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2023年03月30日

私だけの特捜最前線→78「列車大爆破0秒前!〜たくさんのエッセンスが詰まった大傑作」

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※このコラムはネタバレがあります。

今回紹介するのは「列車大爆破0秒前!」です。この作品は放送110回、二谷英明さんの復帰記念作として放送され、特捜最前線のなかでも傑作の一つに挙げてもいいようなドラマです。

二谷さんの復帰については後ほど書くとして、まずはストーリーから紹介していきましょう。ちなみにドラマは一般公募の原案をもとに、メインライターの長坂秀佳氏が脚本を担当しています。

恋人を殺された犯人の復讐

滝刑事(桜木健一)の先輩刑事が、何者かに爆殺されます。現場にいた犯人の車を追う滝刑事ですが、犯人が仕掛けた警察無線妨害装置によって混乱させられ、犯人を取り逃がしてしまうのです。

メンバーが特命課に戻ると、長期出張中だった神代課長(二谷英明)の姿がありました。神代は事件について推理しながら、捜査のヒントを与え、的確な指示を出します。カミソリの名は健在でした。

やがて犯人像が浮かび上がります。5年前に先輩刑事たちとやくざ(辻萬長)との銃撃戦で、通りかかった女性がやくざの弾に当たって殺された事件があり、犯人は女性の恋人だったのです。

刑事2人を殺した犯人は、特命課に「やくざを列車に乗せろ」と指示します。犯人は列車爆破を企み、乗客もろともやくざを殺す気と思わせ、実はライフルで射殺しようと計画していたのです。

桜井刑事(藤岡弘、)が犯人の狙いに気づき、神代課長の機転で犯人はやくざの射殺に失敗します。その直後、駆け付けた特命課員によって犯人は逮捕され、事件は無事解決したのでした。

二谷さんの復帰と長坂脚本の醍醐味

このドラマは1時間番組ではもったいないくらい、さまざまなエッセンスが詰まっています。その最大のものは、何と言っても長期不在だった神代こと二谷英明さんの復帰作ということです。

ドラマでは、神代課長はICPOに長期出張しているとの設定になっていましたが、実はスキー場でのロケで大けがをし、番組から離脱していたのです。その間、桜井刑事の復帰や滝刑事の加入などがありました。

二谷さんの登場場面は、特命課のオフィスだけでしたが、切れ味鋭い推理や的確な指示ぶりを発揮。とくに、ラストのやくざを救った起死回生の策は見事の一言に尽きます。

それから、ドラマの中で次から次へと繰り出されるトリックとどんでん返し。これは長坂脚本の醍醐味でもありますし、特捜最前線ならではの面白さといっても過言ではありません。

冒頭、逃走に使った無線妨害装置の設置場所に「殺された女性へのメッセージ」を込めている点。地名から紅林が名前を読み解き、さらに番地から神代が殺害年月日を言い当てる場面は見事です。

逆探知されることを計算し、アマチュア無線を使って電話を中継させるというトリックを使い、列車爆破と見せかけて、実はライフルを使うという手段の選び方・・・まさに、スリリングな展開を演出しています。

滝刑事の未熟さも見どころ

もう一つ注目したいのは、加入間もない滝刑事が未熟ぶりと人間性を見せるドラマであることです。初対面の神代への挨拶もろくにさせてもらえず、切れ者ぞろいの特命課にあって、滝の要領の悪さはひときわ目立ちます。

滝は、この2回前の作品「午前0時に降った死体!」で特命課に配属されますが、刑事になる動機が「出世をしたいから」で、爆殺された先輩刑事も同じタイプだったことから、影響を受けたものと思われます。

女性が殺された現場で橘刑事(本郷功次郎)と語り合う場面では、先輩刑事を爆殺した犯人への憎しみ、そして「自分が犯人を逮捕する」という思いを橘にぶつけます。

しかし橘から「デカは憎しみで動いちゃだめだぞ」とたしなめられます。神代不在の中で滝を特命課に迎え入れた橘としては、何とか一人前の刑事になってほしいとの思いだったのでしょう。

ところが滝は、やくざを列車に乗せようとした時、やくざの妻と子供を反対ホームに呼び寄せてしまうのです。そして、船村刑事(大滝秀治)に「自分が身代わりになります」とまで申し出る始末。

人間味あふれるシーンではありますが、あまりにも刑事としては未熟で思慮不足と言え、それが自身のラスト出演となる「地下鉄・連続殺人事件!」での大チョンボにつながってしまうのですね(苦笑)

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2023年03月23日

特捜最前線 登場人物コラム「特命課課長・神代警視正」

今週は、ドラマ解説ではなく、ちょっとした小話を書きます。題して「登場人物コラム」。
登場するのは、リーダーである特命課課長の神代警視正です。

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神代警視正を演じるのは二谷英明さんで、言うまでもなく特捜最前線の顔です。太陽にほえろなら石原裕次郎さん、西部警察なら渡哲也さんの役どころでもあります。

ただし、リーダー像は裕次郎さんや渡さんとはかなり異なります。二谷さんの神代警視正は、課長という立場をとても強く意識しているのと同時に、組織の序列にも厳格だと思います。

部下である特命課員には、かなり厳しい面があり、文句を言おうものなら「課長命令だ」の一言で退けます。ただ、この言葉は決して、何かを押し付けるために使っているわけではありません。

一見理不尽な命令であっても、実は捜査の突破口を開いたり、窮地を脱したりするきっかけになることが多々あり、だからこそメンバーもブツクサ言いながら従っているのです。

もう一つ、神代課長は「全責任は私が持つ」という言葉もよく口にします。メンバーに全幅の信頼を置き、ミスやトラブルがあったら自分が守るという姿勢を貫いているのです。

神代課長は警視正という警察組織でも上級官僚にあたる立場ですが、決して自己保身に走ることはありません。いざとなれば、泥をかぶる肝の座った人物として描かれています。

神代課長には、冷静沈着であり、順法精神を貫いているというイメージがありますが、時々メンバーが心配するほど、暴走とも言えるような単独行動を起こすことがあります。

代表的なエピソードは、娘の夏子が射殺された「凶弾II・面影に手錠が光る!」。この回の神代課長の常軌を逸した行動はすさまじいものがあり、二谷さんの鬼気迫る演技が光るドラマでした。
私だけの特捜最前線→7「兇弾、凶弾U〜神代課長の娘とその死」

神代課長が理想的な上司かと問われると、私も即答できないのですが、少なくとも神代課長の下で働けば、仕事の厳しさを学び、スキルアップが図れることは間違いないだろうと思います

今回のコラムはここまでといたします。

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2023年03月16日

私だけの特捜最前線→77「少女・ある愛を探す旅!〜橘刑事の執念の捜査で女性のルーツを見つけ出した!」

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※このコラムはネタバレがあります。

今回は番組後期に放送された作品から「少女・ある愛を探す旅!」を紹介します。戸籍のない女性が登場するドラマで、橘刑事(本郷功次郎)が「戸籍の行方」を探って奔走するというものです。

なお、タイトルでは「少女」となっていますが、登場するのが20歳という設定のため、コラムでは女性とさせていただきます。さすがに少女っていう感じでもありませんので(苦笑)

戸籍のない女性と出会った橘刑事

ビルから飛び降り自殺を図ろうとした女性(原陽子)を保護した橘刑事は、彼女が無戸籍だと知ります。女性はシングルマザーに育てられましたが、母親は女性が中学生の時に男と蒸発してしまったのです。

行方不明の母親は、強盗殺人容疑で指名手配されていたことが判明します。押し入ったスーパーで警官たちと銃撃戦となり、母親が持ち去った拳銃で警官が射殺されたというのです。

母親と蒸発した男が主犯で、すでに逮捕されていました。男は「母親は拳銃を撃っていない」と言い張ります。ただ、警察への不信感があるためか、母親の居所については頑として口を割りません。

事件を再度検証した桜井刑事(藤岡弘、)から、男の言い分通りである可能性が浮上します。母親が隠した拳銃から4発の弾が残っていれば、母親は拳銃を撃っておらず、無実が証明されるのです。

男の自白から、母親の居所が分かりますが、1年前に母親は亡くなっていたのです。それも「警察の方が来たら、お探しのものは実家の古井戸の中にあると伝えて」という言葉を残して・・・

橘刑事は、女性の協力を得ながら、母親の人生とルーツを探し求めていきます。そこには、事件の真相を突き止めるということ以上に、女性に「真の母親の姿を知ってもらいたい」という強い思いが込められていました。

橘はなぜ、戸籍探しにこだわったのか

このドラマは、長坂秀佳氏が脚本を書いており、謎解きを非常に多く盛り込んでいるのが特徴です。それは同時に、地道で丹念な捜査を身上とする橘刑事の真骨頂が発揮できる展開でもあったのです。

特命課が強盗殺人事件のことを知らなかった段階で、橘は「女性の戸籍探しを自分にやらせてほしい」と申し出ます。「殺しなら力を入れるが、小娘の自殺は放っておく・・・それは、平等ではない」との理屈です。

これは私の推測ですが、橘刑事は女性の姿に「自分の子供」と同じ思いを抱いたのではないでしょうか。橘には息子しかいませんが、世代はちょうど同じ。苦労して生きてきた女性を見放せなかったのでしょう。

母親は、男と蒸発してしまったことから、周囲の人に「ふしだらな女」だと見られていました。女性もそんな母親を軽蔑し、挙句の果てには「戸籍なんかいらない」と突っぱねていたのです。

捜査が進むにつれ、母親も実は私生児で戸籍がなかったことが分かります。そして、自分も戸籍のない娘を生んでしまいます。しかも父親である男は莫大な借金を母親に押し付けて行方をくらましていたのです。

母親を知る古い知人たちは「借金を返すために必死に働いた」「男嫌いで通っていた」と語ります。女性は、母親の本当の姿を知ることで自分と向き合い、橘に「戸籍を探し、母の無実を証明する」ことを誓うのです。

感動のラストシーンへの怒涛の展開

長坂脚本の面白さは、謎解きのヒントが得られたと思ったら、それが途絶えてしまい、絶望感の中で次のヒント探しに奔走していく、というドラマの繰り返しにあります。

とくにラストへと向かうシーンでは、女性が口走った方言をきっかけに、母親が拳銃を捨てたと思われる実家の古井戸を探し当てるまでのスピーディーな展開は、まさに見事の一言に尽きます。

そして見つかった拳銃を神代課長(二谷英明)が手に取り、弾が4発残っていたことが確認できた時・・・母親の無実が証明され、それは同時に女性が自分のルーツを見つけ出した瞬間でもあったのです。

なお、このドラマは再放送が見送られた作品だったといいます。おそらく昭和の時代には「無戸籍」をテーマにすることがはばかられたのではと思われます。今見れば、とくに問題はなさそうに思えますが。



この回を含む前後4回には、的場刑事役として渡辺裕之さんが出演しています。ドラマでは、橘刑事と行動を共にしながら、捜査の在り方を学んでいく若い刑事を好演しています。

それから古い知人役として、落語家の橘屋圓蔵さんがゲスト出演しました。場面はわずかですが、立て板に水のごとく、母親の人柄について語るところは、さすが噺家さんですね。

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2023年03月09日

私だけの特捜最前線→76「津上刑事の遺言!〜特捜のフルメンバーが集結した記念すべきドラマ」

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※このコラムはネタバレがあります。

今回は放送350回記念作品として放送された「津上刑事の遺言!」を紹介します。放送当時、唯一の殉職刑事だった津上刑事こと荒木しげるさんを再登場させ、過去のレギュラー刑事もゲスト出演した回です。

交通事故の被害者は青信号で渡ったのか

4年前の細菌爆弾事件で殉職した津上刑事宛に、子供の字で書かれた嫌がらせハガキが特命課に届きます。調べたところ、書いた少年は津上が死んだことを知らず、自分との約束を反故にしたと思い込んでいたのです。

津上が少年と約束したのは、横断歩道を渡っていて車にはねられた父親が、青信号で渡っていたことを証明するというものです。加害者は「歩行者の信号無視」を主張し、その言い分どおりの執行猶予判決が下っていました。

津上は、同じサイクルで稼働していた近くの信号で、老婆が同時に渡っていたことを突き止めていたのです。特命課は総力を挙げて老婆を探しますが、証言を取る寸前で老婆は病死してしまいました。

唯一の手掛かりを失った特命課でしたが、叶刑事(夏夕介)が信号機のサイクルに気づきます。コンピューターによってサイクルを逆算し、事故当時に歩行者信号機が何色だったのかを突き止めていくのです。

加害者を立ち会わせた検証の結果、信号機は青だったことが証明され、加害者も自分が信号無視をして被害者をはねてしまったと自供します。津上と少年との約束は4年越しに果たされたのでした。

キーマンの叶刑事と津上の回想シーン

ドラマのキーマンになるのが、叶刑事でした。津上の後任として入った叶はメンバーで唯一、津上がどんな人物だったのかを知りません。そのことをおやっさん(船村刑事、大滝秀治)に語るシーンがあります。

叶は「自分は何だか焦っている。みんなが燃えているのに、自分だけが冷めているような・・・」と言い、おやっさんに津上がどんな刑事だったのかを問いかけます。

おやっさんは「愛を持って捜査にあたった男だ」と語り、生前の津上がおやっさんの前で「子供との約束は必ず守ります」と誓った時のことを振り返ります。叶は、おやっさんを通して津上という人物を知ったのです。

捜査のキーワードとなる「現場100回」「盲点」は、津上がメモ帳に書き残した言葉でした。警察学校卒業後に特命課に着任した津上が、神代や先輩刑事から教わった「心得」でもあったのでしょう。

橘刑事(本郷功次郎)や桜井刑事(藤岡弘、)の回想の中に、津上と交わした「現場100回」「盲点」という言葉が登場し、これが捜査の突破口になるというドラマの展開は見事の一言に尽きます。

西田敏行さん、桜木健一さんも登場

この作品は、「殉職した津上がやり残していた捜査を特命課が引き継ぐ」というストーリーにしたことで、津上のシーンを回想という形にし、荒木しげるさんがゲスト出演をすることができました。

さらに、放送初回からの津上の同僚だった高杉元刑事こと西田敏行さん、津上の殉職の時に一緒だった滝元刑事こと桜木健一さんという、過去のレギュラー刑事もゲスト出演しています。

仕事をやり残して死んだ津上と、約束をひたすら待っていた少年のために、特命課の誰もが捜査を引き継ぎたいと思っていたでしょう。捜査にあたり、神代課長(二谷英明)は特命課のメンバーにこう告げます。

「交通法規の無視も、我々が日頃取り扱っている事件と同等だ」。つまり、被害者が信号を守っているのなら、加害者が信号無視をしたわけで、法を守る者として見逃すことはできないという姿勢を表したのです。

ともすれば、「津上の遺志を継ぐ」という視点になりがちなドラマの展開なのですが、特命課が単なる交通事故をなぜ再捜査するのか、という「大義名分」を与えているところに長坂秀佳脚本の妙があると思います。



ラストシーンは、山口百恵さんの「いい日旅立ち」をバックに、雪の中を走ってきたり、夕景で手を振ったりする津上が現れます。夕景のシーンは、津上殉職編のラストに登場した場面を使っています。

そこへ重ねるように「津上、これでお前も安心してゆっくり眠れるな」というナレーション。あえて、西田敏行さんに語らせた演出は素晴らしく、ドラマのフィナーレを見事に飾ってくれました。

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2023年03月02日

私だけの特捜最前線→75「制服のテロリスト達!〜人間・津上明を描き切った作品

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※このコラムはネタバレがあります。

今回紹介するドラマ「制服のテロリスト達!」は津上刑事(荒木しげる)が主演で、ラストシーンを中心に全編にわたって人間味あふれる若き刑事の姿を見せてくれています。

暴力団を狙うテロリストとは?

暴力団員が拳銃で撃たれる事件が起き、その容疑者として現職の若手警察官(佐藤仁哉)が浮上。彼は、数年前の事件で津上刑事と捜査をしたことがあり、とても正義感の強い警察官です。

数年前の事件では、真犯人とにらんだ暴力団幹部が組員を替え玉に使って罪を逃れていました。幹部を捕まえるのには証拠が不十分で、警察官は「証拠第一主義」の警察の捜査に憤っていたのです。

やがて、暴力団事務所が何者かに襲われ、組員が殺されるだけでなく、覚せい剤まで奪われる事件が発生します。津上は、犯行グループに警察官が加わっているとみて、彼を逮捕するために近づきます。

警察官は「誰かが泥水をかぶらなければいけない」と主張しますが、津上に「覚せい剤を強奪するような者は殺人警察官だ」と非難されます。ところが警察官は、強奪した事実は知らなかったのです。

それを確かめるため、津上を振り切って行方をくらます警察官。津上の追跡を邪魔した彼の恋人は「あの人は覚せい剤も暴力団も憎んでいた。強奪などするはずがない」と涙ながらに訴えたのです。

翌日、警察官は死体となって発見され、津上も主犯格の警察官(磯村健治)に狙撃されます。事件は、警察機構や捜査の在り方に不満を持つ若い警察官たちの犯行の疑いが強まっていきました。

法に従うのが警察官の務め

このドラマのテーマになっているのは「警察官の職務権限とは何か」ということです。特命課の執務室で、神代課長(二谷英明)をまじえた刑事たちの会話の中で問題提起されます。

おやっさんこと船村刑事は、若い警察官たちが「証拠第一主義や暴力団員でも人権を守るということに不満を漏らしている」現状を説明し、津上は「彼らの気持ちが分からないでもない」と同調します。

「それは間違っている」と、間髪入れずに神代課長が口をはさみ、「人間の社会には秩序が必要で、それを決めるのが法律。あくまでも法に従って人を裁くのが我々の任務だ」と諭したのです。

この姿勢は、ラストシーンでより鮮明に描かれます。主犯格の警察官を追い詰め、「ぶっ殺してやる」と拳銃を突きつける津上。正義感を利用し、己の私利私欲に走った主犯格への怒りをあらわにします。

その前に立ちはだかったのが神代です。神代は「お前も殺人警察官になってしまうぞ」と諫めます。激しい怒りのままに「俺はどうなってもかまいません」と叫ぶ津上。と、その時、神代は津上に鉄拳を食らわしました。

刑事として津上がすべきことは、主犯格を殺すのではなく、逮捕して法の裁きを受けさせることなのです。それが分かっていても、怒りに任せて行動してしまった津上を見る神代の目は、どこか寂し気な感じがしました。

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プロフィール
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マイケルオズ@フリーランスライター
「特捜最前線」がマイブームになっているオヤジです。リアルタイムの頃は津上刑事より若かったのに、今はおやっさんよりも年長者になりました(苦笑)
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