b.お、今回は定番の嵯峨野トロッコ電車、乗ってるだけでいいし、こりゃ楽できそやな、
a.悪いな、これはチミ(=君)を誘い出すための囮(オトリ)、これから自転車を輪行袋につめて山陰本線で山ん中や、とりあえず鍼灸(シンキュウ)大学前駅へ出向こう、
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b.そんな駅あったかなあ、
a.嵯峨嵐山駅から小一時間、ココがその駅前風景でござる、
b.へえ、山んなかの田舎やと思ったら、こんなとこがあったんか、丘の上に立派な大学、手前のカラフルなビルは、
a.南丹市日吉町生涯学習センター「遊(you)ひよし」、長すぎるわ、漢字だらけやし、
b.しかし、お役所仕事にしては、かなり思い切った外観すね、
a.背景にそびえる大学とセットで眺めると、中和されて悪(ワル)ないなあ、
b.ああなるほど、生真面目(キマジメ)な大学校舎と、ファンシーな生涯学習センター、ふたつ合わせたらバランスちょうどいいか、
a.さて、どう行こか、
b.行き先、まだ決めてないんすか、
a.だいたいは決まってるけど、途中で変えるやもしれんなあ、体調しだいや、なんせ50過ぎたしなあ、
b.じゃあオジイチャン、
a.誰がジジイや、
b.そろそろ改札へ向かいましょう、
a.おっと、こりゃいけねえ、まだホームの上やったな、
b.この駅舎も変わってますね、すみっこに小さくポツンとあって、オマケに小川を渡ってからの改札、
a.端っこにこじんまり建ってるし、トイレと間違えるヒトも居てるそうや、
b.ええ、では、駅前で自転車も組み上がったところで、本日の旅のあらましをお願いします、
a.2009年4月18日、丹波の山中をアップダウンしながら、おそらくはJR園部駅をゴールとする、あとは体調と相談しながらコースを自由に決めていく、
b.カメラと自転車は、
a.キヤノンのパワーショットG7、自転車は「オーロラ」というジェイミス社のツーリング用バイク(2006年モデル)、
b.ロードバイクみたいに見えるけど、はじめからマウンテンバイクのスプロケ(=後輪用の変速ギア)が入ってるんか、
a.買ってすぐにチェーンホイール(=前輪用変速ギア)もマウンテンバイク用に変えたから、まずどんな坂でも大丈夫や、
b.ということは、そんなエグイ坂が待ってるんか、くわばらくわばら、
a.じゃあ、とりあえず、目の前にのびる府道50号線を北へ進もう、
b.さすが、ココまで来ると二桁(フタケタ)府道もそうとう空(ス)いてますね、路面もなめらかで広いし、ごっつ(=very)快適や、
a.胡麻(ゴマ)という次の駅を過ぎたら線路わたん(=渡る)で、
b.なんか臭いませんか、
a.このあたりは畜産業が盛んやからなあ、どうしても臭ってまうなあ、
b.丹波牛か、いま走ってるこの道にも牛の悲しみが染み込んでるような、
a.そやなあ、やっぱりウシさんだって、お肉にされることなく草原を自由に散歩したいやろなあ・・・しんみりしたし、満開のサクラで気分転換や、
b.「水分かれの路」、どういうことすか、
a.このあたりの雨は、運まかせで北か南へ大きく分かれて行くんとちゃうか、
b.われわれはどっちへ流れるんすか、
a.そうやなあ、いちおう南へ、
「水わかれ オレらも目のまえ 道わかれ」
b.そんじゃ、こっから府道27号線わたって左手の坂、登ってゆきますよ、
a.おお、そうしてくれたまえ、
b.しかし、カラッとさわやかな陽気、坂道も苦にならないなあ、
a.いきなり話の腰を折って悪いけど、前方のガードレールボコッといってんで、
b.おお、このへこみかた、相当なスピードですね、下は崖(ガケ)やし突き破らんで良かった、
a.この道は交通量も非常に少ないからかえって油断したんかなあ、
b.そんなとても静かで走りやすい府道26号線、上り坂もあまり苦にならず10分少々が過ぎたころ、
a.ええながめや、
b.いつしか南丹市を出て、京丹波町の質美(シツミ)という地区にいます、左手の新しい家は集会所かなあ、
a.いや、診療所って書いてあった、町の病院まで遠いさけえな(=遠いからなあ)、
質美診療所の紹介ページ
http://www.kyotamba-hospital.jp/branch/shitsumi.html
b.それにしてもこのシンプルな景色、たまりませんねえ、谷は広くて明るいし、
a.シンプル イズ ベスト、
「シンプルな 質美(シツミ)のながめ 山や田や」
b.お、ここにも満開ザクラ、
a.山あいの村やと、小さいグランド作んのも、ひと苦労やなあ、
「山里の 平たい土地は 白光り(シロビカリ)」
b.このグランドから高校球児が育つんかなあ、
a.やったら映画みたいやなあ、