2016年08月14日
アガサ・クリスティから (58) (作者アガサ・クリスティ自身のミステリー*失跡事件その2)
(作者アガサ・クリスティ自身のミステリー*失跡事件その2)
【Agatha Eleven Missing】と呼ばれているアガサ・クリスティ失踪事件は、1926年12月3日金曜日の夜、行先も告げず車で出かけたまま、11日間、女流推理小説家アガサ・クリスティが行方不明だった事件を指す。
ミステリー界に残る謎の失踪事件であった。
当時、アガサ・クリスティは6社もの出版社から断りを経たのち、苦労して作家としてデビューをつかみ、失踪事件同年に出版した「アクロイド殺害事件」で注目を浴びていた売り出し中の推理小説作家であった。
(*「アクロイド殺害事件」は本ブログのアガサ・クリスティからBアクロイド殺害事件#その@〜アガサ・クリスティからC アクロイド殺害事件#そのAを参照)
そのトリックは本ブログでも取り上げさせて頂いたが、当時の推理ミステリー小説界および推理ミステリー作家をも賛否両論の渦に巻き込むほどの話題作でもあった。
その作品の稀有さと勝るとも劣らない謎の失踪事件を推理小説家であるアガサ・クリスティ自身が、現実に起こしたのである。
当時の大騒ぎぶりは想像かたくない。
今もっていくつかの説が残りつつも、当事者であるアガサ・クリスティは没するまで一切、口を開かないまま終わった謎の失踪事件でもあった。
真相は、死後も謎のままなのである。
いくつかの仮説が残ってはいるが・・・・・。
どれも肯定すべき確たる証拠も、否定すべき確たる証拠もないのである。
謎・・・・・が残ったのである。
当時も今も彼女の失踪事件に関する謎は残ったままなのだが、夫であった元空軍大佐アーチボルド・クリスティとの関係が間違いなく引き金となっているという見解は変わりないように思われる。
かなり昔の話で、今から90年前のことであるのだが、人の気持ちは変わらないものなのかも?知れない。
つまり今も有り得るような?夫婦関係のもつれが原因になっているようなのだ。
年下の夫アーチボルト・クリスティは、空軍大佐を退役後、新しい仕事(金融関係)に就いていた。
しかし仕事は順調とは言いがたく、自尊心を傷つけられる中、地元ゴルフクラブで10歳年下であるナンシー・ニールという女性と恋に落ちる。
いわゆる不倫関係となるのだった。
一方のアガサは、1926年の早春、最愛の母が亡くなる。
アガサはひどく落ち込んでいた。
なお悪いことに夫婦仲はしだいに悪くなり、そのうえ既に愛人を作っていた夫から、離婚も迫られるようになっていた。
まだ幼少期であった夫婦の一人娘のロザリンドのこともあり、二人は一緒の生活を継続しやり直すことにしたが、うまく行かずに夫婦仲は大きな不和と亀裂に陥っていた。
そんなある日の夜、正式には1926年12月3日(金)午後9時45分頃にアガサは、行先も告げないままに車で出掛けたまま・・・・・行方不明になってしまったのである。
ロンドンのパーティから帰宅したアガサの秘書兼娘の家庭教師でもあったシャーロットは、おろおろしているメイドからアガサの外出を聞き、夫との不和のこともあったアガサを随分と心配した。
(当時、アガサは家事はメイドを雇い、仕事の秘書(兼 娘ロザリンドの家庭教師)であるシャーロットをロンドン近郊の田園都市サニングデールの大邸宅に家族と共に住まわせていた。
ちなみにこの邸宅の名をスタイルズ荘という。アガサの処女作の「スタイルズ荘の怪事件」と同名である。)
クリスティ家の内情をよく知っていたシャーロットはいろいろ心配した挙句、徹夜でアガサの帰りを待ったが、彼女はその日から行方不明になってしまったのである。
(次号に続く)
にほんブログ村
最大60,000円キャッシュバック!【ソフトバンク光】
保険を見直して家計を節約!ほけんのFP
コチラ
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/5333716
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック