ひおあきら 1982年 2巻 朝日ソノラマ
昭和のリアル系時代とでもいうべき82年に執筆されたロボット漫画。
70年代後半から80年代前半までのロボットアニメのノリに少女漫画的なノリか加わっている形の作品。
絵柄や設定、展開は完全に昭和SF漫画に少女漫画っぽいノリ、さらにロボット要素が加わっており、それ故に類似作品はありそうでない、そういう意味ですごく漫画的な作品。
同作者にサイレン戦記なる作品もあるが、別の作品。
あらすじ
銀河のどこかにあるサイレン恒星系、このサイレン恒星系に住むサイレン人は彗星アザースの突然の軌道変更で危機に陥っていた。そんな中でサイレン皇帝の崩御が伝えられ、サイレン皇帝の2人の子はサイレン皇帝の座を巡り争いが起こり始める、サイレン皇帝は投票制によって決まるのだが6:6になり決着がつかない。
最後に海法師の手にゆだねられるが、海法師は内乱を予感して内乱の結果に任せようと投票しない。最初はスパロー側の軍が優勢であったが、ひそかにバトルムーバーと高速潜闘艇を擁していたゼラン海将の支持するガルゲートが勝利することになる。
ガルゲート指導の下にサイレン人の他星系移住計画がが進み、超空間飛行能力を持つ探査船が12隻作られ各方面に散っていった。
その1隻であるマムートは、1年の航海と100光年の探索を経て水の惑星を発見する、しかしその惑星には生物が居住しており、また水温も低すぎてサイレン人にとっては暮らすには不適当な星だった。
その星の名は地球、ゼラン海将は悩みつつも地球侵略を決断、リムパックに参加していた艦隊に攻撃を仕掛けたのだった。
その混乱の中で海を愛する少年海神飛勇は、海に出るためのヨットが破壊されてしまい途方に暮れていた、そこに叔父の使いが現れ、海洋科学研究所へと連れていかれる。
そして叔父から父の戦死を伝えられ、新兵器のパイロットになることを要請されるのだった、サイレン人が地球の水温を上げようとしていることを知り、海がめちゃめちゃになると知った飛勇は戦うことを決意する。
とはいえまだメカは未完成、街に出たところ飛勇は混乱した町で一人の少女を救う、その名はミランジュ、彼女はサイレン人であり、地球の様子を知りたいとサイレンの要塞を飛び出してきたのだった。
ミランジュはそこで飛勇を愛してしまう、そして戦いは始まり飛勇は未完成の試作機で出撃するが、未完成ゆえにあまり戦えない、敵機を1機は撃墜するものの、もう一機に追い込まれる、ところがそのもう1機のパイロットがあろうことかミランジュだった、ミランジュは飛勇が敵であること知って動揺し、撃てないまま撤退することになる。
そしてミランジュは気が付いた時にはサイレン人が愛されたいと感じたときにおこる現象として、女に変化していたのである…。
メカ
地球
戦闘メカ:海神飛勇
装甲耐圧服だのいろいろ言われているが、これといった名称はない。一応海底探査用みたいな名目で開発されていたが、事実上水中専用兵器としての使用を念頭に置いて開発されていたことが示唆されている。
サイレン人の侵略が始まったため急遽試作機を武装させて出撃させた。
あまりロボットであることは強調されない、サイズは見たところ6〜10m程度(周囲の人間の身長から)と思われる。
量産型
ツインアイがゴーグルアイになっているなどいくらか違う量産型。各国で生産されている。
サイレン
バトルムーバー:ミランジュ、ゼラン他
人型兵器の総称。2種類が確認できるが旧型と新型程度の関係で、名前など個別にはつけられていない。
最近開発された新兵器で、水中戦用のスーツのようなもので、世界のほとんどが海でおおわれたサイレンでは有効な兵器であった。
最初はサイレンの皇位継承戦争にて比較的量産機然とした旧型が投入され、その後はより侵略宇宙人兵器然とした新型が地球侵略にて使用される。
探査要塞都市型宇宙艦
12隻が建造された。3万人ほどを輸送できる(と地球側は推測している)模様。人口が不足しているために使っている兵器は無人兵器がほとんどである。
登場キャラ
地球人
海神飛勇
海を愛する少年、サイレン人の侵略の中で突如として叔父の海神竜に呼び出され、父の戦死を伝えられ、新兵器のパイロットになることを要請される。
そこでサイレン人のミランジュと愛し合ってしまったのが事の始まり。基本的に思考回路は海愛なので、サイレン人に対しては海を破壊する行為に怒りつつも、海棲人ということであこがれも抱いていた。
海神竜
飛勇の叔父、海洋科学研究所で海洋開発と称して兵器も作っていたため飛勇には嫌われていた。
サイレン人
ミランジュ
サイレン人の皇帝のガルゲート娘(性別は途中で決まるため、一応娘)。偶然出会った飛勇と愛し合ってしまったためにそのままサイレンを裏切ることになる。
最後は死亡するが、その前に飛勇の子を産卵しており、その卵が地球で生き延びる可能性が示唆されているが不明。
ガルゲート
サイレン人の皇帝。スパローとの内乱の末に勝利して即位する(が当人はあまり何もしておらず、主にゼランが半ば独断で戦った形)。
サイレンの未来を憂いており、探査艦を各方面に派遣するが、それ以降はフェードアウトしておりどうなったかわからないが、サイレンに残っている模様。
ゼラン
ミランジュの母であり海将、宇宙調査の中で地球を発見し、そのまま攻撃を始める。
用語
サイレン恒星系
銀河のどこかにある恒星系。サイレン人が居住するサイレン本星がある。サイレン本星が彗星アザースによって危機に瀕したときから話は始まる。
サイレン人
遥遠くのサイレン恒星系の住民、両性、卵生、哺乳類だがヒューマノイド型で地球人と酷似している。人口は20億人。
卵生かつ卵は海でしか育たず、適正海水温は40度、そのため40度の温かい海がある惑星でしか生存できない。
両性であり、愛し合った相手に対する感情で性別が分化、一度愛すると特に女は歯止めが効かなくなる(劇中ではサイレン人の業といわれている)。
サイレン本星が危機に陥ったために超空間飛行能力を持つ探査船と転送機を開発し各方面に派遣した。
地球に襲来したサイレン人は探査船12隻の内の1つであり、12隻の内7隻は行方不明となっている。つまり残り4隻が生きているわけだが、
ラスト寸前に300時間後に到達する予定の別の探査艦の名前が挙がっている、その探査艦がどうなったのかは不明。
海竜
サイレンの水棲生物。長い竜のような姿の生物であり、馬のように使用されていた。サイレンの温かい海でしか生存できないが、サイレン人全滅後も地球に持ち込まれて適応した個体がなおも地球で生存している。
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