b.神山神社を過ぎると、田畑もなくなり、すっかり山あいの風景です、
a.坂もだんだんキツなってきたな、
b.この坂ってもう御斉(オトギ)峠の登りなんすか、
a.さあどやろ、こっちからやと、どっから峠道なんか曖昧(アイマイ)やな、ゆるゆるだらだら登るばっかりで、見晴らしよう(=良く)なるとか、ハッキリした道のきっかけもないし・・・でもひたすら新緑の若葉が美しい、
「新緑にさそわれ地味に登ろうや」、
b.高校か大学の自転車部みたいなふたり組とすれちがって、いよいよ御斉(オトギ)峠のてっぺん、下りはじめるといきなりスゴい見晴らしが、
a.いつのまにこんな登ったんや、
b.少しかすんでるけど、けっこう遠くまで見晴らせる、
a.一週間ぶりのせいか、たどり着いたというより、もどって来たかんじ、
b.景色も空気もいいから、ずっと居たいような、とは言っても、ここで暮らすわけにもいかんし・・・
「おりづらく絶景峠ゆるゆると」、
a.ああ、とうとう降りてもうた、下りはあっけないでいかんわ、
b.こっから伊賀上野の城下町へ入らんと山ぞいの田園を進むんでしたね、
a.うむ、3回目となる御斉(オトギ)峠の旅やけど、今回がいちばんコンパクトや、
b.なんで?
a.なんでやろ、今回はきっと御斉(オトギ)峠だけ押さえたらええんや、
b.けっきょく御斉(オトギ)峠が最重要ポイントってことか、
a.いろんなオプション(=おまけ)も、御斉(オトギ)峠があればこそ、逆に言うと、この峠さえ押さえたら8割がたお腹いっぱいや、
b.なるへそ、
a.じゃあJR関西本線にそって山すその田園を進んでいこう、
b.30分近く、ほとんど写真も撮らずにすんなり走りました、きわだった景色はなかったけど、クルマ少なく道広く、走りやすかったなあ、
a.この小道で線路をくぐり、並んで走った関西本線とお別れしよう、
b.そこから10分もこいだら、陽夫多(ヤブタ)神社の境内(ケイダイ)、
a.ここもすんなり通りすぎ、しばらくして、ふとふりかえったりなんかして、
b.ここへ来るのも、これが最後やもしれませんね、
a.そんでふりかえったんかなあ、なにげなく、
「ふりかえる 最後の旅と わからずに」、
b.さあ、あとは見知った道を逆からなぞるだけ、
a.峠の疲れが今ごろじわじわと湧(ワ)いて来て、写真とるんもおっくうや、
b.それはまあ仕方ないけど、なんか道まちがえてませんか、
a.ホンマや、だいたい合ってるけど、地味に道が分からんようになってもうた、終点のJR貴生川(キブカワ)駅まであとちょっとやのに、
b.しかたないっす、こうなったら杣川(ソマガワ)にそって下流へ進みましょう、いずれ信楽高原鉄道の鉄橋が見えたら、その先は貴生川(キブカワ)駅なんで、
a.疲れてんのに、最後の最後にトホホやな、ああなんでやろ、急に飲みたなってきた、果肉多めのイチゴヨーグルトドリンク・・・今飲んだら、カラダ中30秒でしあわせや、
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b.さて、三回に渡って御斉(オトギ)峠の旅を続けましたが、これが最終回なんで、かんたんな総まとめを、
a.一回目は2009年の12月、JR貴生川(キブカワ)駅から御斉(オトギ)峠、三国越(ミクニゴエ)林道を経(ヘ)て近鉄奈良駅まで、けっきょく最初のコレがイチバンきつかったなあ、上ればつらいし、下れば寒いし、やたら遠いし、
b.二回目と三回目は、2010年の5月8日と16日、
a.8日はJR貴生川(キブカワ)駅をスタートして伊賀上野の城下町と信楽(シガラキ)をむすんでJR栗東(リットウ)駅でゴール、16日はこの逆ルートで城下町をはぶいてコンパクトに走った、
b.三回走ってどうでしたか、
a.「つらいけど 御斉(オトギ)やっぱり ええ(=良い)峠」、
b.登るのはつらいけど、けっきょく楽しいと、
a.そう、略して「つら楽しい」、やりとげた感もあるし、絶景は裏切らないし、
b.オトギ峠それ自体もそうですけど、その前後もまたいいですね、
a.そう、最後にそれが言いたい、御斉(オトギ)峠が素晴らしいのは当然、くわえて三国越(ミクニゴエ)林道や信楽(シガラキ)や伊賀上野の城下町や味のある田園や集落、そんなあれこれがセットメニューになってるんで、さらに魅力倍増なんやなあ・・・