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2020年07月02日

終末のフール 伊坂幸太郎 集英社文庫

5年前に結婚したときに、妻に「電子ピアノを買っていいかな」と聞いた。本当は本物のピアノが欲しいんだけど、入居条件でピアノがダメとなっているからしょうがない。電子ピアノがウチに入った時、妻が「ピアノがウチに来たねえ」と言った。「ピアノじゃないよ、電子ピアノだよ」と私が言うと、妻は素知らぬ顔で「ピアノ」と繰り返した。

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8年後に小惑星が地球に衝突することが公表され、混乱した世の中が、残り2年のところで落ち着きを取り戻したようになった。絶望を前にした平穏を生きる人々を、連作形式で描く。

生と死は、裏返しではない。死は抽象的だ。当たり前だ、死を経験した人はそのことを人に伝えられない、死んでるから。生は、ぐちゃぐちゃとして、どろどろとして、のほほんとした、わけのわからないものだ。わけがわからないから、人は生き続けることができる。

主人公たちは、生き続けることの意味や意義や理由とかを探したりするが、生きるという行為を、わけもわからないまま続けていく。実際、生きるってそんなもんだろうな、と思う。小さな一瞬を、積み重ねていくだけの行為。

こんな形で生と死を描くことができるんだ。さすが、伊坂幸太郎。

終末のフール (集英社文庫) [ 伊坂幸太郎 ]

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感想(218件)


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