります、いかにも山里らしいネーミング、

「イノシシの 鼻のすぐ下 バス停は」

a.その先も右、

b.細い谷間の道へ入りやしたぜ、親方、

a.こっから高低差100mほどの峠道や、

b.府道521号線っていうけど、登るにつれて林道みたいやなあ、

a.わき道入ると、急に山が深い、

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b.小鳥はさえずってるけど、こわいほど静かや、

a.ホッとするような怖(コワ)いような、微妙な感覚やなあ、

b.でも、この府道521号線も素晴らしいですね、道は広めでクルマは来ないし、自転車でなめらかに森をハイキングするような気分、

a.むかしは村があったし、今よりもっと人気(ヒトケ)があったんやろなあ、

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「ふりかえる かつての村へ つづく道」

b.そうして出てまいりました、山あいの平らな土地が漢字ひと文字で表される村「岼(ユリ)」、これでユリの花が咲いてたら完ペキやな、

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a.そんなうまい事いくかい、

b.さて、交通量も少なく広々と清潔感みなぎる府道59号線ですが、南か北か、さあどっち、

a.南や、

b.道にそって流れるこの川の名は、

a.読みにくいけど土師川(ハジガワ)っていうらしい、地図で見ると、すぐ先で右へ大きく蛇行(ダコウ)して、最後は福知山城のまん前で由良川(ユラガワ)に合流してる、

b.じゃあ、Uターンして日本海へそそぐんか、

a.そのようでござるな、

b.気ままな川やなあ、




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