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2020年07月02日

想像ラジオ いとうせいこう 河出文庫

冒頭で、樹の上の人という、イタロ・カルヴィーノの「木のぼり男爵」を彷彿とさせる主人公DJアークが登場する。装置としては完璧だ。

なぜ樹の上の人なのかということは、物語が進むにつれて明らかになっていくが、それとともに小説の中では殊更に語られない映像が怒涛のように押し寄せてくる。日本人ならば、誰もが脳裏に焼き付けている映像だ。

東日本大震災をベースにして、生と死の境界を描く傑作幻想小説。脱帽です。

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