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2016年04月11日

アガサ・クリスティから(32) (茶色の服を着た男#その11)


(茶色の服を着た男#その11)

明日、南アフリカに上陸するという前の晩。
アンは何者かに船の甲板で襲われ、レイバンに助けられた。




ここからは、(サー・ユースタス・ペドラーの日記)に入るが、実は彼は前にも色々、彼から見た日々を綴っている。

長くなるので、割愛しているが、真面目すぎる秘書のパジェットの融通が利かなくて、少々、困っていたり、乗船してからレイバンが船酔いと称して出てこないのを不審がっていたり、チチェスターのそばを通った時、足元に落ちていたメモを拾って渡した際、ひとこともお礼を言わなかったり・・・そういった日々を綴っていた。

ちなみにチチェスターの紙片の文字を見たらしい。
たった一行。
「単独行動を辞めろ。でないと、ためにならんぞ。」

牧師がこんなものを持っているとは、面白いではないか。このチチェスターというやつ、いったい何者なのだろう?外面はミルクのように柔和である。しかし、外面では分からない。
あとでパジェットにきいてみよう。パジェットなら何でも知っている。

この後、サー・ユーステス・ペドラーはこういう風にも綴っている。

パジェットのやつが、フィレンツェでどんな悪さをしたのか、そいつが知りたい。
話がイタリアになると、あいつは決まってしどろもどろになる。あいつがあんなにくそ真面目だということを知らなかったら・・・・・そうだ、わしはきっと、あいつにみっともない情事でもあったんだろうと思ったに違いない・・・・・。
どうもわからん。これ以上のものはいないという真面目な人達が・・・・・本当にそうなんだとしたら、これ以上愉快なことはない。
パジェット・・・・・あいつに後ろ暗い秘密がある!素晴らしいことだ!





ここからは、キールモーデン・キャッスル号を降りてからの彼の日記である。

(サー・ユーステス・ペドラーの日記)
ケープ・タウン、マウント・ネルソン・ホテルにて

キールモーデン号からおりて、まったくほっとした。

image.jpeg

あの船に乗っていた間中、陰謀のあみにとりまかれているような気がして、ならなかった。
ゆうべこそは、ガイ・パジェットのやつ、酔払って喧嘩をしたのにちがいない。

あいつがどう言い訳しようと、事実はそうだったにちがいないのだ。
だって、頭の脇のところに卵くらいの大きさのこぶをこしらえて、まるで虹のような七色の目をした男が、転がり込んでくりゃあ、誰だってそう思うじゃないか?

もちろん、パジェットは、雇い主であるサー・ユーステス・ペドラーに、いっさいを不思議な出来事のように説明した。

image.jpeg

要約すると、パジェットは真夜中に挙動不審な男を見かけた。
夜中にサー・ユーステス・パドラーの電報の処理や日記をタイプしたりして仕事をしていた時らしい。
その挙動不審な男はサー・ユーステス・ペドラーの部屋から出て行ったので、怪しく思い、付けて行った。
その通路には、サー・ユーステス・ペドラーの部屋とレイス大佐の部屋しかなく、不審者がうろついていると思ったらしい。

パジェットは男はレイバンだと確信したという。

「彼はレイス大佐のところへ行こうとしたものと思います。秘密の会合・・・・・命令でも伝えに!」

image.jpeg

サー・ユーステスは言った。「お前の言ってることはめちゃめちゃだよ。どうしてあの二人が夜中に密談しなきゃならんのだ?相談があるなら、ビーフ・ティを飲みながらでも、ゆっくりとやれるじゃないか。」

しかしパジェットは耳を傾けようともしないようすだった。

何事かが昨日、起こっていてレーバンが乱暴に襲いかかってきた。というのだった。

雲をつかむような話の中で、その点ではパジェットは絶対に確信を持っているようだった。

「ともかく何もかもがおかしいのです。何よりもまずレーバンはどこへ行っているのでしょう?」

上陸して以来、レイバンは姿を現さないということは、まさに事実だった。彼はわれわれと一緒にホテルには来なかった。

すべてが面白くないことばかりだ。秘書の一人は雲隠れをしてしまったし、いまひとりは、頭に妙なご褒美をちょうだいしているときている。
あのままでは、連れて歩くわけにはいかん・・・・・ケープ・タウン中のお笑い草になってしまうだろう。

しばらくしたら、ミルレーから預かっている≪ラブ・レター≫届けに行く約束があるが、パジェットは連れて行かないことにしよう。
あいつのこそこそした態度は、どうもがまんができん。
というわけで、わしは不機嫌このうえなかった。





しばらく後

重大なことが起こってしまった。
わしは約束通り、ミルレーから預かってきた封書を持って、首相と会見しに行った。

ところが、封書の箱にはこじあけたような形跡はないのに、中身は何も書いていない白紙が1枚だった!

image.jpeg

(茶色の服を着た男#その12に続く)



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