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2020年07月02日

君の膵臓をたべたい 住野よる 双葉文庫

映画にもなったので、知ってる方も多いでしょう。奇妙な境遇の高校生の「君」と、どこにでもいる高校生の「僕」の物語。周りに対して斜に構えている「僕」に、なんとなく自分を重ねてしまいました。「僕」が日常から読書に逃げ込んでいたのに対して、僕は数学の問題集に逃げ込んでいたのが違いますが。

周りを遮断することで、自己を成立させることができると信じている「僕」は、ある時「君」に出会ってしまいます。ずけずけと「僕」の中に踏み込んでくる「君」に対して、「僕」は違和感や畏怖を感じますが、「君」はそんなことはお構いなし。秘密を共有した二人は、その秘密を軸にお互いを溶け合わせていきます。

無垢で幸せな物語です。遠い記憶を手繰り寄せて、その暖かい記憶に浸る。何にでもなれるからこそ、その時点では何者でもない高校生の頃を、優しく思い出させてくれる本です。

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終末のフール 伊坂幸太郎 集英社文庫

5年前に結婚したときに、妻に「電子ピアノを買っていいかな」と聞いた。本当は本物のピアノが欲しいんだけど、入居条件でピアノがダメとなっているからしょうがない。電子ピアノがウチに入った時、妻が「ピアノがウチに来たねえ」と言った。「ピアノじゃないよ、電子ピアノだよ」と私が言うと、妻は素知らぬ顔で「ピアノ」と繰り返した。

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8年後に小惑星が地球に衝突することが公表され、混乱した世の中が、残り2年のところで落ち着きを取り戻したようになった。絶望を前にした平穏を生きる人々を、連作形式で描く。

生と死は、裏返しではない。死は抽象的だ。当たり前だ、死を経験した人はそのことを人に伝えられない、死んでるから。生は、ぐちゃぐちゃとして、どろどろとして、のほほんとした、わけのわからないものだ。わけがわからないから、人は生き続けることができる。

主人公たちは、生き続けることの意味や意義や理由とかを探したりするが、生きるという行為を、わけもわからないまま続けていく。実際、生きるってそんなもんだろうな、と思う。小さな一瞬を、積み重ねていくだけの行為。

こんな形で生と死を描くことができるんだ。さすが、伊坂幸太郎。

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拝啓彼方からあなたへ 谷瑞恵 集英社オレンジ文庫

こういうの、ライトノベルっていうのかなあ、と思いながら読み始めた。いかにもステレオタイプの登場人物の配置で、わかりやすく読みやすいものの、途中からミステリー仕立てになってくると、犯人の目星がつきやすいのはしょうがないのかな。ただ、ヘビーな読者は「まあ、そうだよね」となるし、入門者は「へえ、意外ー」となるところに、作者の悪意は感じられない。ミステリーとしては、ちょっと強引だけど。

キツい物を読む間に挟むといいかも。

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楽園のカンヴァス 原田マハ 新潮文庫

専門書を読むのが好きだ。なにもカッコつけてるわけじゃなくて、そのことを専門にしている人がこんなにもたくさんいるということにワクワクする。だって、みんな面白いから専門にしてるんだもんね。

実際に美術館のキュレーターを歴任してきた作者による美術ミステリー。

アンリ・ルソーとパブロ・ピカソを軸に、物語は劇中劇を含みながら進む。時間軸が交差することがないから読みやすく、変にミスリードを誘う部分もない。この作者は本当に美術が好きなだろうなあ、と思いながら素直に読み進めると、あっと驚く展開が待っている。なかなか緻密だ。

近代美術の指南書としても素晴らしい。さすが専門家だ。もしかしたら、こういう作品を世に出して、美術に目を向けさせようとしているのかもしれない。としたら、まんまと術中にはまっている。久々に美術館に行こうと思った。

読みながらイメージの洪水と戯れる、至福の一冊。

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コンビニ人間 村田沙耶香 文春文庫

単行本で気になってたのが、文庫になったので購入。

軽妙な文体に時折グロテスクな強い言葉を挟みながら、人間の本質を突いていく。コンビニを題材にしているが、現代に特有のものではなく、生物として特異なものとなってしまった人類の永遠の課題を扱っている。

物事を解体して表現する手法に、さして目新しさは無いが、作者はそれを既に技術として手中にしている。飽くまでも描きたいのは人そのもので、たまたまその手法をとっているだけの気がする。童話を書いたりしないのかな、この作者。読んでみたいな。

かなり巧妙な作品。深みもあります。簡単に読み終えてしまうのがもったいない一冊。

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ナミヤ雑貨店の奇蹟 東野圭吾 角川文庫

実は、初東野圭吾。東野圭吾の評判から、きっと読めば面白いに違いないからと、今まで読まずにとってあった。で、これまた評判から、東野圭吾は重い暗いドロドロしたミステリーと思っていたんだけど、嫁が「これはそうでもないよ」と言うので読んでみた。

まず、設定はかなり強引。まあ、作者はそれをわかった上で書いてるので、所々で読者を巧みに誘導してくれる。まったく、上手いなあ。

俗な人情話を、別の物語のテーブルに乗せて有機的に昇華させる(または、読者が勝手に昇華させるように仕向ける)というのは、芸能・文芸の装置であり、その巧みな操作を味わうのが幸せな読書体験に他ならない。

あからさまにテクニックをひけらかす事なく、二重三重に物語を推進させる東野圭吾、やはり上手い。

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去年の冬、きみと別れ 中村文則 幻冬舎文庫

この人、芥川賞取ってるんですね。知らずに、ページ数少ないしミステリーだからと買ったんだけど、読むのに時間がかかった。

のっけから純文学モード爆裂で、奇妙なイメージや思わせぶりなセリフ満載。ありゃ、こりゃ普通のミステリーじゃないな、と頭をシフトさせて読み始めたものの、同時にミスリードしそうな所を探しながらなので、いやー、疲れた。

ミステリーの要素のある純文学は好きなジャンルなんだけど、これに関しては無理矢理くっつけちゃったかなあ、という感じ。ただ、純文学部分の描写とか表現は秀逸だし、ミステリー部分もよく練られている。

湊かなえあたりが書くと下品になっちゃいそうなところを、上品に書ききった力量はさすが。読み方によって、再読三読に耐えられるという意味では、お得な一冊。

読後感は爽やかではないし、人間の狂気を題材にしてるので、人によっては受け付けないかも。

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スマホを落としただけなのに 志駕晃 宝島社文庫

これは怖い。現代の誰にでも起こりうる怖さ。誰もが、被害者にも加害者にもなる可能性があるという怖さ。

基本的なプロットは、SNSを中心とした「なりすまし」や「ハッキング」を使った殺人事件。登場するツール類も現代的であり、犯人の病理も現代的だ。私たちは、こんなにも狂った世界に身を置いているんだと、怖くなる。

まだインターネットがさほど普及していない20年程前に、興味本位でハッカーへの扉を叩いたことがある。扉の向こうは、あってはいけないものがあったし、知ってはいけないものを知ることができた。さすがに怖くなってやめてしまったけど、やめてなかったらこの犯人みたいになってたかもしれない。ああ、怖い。

文体は読みやすいし、題材も面白いので、どんどん読み進められるけど、ミステリーとしてはどうなんだろ。ラストのトリックのための伏線もあからさまだったし。まあ、親切ってことなのかな。

でも、面白いです。推理小説独特の騙された感はないけど、サスペンス色の強いミステリーということで。

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想像ラジオ いとうせいこう 河出文庫

冒頭で、樹の上の人という、イタロ・カルヴィーノの「木のぼり男爵」を彷彿とさせる主人公DJアークが登場する。装置としては完璧だ。

なぜ樹の上の人なのかということは、物語が進むにつれて明らかになっていくが、それとともに小説の中では殊更に語られない映像が怒涛のように押し寄せてくる。日本人ならば、誰もが脳裏に焼き付けている映像だ。

東日本大震災をベースにして、生と死の境界を描く傑作幻想小説。脱帽です。

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世にも奇妙な君物語 浅井リョウ 講談社文庫

タイトルの示す通り、独特の雰囲気で仕掛けがぞくっとする五編からなる短編集。テレビの「世にも奇妙な物語」を思い浮かべると、その世界に入りやすい。

それぞれに味わいの違う五編は、深みは無いものの、仕掛けが巧妙で楽しく読める。小説でなければ表現できない仕掛けが所々にあるのも好感が持てる。

特に最後の「脇役バトルロワイアル」では、それまでの四編の種明かし的な叙述があってニヤリとさせられる。まったく上手い作者だ。

軽く楽しく読める一冊。

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なかなかやん
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