鉄人28号の4度目のアニメ化作品。然し予算が足りず鉄人の出番は少ない。
予算がなさ過ぎたために人間ドラマが主体となったらしい、さらにそのため暗めのエピソードが多く、重めのテーマを扱っている。そのため救われなかったキャラも多い。
監督が監督なのか設定面では結構思い切った改変が多く、本来とは別人、別設定のキャラが結構存在する。
最終回は原作の没案を下敷きにしており、鉄人が溶鉱炉に沈むという展開は本来の鉄人のラストだった、というのも鉄人は本来もっとフランケン的なキャラであり、怪物だったのが、いつの間にか読者の要請で今の形になったために旧案は消えたらしい。
OPEDの出来はかなり良い。
同時期にゲーム版も発売されている、ただしシナリオは全く別物。開発は鉄人っぽいロボゲーを作らせれば右に出るものは居ない(そもそもそういったものを作れるのが実質ここだけ)サンドロットなので出来はいい。
あらすじ
敗戦が色濃くなる中で、日本は兵士不足を解消するために鉄人と言う機械の兵士を開発していた。しかし開発者の金田博士は鉄人を封印し空爆の中崩れ落ちる秘密研究所の中に消えた、残された助手の敷島博士は帰国、そこで死亡したと思われていた金田博士の息子の金田正太郎に出会うのだった。
そして戦後復興期、敷島博士は鉄人27号の開発を続けていた、しかし鉄人27号は動かない、起動するために28号のシステムを使ったために鉄人28号を乗せた砲弾が発射される。その頃正太郎は村雨一家を追っていた。
鉄人の砲弾は日本に落ちて鉄人が起動、日本に残された鉄人28号の腕を回収すべく自動で動き、村雨一家の内の2人がその流れで死亡、迎撃に出た27号もあっさり破壊される。しかし正太郎が鉄人28号を動かしていた電波発信装置を切って鉄人は動きを止めた。そして村雨健次も逮捕され一件落着にみえた。
しかしそれは始まりに過ぎなかった、各地で戦争の亡霊が動き出し、戦争の産み落とし悲劇が現在の事件になって復活する。少年探偵の正太郎は鉄人28号と共に事件を解決していくが、敷島博士が死亡したと言うニュースが正太郎の下に飛び込んできて事態は急転する、署長は警察を追い出され、正太郎も行き場を失い危機に陥る。次々と現れる敵に次第に追い込まれていく正太郎だったが・・・。
登場メカ
鉄人28号:金田正太郎、スリルサスペンス
金田博士が開発したロボット。兵士不足を補うための最終兵器。砲弾に乗って敵国に乗り込み暴れる事が目的だったらしい。博士が正太郎が死んだと思い込みこのロボットに正太郎と名付けた。実は中に太陽爆弾の起爆装置が封印されている。
鉄人27号:敷島博士
敷島博士が戦後に作っていたが今ひとつうまくいかないので起動するために28号の回路を使ってしまった結果鉄人28号が復活してしまった。暴走する鉄人28号を止めるべく博士が起動させるが一方的にボコられる。
鉄人26号
鉄人計画のイメージ映像で映ったのみ。
鉄人12号、9号、6号:敷島博士
敷島重工の地下に残された旧型鉄人、小型で非力。
モンスター
OPやアバンなどに出ている。
ブラックオックス:不乱拳博士、敷島博士、ニコポンスキー、ビッグファイア博士
不乱拳博士が開発した。その後オリジナルは敷島博士が回収、それ以外にもビッグファイアに量産された。
バッカス::米軍
列車を転覆させていた。設定が変更されており、飛行能力が消えている上に米軍の新型ということになっている。リモコンの性能が悪くでかい割に遠くまで届かない、圏外になると暴走する。
ギルバート:ケリー
ドラグネット博士が開発した宇宙開発用ロボット。ケリーに奪われる。概ねケリーの音声で動いているように見える。
ギャロン:PX団
PX団が使用する恐竜型ロボット、搭乗型。
ロビー
AI搭載型ロボット、操縦範囲に問題が有るために敵国に乗り込んでの作戦行動が出来なかった鉄人のAIとして開発されていたらしい。
VL2号:ロビー
ロビーが入っている大型ロボット。
サターン
概ねチョイ役、財団が自演のために送り込んだロボット。
ファイア2世:ビッグファイア博士
黒部ダム建設のためにロボットを売り込みたいビッグファイア博士が競争と称して多くのロボットを集め、それをこれに破壊させるという不正を行っていた。
然しブラックオックスが現れあっさりやられ、その後鉄人に回収される。
ファイア3世:ビッグファイア博士
中身はファイア2世と同じでガワだけ変えたロボット。然しバレた時用に中身も買えていた。
登場キャラ
金田正太郎
少年探偵、主人公。本作では大塚所長が育てた事になっている。また本作では子供として描写されている。
敷島博士
博士、金田博士の弟子。基本的に良心枠のはずなんだが、結構なマッドサイエンティストでもある。
大塚署長
おなじみ署長、本作では署長を追い出される。
高見沢秘書
大塚所長の秘書、割と普通のお姉さん的人物。
村雨健次
元ギャング、後の新聞記者。正太郎のライバル的なポジション。
不乱拳博士
鉄人第二計画という死体から兵士を作る計画を進めていた人物、ブラックオックスを開発。
スリルサスペンス
アメリカのギャング、鉄人のリモコンを奪って暴れさせる。
八木勝裕
動物園の飼育員、戦時中に多くの動物を殺した事に対する罪悪感を持っているのだが…。
ドラグネット博士
ギルバート及び超人間の開発者。
ケリー
超人間、ギルバート博士に開発された元人間。寿命が短い。
ブラック博士
謎の医者。
ブラックマスク
消える怪盗。
ビッグファイア博士
日本に帰化した科学者。最初は敷島重工を乗っ取る等色々画策しているが、後にベラネードと結託、太陽爆弾の捜索及びブラックオックスの量産化等を行う。
梅小路綾子
梅小路綾子
敷島博士の元妻だった人物、京都に戻っており敷島に自分の事を伝えなかった。実は密かにロビーを育てていた。
ベラネード
ベラネード財団の総帥。太陽爆弾を求めしようとビッグファイアと結託する。
ニコポンスキー
謎の人物、ブラックオックスを動かす。どうも二重人格的な所が見られ、金田博士に対して詳しい等色々な謎が有る。
クロロホルム
突如現れ大塚署長から署長の座を奪う、謎の多い人物。
感想など
全体的にウェットで暗いです、戦争の亡霊に取り憑かれた人間たちが苦悩しながら戦後を生きるというのが基本的な流れになっており、そのため闇を背負った人間が多いです。
さらに敷島博士が死亡したり署長が署長をクビになったりなんとなく暗い展開が多いです。さらに予算不足から来る鉄人の出番不足も相まって重い空気が漂っています。
然し後半の特に敷島死亡後の展開は怒号の展開で目が話せず、監督らしい極端な改変が結構あったりと見どころも多いです。
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