2016年11月15日
アガサ・クリスティから (76) (ミス・マープルと十三の謎*@-4)
(ミス・マープルと十三の謎*@-4)
「それでこの事件はまったくもやに包まれてしまったというわけですな。」
教区の牧師であるペンダー博士が言った。
「そう、もやにつつまれてしまったんです。何も根拠がないのにジョーンズを無理に逮捕するわけにもいきませんからね。」
ヘンリー卿は重々しく言った。
沈黙が一座を流れたが、やがてジョイスが口を開いた。
「そこでおしまいですの?」
ヘンリー卿はジョイスの問いを受けて、説明した。
昨年中は、事件はそこで立ち止まってしまった。
ところが今は、真相がロンドン警視庁の手中にあると。
二〜三日後には、きっと新聞にも載るはずであるらしい。
「真相ね。」
ジョイスが考え込んだ。
「さて、どういうことかしら。五分間、皆で考えましょうよ。それから発表しましょう。」
レイモンド・ウェストはうなずいて腕時計を見た。
五分経つと、彼は牧師であるペンダー博士をうながした。
老人は首を振って言った。
「実を申しますとな、わたしはまったく、こんぐらがってしまいまして。」
彼は、やはり夫があやしいように思うと言った。
どういう風にそれをやったのか?
ただ何らかの方法で、今まで分からなかったような方法で、妻に毒を盛ったのに違いないと。
どうして、その真相が今になって明るみに出たのかは、想像もつかないと述べた。
「ジョイスは?」
「お相手役(コンパニオン)ですわ!」
ジョイスは、きっぱりと言った。
「お相手役(コンパニオン)に決まっているわ!どんな動機があったか?というとね、・・・・・」
(次号に続く)
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