2016年05月30日
アガサ・クリスティから (50) (茶色の服を来た男*その29)
(茶色の服を来た男*その29)
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「すると、ミス・ペティグルーかね?」と、わしは大声で言った。
「そうです。あの方が、アグラサト郷土物産館から出てくるところを、見られています。」
「いい加減にせんかい?」
サー・ユーステス・ペドラーはさえぎった。
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そして自分もこの午後、郷土物産館を見に行ったことを言い、ジョバーグという街は、どんなつまらんことをしても、すぐに疑惑の目で見られるらしい。と言った。
「そうなんです!彼女の場合は見つかったのが、一度や二度ではないんです。・・・しかもそれが、いかにも疑われやすい時になんですよ。これは、ここだけの話なのですが、サー・ユーステス、あそこは今度の革命の背後にいるある組織が、連絡場として使うので知られているのですよ。そういう訳で、あのご婦人については、出来るだけ詳しくお聞かせ願いたいのです。どこで、そしてどういう手づるで、あの方をおやといになったのでしょうか?」
「彼女はわしが借りているんだよ。」
と、サー・ユーステスはひややかに答えた。
「お国の政府からな。」
役人はすっかり参ってしまった。
(アンの話、つづき)
キンバリーに着くと、アンはスーザンに電報を打った。
スーザンはすぐに迎えに来てくれた。
アンが思うよりも、スーザンをアンを心配してくれていたのだった。
アンはスーザンに今までのことを話して聞かせた。
スーザンは、レイス大佐はアンの花婿にふさわしいと考えていたが、アンが「滝」から消えていなくなった晩から、信じなくなったらしい。
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「ねえ、アン、気を悪くしないでね。でもその青年の言うことが真実だと何故わかるの?あなたはその男の言うことを一言一句、信じているわよね?」
「もちろん、そうよ。」
アンはむっとして答えた。
「でも、あの人のどこに惹かれるの?いかにも向こう見ずって感じの男前と、石器時代の女たらしがひょっこり出てきたような口説き方をするという以外には、ここぞという良いところなんかないんじゃないの?」
何分間の間、アンはスーザンにさんざん怒り散らしていた。
「結婚なんかして、でぶでぶに太ちまっているあなたなんかには、ロマンスなんか分からないのよ。」
スーザンは太っていない。と否定した。
そして実は、夫のクレアレンスとも実はうまくいっていないことを話してくれた。
夫から立て続けに(すぐ帰れ)という電報が来たがほっておいたら、それから二週間も全然、電報が来なくなったらしい。
彼女は彼女なりに夫を愛しているらしかった。
またスーザンは「滝」からアンが居なくなってからレイス大佐を疑い始め、自分がダイヤを持っていることが危険だと思ったらしい。
![image.jpeg](/mysterytour/file/image/image-03ceb-thumbnail2.jpeg)
こっそりアンの耳元で、その隠し場所を教えてくれた。
どうやらサー・ユーステスに預けた荷物の中にあり、その荷物は梱包されてパジェットに送られ、保管されているらしい。
アンはそのダイヤの隠し場所はベストだと思った。また今は動かさない方が良いとも考えた。
アンが怪しんでいたパジェットは、ケープタウンに残されたままになっていたが、やっと列車に乗り、ヨハネスブルグにいるサー・ユーステス・ペドラーと合流することを許されたらしい。
そういう訳で、アンは一緒に行きたがっていたスーザンを残して、ケープタウンからヨハネスブルグに向かう列車の途中下車駅でパジェットを見つけた。
![image.jpeg](/mysterytour/file/image/image-842e6-thumbnail2.jpeg)
ケープタウンから来た列車が、ヨハネスブルグに向かう途中停車のわずかな時間だった。
アンに出逢ったパジェットは行方不明だと聞いていたので、びっくりしていた。
アンは単刀直入にあの日、1月8日、マーロウで何をしていたのか?を聞いた。
パジェットが興奮して言おうとしていた。
「つまり、その、ミス・ベディングフェルド・・・私は・・・本当に・・・。」
それから、いくら話しても、ラチがあかなかった・・・。
パジェットは、あの日、マーロウにいたことをしぶしぶ認めたが、何故、居たのか?に答えないままに サー・ユーステスは知っていたはずだ。サー・ユーステスに見られた。サー・ユーステスは冗談めかして、その件でいじめている、あのような地位にある方は私の立場に立つことは難しい・・・などと、どんどん話は迷走して行った。
もうすぐ停車時間も過ぎ、列車は発車する間際であった。
パジェットの話は迷走のままに、いくら経っても核心に到達しそうもなかった。
時間がない・・・アンは焦った・・・もう、やぶれかぶれだった。こんな男には、どうしたらいいのかわからない。
「どうしても私に言うのが恐ろしい、恥ずかしいというんなら、しかたがないわね・・・」
アンは、意地悪く言った。
結局、やっとこれが聞いたらしい。
パジェットが、とたんに緊張して、顔が赤くなった。
「恐ろしい、ですって?恥ずかしい、ですって?あなたの言う意味がわからん。」
「じゃあ、話してちょうだい。」
彼は3つの短い文章で、話して聞かせてくれた。
アンはついにパジェットの秘密を知ったのだ!
それはアンが考えていたところとは、全然、違っていたのである。
アンがゆっくり歩いて、ホテルに戻ると電報が届いていた。
電報には、ヨハネスブルグの駅に来るように、駅には車が迎えに出ているという、詳細な指令が書いてあった。
サインはAndyではなく、ハリーとなっていた。
アンは、ある重大なことを考えるために、椅子に座った・・・。
(次号に続く・・・次回はいよいよ、国際犯罪組織の謎のボス”大佐”が登場します。”大佐”=”彼”の正体とは?)
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